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新撰組異聞外伝 〜 秋色 季節外れの花の舞 〜
〜 第三版 〜
藤田五郎と妻の時尾は、藤田五郎が西南戦争に向かう前に一つの約束をした。
藤田五郎が西南戦争から戻ったら、藤田五郎と時尾と幼い勉で、季節に関係なく花火をするという約束だった。
今は秋。
藤田五郎が西南戦争から戻って幾日か後の事。
ここは、東京。
夜空には月と星が輝いている。
藤田五郎の家。
庭。
藤田五郎は普通に居る。
時尾は勉を抱いて、微笑んで居る。
勉は笑顔で居る。
藤田五郎と時尾の傍には、花火と水を張った桶が置いてある。
藤田五郎は時尾と勉を普通の表情で見た。
時尾は勉を抱いて、藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎に勉を微笑んで預けた。
藤田五郎は勉を普通の表情で抱いた。
勉は藤田五郎を笑顔で見た。
藤田五郎は勉を抱いて、時尾に普通に話し出す。
「東京に戻って直ぐに花火が出来なかった。季節外れの花火になってしまった。」
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「季節外れの花火も素敵だと思います。」
藤田五郎は勉を抱いて、時尾を普通の表情で見た。
時尾は勉に微笑んで話し出す。
「お父さんとお母さんと勉で、花火が出来るわね。良かったわね。」
勉は時尾を笑顔で見た。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「花火を始めても良いですか?」
藤田五郎は勉を抱いて、時尾に普通の表情で頷いた。
少し後の事。
ここは、藤田五郎の家。
庭。
藤田五郎は勉を普通の表情で抱いている。
時尾は微笑んで花火をしている。
勉は花火を笑顔で見ている。
花火は、藤田五郎、時尾、勉、庭を、淡く照らしている。
時尾は花火を持ち、勉に微笑んで話し出す。
「勉。綺麗な花火ね。」
勉は花火を笑顔で見ている。
時尾は花火を持ち、勉を微笑んで見た。
藤田五郎は勉を抱いて、勉と花火を普通の表情で見た。
花火が消えた。
庭が暗くなった。
時尾は線香花火に微笑んで火を付けた。
線香花火は、藤田五郎、時尾、勉、庭を、淡く照らした。
線香花火は様々な姿を見せながら淡い光を放っている。
時尾は線香花火を持ち、勉に微笑んで話し出す。
「勉。線香花火よ。綺麗ね。」
勉は線香花火を笑顔で見た。
藤田五郎は勉を抱いて、勉と線香花火を普通の表情で見た。
線香花火が消えた。
庭が暗くなった。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「勉を長く抱いていますね。勉を抱くのを交代します。」
藤田五郎は時尾に勉を普通に預けた。
時尾は勉を微笑んで抱いた。
藤田五郎は線香花火に普通の表情で火を付けた。
線香花火は、藤田五郎、時尾、勉、庭を、淡く照らした。
時尾は勉を抱いて、線香花火を微笑んで見た。
勉は線香花火を笑顔で見た。
藤田五郎は線香花火を持ち、時尾と勉を普通の表情で見た。
線香花火が消えた。
時尾は勉を抱いて、勉を微笑んで見た。
勉は眠い仕草を見せている。
時尾は勉を抱いて、勉を微笑んで見ている。
藤田五郎は時尾と勉を普通の表情で見た。
時尾は勉を抱いて、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「勉を寝かせてきます。」
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「花火を片付けておく。」
時尾は勉を抱いて、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は勉を抱いて、藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「突然だが、酒が飲みたくなった。酒の用意は勉を寝かせた後で構わない。」
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「分かりました。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は勉を抱いて、家の中へ微笑んで入っていった。
勉は眠い仕草を見せながら、家の中に入っていった。
藤田五郎は花火を普通に片付けた。
藤田五郎は火の始末の確認をした。
使用済みの花火の火は完全に消え、火種は残っていない。
藤田五郎は未使用の花火を普通に縁に置いた。
藤田五郎は縁に普通に上がった。
僅かに後の事。
ここは、藤田五郎の家。
縁。
藤田五郎は普通に居る。
未使用の花火は、藤田五郎の横に有る。
時尾は酒と肴の載るお盆を持ち、藤田五郎の傍に微笑んで来た。
藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。
時尾は藤田五郎の傍に酒と肴の載るお盆を静かに置いた。
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「花火の片付けの続きをします。」
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「火の始末と使用した花火の片付けは終わった。未使用の花火の片付けと火の始末の最終確認もする。」
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「よろしくお願いします。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は微笑んで静かに居なくなった。
直後の事。
庭が淡い光に包まれた。
藤田五郎は庭を普通の表情で見た。
庭に在る桜が春の盛りの頃のように満開で咲いている。
藤田五郎は横を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎の横に笑顔で座っている。
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「斉藤さん! こんばんは!」
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は藤田五郎を笑顔で見た。
藤田五郎は杯に酒を注ぐと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。
