新撰組異聞外伝　〜　麦秋至　夏の準備　〜


藤田五郎と沖田総司の息子の敬一が出逢ってから、二度目の初夏を迎えている。


ここは、東京の町。


沖田総司の息子の敬一と母親の美鈴の住む家。


縁の傍。


美鈴は浴衣を微笑んで縫っている。


敬一は美鈴の傍に微笑んで来た。


美鈴は繕い物を止めると、敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「小さい浴衣だね。誰かに頼まれたの？」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「既に浴衣を縫って欲しいと頼まれているけれど、今の縫っている浴衣は違うの。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さんは丁寧に縫うから、着心地も評判も良いよね。僕は、縫い物の手伝いは出来ないけれど、別な手伝いをたくさんするから無理をしないでね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

敬一は美鈴を微笑んで見た。

美鈴は浴衣を微笑んで縫い始めた。

敬一は美鈴を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


庭。


美鈴は洗濯物を微笑んで取り込んでいる。


敬一は美鈴の傍に微笑んで来た。


美鈴は洗濯物を取り込む手を止めると、敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「僕が手伝うと話しをしたばかりなのに、お母さんが一人で洗濯物を取り込んでいるから焦ったよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一が勉強をしていたから、声を掛けるのを止めたの。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「僕が何度も手伝いをすると言っても、お母さんは僕が勉強や稽古をしているからと言って一人で始めているよ。声を掛けてくれないと、安心して勉強も稽古も出来ないよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「次からは敬一に声を掛けるわね。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「洗濯物を取り込むのを手伝うね。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は洗濯物を微笑んで取り込み始めた。

美鈴も洗濯物を微笑んで取り込み始めた。


それから数日後の事。


ここは、敬一と美鈴の家。


縁の傍。


美鈴は浴衣を微笑んで縫い物をしている。


敬一は美鈴の傍に微笑んで来た。


美鈴は縫い物を止めると、敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。斉藤さんの家に出掛けるね。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんの家に届けて欲しい物があるの。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「分かった。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「少し待っていてね。」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。


美鈴は届け物を取りに微笑んで居なくなった。


敬一は美鈴を微笑んで見た。


それから僅かに後の事。


ここは、縁の傍。


敬一は美鈴が戻ってくるのを微笑んで待っている。


美鈴が風呂敷と幼い男の子用の浴衣を持ちながら、敬一の傍に微笑んで来た。


敬一は美鈴と浴衣を見ながら、微笑んで話し出す。

「お母さんが何日か前に縫っていた浴衣と同じ柄だね。」

美鈴は浴衣と風呂敷を傍に置くと、敬一に微笑んで話し出す。

「勉君のために縫った浴衣なの。時尾さんは勉君のために浴衣を縫っていると思うけれど、浴衣は何枚あっても困らないと思って縫ったの。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「勉君も斉藤さんも時尾さんも喜ぶよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一から聞いた話しから勉君の体の大きさを大体は想像できたけれど、念のために少し大きく縫ったの。浴衣が大きい可能性があると伝えておいてね。」

敬一は美鈴に微笑んで頷いた。

美鈴は浴衣を丁寧にたたむと、微笑みながら風呂敷で包んだ。

敬一は美鈴を微笑んで見た。

美鈴は敬一に風呂敷の包みを微笑んで渡した。

敬一は美鈴から風呂敷の包みを微笑んで受け取った。

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「行ってらっしゃい。」

敬一は風呂敷の包みを持ちながら、美鈴に微笑んで話し出す。

「行ってきます。」

美鈴は敬一を微笑んで見た。


敬一は風呂敷の包みを持ちながら、元気良く出掛けて行った。


それから少し後の事。


ここは、東京の町。


藤田五郎、妻の時尾、幼い息子の勉の住む家。


藤田五郎は仕事に出掛けているので既に居ない。

時尾と勉だけになっている。


敬一が風呂敷の包みを持って、元気良く訪れた。


ここは、客間。


時尾、勉、敬一が居る。


敬一の前には、麦茶とお菓子が置いてある。

敬一の傍には、包みが置いてある。


敬一は時尾の前に風呂敷の包みを置くと、微笑んで話し出す。

「お母さんが日頃のお礼として、勉君のために浴衣を縫いました。時尾さんが勉君のために浴衣を縫っていると思ったのですが、何着あっても差し支えないと考えて縫ったそうです。僕の子供の頃や勉君に関する話しなどから、大体の体の大きさは想像できたそうですが、念のために少し大きめに縫ったそうです。」

