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新撰組異聞外伝 〜 七夕の頃 〜
〜 第三版 〜
七夕が近付く頃。
ここは、東京。
沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。
縁の傍。
美鈴は微笑んで縫い物をしている。
敬一は微笑んで来た。
美鈴は縫い物を止めると、敬一を微笑んで見た。
敬一は美鈴に微笑んで話し出す。
「斉藤さんと時尾さんから、七夕と夕食に招待されたよね。一緒に出掛けようよ。」
美鈴は敬一に申し訳なく話し出す。
「七夕の日はお仕事をするかも知れないの。大切なお誘いだけど、お母さんは遠慮しても良いかしら。」
敬一は美鈴を寂しく見た。
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「お母さんも敬一と一緒に七夕を楽しみたいわ。お母さんと敬一の二人だけでも七夕を過ごしてくれるかしら?」
敬一は美鈴に心配して話し出す。
「僕が斉藤さんの家で夕食をご馳走になって七夕に参加したら、お母さんは一人で夕食を食べて僕が帰ってから七夕を始めるんだよ。」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「お母さんは敬一がたくさんの楽しい思い出を作れるから、寂しくないわ。敬一はお母さんの心配をしないで、斉藤さんの家で楽しんできなさい。」
敬一は美鈴に微笑んで話し出す。
「分かった。僕が一人で参加すると返事をするね。今年は短冊と飾りなどの準備を早く始めようよ。」
美鈴は敬一に微笑んで頷いた。
敬一は美鈴を微笑んで見た。
翌日の事。
ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。
藤田五郎は仕事に出掛けているため居ない。
時尾と勉は、普段どおり居る。
敬一は元気良く訪れている。
客間。
時尾は心配して居る。
敬一は微笑んで居る。
敬一の前には、麦茶が置いてある。
時尾は敬一に心配して話し出す。
「敬一君。怪我をしたところは辛い?」
敬一は時尾に微笑んで話し出す。
「怪我はかなり治りました。斉藤さんに、僕が近い内に稽古を始めたいと考えていると伝えてください。」
時尾は敬一に微笑んで頷いた。
敬一は時尾に寂しく話し出す。
「返事が遅くなりましたが、お母さんは七夕の日に仕事があるので、七夕も夕食も僕が一人で参加します。」
時尾は敬一に微笑んで話し出す。
「お母さんは七夕の日に仕事なのね。別な機会の時に、みんなで一緒に楽しみましょう。」
敬一は時尾に寂しく頷いた。
時尾は敬一に微笑んで話し出す。
「勉は部屋で寝ているの。敬一君と話す時を楽しみにしているの。勉が起きた時に敬一君が居たら、少しだけで構わないから話し相手になってくれるかしら。」
敬一は時尾に微笑んで話し出す。
「はい。」
時尾は敬一を微笑んで見た。
敬一は時尾に微笑んで話し出す。
「大切な話を忘れていました。今日は七夕の準備の手伝いに来ました。」
時尾は敬一に微笑んで話し出す。
「気を遣ってくれてありがとう。少し経ってから、一緒に七夕の準備をしましょう。」
敬一は時尾に微笑んで話し出す。
「はい。」
時尾は敬一を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、藤田五郎の家。
食卓の在る部屋。
時尾は七夕の飾りを微笑んで作っている。
敬一も七夕の飾りを微笑んで作っている。
食卓の上には、時尾と敬一の作った七夕の飾りや短冊が載っている。
時尾は七夕の飾りを作りながら、敬一に微笑んで話し出す。
「敬一君。器用ね。」
敬一は七夕の飾りを作りながら、時尾に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
時尾は七夕の飾りを作りながら、敬一に微笑んで話し出す。
「敬一君の家も七夕の準備を始めているの?」
敬一は七夕の飾りを作りながら、時尾に微笑んで話し出す。
「お母さんと一緒に、少しずつ七夕の準備を始めています。」
時尾は七夕の飾りを作りながら、敬一を微笑んで見た。
敬一は七夕の飾りを作りながら、時尾に微笑んで話し出す。
「お母さんと相談して、ご馳走になるお礼、七夕に招待して頂くお礼、日頃のお礼、を兼ねて、斉藤さんの家の七夕の準備を手伝うと決めました。」
時尾は七夕の飾りを作りながら、敬一に微笑んで話し出す。
「ありがとう。」
敬一は七夕の飾りを作りながら、時尾を微笑んで見た。
時尾は七夕の飾りを作りながら、敬一に微笑んで話し出す。
「私達の家の七夕の準備に時間を掛け過ぎて、敬一君の家の七夕の準備が遅れないように気を付けてね。」
敬一は七夕の飾りを作りながら、時尾に微笑んで話し出す。
「はい。」
時尾は七夕の飾りを作りながら、敬一に微笑んで話し出す。
「敬一。せっかくだから、敬一君の家の七夕の飾りを作って。」
