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新撰組異聞外伝 〜 寒露の頃 〜


〜 第三版 〜


寒露の頃


ここは、東京。


藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。


沖田総司の息子の敬一は、藤田五郎に剣道の稽古を就けてもらうために訪れている。


稽古場。


藤田五郎は稽古着を着て、竹刀を持ち、普通の表情で居る。

敬一は稽古着を着て、竹刀を持ち、真剣な表情で居る。


敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「お願いします。」

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で軽く礼をした。

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を真剣な表情で構えた。

藤田五郎は竹刀を普通の表情で構えた。

敬一は藤田五郎に真剣な表情で竹刀を打ち込んだ。

藤田五郎は敬一の竹刀を普通の表情で払った。

敬一は直ぐに体勢を整えて、藤田五郎に真剣な表情で竹刀を打ち込んだ。

藤田五郎は竹刀の鍔で竹刀を普通の表情で受けた。


藤田五郎と敬一の鍔迫り合いが始まった。


敬一は竹刀を真剣な表情で押している。

藤田五郎は敬一を見ながら、竹刀を普通の表情で押している。

敬一は竹刀を真剣な表情で押している。

藤田五郎は竹刀を普通の表情で強い力で押した。

敬一は竹刀を放し、後ろに勢い良く倒れた。

藤田五郎は敬一を見ながら、竹刀を普通の表情で構えた。

敬一は倒れたまま、藤田五郎を口惜しい様子で見た。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一に普通に話し出す。

「休憩しているのか?」

敬一は竹刀を持ち、勢い良く立ち上がると、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「休憩していません!」

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に勢い良く竹刀を打ち込もうとした。

藤田五郎は竹刀を構えて、竹刀を普通の表情で避けた。

敬一は直ぐに体勢を整えて、藤田五郎を見て、竹刀を真剣な表情で構えた。

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一に普通に話し出す。

「今は稽古中だ。竹刀を打ち込め。真面目に稽古をしろ。」

敬一は竹刀を構えて、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「真面目に稽古を受けています! 今から打ち込みます!」

藤田五郎は竹刀を構えて、敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に真剣な表情で竹刀を打ち込んだ。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は元の服を着て、お茶を普通の表情で飲んでいる。

敬一は元の服を着て、お茶とお菓子を笑顔で味わっている。

藤田五郎の湯飲みから、敬一の湯飲みから、温かい湯気が立ち上っている。


敬一は、お菓子を笑顔で食べ終わり、お茶を笑顔で飲み終えた。

藤田五郎はお茶を普通の表情で飲み終えた。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「ごちそうさまでした!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は、沖田総司と藤田五郎が斉藤一と名乗る頃に帯刀した刀を仕舞った場所を、さり気なく見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一は稽古の日以外も良く訪れている。楽しい出来事がたくさんあるのか?」

敬一は藤田五郎を見ると、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「勉君と遊ぶ時間は楽しいです。斉藤さんと話す時間は楽しいです。楽しい時間はたくさんあります。」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「藤田さんは優しいです。時尾さんも優しいです。楽しい時間は更に増えます。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「時尾は優しいが、俺も優しいのか?」

敬一藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。僕とお母さんを気遣ってくれます。僕に稽古を就けてくれます。お菓子もたくさん用意してくれます。斉藤さんも優しくて、時尾さんも優しいです。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「美鈴さんは俺について何か話しているだろ。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お母さんは斉藤さんを強くて優しい人だと話します。斉藤さんに認めてもらえる人物に成りなさいと話します。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「今の敬一が知るには早い出来事だが、今から或る出来事について話す。」

敬一は藤田五郎に不思議な様子で頷いた。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「俺は、人を騙して、相手の嘘を見抜いて、生きてきた。斉藤一と名乗る頃は、命令が下れば、諜報活動、騙す、斬る、様々な命令を遂行した。」

