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新撰組異聞外伝 〜 小雪の頃 〜


〜 第三版 〜


ここは、東京の町。


寒さを感じる日が増えてきた。


季節が秋から冬へと移っていく気配が分かるようになった。


ここは、沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。


食卓の傍。


美鈴は微笑んで縫い物をしている。


敬一は笑顔で来た。


美鈴は縫い物を止めると、敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 斉藤さんからもらった薩摩芋は残っているよね!」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「今夜は薩摩芋の炊き込みご飯が食べたいな!」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「今夜は敬一の希望どおり、薩摩芋の炊き込みご飯にするわね。」

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「薩摩芋の炊き込みご飯が食べられる〜! 楽しみだな〜!」

美鈴は敬一を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓。


敬一は笑顔で居る。

美鈴は微笑んで居る。

食卓には、薩摩芋の炊き込みご飯が載っている。


敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「いただきます!」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「いただきます。」

敬一は薩摩芋の炊き込みご飯を美味しく食べた。

美鈴は薩摩芋の炊き込みご飯を微笑んで食べた。

敬一は薩摩芋の炊き込みご飯を食べながら、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さんの作った薩摩芋の炊き込みご飯は、とても美味しいよ!」

美鈴は薩摩芋の炊き込みご飯を食べながら、敬一に微笑んで話し出す。

「褒めてくれてありがとう。」

敬一は薩摩芋の炊き込みご飯を食べながら、美鈴に恥ずかしく話し出す。

「お母さんの作る物は全て美味しいよね。薩摩芋の炊き込みご飯も美味しいが正しい表現だね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一がいつも笑顔で褒めてくれるから、更に美味しい物を作りたいと思って努力できるの。」

敬一は薩摩芋の炊き込みご飯を食べながら、美鈴を恥ずかしく見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「薩摩芋の炊き込みご飯は、たくさん作ったの。遠慮しないでたくさん食べてね。」

敬一は薩摩芋の炊き込みご飯を食べながら、美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は薩摩芋の炊き込みご飯を食べながら、敬一を微笑んで見た。

敬一は薩摩芋の炊き込みご飯を美味しく食べた。

美鈴は薩摩芋の炊き込みご飯を食べながら、敬一を微笑んで見た。


数日後の事。


ここは、東京の町。


季節が真冬に進んだと思うほどの寒い日となっている。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


縁の傍。


美鈴は微笑んで繕い物をしている。


敬一は笑顔で来た。


敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! 今日は斉藤さんの家で剣道の道具の確認をするんだ! 斉藤さんの家に出掛けるね!」

美鈴は繕い物を止めると、敬一に微笑んで話し出す。

「気を付けて行ってらっしゃい。」

敬一は美鈴に笑顔で話し出す。

「行ってきます!」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。


敬一は元気良く居なくなった。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は普通に居る。

敬一は笑顔で居る。

剣道の道具が置いてある。


敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「今日は剣道の道具の管理を手伝います! 指導をお願いします!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎を笑顔で見た。

藤田五郎は、藤田五郎の前と敬一の前に、剣道の道具を普通に置いた。

敬一は竹刀を持つと、竹刀を真剣な表情で確認した。

藤田五郎は敬一を一瞥しながら、竹刀を持つと、竹刀を普通の表情で確認した。

敬一は藤田五郎に竹刀を差し出すと、藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「竹刀にひびが入っています。確認をお願いします。」

藤田五郎は敬一から竹刀を受け取ると、竹刀を普通の表情で確認した。

敬一は藤田五郎を真剣な表情で見た。

藤田五郎は竹刀を持ち、敬一を見ると、敬一に普通に話し出す。

「敬一の話すとおり竹刀にひびが入っている。修理する。」

敬一は藤田五郎に真剣な表情で話し出す。

「お願いします。」

藤田五郎は竹刀を脇に置くと、敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎に真剣な表情で見た。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は普通の表情で剣道の道具の確認を終えた。