敬一は七夕の飾りを作りながら、時尾に微笑んで話し出す。
「お気遣いありがとうございます。僕の家の七夕の飾りを少しだけ作ります。」
時尾は七夕の飾りを作りながら、敬一に微笑んで頷いた。
敬一は七夕の飾りを作りながら、時尾を微笑んで見た。
数日後の事。
七夕の当日になる。
ここは、藤田五郎の勉の家。
庭には七夕のための大きめの笹が飾ってある。
藤田五郎、時尾、勉は、家に居る。
敬一は食事をご馳走になるためと七夕を行うために訪れている。
食卓の在る部屋。
藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。
時尾は微笑んで食事をしている。
勉は笑顔で食事をしている。
敬一は美味しく食事をしている。
食卓の上には、美味しい食事が載っている。
敬一は食事を止めると、庭を寂しく見た。
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、敬一に普通に話し出す。
「敬一。何か遭ったのか?」
敬一は藤田五郎を見ると、藤田五郎に寂しく話し出す。
「僕は楽しんでいるけれど、お母さんは仕事で忙しいです。僕が斉藤さんの家で夕飯をご馳走にならず七夕に参加しないと返事をしていたら、今日はお母さんと一緒に夕飯を食べて七夕を早く始めています。お母さんが一人で夕飯を食べて僕の帰りを待つ様子を想像したら、申し訳ない気持ちになりました。」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、敬一に普通に話し出す。
「美鈴さんは敬一に出掛けて欲しくない時には、理由を説明する。美鈴さんは敬一の喜ぶ姿を見たいから、出掛けて良いと返事をした。敬一は美鈴さんのためにも、しっかりと楽しめ。」
敬一は藤田五郎に微笑んで頷いた。
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、敬一を普通の表情で見た。
敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。食事が終わったら、短冊の願い事を書き直しても良いですか?」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は藤田五郎を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、藤田五郎の家。
庭。
藤田五郎は浴衣を着て、普通に居る。
時尾は浴衣を着て、微笑んで居る。
勉は浴衣を着て、笑顔で居る。
敬一は浴衣を着て、短冊を持ち、微笑んで居る。
大きめの笹に、たくさんの飾りとたくさんの短冊が飾ってある。
藤田五郎は笹から短冊を外すと、敬一に普通の表情で渡した。
敬一は藤田五郎から短冊を受け取ると、藤田五郎に新たな短冊を微笑んで渡した。
藤田五郎は敬一から新たに書いた短冊を受け取ると、笹に新たな短冊を普通に飾った。
敬一は短冊を破ると、懐に微笑んで仕舞った。
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
敬一は藤田五郎と時尾を笑顔で見た。
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
時尾は敬一を微笑んで見た。
敬一は夜空を見ると、笑顔で声を出す。
「願い事を変えました! 後に短冊に書いた願い事を読んでください!」
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
時尾は敬一を微笑んで見ている。
勉は敬一を笑顔で見た。
敬一は、藤田五郎、時尾、勉を、笑顔で見た。
暫く後の事。
ここは、藤田五郎の家。
玄関。
藤田五郎は普段着で、普通に居る。
時尾は普段着で、微笑んで居る。
敬一は普段着で、笑顔で居る。
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「外は暗い。家まで送る。」
時尾は敬一に微笑んで話し出す。
「夜道は暗いわ。五郎さんが傍に居れば、安心して家に帰れるわよ。」
敬一は藤田五郎と時尾に笑顔で話し出す。
「お気遣いありがとうございます! よろしくお願いします!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
時尾は敬一を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、東京。
夜空には満天の星が輝いている。
藤田五郎は普通に歩いている。
敬一は笑顔で歩いている。
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! 星が綺麗ですね!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「短冊に書いた願い事が叶って欲しいと思っています!」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「敬一が短冊の願いを変えると思わなかった。」
敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「一年に一度だけのお願いです。僕には叶えられない願い事に変更しました。」
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
敬一は夜空を微笑んで見た。
藤田五郎は敬一を普通の表情で見ている。
敬一は藤田五郎を見ると、藤田五郎に僅かに寂しく話し出す。
「織姫と彦星を可哀想と話す人は多いけれど、織姫と彦星は、一年に一度は逢えます。お父さんとお母さんは、一年に一度も逢えません。僕はお父さんに一度も逢っていません。」
藤田五郎は敬一を普通の表情で見ている。
敬一は藤田五郎に寂しく話し出す。
「お母さんはお父さんに逢いたいと想って過ごしていますよね。」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「敬一は総司に逢いたいのか?」
敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「僕の傍には、お母さん、斉藤さん、時尾さん、勉君、が居ます。僕はお父さんに逢えなくても寂しくありません。」
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
敬一は藤田五郎を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
玄関。
藤田五郎は普通に来た。
敬一は笑顔で来た。
美鈴は微笑んで現れた。
敬一は美鈴に笑顔で話し出す。
「お母さん! ただいま!」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「おかえりなさい。」
藤田五郎は敬一と美鈴を普通の表情で見た。
美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「夕飯をご馳走して頂いて、七夕にも誘って頂いて、家まで送って頂いて、本当にありがとうございます。」
藤田五郎は美鈴に普通に話し出す。
「俺達が敬一を誘った。敬一を暗い中で一人だけで帰して何か起きたら、総司と美鈴さんに申し開きが出来ない。美鈴さん。気にするな。」
美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。お酒を用意しました。少し休んでからお帰りください。」
藤田五郎は美鈴に普通に話し出す。
「直ぐに帰る。」
美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんを直ぐに帰せません。総司さんが居たら、斉藤さんを直ぐに帰さず、引き止めます。遠慮せずに休んでください。」
藤田五郎は美鈴に普通の表情で頷いた。
敬一は藤田五郎と美鈴を笑顔で見た。
少し後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
縁。
敬一は夜空を笑顔で見ている。
食卓のある部屋。
藤田五郎は普通に居る。
美鈴は微笑んで居る。
食卓の上には、酒と肴が載っている。
美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「七夕のために用意したお酒です。総司さんは斉藤さんと七夕の日にお酒が飲めたら喜びます。遠慮しないでお酒を飲んでください。」
藤田五郎は美鈴に普通の表情で頷いた。
美鈴は杯に微笑んで酒を注いだ。
藤田五郎は美鈴に頷くと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。
美鈴は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴に普通に話し出す。
「敬一は思いやりのある優しい子に育っている。敬一は総司と良く似ているところがあるが、違うところがある。美鈴さんがしっかりと育てている様子が分かる。総司も敬一の成長を喜んでいるはずだ。」
美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんに褒めて頂けて、とても嬉しいです。敬一が総司さんの子供だと世間の方に話せる日が訪れた時に、敬一が辛い思いをしないように育てています。」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、美鈴に普通の表情で頷いた。
美鈴は藤田五郎を微笑んで見た。
縁。
敬一は藤田五郎と美鈴を見ると、藤田五郎と美鈴に笑顔で話し出す。
「お母さん! 斉藤さん! 星が綺麗だよ!」
藤田五郎は普通に来た。
美鈴は微笑んで来た。
敬一は藤田五郎と美鈴に笑顔で話し出す。
