このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新撰組異聞外伝 〜 小暑の頃 〜


〜 改訂版 〜


はじめに。

今回の物語は、後書きまで含めると、原稿用紙で約33枚の物語になります。

当サイトでは本来だと中編として掲載します。

今回の物語は、藤田五郎さんと敬一君が登場する他の短編の物語と関係があるため、短編で掲載する事にしました。

以上の点、ご了承ください。


では、物語の世界へどうぞ。




*      *      *      *      *      *




ここは、東京の町。


梅雨も明けて本格的な暑さが始まる気配を見せ始めた。


ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。


沖田総司の息子の敬一が元気良く訪れている。


ここは、藤田五郎の部屋。


藤田五郎は普段と変わらずに過ごしている。


敬一の元気の良い声が、部屋の外から聞こえてきた。

「こんにちは! 敬一です!」


藤田五郎は障子を普通に開けた。


敬一が笑顔で立っている姿が見えた。


藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


敬一は藤田五郎に軽く礼をすると、部屋の中に元気良く入ってきた。


藤田五郎は障子を閉めると、敬一に普通に話し出す。

「敬一。少し休め。剣道の道具の手入れは、少し経ってから始める。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「僕は直ぐに始めて大丈夫です!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


藤田五郎と敬一は、部屋の中に剣道の稽古の道具を置いた。


敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「僕は稽古を就けてもらう立場なのに、道具の手入れや稽古の前の道具の確認がほとんど出来なくて申し訳ありません。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一は俺の家の近くに住んでいない。敬一が俺と一緒に道具の管理や手入れをしていたら、稽古の時間が減る。敬一は剣を学ぶ者にとって道具の確認や手入れが大事だと理解している。気にする必要はない。」

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を手に取ると、真剣な表情で確認を始めた。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。


敬一は藤田五郎に竹刀を差し出すと、真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん。竹刀に小さいひびが入っています。」

藤田五郎は敬一から竹刀を受け取ると、普通の表情で確認を始めた。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は竹刀を見ながら、敬一に普通に話し出す。

「確かに小さいひびが入っている。」

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は竹刀を少し離れた所に普通に置いた。

敬一は別な竹刀を手に取ると、真剣な表情で確認を始めた。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に竹刀を差し出すと、真剣な表情で話し出す。

「竹刀に傷やひびはないと思います。確認をお願いします。」

藤田五郎は敬一から竹刀を受け取ると、普通の表情で確認を始めた。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は竹刀を持ちながら、敬一を見ると、普通に話し出す。

「敬一の言う通り、竹刀に傷やひびは無い。」

敬一は別な竹刀を手に取ると、真剣な表情で確認を始めた。

藤田五郎は竹刀を脇に置くと、敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に竹刀を差し出すと、真剣な表情で話し出す。

「竹刀にささくれがあります。ささくれを直したいと思います。」

藤田五郎は敬一から竹刀を受け取ると、普通の表情で確認を始めた。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は敬一に竹刀を差し出すと、普通に話し出す。

「敬一の言う通り、ささくれがある。」
敬一は藤田五郎から真剣な表情で竹刀を受け取った。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は真剣な表情のまま、竹刀のささくれを丁寧に直し始めた。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見ている。

敬一は竹刀のささくれを直すのを止めると、藤田五郎を見て、不思議そうに話し出す。

「ささくれの直し方を間違っていますか?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「道具の確認や修理する姿が、総司に良く似ている。」

敬一藤田五郎に嬉しそうに話し出す。

「お父さんに似ているのですか?!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は直ぐに真剣な表情に戻ると、竹刀のささくれを直す続きを始めた。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。


敬一は藤田五郎に竹刀を差し出すと、真剣な表情で話し出す。

「竹刀のささくれを直しました。確認を願いします。」

藤田五郎は敬一から竹刀を受け取ると、普通の表情で確認を始めた。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は竹刀を持ちながら、敬一を見ると、普通に話し出す。