敬一は真剣な表情で剣道の道具の確認を終えた。


時尾の穏やかな声が、部屋の外から聞こえた。

「庭で焚き火をしたいと思います。」


藤田五郎は障子を普通に開けた。


時尾は縁に立ち、藤田五郎を微笑んで見ている。


藤田五郎は敬一を見ると、敬一に普通に話し出す。

「一緒に焚き火をするか?」

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。


時尾は藤田五郎と敬一に微笑んで話し出す。

「焚き火の準備は出来ています。私は庭に先に行きます。」


敬一は時尾に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


時尾は藤田五郎に微笑んで軽く礼をした。


時尾は微笑んで居なくなった。


僅かに後の事。


ここは、藤田五郎の家


庭。


藤田五郎は焚き火の準備を普通にしている。

時尾は焚き火の準備を微笑んでしている。

敬一も焚き火の準備を微笑んでしている。


焚き火は熱さと暖かさの両方を含みながら燃え始めた。


敬一は焚き火に手をかざして、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「暖かいです!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

敬一は焚き火に手をかざして、時尾に笑顔で話し出す。

「斉藤さんと時尾さんから頂いたたくさんの薩摩芋は、いろいろな食べ方をしています! 昨日は、薩摩芋を炊き込みご飯にして食べました! 美味しかったです!」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「喜んでもらえて嬉しいわ。」

敬一は焚き火に手をかざして、時尾を笑顔で見た。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「少しの間だけ焚き火の前から離れます。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


時尾は微笑んで居なくなった。


敬一は焚き火に手をかざして、微笑んで空を見た。


空はどんよりとした様子になっている。


敬一の顔に冷たい物が当たった。


敬一は焚き火に手をかざして、空を見て不思議な様子で呟いた。

「雨?」

藤田五郎は空を普通の表情で見た。


藤田五郎の顔にも冷たい物が当たった。


僅かだが、空から雪が降ってきた。


敬一は焚き火に手をかざすのを止めると、藤田五郎を見て、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「雪が降ってきました!」

藤田五郎は敬一を見ると、普通の表情で頷いた。


庭の桜が突然に咲き始めた。


庭が淡い光りと暖かさに包まれた。


藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。


敬一は焚き火を笑顔で見ている。


藤田五郎は横を普通の表情で見た。


沖田総司は藤田五郎の横で微笑んで居る。


藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。こんにちは。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は敬一を寂しげな微笑みで見た。

藤田五郎は沖田総司と敬一を普通の表情で見た。

敬一は藤田五郎を見ると、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 雪が降っているのに急に暖かくなりました! 不思議ですね!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

沖田総司は敬一を微笑んで見た。

敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「焚き火に長く当たっているから、暖かく感じるのでしょうか?!」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

沖田総司は敬一を微笑んで見ている。

敬一は空を笑顔で見た。

藤田五郎は空を普通の表情で見た。


雪は既に止んでいる。


敬一は藤田五郎を見ると、藤田五郎に寂しく話し出す。

「雪が止みました。」

藤田五郎は敬一を見ると、普通の表情で頷いた。


時尾が微笑んで来た。


藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君。山茶花を用意したの。山茶花は縁に置いたわ。美鈴さんに山茶花を渡してね。」

敬一は縁を微笑んで見た。


綺麗に咲く鉢植えの山茶花が、縁に置いてある。


敬一は時尾を見ると、時尾に笑顔で話し出す。

「お母さんがとても喜びます! ありがとうございます!」

時尾は敬一を微笑んで見た。

沖田総司は敬一を微笑んで見ている。

藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は藤田五郎を見ると、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。後で再び呼んでください。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。


桜の様子は元に戻った。

庭の様子も元に戻った。


庭を包む暖かさは、沖田総司が居た名残のように残っている。


敬一は藤田五郎に笑顔で話し出す。

「少し経ったら帰ります!」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一君が帰る時には、みんなで見送りしましょう。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

敬一は藤田五郎と時尾に笑顔で話し出す。

「みんなで準備をした焚き火です! 僕に遠慮せずに、焚き火を続けてください!」

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は敬一を見ると、敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君の言葉に甘えて、焚き火を続けるわ。敬一君は時間になったら、五郎さんと私に遠慮せずに帰ってね。気を付けて帰ってね。」

敬一は藤田五郎と時尾に笑顔で話し出す。

「はい!」

藤田五郎は敬一を普通の表情で見た。

時尾は敬一を微笑んで見た。


焚き火は熱さと暖かさの両方を含みながら燃え続けている。


暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


庭。


藤田五郎は普通に居る。

時尾は微笑んで居る。

焚き火の火は消えかかっている。


焚き火の火が消えた。


時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「敬一君が帰った途端に、焚き火の火の勢いが無くなりました。不思議ですね。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「焚き火の後片付けを始めても良いですか?」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。