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一君。ありがとう。美鈴さんにもお礼を伝えてね。」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「はい。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「ありがと。」

時尾は勉を微笑んで見た。

敬一は勉に微笑んで話し出す。

「勉君のお礼も伝えるね。」

勉は敬一に笑顔で頷いた。

時尾は敬一に微笑んで話し出す。

「勉に浴衣を見せたいから、直ぐに包みを広げても良いかしら？」

敬一は時尾に微笑んで話し出す。

「はい。」

時尾は風呂敷を微笑みながら丁寧に広げた。

勉は時尾を笑顔で見た。

時尾は勉に浴衣を見せると、微笑んで話し出す。

「かっこよい柄ね。」

勉は時尾に笑顔で頷いた。

時尾は勉に浴衣を当てると、微笑んで話し出す。

「ちょうどよい大きさね。浴衣を着る日が楽しみね。」

勉は時尾に笑顔で話し出す。

「おとうさん。いっしょ。おふろ。はなび。ゆかたきる。」

時尾は浴衣を丁寧にたたむと、勉に微笑んで話し出す。

「花火やお風呂の後に浴衣を着て、お父さんと一緒に過ごしましょうね。」

勉は時尾に笑顔で頷いた。

時尾は敬一を微笑んで見た。

敬一は下を向くと、ゆっくりと麦茶を飲んだ。

時尾は敬一を不思議そうに見た。

勉は敬一を見ると、笑顔で話し出す。

「おにいちゃん。ゆかた。はなび。いっしょ。」

敬一は麦茶を飲むのを止めて、勉を見ると、微笑んで話し出す。

「僕が花火の時に着る浴衣は、少し小さくなってしまったんだ。僕が勉君と花火を一緒にしたら、お母さんが暗い時間に一人になるんだ。僕は勉君と一緒に花火ができないと思うんだ。勉君は浴衣を着て、お父さんとお母さんと一緒に花火を楽しんでね。」

勉は敬一に笑顔で話し出す。

「おにいちゃん。おかあさん。ぼく。おとうさん。おかあさん。いっしょ。」

敬一は勉を微笑んで見た。

勉は敬一を笑顔で見た。

敬一は時尾を見ると、微笑んで話し出す。

「勉君と一緒に遊んでも良いですか？」

時尾は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は勉を見ると、微笑んで話し出す。

「勉君。一緒に遊ぼう。」

勉は敬一に笑顔で頷いた。


それから少し後の事。


ここは、藤田五郎の家。


縁。


時尾は微笑んで歩いている。


時尾の視線の先に、勉と敬一が横になっている姿が見えた。


時尾は勉と敬一の傍に心配そうに来た。


敬一は気持ち良さそうに横になって寝ている。

勉は敬一の傍で気持ち良さそうに横になって寝ている。


時尾は勉と敬一の様子を確認すると、静かに歩きながら居なくなった。


それから僅かに後の事。


ここは、縁。


時尾は掛け布団を抱えながら、勉と敬一の傍に微笑んで来た。


敬一は気持ち良さそうに横になって寝ている。

勉は敬一の傍で気持ち良さそうに横になって寝ている。


時尾は勉と敬一に掛け布団を掛けると、静かに歩きながら居なくなった。


それから暫く後の事。


ここは、藤田五郎の家。


敬一は家へと帰ったため、既に居ない。

藤田五郎は敬一が帰ってから暫く後に、仕事を終えて帰ってきた。


今は、藤田五郎、時尾、勉の三人が家に居る。


ここは、食卓。の在る部屋


勉は部屋で寝ているために居ない。

藤田五郎と時尾が居る。

藤田五郎の前には、酒と肴が置いてある。


時尾は藤田五郎に微笑んで酌をした。

藤田五郎は杯の酒を普通の表情で飲んだ。

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「美鈴さんが勉のために縫ってくれた浴衣を持って、敬一君が訪ねてきました。敬一君からの話しなどから想像して、少し大きめの浴衣を縫ったそうです。実際に浴衣を見ると、夏には勉がちょうど良い大きさで着られると想像できる大きさで、勉に合う素敵な柄でした。勉も喜んでいました。私から敬一君にお礼を言いました。敬一君は勉と一緒に遊んでくれました。勉は嬉しそうに遊んでいました。二人共に疲れたのか、途中で寝ていました。敬一君と勉は、敬一君が帰る時間の少し前に起しました。勉は敬一君が帰ると同時に再び寝てしまいました。」

藤田五郎は杯の酒を飲み終わると、時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に心配そうに話し出す。