「星が綺麗に輝いているよね!」
美鈴は敬一に微笑んで頷いた。
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「次に斉藤さんの家に行く時は、剣道の稽古をしたいです! よろしくお願いします!」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「敬一の怪我は完治していない。敬一は怪我で稽古を休んでいる。敬一の体は直ぐに稽古に慣れない。敬一の怪我の治り具合に合わせた稽古を、少しずつ始める。」
敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。
「はい!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
美鈴は藤田五郎と敬一を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、日本に在るたくさんの場所。
満天の星が輝いている。
辺りは静けさに包まれている。
ここは、大きな木の下。
木の葉の間から、満天の星の輝きが見える。
少女は辺りを微笑んで見ている。
沖田総司は少女の元に笑顔で走ってきた。
少女は沖田総司を笑顔で見た。
沖田総司は少女に笑顔で話し出す。
「鈴ちゃん! 久しぶり!」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「本当に久しぶりです。」
沖田総司は少女に苦笑して話し出す。
「鈴ちゃん。もっと喜んで欲しいな。」
少女は沖田総司に寂しく話し出す。
「今夜は逢える時間が決まっているのに、総司さんの来る時間が遅いです。たくさん喜べません。」
沖田総司は少女に焦って話し出す。
「ごめんね! 鈴ちゃん! 笑って!」
少女は沖田総司を笑顔で見た。
沖田総司は少女に嬉しく話し出す。
「鈴ちゃんが笑った〜! 鈴ちゃんの素敵な笑顔が見られた〜! 嬉しいな〜!」
少女は沖田総司を笑顔で見ている。
沖田総司が少女に笑顔で話し出す。
「鈴ちゃんが元気で良かった!」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんも元気に過ごされているのですね。安心しました。」
沖田総司は少女に笑顔で話し出す。
「私は明るく楽しく元気に過ごしているよ! 鈴ちゃんも明るく楽しく過ごしてね!」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を抱くと、少女に静かな声で話し出す。
「ごんめね。帰る時間になった。」
少女は沖田総司を寂しく見た。
沖田総司は少女を抱いて、少女に微笑んで話し出す。
「再び逢えるよ。再び逢う日も、再び逢う日以降も、元気で笑顔で過ごしてね。」
少女は沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を抱いて、少女を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
敬一の部屋。
敬一は床の中で気持ち良く眠っている。
敬一の元に日差しが優しく差した。
美鈴の穏やかな声が、敬一の元に聞こえた。
「敬一。朝よ。起きなさい。」
敬一は床の上にゆっくりと体を起こした。
美鈴は敬一を微笑んで見た。
敬一は床の上に体を起こして、美鈴に微笑んで話し出す。
「お母さん。おはよう。良い天気だね。」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「おはよう。良い天気ね。朝食の用意が出来たの。準備が終わったら、食卓に来てね。」
敬一は床の上に体を起こして、美鈴に微笑んで頷いた。
美鈴は部屋から微笑んで出て行った。
敬一は身支度を笑顔で始めた。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
ご了承ください。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
「七夕(たなばた)」の前後の頃の物語です。
敬一君は七夕を行なうために、藤田五郎さんの家に行きます。
物語の時間設定当時は、陰暦ではなく太陽暦を使っていたようです。
物語の設定当時の七夕は、七月、八月(天気の関係などで)、地域によって違う日、など、いろいろな月日で行っていたそうです。
敬一君が最初に書いた短冊の願い事と次に書いた短冊の願い事は、皆様でご想像ください。
沖田総司さんと鈴ちゃん(美鈴さん)が突然に登場しますが、誰かの見る夢の中に登場しています。
誰の見る夢かについても、皆様のご想像にお任せいたします。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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