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新撰組異聞外伝 〜 草露白 〜
〜 第三版 〜
今は秋。
ここは、東京。
夏の名残を感じる時がある。
今は早い時間のため、僅かに暑さを感じる程度になる。
ここは、沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。
食卓の有る部屋。
敬一は美味しく食事をしている。
美鈴は微笑んで食事をしている。
敬一は食事をしながら、美鈴に笑顔で話し出す。
「お母さん! 斉藤さんと一緒に出掛けるんだ! 帰りが遅くなっても心配しないでね!」
美鈴は食事をしながら、敬一に心配して話し出す。
「斉藤さんに一緒に出掛けたいとお願いしたの?」
敬一は食事をしながら、美鈴に微笑んで話し出す。
「僕から斉藤さんに出掛けたいとお願いしていないよ。斉藤さんから僕に出掛けると話したんだ。」
美鈴は食事をしながら、敬一を安心した表情で見た。
敬一は食事をしながら、美鈴を微笑んで表情で見た。
少し後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
玄関。
敬一は微笑んで居る。
美鈴は小袋を持ち、微笑んで居る。
美鈴は敬一に小袋を差し出すと、敬一に微笑んで話し出す。
「少しだけどお小遣いを用意したの。斉藤さんに迷惑を掛けないためのお小遣いよ。必要な時に使いなさい。」
敬一は小袋を受け取ると、美鈴に微笑んで話し出す。
「ありがとう。」
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「気を付けて行ってらっしゃい。」
敬一は小袋を丁寧に仕舞うと、美鈴に笑顔で話し出す。
「行ってきます!」
美鈴は敬一に微笑んで頷いた。
敬一は元気良く出掛けて行った。
暫く後の事。
ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。
藤田五郎の部屋。
藤田五郎は普通に居る。
敬一は笑顔で居る。
藤田五郎と敬一の前には、麦茶が置いてある。
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「いろいろな所に行けて嬉しいです! ありがとうございます!」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「勉と良く一緒に遊んでくれる礼だ。」
敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「僕には兄弟姉妹がいません。勉君と一緒に遊ぶ時は、とても楽しいです。」
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
敬一は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「今日も出掛ける間は、親子の設定だ。」
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「はい!」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「麦茶を飲み終わって少し経ったら出掛ける。」
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「はい!」
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
敬一は麦茶を美味しく飲み始めた。
藤田五郎は麦茶を普通の表情で飲み始めた。
暫く後の事。
ここは、東京。
青空が広がっている。
少し暑さを感じるが、蒸し暑さは感じない。
藤田五郎は普通に歩いている。
敬一は微笑んで歩いている。
敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「今日は比較的に過ごしやすいけれど、暑い日もあるね。」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「お父さん。今日は何処に出掛けるの?」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「麹町。“あいすくりーむ”を食べる。」
敬一は藤田五郎に不思議な様子で話し出す。
「麹町? “あいすくりーむ”?」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「“あいすくりーむ”は、氷と牛乳と砂糖で作る冷たくて甘い菓子だ。」
敬一は藤田五郎に心配して話し出す。
「“あいすくりーむ”は、氷を使うお菓子なんだ。高価なお菓子だよね?」
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
敬一は心配な様子で止まった。
藤田五郎は普通に止まった。
敬一は藤田五郎に心配して話し出す。
「“あいすくりーむ”は高いお菓子なんだね。お母さんから斉藤さんに迷惑を掛けないようにお小遣いをもらったけれど、足りないよね。」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「俺と時尾が、“あいすくりーむ”を奢る。心配するな。」
敬一は藤田五郎に申し訳なく話し出す。
「僕は斉藤さんと時尾さんからお菓子をたくさんご馳走になります。高価なお菓子をご馳走になれません。」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「敬一は勉と良く遊んでくれる。敬一が勉と遊ぶ最中に、俺と時尾の不注意から、敬一に怪我をさせてしまった。今回は詫びと礼の二つを兼ねている。」
敬一は藤田五郎を困惑して見た。
藤田五郎は敬一の手を握ると、敬一に普通に話し出す。
「目的地に着いていない。立ち話は時間の無駄だ。行くぞ。」
敬一は藤田五郎を僅かに驚いて見た。
藤田五郎は敬一の手を握り、普通に歩き出した。
敬一は僅かに驚いて歩き出した。
少し後の事。
ここは、麹町。
“あいすくりーむ”を売る店の前。
藤田五郎は普通に来た。
敬一は考え込んで来た。
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「敬一。着いた。」
敬一は藤田五郎に困惑した様子で頷いた。
藤田五郎は店の中に普通に入っていった。
敬一は店の中に考え込んで入って行った。
少し後の事。
ここは、麹町。
“あいすくりーむ”を売る店。
店内。
藤田五郎は普通に居る。