「勉が花火の時やお風呂の後に、五郎さんと浴衣を着て過ごしたいと言いました。敬一君が僅かな間だけ寂しそうな様子になりました。敬一君は直ぐに笑顔に戻りました。勉が敬一君に浴衣を着て花火をしようと言いました。敬一君は、花火を行なう時に着る浴衣が少し小さいし、美鈴さんを暗い時間に一人で出来ないと、笑顔で言いました。私には敬一君が無理をして笑顔で振舞っているように見えました。」

藤田五郎は時尾を普通の表情で見た。

時尾は藤田五郎に心配そうに話し出す。

「美鈴さんは忙しい時間を割いて勉のために浴衣を縫ったはずです。敬一君はいつもしっかりとした身なりをしています。敬一君は美鈴さんを気遣う発言を何度もしています。敬一君が断る理由としてとっさに浴衣の大きさを言ったのではないかと思うと同時に、美鈴さんが勉の着る浴衣を縫ったために、敬一君の着る浴衣を縫う時間が無くなったのかも知れないとも思いました。敬一君と美鈴さんに、感謝と申し訳なさの両方を抱いてしまいました。」

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「美鈴さんが敬一の着る浴衣を縫ったかについて、時尾が心配する気持ちは分かる。俺にも詳しい理由や状況は分からないが、美鈴さんが勉のために浴衣を縫った事実はある。時尾の気配りに美鈴さんが感謝している証拠だ。時尾が悩んだら、美鈴さんと敬一が心配するぞ。」

時尾は藤田五郎に心配そうに話し出す。

「以前に、勉に敬一君とのお揃いの浴衣が欲しいかと尋ねました。勉はとても喜びました。勉と敬一君にお揃いの浴衣を縫いました。今は、敬一君の浴衣は縫い終わり、勉の浴衣を縫っている最中です。勉の浴衣が縫い終われば、敬一君に贈る予定でした。良く考えたら、今の状況で敬一君に勉とのお揃いの浴衣を贈ると、敬一君は花火に誘われていると思いますよね。敬一君は私の縫った浴衣より美鈴さんの縫った浴衣を着たいですよね、敬一君が私に遠慮をして美鈴さんの縫った浴衣を着ないかも知れないですよね。今日の敬一君を見ていたら、敬一君に浴衣を贈らない方が良いのかと考えてしまいました。」

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「美鈴さんは勉のために柄もしっかりと選んで浴衣を縫ってくれた。時尾に美鈴さんの気持ちが伝わった。美鈴さんにも時尾の気持ちが伝わって、時尾が縫った浴衣を喜んで受け取るはずだ。敬一は時尾の縫った浴衣も美鈴さんの縫った浴衣も喜んで着るはずだ。花火を一緒にする件は、俺や時尾から積極的に話さなければ、敬一と美鈴さんは気にしないと思う。」

時尾は藤田五郎を微笑んで見た。

藤田五郎は時尾に普通に話し出す。

「時尾が敬一のために縫った浴衣だ。敬一と美鈴さんに浴衣を贈ろう。問題が無ければ、俺が敬一と美鈴さんの家に浴衣を持っていく。」

時尾は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

藤田五郎は時尾に普通の表情で頷いた。

時尾は藤田五郎に微笑んで酌をした。

藤田五郎は時尾に頷くと、杯の酒を普通の表情で飲んだ。


その翌日の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


食卓。


敬一は真剣な表情で本を読んでいる。


美鈴は麦茶を持ちながら、敬一の傍に微笑んで来た。


敬一は本を読むのを止めると、美鈴を微笑んで見た。

美鈴は敬一の傍に麦茶を置くと、微笑んで話し出す。

「敬一の浴衣が縫い終わったの。念のために浴衣を当てても良いかしら？」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「僕の浴衣も縫っていてくれたんだ。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「去年に縫ってくれた浴衣は、柄も着心地も良かったよ。僕のために無理しなくて良いよ。」

美鈴は敬一に微笑んで話し出す。

「敬一はしっかりと成長をしているわ。敬一はお父さんの大切な子よ。浴衣もしっかりと着て欲しいの。」

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「僕はお父さんとお母さんと子だよ。間違えたら駄目だよ。」