藤田五郎は焚き火の後片付けを普通に始めた。

時尾は焚き火の後片付けを微笑んで始めた。


少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


藤田五郎の部屋。


藤田五郎は普通に居る。


部屋の中が暖かさに包まれた。


藤田五郎は障子を開けると、庭を普通の表情で見た。


庭には桜が咲いている。


藤田五郎は横を普通の表情で見た。


沖田総司は藤田五郎の横で微笑んで居る。


藤田五郎は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は藤田五郎に心配して話し出す。

「少しずつ寒くなりますね。」

藤田五郎は沖田総司に普通に話し出す。

「敬一と美鈴さんの様子は気にしておく。心配するな。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「いつも気を遣って頂いて、ありがとうございます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「鈴は山茶花を見たら喜びます。私からも礼を言います。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「戻る時間が近付いています。再び呼んでくださいね。楽しみに待っています。」

藤田五郎は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。


藤田五郎は庭を普通の表情で見た。


庭は元の姿に戻っている。


藤田五郎は障子を普通に閉めた。


同じ頃。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


玄関。


敬一が山茶花を大事に持ち、笑顔で帰ってきた。


美鈴は微笑んで来た。


敬一は山茶花を持ち、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! ただいま!」

美鈴は時尾に微笑んで話し出す。

「敬一。お帰りなさい。」

敬一は山茶花を脇に置くと、美鈴に笑顔で話し出す。

「斉藤さんと時尾さんからもらったんだ! 僕がお母さんの分もお礼を言ったよ! 安心して良いよ!」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「綺麗な山茶花ね。敬一。山茶花のお礼をありがとう。」

敬一は美鈴を笑顔で見た。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「山茶花と薩摩芋のお返しをしたいと思うの。敬一も一緒に考えてくれる?」

敬一は美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は山茶花を微笑んで見た。

敬一は美鈴を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓


敬一は笑顔で居る。

美鈴は微笑んで居る。

食卓の上には、薩摩芋の雑炊が載っている。


敬一は薩摩芋の雑炊を食べながら、美鈴に笑顔で話し出す。

「お母さん! とても美味しいよ!」

美鈴は薩摩芋の雑炊を食べながら、敬一に微笑んで話し出す。

「たくさん作ったから、遠慮しないで食べてね。」

敬一は薩摩芋の雑炊を食べながら、美鈴に笑顔で頷いた。

美鈴は薩摩芋の雑炊を食べながら、敬一を微笑んで見た。

敬一は薩摩芋の雑炊を美味しく食べながら、美鈴を微笑んで見た。

美鈴は薩摩芋の雑炊を食べながら、敬一を微笑んで見た。


東京の町にも、冬の季節がゆっくりと近付いてきている。

藤田五郎、時尾、敬一、美鈴は、冬の季節の気配を感じながら、穏やかに過ごしている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残して再改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語の中に登場する「薩摩芋の炊き込みご飯」は、「いもご飯」というような呼び方をされていて、江戸時代には普通に食べられていたそうです。

「いもご飯」は、お米や麦に薩摩芋をまぜて炊くご飯です。

物語の中に登場する「いも雑炊」も、江戸時代にはごく普通に食べられていたそうです。

「いも雑炊」は、薩摩芋を摩り下ろすか焼き芋にして裏ごしした物を、ご飯をゆでるというか煮ている鍋に入れて、塩や味噌などで味付けするそうです。

野菜などを入れる事もあるそうです。

江戸時代に「甘藷百珍」という本がありました。

「いもご飯」や「いも雑炊」他にも、いろいろな料理法があります。

詳細は各自でご確認をお願いします。

「山茶花(さざんか)」は、椿に良く似た花です。

この物語の設定時期に、東京の町に雪が降る事はほとんどないと思います。

今回は題名の関係で、東京の町に雪が降る場面が登場します。

「小雪(しょうせつ)」は、二十四節気の一つです。

十一月二十二日頃、または、この頃から「大雪」までの期間をいいます。

僅かながら雪が降り始める頃といわれています。

そして、遠くの山に冠雪が見られ始め、みかんが黄ばみ始める頃ともいわれています。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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