「しっかりと直してある。」

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は竹刀を脇に置くと、敬一に普通に話し出す。

「敬一は以前に三段突きが見たいと話していたな。」

敬一は藤田五郎に不思議そうに話し出す。

「はい。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「良い機会だから、敬一に三段突きを見せる。」

敬一は藤田五郎を驚いた様子で見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「驚く話しではないだろ。」

敬一は藤田五郎に嬉しそうに話し出す。

「ぜひ三段突きを見せてください!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を嬉しそうに見た。


藤田五郎は刀を普通の表情で用意した。

敬一は藤田五郎と刀を見ながら、不思議そうに話し出す。

「斉藤さんの刀でもお父さんの刀でもありませんね。」

藤田五郎は刀を持ちながら、敬一に普通に話し出す。

「どちらも敬一にとって大切な刀だ。今回は別な刀を用意した。」

敬一は藤田五郎を不思議そうに見た。

藤田五郎は刀を持ちながら、敬一に普通に話し出す。

「稽古着に着替えよう。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「はい。」

藤田五郎は刀を普通の表情で脇に置いた。


それから少し後の事。


ここは、稽古場。


藤田五郎と敬一は、稽古着を着ている。

藤田五郎は刀を普通の表情で身につけている。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見ている。

藤田五郎と敬一の前には、巻き藁が有る。


藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「巻き藁を人だと思え。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で頷いた。

藤田五郎は普通の表情のまま、鞘に手を掛けた。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。


藤田五郎は鞘に手を掛けると、瞬く間に刀を引き抜き突きの構えになった。

掛け声と共に瞬く間に刀を引き抜きながら三回突いた。


敬一は藤田五郎を驚いた表情で見た。

藤田五郎は刀を鞘に戻すと、敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎を驚いた表情で見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「これが総司の行なっていた三段突きだ。」

敬一は藤田五郎に驚いた表情で話し出す。

「余りに速過ぎて、刀を三回も突いたように見えませんでした。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司の突きは更に速かった。」

敬一は藤田五郎に驚いた様子で話し出す。

「お父さんは更に速いのですか?!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎に僅かに驚いた様子で話し出す。

「斉藤さんも三段突きを行なっていたのですか?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「俺には必要の無い技だから、数える程度しか三段突きを行なっていない。」

敬一は藤田五郎に不思議そうに話し出す。

「必要のない技?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司は剣術に関して天才的な才能があった。総司は痩せていて動きが素早かった。三段突きは総司の特長を生かした技だ。俺は総司のような三段突きは出来ない。実践で自分に合わない技を使う程の余裕はない。だから数える程しか三段突きを行わなかった。」

敬一は藤田五郎に不思議そうに話し出す。

「お父さんは痩せていて動きが早かったのですか?」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を不思議そうに見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司は三段突きが出来るほどに動きが素早かった。抜刀術に関しても天才的な才能があった。相手の動きを見てから、一番勢いのある一太刀目で相手を斬りにいった。自分から斬りかかる事は少なかった。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「僕もお父さんのように三段突きが出来るほど強くなりたいです。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司には総司の特長を生かす剣の技がある。敬一には敬一の特長を生かす剣の技がある。今の敬一は、三段突きの技術の習得を目指すより、敬一自身の特長を生かす剣の技を見付けるのが先だ。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「僕の特長を生かす剣の技とは、どのような剣の技なのでしょうか?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「俺は手伝えても教えられない。敬一が自分自身で見付けるんだ。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さん。もう一度だけ三段突きを見せてください。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「もう一度だけ三段突きを行なう。当分は三段突きを行なわないと思う。しっかりと見てみておけ。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で頷いた。

藤田五郎は鋭い表情で刀の鞘に手を掛けると、瞬く間に刀を抜いた。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。


それから少し後の事。


ここは、藤田五郎の部屋の前に在る縁。


藤田五郎と敬一は、稽古を終えたので部屋に入ろうとした。


時尾が藤田五郎と敬一の近くに微笑んで来た。


藤田五郎は刀を持ちながら、時尾を普通の表情で見た。

敬一は時尾に微笑んで軽く礼をした。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「お菓子を用意したの。時間があれば食べていってね。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「今日は着替え終わったら直ぐに帰ろうと思っています。だから、お菓子は勉君に・・・」