沖田総司は藤田五郎に寂しく話し出す。
「私は斉藤さんが呼んでくれる時を楽しみに待っていました。斉藤さんは私をやっと呼んでくれました。斉藤さん。やっと逢えたのに、なぜ黙っているのですか? 寂しいです。」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。
「落ち着くまでに時間が掛かった。総司を直ぐに呼べなかった。」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「安心しました。」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎を見ると、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。花火は楽しかったですか?」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「私も花火を楽しみたいです。」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。
「花火を持って見て楽しむのか? 花火を持たずに見るだけで楽しむのか?」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんが私に花火を持たせたいと思ってください。」
藤田五郎は杯の酒を飲むのを止めると、花火を普通に取った。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「私から申し出て、せっかくの気遣いを申し訳ありませんが、今回は花火を見るだけで楽しみます。」
藤田五郎は花火を普通に元に戻した。
沖田総司は藤田五郎に心配して話し出す。
「斉藤さん。怒りましたか?」
藤田五郎は花火を戻すと、沖田総司に普通に話し出す。
「詳しい事情は訪ねないが、総司は花火を持って楽しみたいのに、何かしらの事情のために、花火を見るだけで楽しむに変更したのだろ。」
沖田総司は藤田五郎を寂しく見た。
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「今回の出来事の内容では怒らない。安心しろ。」
沖田総司は藤田五郎を安心した表情で見た。
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は庭を微笑んで見た。
藤田五郎は沖田総司と庭を普通の表情で見た。
桜は満開で咲いているが、星の輝く姿が見える暗さになった。
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎を見ると、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「花火は暗い中で見る方が綺麗ですよね。桜は咲いたまま、明るさだけ戻るように願いました。願いどおりの状況になりました。」
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「次回から、願い事がある時は、総司に願ってもらう。」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「期待しないでください。」
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「期待できないのか。残念だ。」
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は花火を普通に取った。
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は花火を持ち、庭に普通に出ていった。
沖田総司は庭に微笑んで出ていった。
僅かに後の事。
ここは、藤田五郎の家。
庭。
満開の桜の花が咲いている。
月と星が輝く様子が見える。
藤田五郎は花火を持ち、普通に来た。
沖田総司は微笑んで来た。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは花火に使う火種を片付けましたよね。私が花火に火を付けます。」
藤田五郎は花火を持ち、沖田総司に普通の表情で頷いた。
花火が、藤田五郎、沖田総司、庭を淡い光で照らした。
藤田五郎は花火を持ち、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎と花火を微笑んで見た。
花火が消えた。
藤田五郎は花火を持ち、沖田総司に普通に話し出す。
「最後の花火は、線香花火だ。」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで頷いた。
藤田五郎は線香花火を持ち、沖田総司を普通の表情で見た。
線香花火は、沖田総司、藤田五郎、庭を、淡い光で照らした。
沖田総司は線香花火を微笑んで見た。
藤田五郎は線香花火を持ち、沖田総司と線香花火を普通の表情で見た。
線香花火は、沖田総司、藤田五郎、庭を、淡い光で照らしている。
線香花火が消えた。
沖田総司は藤田五郎を見ると、残念な様子で話し出す。
「終わりましたね。」
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「先程の花火の残りだから、花火の数が少ない。仕方がない。」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「花火を見られて嬉しかったです。ありがとうございます。」
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「私は酒を飲みませんが、斉藤さんの晩酌に付き合います。」
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「晩酌の前に、火の始末の確認をする。」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで頷いた。
藤田五郎は火の始末の確認を普通の表情で始めた。
沖田総司は火の始末の確認を微笑んで始めた。
沖田総司は火の始末の確認を終えると、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「火の始末は大丈夫です。」
藤田五郎は火の始末の確認を終えると、沖田総司に普通の表情で頷いた。