敬一は考え込んで居る。
敬一は藤田五郎に考え込んで話し出す。
「お母さんに何て話せば良いのかな?」
藤田五郎は普通に敬一に話し出す。
「俺と一緒に菓子を食べたと話せ。」
敬一は藤田五郎に考え込んで頷いた。
店員が“あいすくりーむ”を持ち、微笑んで来た。
店員は敬一の前に“あいすくりーむ”を微笑んで置いた。
敬一は“あいすくりーむ”を微笑んで見た。
店員は藤田五郎と敬一に微笑んで軽く礼をした。
店員は微笑んで居なくなった。
敬一は藤田五郎を見ると、藤田五郎に不思議な様子で話し出す。
「お父さん。“あいすくりーむ”を食べないの?」
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「俺は甘い物が苦手だから頼まなかった。」
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「いただきます!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は“あいすくりーむ”を美味しく食べ始めた。
藤田五郎は敬一を普通の表情で見ている。
敬一は“あいすくりーむ”を食べながら、藤田五郎に笑顔で話出す。
「お父さん! “あいすくりーむ”は、冷たくて美味しいよ!」
藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は“あいすくりーむ”を美味しく食べた。
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、東京。
藤田五郎は普通に歩いている。
敬一は微笑んで歩いている。
藤田五郎は敬一に普通に話し出す。
「敬一。大福を買ってから家に帰る。」
敬一は藤田五郎に不思議な様子で頷いた。
藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。
少し後の事。
ここは、東京。
藤田五郎は包みを持ち、普通に歩いている。
敬一は笑顔で歩いている。
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「お父さんの分とお母さんの分と僕の分の大福も買ってくれてありがとう! お母さんもきっと喜ぶよ!」
藤田五郎は包みを持ち、敬一に普通の表情で頷いた。
敬一は藤田五郎を笑顔で見た。
少し後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
玄関。
藤田五郎は包みを持ち、普通に来た。
敬一は笑顔で来た。
美鈴は微笑んで来た。
敬一は美鈴に笑顔で話しだす。
「お母さん! ただいま!」
藤田五郎は包みを持ち、美鈴に普通の表情で頷いた。
美鈴は敬一に微笑んで話し出す。
「敬一。お帰りなさい。」
敬一は美鈴に笑顔で話し出す。
「大福を買ってきたんだ! お父さんの分の大福も買ったんだ! 一緒に食べよう!」
美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「気を遣って頂いてありがとうございます。お茶とお酒の用意をしてきます。」
藤田五郎は包みを持ち、美鈴に普通の表情で頷いた。
藤田五郎は包みを持ち、家の中に普通の表情で入って行った。
敬一は家の中に笑顔で入って行った。
美鈴は家の中に微笑んで入って行った。
少し後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
沖田総司の位牌の在る部屋。
沖田総司の位牌の前には、大福が置いてある。
食卓の有る部屋。
藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。
藤田五郎の傍には、包みが置いてある。
敬一は大福を美味しく食べている。
美鈴は大福を微笑んで食べている。
食卓には、大福、肴、お茶、酒が載っている。
敬一は大福を食べながら、美鈴に笑顔で話し出す。
「お母さん! 大福をたくさん食べてね!」
美鈴は大福を食べながら、敬一に不思議な様子で話し出す。
「敬一は大福をたくさん食べないの?」
敬一は大福を食べながら、美鈴に苦笑して頷いた。
美鈴は大福を食べながら、敬一に微笑んで話し出す。
「敬一。」
敬一は大福を食べるのを止めると、美鈴を驚いた表情で見た。
美鈴は大福を食べながら、敬一に微笑んで話し出す。
「美味しい大福ね。たくさん大福が食べられるのね。嬉しいわ。」
敬一は大福を食べながら、美鈴に安心した表情で頷いた。
藤田五郎は杯の酒を飲みながら、敬一と美鈴を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、敬一と美鈴の住む家。
玄関。
藤田五郎は包みを持ち、普通に居る。
敬一は微笑んで居る。
美鈴も微笑んで居る。
藤田五郎は敬一と美鈴に普通に話し出す。
「見送りは要らない。」
美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「分かりました。気を付けてお帰りください。」
敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。
「今日はとても楽しかったです! ありがとうございました! 気を付けてお帰りください!」
藤田五郎は包みを持ち、敬一と美鈴に普通の表情で頷いた。
藤田五郎は包みを持ち、普通に居なくなった。
暫く後の事。
ここは、藤田五郎の家。
玄関。
藤田五郎は包みを持ち、普通に来た。
時尾は微笑んで来た。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「お帰りなさいませ。」
藤田五郎は包みを持ち、時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は時尾に包みを渡すと、時尾に普通に話し出す。
「大福を買った。後で食べろ。」
時尾は藤田五郎から包みを受け取ると、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は包みを持ち、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「敬一君は喜んでいましたか?」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は包みを持ち、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「安心しました。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は包みを持ち、藤田五郎を微笑んで見た。