藤田五郎は敬一の話しを遮ると、刀を持ちながら、普通に話し出す。

「敬一。遠慮はするな。」

敬一は話しを止めると、藤田五郎を僅かに驚いた表情で見た。

藤田五郎は刀を持ちながら、時尾を見て、普通に話し出す。

「これから俺と敬一は着替える。お茶と菓子は、適当な時間に部屋に持ってきてくれ。」

時尾は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。

藤田五郎は刀を持ちながら、部屋の中へと普通に入って行った。

敬一は藤田五郎の後に続いて、僅かに慌てた様子で部屋の中に入って行った。


それから少し後の事。


ここは、藤田五郎の部屋。


藤田五郎と敬一は、元の服を着ている。

藤田五郎の前にはお茶が、敬一の前にはお茶とお菓子が置いてある。


敬一はお菓子を美味しそうに食べている。

藤田五郎は敬一を見ながら、お茶を普通の表情で飲んでいる。


部屋の外で風が吹いた。


ガラスの風鈴の音が涼しげな音を鳴らした。


敬一はお菓子を食べるのを止めると、藤田五郎に不思議そうに話し出す。

「ガラスの風鈴が鳴りましたね。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「以前に買ったんだ。」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「ガラスの風鈴は綺麗な音ですよね! お母さんがガラスの風鈴を大事にしています! お母さんはガラスの風鈴をとても嬉しそうに見ています!」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「がらすの風鈴を敬一にやる。」

敬一は藤田五郎に不思議そうに話し出す。

「僕が頂いても良いのですか?」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎に嬉しそうに話し出す。

「お母さんも喜ぶと思います! 大事にします! ありがとうございます!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を嬉しそうに見た。


藤田五郎は部屋の外へと普通に出て行った。


敬一は藤田五郎を嬉しそうに見た。


藤田五郎がガラスの風鈴を丁寧に持ちながら、部屋の中に入ってきた。


敬一は藤田五郎とガラスの風鈴を嬉しそうに見た。

藤田五郎はガラスの風鈴を丁寧に何重にも包んだ。

敬一は藤田五郎を嬉しそうに見た。


藤田五郎はガラスの風鈴を包み終わった。

敬一は藤田五郎を嬉しそうに見た。

藤田五郎は敬一に包みを普通に差し出した。

敬一は包みを嬉しそうな表情ではあるが、丁寧に受け取った。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は包みを丁寧に持ちながらも、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 帰ります! 今日はありがとうございました!」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「玄関まで一緒に行く。」

敬一は包みを丁寧に持ちながらも、藤田五郎に嬉しそうに話し出す。

「お願いします!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


敬一は包みを丁寧に持ちながらも、部屋から笑顔で出て行った。

藤田五郎は部屋から普通に出て行った。


それから少し後の事。


ここは、藤田五郎の部屋の前に在る縁。


藤田五郎は立ち止まると、庭を普通の表情で見た。


季節はずれの桜の花が満開になって咲いている。


藤田五郎は普通の表情で横を見た。


沖田総司は藤田五郎を笑顔で見ている姿がある。


藤田五郎は障子を開けると、部屋の中に普通に入って行った。

沖田総司は藤田五郎の後に続いて、部屋の中に微笑んで入って行った。


ここは、藤田五郎の部屋。


藤田五郎は障子を開けたまま、普通に座った。

沖田総司は藤田五郎の横に微笑んで座った。


藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! こんにちは!」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に寂しそうに話し出す。

「やっと話しが出来るのに嬉しくないのですか?」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「何度も話しをしているから、やっと話しが出来たと思えない。」