敬一は藤田五郎を不思議な様子で見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「俺を気に掛けた新撰組の上役がいた。上役の仲間と共に、新撰組と別れて行動しようと誘われた。俺は、新撰組の設立時から居る上役に、上役が誘った内容を伝えた。俺は、新撰組の設立時から居る上役から、秘密裏の命令を受けた。俺は、仲間の振りをして新撰組から除隊した。結果は、俺を気に掛けた上役も含めた多くの偽りの仲間が、殺された。新撰組を除隊する時に、今回の新撰組からの除隊は特例、新撰組を除隊した者は戻れない、という内容で合意していた。俺は、新撰組で生きるために、斉藤一の名前を捨て、別な名前で生きるようになった。」

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「偽りの仲間が亡くなった以降の斉藤一は、裏切り者と言われるようになった。俺は、俺を気に掛けた上役を殺した。」

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見ている。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「簡単な説明だが、以前の俺が係わった出来事だ。俺は、優しい人物に程遠い。」

敬一は藤田五郎を見ながら、真剣な表情で考え込んだ。

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎に考え込んで話し出す。

「何を話せば良いのか分かりません。何も考えられません。すいません。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


玄関。


時尾は微笑んで居る。

敬一も微笑んで居る。


時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「次回も遠慮しないで来てね。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「はい。」

時尾は敬一を微笑んで見た。


敬一は微笑んで居なくなった。


幾日か後の事。


ここは、藤田五郎の家。


食卓の有る部屋。


藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んでいる。

時尾は考え込んで食事をしている。

食卓には、酒、肴、食事が載っている。


時尾は食事を止めると、藤田五郎に心配して話し出す。

「敬一君が訪ねてきません。美鈴さんからの連絡はありません。勉は敬一君が来ないので寂しい様子になる時があります。美鈴さんの体調が悪くて来られないのか、敬一君や美鈴さんに何か起きて連絡が出来ないのか、などと、悪い出来事を想像してしまいます。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通に話し出す。

「明日か明後日に、敬一の家に出掛けて確認する。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「お願いします。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一君と美鈴さんは、二人のみで生活しています。苦労が多いはずです。敬一君は明るくて優しくて良い子です。私が敬一に何か出来るのか良く考えています。敬一君を見ていると、勉を敬一君のように育てたいと思います。」

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は微笑んで食事をした。

藤田五郎は杯の酒を飲みながら、時尾を普通の表情で見た。


翌日の事。


ここは、敬一と母親の美鈴の住む家。


庭。


敬一は竹刀で真剣な表情で素振りをしている。


縁。


美鈴は敬一を不思議な様子で見ている。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


縁。


美鈴は敬一を不思議な様子で見ている。


敬一は木刀を持ち、微笑んで来た。


美鈴は敬一に不思議な様子で話し出す。

「敬一。斉藤さんの家に出掛けない日が続くわね。斉藤さんは忙しいの?」

敬一は美鈴を僅かに困惑して見た。

美鈴は敬一に心配して話し出す。

「斉藤さんかご家族の体調が悪いの?」

敬一は美鈴に困惑して小さく首を横に振った。

美鈴は敬一に心配して話し出す。

「斉藤さんやご家族に迷惑を掛けないようにね。」

敬一は美鈴に考え込んで頷いた。

美鈴は敬一を心配して見た。

敬一は美鈴に真剣な表情で話し出す。

「お母さん。斉藤さんの家に出掛けた時に、斉藤さんが人を騙して生きた時期があると話したんだ。仲間の振りをして新撰組を除隊した時があると話したんだ。斉藤さんを気に掛けた上役と偽りの仲間が、殺されたと話したんだ。斉藤さんを気に掛けた上役と偽りの仲間を殺したのは、斉藤さん本人だと話したんだ。今の話した出来事以降は、斉藤さんは生きるために名前を変えて、斉藤一さんの名前は裏切り者の名前だと言う人が現れたと話したんだ。」

美鈴は敬一を不思議な様子で見た。

敬一は美鈴に真剣な表情で話し出す。

「お母さん。斉藤さんの話した出来事は、本当に起きた出来事なの? お父さんは知っている出来事だよね? お母さんは知っている出来事なの?」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「お父さんは、敬一の話す出来事を全てではないけれど知っていたわ。お母さんは、敬一の話す出来事を少しだけ知っているわ。お母さんの知る限りでは、敬一の話の内容の一部は違うわ。」