藤田五郎は縁に普通に上った。
沖田総司は縁に微笑んで上った。
僅かに後の事。
藤田五郎は縁に普通に座った。
沖田総司は縁に微笑んで座った。
藤田五郎は杯に酒を注ぐと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通に話し出す。
「総司。酒が飲める日が早く訪れると良いな。」
沖田総司は藤田五郎に寂しく頷いた。
藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んだ。
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は酒を飲み終わると、沖田総司に普通に話し出す。
「総司。肴を食べるか?」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「はい。」
藤田五郎は杯の酒を飲むのを止めると、蒲鉾を普通に取った。
沖田総司は藤田五郎に掌を微笑んで差し出した。
藤田五郎は蒲鉾を沖田総司の掌に普通に載せた。
沖田総司は蒲鉾を美味しく食べ始めた。
藤田五郎は杯の酒を飲むと、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は蒲鉾を美味しく食べ終わると、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「美味しいです。」
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんの元気な姿が見られて嬉しいです。」
藤田五郎は杯の酒を飲むのを止めると、沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「時尾さんや勉君が悲しい思いをしなくて良かったです。」
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「本当に良かったです。」
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんは“新撰組三番組組長 斉藤一”です。私が心配するような、もしもの出来事は起きませんよね。」
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「総司は分かっているのに話しているが、念のために話す。総司が心配するもしもの出来事が起きないと断言できる人物は、居ない。俺を心配する人物は、総司だけだ。総司の話は、嫌ではない。」
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんも分かっているのに話していますが、念のために話します。時尾さんと勉君は、斉藤さんを常に信じて常に心配しています。斉藤さんを心配する人物は、私の他にも居ます。忘れては駄目ですよ。」
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「戻る時間が近付いています。」
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「出来るだけ早く呼ぶ。騒がずに待っていろ。」
沖田総司は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「早く呼んでくださいね! 待っています!」
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。
藤田五郎は庭を普通の表情で見た。
桜は元の姿に戻っている。
藤田五郎は庭へと普通に出て行った。
僅かに後の事。
ここは、藤田五郎の家。
庭。
藤田五郎は、花火の後片付けの再確認と火の始末の再確認をした。
使用済みの花火と未使用の花火の片付けは終わっている。
火種は残っていない。
藤田五郎は片付けた花火を持ち、縁と普通に上っていった。
僅かに後の事。
ここは、藤田五郎の家。
縁。
藤田五郎は片付けた花火を持ち、普通に来た。
時尾は微笑んで来た。
藤田五郎は片付けた花火を持ち、時尾を普通の表情で見た。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「一人でお酒と肴を載せたお盆と片付けた花火を持つのは大変だと思ってきました。」
藤田五郎は片付けた花火を持ち、時尾を普通の表情で見ている。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「来るのが早過ぎたでしょうか?」
藤田五郎は片付けた花火を持ち、時尾を見ながら、普通の表情で首を横に振った。
時尾はお酒と肴を載せたお盆を微笑んで持った。
藤田五郎は片付けた花火を持ち、普通に居なくなった。
時尾はお酒と肴を載せたお盆を持ち、微笑んで居なくなった。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承ください。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
藤田五郎さんが西南戦争に向かう直前の物語の「新撰組異聞外伝 短編 橘月の夜空の下で」を書きました。
今回は、藤田五郎さんが西南戦争から戻った後の物語を考えて書きました。
藤田五郎さんは、明治十年(1877年)五月に抜刀隊の一員として西南戦争のために九州に向かっています。
西南戦争は明治十年の九月下旬頃に終結したようです。
藤田五郎さんは明治十年の十月頃に東京に戻ったようです。
藤田五郎さんが東京の戻った詳細な日付と詳細な経過は分かりませんでした。
藤田五郎さんは西南戦争で銃による怪我をしています。
藤田五郎さんの怪我の具合や怪我をしたところは分かりませんでした。
藤田五郎さんが怪我をしたのは七月らしいので、十月頃に東京に戻ったとすると、その頃には怪我は治っているように思いました。
この物語には、沖田総司さんと藤田五郎さんが西南戦争について話す場面は登場しません。
実際の藤田五郎さんと沖田総司さんは、西南戦争について余り話さず、普通に話すと思いました。
「秋色(しゅうしょく)」は「秋の景色。秋の気配。秋の趣。」です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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