沖田総司は藤田五郎を苦笑しながら見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「あのがらすの風鈴は無事だったのですね。嬉しいです。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんに渡すために持っていた。敬一の存在を知ってからは、敬一に渡すと決めた。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「話しは変わりますが、斉藤さんが敬一に三段突きを見せるとは思いませんでした。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の三段突きを知っていて、実際に三段突きが出来る人物は限られている。敬一に三段突きを見せるつもりではいたが、時期については決めかねていた。先日の話しになるが、敬一と三段突きの話しをした。良い機会だと考えて、敬一に三段突きを見せた。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一には深く印象に残ったようですね。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「当分の間は、敬一に三段突きを見せるつもりも学ばせるつもりもない。今の敬一が三段突きを行なうのは無理だと本人も分かっている。」

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「私が行なう三段突きの方が早いですね!」

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「私の行なう三段突きが一番です!」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「当然の話しをするな。」

沖田総司は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「いつもたくさんの気遣いありがとうございます。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「礼を言われるほどの事はしていない。」

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「そろそろ時間のようです。 また会って話しが出来るのを楽しみにしています。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は微笑みながら静かに居なくなった。


藤田五郎は庭を普通の表情で見た。


桜は季節どおりの姿に戻っている。


藤田五郎は普通の表情で障子を閉めた。


それから少し後の事。


ここは、敬一と母親の美鈴の住む家。


縁の傍。


美鈴は微笑んで縫い物をしている。


敬一の元気良い足音が聞こえた。


美鈴は縫い物を微笑んで止めた。


敬一は包みを丁寧に持ちながらも、美鈴の前に笑顔で現れた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「お帰りなさい。」

敬一は包みを丁寧に持ちながらも、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! ただいま!」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「包みを大事に持っているのね。中身は何が入っているの?」

敬一は美鈴に包みを丁寧に差し出しながらも、笑顔で話し出す。

「斉藤さんからもらったんだ! お母さんも気に入るはずだよ!」

美鈴は敬一から包みを微笑んで受け取った。

敬一は美鈴を笑顔で見た。

美鈴は微笑みながら、包みを丁寧に広げた。

敬一は美鈴を笑顔で見ている。

美鈴は広げた包みを見ると、驚いた表情になった。

敬一は美鈴を不思議そうに見た。

美鈴は敬一を見ると、微笑んで話し出す。

「このがらすの風鈴は、敬一が斉藤さんからもらったのよね。お母さんは既にがらすの風鈴は持っているわ。敬一が大切に持っていなさい。」

敬一は美鈴に不思議そうに頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。二つのがらすの風鈴を大切に持っていましょうね。」

敬一は美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は笑顔ではあるが、ガラスの風鈴を丁寧に取った。


美鈴は微笑みながら、家に飾ってあるガラスの風鈴を丁寧に取った。


敬一はガラスの風鈴を丁寧に持ちながらも、美鈴を笑顔で見た。


美鈴はガラスの風鈴を丁寧に持ちながら、敬一の傍に微笑んで来た。


敬一は微笑みながら、ガラスの風鈴を軽くゆすって綺麗な音を鳴らした。

美鈴も微笑みながら、ガラスの風鈴を軽くゆすって綺麗な音を鳴らした。

敬一はガラスの風鈴を丁寧に持ちながら、美鈴を微笑んで見た。

美鈴もガラスの風鈴を丁寧に持ちながら、敬一を微笑んで見た。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載されている物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