敬一は美鈴に不思議な様子で話し出す。

「内容の一部は違う?」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは、斉藤さんを気に掛けた上役と仲間と偽った人達を、実際に殺していないわ。」

敬一は美鈴に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さんが僕に重要な過去の出来事を話した理由は何かな?」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは、斉藤さんと親しく付き合う間に、斉藤さんの過去を知る機会が有ると考えたと思うの。斉藤さんは、敬一と長く付き合いたいから、早い内に話したと思うの。」



敬一は美鈴に不思議な様子で話し出す。

「斉藤さんが僕に教えた出来事は、家族以外には秘密にして良いと思う。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんが敬一に話した真意は、斉藤さんに質問しなさい。」

敬一は美鈴に考え込んで話し出す。

「斉藤さんは、僕やお母さんが斉藤さんと呼ぶのが嫌なのかな?」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは嫌な時や困る時は、発言や行動で相手に伝えると思うの。斉藤さんは敬一に何も伝えていないのよね。敬一は心配しないで良いと思うわ。」

敬一は美鈴に考え込んで頷いた。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一。考えがまとまったら、斉藤さんに質問をして、しっかりと稽古を受けなさい。」

敬一は美鈴に考え込んで頷いた。

美鈴は敬一を微笑んで見た。


美鈴は家の中に微笑んで入って行った。


数日後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


藤田五郎が普通に訪ねている。

美鈴は普通に居る。

敬一は出掛けているために居ない。


食卓の有る部屋。


藤田五郎は普通に居る。

美鈴は微笑んで居る。

食卓には、酒と肴が載っている。


美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一は直ぐに戻る予定です。少しお待ちください。」

藤田五郎は美鈴に普通に話し出す。

「敬一は元気に過ごしているか?」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は美鈴を普通の表情で見た。

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一が斉藤さんの過去に起きた出来事を知ってから、斉藤さんの家に出掛けていません。敬一は、斉藤さんの過去を知って、斉藤さんの新たな一面を知って、いろいろと考えています。敬一の考えがまとまらないために、斉藤さんの家に出掛けられないようです。敬一には、考えがまとまったら、斉藤さんの家を直ぐに出掛けるように話しました。」

藤田五郎は美鈴に普通の表情で頷いた。

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一が斉藤さんに質問をした時には、差し支えない範囲で答えて頂けると嬉しいです。」

藤田五郎は美鈴に普通の表情で頷いた。

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「ご迷惑をお掛けします。」

藤田五郎は美鈴を見ながら、普通の表情で首を横に振った。


玄関から、敬一の帰ってきた物音が聞こえた。


美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一が帰ってきました。少し失礼します。」

藤田五郎は美鈴に普通の表情で頷いた。


美鈴は微笑んで居なくなった。


藤田五郎は酒と肴を普通の表情で見た。


敬一は困惑して来た。

美鈴は微笑んで来た。


藤田五郎は敬一と美鈴を普通の表情で見た。


敬一は藤田五郎に僅かに困惑して話し出す。

「こんにちは。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を困惑して見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一の元気な姿が見られた。安心した。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「僕は藤田さんを何と呼べば良いですか?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「敬一の好きな呼び名で呼べ。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「斉藤さんと呼ばれて、過去の嫌な出来事を思い出しませんか?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「斉藤一の名前は、良い出来事と悪い出来事の両方を思い出す名前だ。俺は様々な出来事を経験した。過去の名前で呼ばれる度に感傷に浸っていたら身がもたない。」

敬一は藤田五郎を心配して見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「総司と美鈴さんは、俺が“斉藤一”以外の名前を名乗った時も、任務に影響のない時で、俺達だけで話す時は、俺を“斉藤”と呼んだ。総司と美鈴さんにとって、俺の呼び名は“斉藤”になっていた。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「僕も斉藤さんと呼んで大丈夫ですか?」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「嫌な時は、事前に話す。呼び方を注意して欲しい時は、事前に話す。俺が何も言わない時は、敬一は俺を好きな呼び名で呼べ。」