藤田五郎は時尾に普通に話し出す。
「部屋に戻る。食事の支度が出来たら教えてくれ。」
時尾は包みを持ち、藤田五郎に微笑んで話し出す。
「はい。」
藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。
藤田五郎は家の中に普通に入って行った。
時尾は包みを持ち、家の中に微笑んで入って行った。
僅かに後の事。
ここは、藤田五郎の家。
藤田五郎の部屋の前に在る縁。
藤田五郎は普通に来た。
辺りが心地良い空気に包まれた。
藤田五郎は庭を普通の表情で見た。
庭の桜の花は、春の頃のように満開になって咲いている。
藤田五郎は部屋の中に普通に入って行った。
直後の事。
ここは、藤田五郎の家。
藤田五郎の部屋。
藤田五郎は横を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎を拗ねた様子で見ている。
藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は藤田五郎に拗ねて話し出す。
「斉藤さん〜 私も“あいすくりーむ”が食べたいです〜」
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「総司は麹町まで付いて行き、“あいすくりーむ”を食べるつもりだったのか? 総司の分の大福を買ってある。総司は大福を食べていないのか?」
沖田総司は藤田五郎に拗ねて話し出す。
「鈴は騙された振りをしました〜 でも〜 私は騙された振りをしません〜」
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「総司の話すとおり、美鈴さんは敬一に騙されたふりをした。俺も美鈴さんも“あいすくりーむ”を食べていない。総司と美鈴さんには、大福を用意した。拗ねるな。」
沖田総司は藤田五郎を拗ねて見た。
藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が大福を食べないと分かっていれば、敬一と美鈴さんに大福を多く買えた。残念だ。」
沖田総司は藤田五郎に慌てて話し出す。
「すいません! 大福は食べます! 調子に乗り過ぎてしまいました!」
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎に不安な様子で話し出す。
「斉藤さん。怒りましたか?」
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で小さく首を横に振った。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「敬一に“あいすくりーむ”をご馳走して頂いて、鈴の分と敬一の分の大福を買って頂いて、私の分の大福も買って頂いて、ありがとうございました。」
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「斉藤さんに買って頂いた大福を食べに行きます。」
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。
藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。
藤田五郎は障子を普通に開けた。
庭の桜は元の姿に戻っている。
藤田五郎は辺りを普通の表情で見た。
時尾が縁を微笑んで歩く姿が見えた。
藤田五郎は部屋を普通に出て行った。
直後の事。
ここは、藤田五郎の家。
藤田五郎の部屋の前に在る縁。
藤田五郎は普通に居る。
時尾は微笑んで来た。
藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。
時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。
「普段より早いですが、食事の支度が出来ました。」
藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。
時尾は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。
時尾は微笑んで歩き出した。
藤田五郎は普通に歩き出した。
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承ください。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
「アイスクリーム」についてです。
日本人が最初にアイスクリームを食べた時は、幕府の派遣した使節団がアメリカで食べた時と言われています。
江戸時代末期の事になります。
明治二年(1869年)には、日本で最初と言われるアイスクリームが、横浜で作られて、同じく横浜の馬車道通りで販売されたそうです。
その時のアイスクリームの呼び名は、「あいすくりん」だったそうです。
「あいすくりん」は、氷と塩を使って作っていたそうです。
「あいすくりん」の作り方は、マッチや石鹸などの製造にも関係しているそうです。
明治八年(1875年)には、東京の麹町に在るお店がアイスクリームの販売を開始したそうです。
アイスクリームを販売していたお店は、現在のレストランに近い形だったそうです。
東京の麹町でアイスクリームを販売していたお店は、平成時代も続いています。
アイスクリームが販売された最初の頃の値段は、二十五銭との記録があるそうです。
麹町に在るお店のアイスクリームの販売の値段は分かりませんでした。
アイスクリームの最初の販売当時の二十五銭は、平成時代の現在の値段にすると、八千円位を想像すると良いのではないかとの事でした。
当時のアイスクリームは、とても高価な食べ物になると思いました。
この物語は、夏ではありませんが、時期的に少し暑い日があるので、アイスクリームを販売している設定にしました。
アイスクリームは高価な食べ物だとしても、食べられない値段ではないので、藤田五郎さんがお金を出して、敬一君が食べる設定にしました。
細かい状況は深く考えずに読んで頂けると嬉しいです。
「草露白(そうろしろし)」は、「白露(はくろ)」の頃の七十二候の初侯の言葉です。
「草に降りた露が白く光る」の意味です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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