「小暑(しょうしょ)」は、二十四節気の一つです。

七月七日頃、及び、七月七日頃から大暑までの期間をいいます。

梅雨が明けて本格的な暑さが始まる頃です。

この日から、夏らしい暑さになる「暑気」に入ります。

「暑中(しょちゅう)」は、「夏の暑さの厳しい期間。夏の土用の18日間。」をいいます。

蓮の花が咲き始める頃になります。

蝉が鳴き始める頃にもなります。

小暑から立秋、または、大暑から立秋までの期間に、暑中見舞いを出すようにします。

「ガラスの風鈴」は、江戸時代には高価な物だったそうです。

明治時代になると少しずつ値段が下がってきて、明治中期頃になると買いやすい値段になってきたそうです。

今回は「ガラスの風鈴」について簡単な説明とさせて頂きました。

今回の物語を書いたきっかけの一つに、敬一君に「三段突き」を見せたいと考えた事があります。

剣道の経験者の方に確認を取ると、身体能力が高くて剣の才能があれば出来るだろうとの返事がありました。

三段突きを出来るのは、斉藤一さん(藤田五郎さん)しかいないだろう考えました。

沖田総司さんは天才的な剣の腕前といわれています。

沖田総司さんといえば、三段突きが有名です。

簡単な説明になりますが、三段突きは、刀を相手に突き刺して戻しながら刀を突く技です。

留めを刺していてもいなくても三回突きます。

沖田総司さんは、掛け声と共に一回にしか見えない速さで三段突きを行っていたそうです。

沖田総司さんは、自分からは余り攻撃を仕掛けなかったそうです。

相手が刀を抜いてから、沖田総司さんは刀を抜いて、刀を抜いた勢いで相手に攻撃をしていたそうです。

いろいろと分からない事があって、剣道の経験者の方に、三段突きの事、相手の攻撃を見てから攻撃を始める事、沖田総司さんは長身で痩せていると伝えられている、という話しをしました。

ちなみに、私が話しをした方は、沖田総司さんについて詳しく知らない方です。

生死の係っている場合は、一太刀で仕留めた方が良いはずなのに、沖田総司さんは三回突くという時間的リスクのある三段突きをしている。

沖田総司さんは、一回とほぼ同じ時間で三回突ける動きの素早い人。

そして、相手の動きを見てから自分が刀を抜いても、相手より早く攻撃が出来る勘の良さと抜刀術にも優れている人ではないか。

大柄で体重があると、威力が出る代わりに動きが遅くなるので、勘が良くても、素早い動きが必要な技を行なうと斬られるリスクが高まる。

沖田総司さんが身長は高いが痩せていると考えると、間合いは取れるが威力が少なくなる。

三段突きを行なう事によって、少ない威力を補い、相手を完全に倒して、刀や自分への負担を少なくして次の動作への負担も軽くする事が理由ではないか。(具体的に書くのはいろいろとあって控えます)

沖田総司さんは、痩せている事、優れた運動能力、優れた洞察力、抜刀術などを含める剣の技術に優れている事など、いろいろな条件が重なって、三段突きという技が出来たのではないか。

沖田総司さんにとって、三段突きは有効な技だったのではないかとの事でした。

槍にも三段突きという技があるそうです。

槍の三段突きは、槍は間合いがとれるが威力がないのを補うために考えられたらしいとの事でした。

だから、近藤勇さんや斉藤一さんのように、体格が良く身長も高いといわれている人が三段突きをする話しがほとんど出てこないのではないかという事でした。

沖田総司さんの数々の優れたところによって、相手の攻撃を見てからでも、自分が攻撃できたのではないか。

体力勝負や長期戦になる場合に、相手の動きを見てから自分が攻撃をする戦法をとる事があるそうです。

沖田総司さんは痩せている事もあって、この戦法を取っていたかも知れないそうです。

沖田総司さんが使用していた刀は、さほど長くない可能性もあるそうです。

ただし、確認がとれる範囲では、斉藤一さんの刀と沖田総司さんの刀の長さは余り変わらないようです。

しかし、沖田総司さんと斉藤一さんが実際に使用していた刀は見つかっていないために詳しい事は分かりません。

沖田総司さんは、剣術に関する技術が天才的で、素早い動きが出来て、洞察力に優れていて、勘の優れていた人だと思います。

そして、自分の体格を考えて一番良い剣術や戦法を取れた天才的な剣士だったからこそ、名前の残る有名な剣士になったと思います。

沖田総司さんは頭脳派の天才剣士だと思います。

短い文章と拙い文章の中で上手に表現できていると良いのですが少し心配です。

今まで書いたのは、個人の考えの一つです。

いろいろな考えがあります。

その点に関してもご了承ください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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