敬一は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「俺について気になる内容があれば、俺に直接に聞いて構わない。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は敬一に普通に話し出す。

「時尾と勉が、敬一が家に来ないので寂しく思っている。稽古は日を空け過ぎると、勘と体力が戻るまでに長い時間が必要になる。都合が付いたら俺の家に来い。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「はい。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

美鈴は藤田五郎と敬一を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


藤田五郎は既に居ない。

敬一と美鈴は、普段どおりに居る。


食卓の有る部屋。


敬一は微笑んで居る。

美鈴も微笑んで居る。


美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんに他に確認したい内容があったわよね。斉藤さんに確認しなくて良かったの?」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お父さんの話のとおり、お母さんの話のとおり、斉藤さんは優しくて強い人だね。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴を微笑んで見た。


数日後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


縁の傍。


美鈴は微笑んで縫い物をしている。


美鈴の後ろから、敬一の元気の良い声が聞こえた。

「お母さん! 斉藤さんの家に出掛けるね!」


美鈴は縫い物の手を止めると、後ろを微笑んで見た。


敬一の姿は見えない。


敬一の元気の良い足音が聞こえる。


美鈴は微笑んで縫い物を始めた。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


稽古場。


藤田五郎は稽古着を着て、竹刀を持ち、普通の表情で居る。

敬一は稽古着を着て、竹刀をもち、微笑んで居る。


敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「お願いします。」

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を持ち、藤田五郎に真剣な表情で軽く礼をした。

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は竹刀を真剣な表情で竹刀を構えた。

藤田五郎は竹刀を普通の表情で構えた。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の出来事や展開を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのを止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

藤田五郎さんは、斉藤一さんと名乗る頃に、伊東甲子太郎さんや藤堂平助さんなどと一緒に、新撰組から除隊した時があります。

この除隊した時に、除隊する理由から判断して、新撰組からの除隊を認める代わりに、新撰組から除隊した者は戻れない、と取り決めたそうです。

伊東甲子太郎さんが斉藤一さんを誘った説には、斉藤一さんを評価していた、斉藤一さんを気に掛けていた、斉藤一さんが新撰組に対して快く思っていないと考えていた、などがあるそうです。

この時の斉藤一さんは、新撰組の側から命令を受けています。

この時の出来事に関する経緯の一部が、今回の物語の中に会話のみで登場します。

伊東甲子太郎さんと藤堂平助さんは、斬られて亡くなります。

実際に殺害したのは斉藤一さんではないそうです。

藤田五郎さんと名乗ってからの出来事らしいのですが、長男の藤田勉さんなどに「伊東甲子太郎さんを殺したのは自分だ」という内容を話した事があるそうです。

直接的には殺していないけれど、殺したのも同然だと思っての言葉かも知れません。

藤田五郎さんは伊東甲子太郎さんに、尊敬か親しみを抱いていたのかも知れません。

この出来事の間の斉藤一さんは、最初から生きるか死ぬかのかなり危険な任務だったはずです。

この出来事の結末は、斉藤一さんは生き残り、伊東甲子太郎さんや藤堂平助さんなどの新撰組を除隊した重要人物が亡くなりました。

斉藤一さんは、任務は成功したけれど、取り決めなどのために新撰組に戻れません。

斉藤一さんは名前を変えて新撰組に戻ります。

この出来事の結末の後から、斉藤一という名前は裏切り者だと言う人が現れたようです。

斉藤一さんが名前を変えた頃から、新撰組は終焉に向かって動き始めます。

斉藤一さんの名前は、新撰組の良い時代を知る名前だと思います。

「寒露(かんろ)」は、二十四節気の一つです。

現在の暦で十月八日頃、または、この頃から霜降の頃までの期間です。

「九月節」と呼ぶそうです。

露が冷気によって凍りそうになる頃をいいます。

雁などの冬鳥が渡ってきたり、菊が咲き始めたり、蟋蟀などが鳴き止む頃です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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