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴に微笑んで話し出す。

「お母さん。新しい浴衣を早く見せて。」

美鈴は敬一に微笑んで頷いた。


美鈴は浴衣を取りに微笑んで居なくなった。


敬一は麦茶を飲みながら、美鈴を笑顔で見た。


それから何日か後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


藤田五郎が風呂敷の包みを持って、普通に訪ねてきた。


ここは、食卓のある部屋。


藤田五郎、美鈴、敬一が居る。


敬一と美鈴の前には、麦茶が置いてある。

藤田五郎の前には、酒と肴が置いてある。

藤田五郎の傍には、風呂敷の包みが置いてある。


藤田五郎は美鈴の前に風呂敷の包みを置くと、普通に話し出す。

「敬一がいつも勉と一緒に遊んでくれる礼として、時尾が敬一と美鈴さんのために浴衣を縫った。勉の希望があったので、敬一と勉は揃いの柄にした。柄や大きさなどの問題が無ければ受け取って欲しい。」

美鈴は藤田五郎に申し訳なさそうに話し出す。

「敬一のための浴衣だけでなく、私のための浴衣まで縫って頂いてありがとうございます。」

敬一は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「僕からもお礼を言います。」

藤田五郎と敬一と美鈴に普通に話し出す。

「浴衣の直しが必要な場合は、時尾が直すから遠慮なく言ってくれ。」

美鈴は藤田五郎に微笑んで話し出す。

「分かりました。直ぐに確認をします。」

藤田五郎は敬一に普通の表情で頷いた。

美鈴は風呂敷の包みを微笑んで広げた。

敬一は風呂敷の包みを笑顔で見た。

藤田五郎は美鈴と敬一を普通の表情で見た。

美鈴は敬一の浴衣を手に取ると、微笑んで渡した。

敬一は美鈴から微笑んで浴衣を受け取った。

美鈴は自分の浴衣を手に取ると、微笑んで当てた。

敬一は自分に浴衣を笑顔で当てた。

藤田五郎は敬一と美鈴を普通の表情で見た。

敬一は浴衣を当てながら、藤田五郎に笑顔で話し出す。

「斉藤さん！　かっこよい柄の浴衣をありがとうございます！」

美鈴は浴衣を当てながら、藤田五郎に微笑んで話し出す。

「素敵な柄の浴衣をありがとうございます。」

藤田五郎は敬一と美鈴に普通の表情で頷いた。


それから少し後の事。


ここは、敬一と美鈴の住む家。


藤田五郎は自分の家へと帰ったために、既に居ない。

敬一と美鈴だけとなっている。


ここは、敬一の部屋。


敬一と美鈴が居る。


敬一は時尾が縫った浴衣方と美鈴が縫った浴衣を笑顔で並べた。

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴を見ると、笑顔で話し出す。

「暫く経つと本格的な夏になるね！　今年は、時尾さんとお母さんが縫ってくれたかっこよい浴衣をたくさん着て過ごすんだ！　斉藤さんが家に着た時は、浴衣を着ようと思うんだ！　お母さんと一緒に花火をする時も浴衣を着るんだ！　もちろんお風呂の後や寝る時にも着るよ！」

美鈴は敬一を微笑んで見た。

敬一は美鈴を笑顔で見た。


美鈴が敬一のために縫った浴衣。

時尾が敬一と美鈴のために縫った浴衣。

敬一にとって夏の楽しみが一つ増えた。


今は麦秋の季節。

楽しい夏の行事がたくさん行なわれるのは、もう暫く先になる。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

「夏」・「夏祭り」・「花火」といえば、「浴衣（ゆかた）」を想像する方が多いと思います。

「浴衣」自体は、平安時代にはありました。

江戸時代の寛政年間（１７８９〜１８０１年）の頃に流行をしたそうです。

同じく江戸時代の弘化年間（１８４４〜１８４８年）に更に盛んになったそうです。

江戸時代に藍染技術が発達した事により、紺色と白色の柄の浴衣が利用されていたそうです。

江戸時代は、町民などに対して贅沢を禁止するという事で、いろいろな制限がありました。

いろいろな制約の中で作られた浴衣ですが、綺麗な柄や印象的な柄がたくさんあったそうです。

江戸時代は、現在のように浴衣を着て花火を見る過ごし方は、一般的にはしていなかったようです。

江戸時代の浴衣は、お風呂に入る時、お風呂の後、寝る時、などに着ていたそうです。

浴衣を着て夏祭りや花火などに参加するようになったのは、かなり後の事のようです。

明治時代になると、浴衣の柄が更に豊富になったそうです。

浴衣に紺色や白色以外の色が使用されるようになったのは、明治２０年（１８８７年）頃からのようです。

明治時代のいつ頃か分かりませんが、浴衣を着て外出する事があったそうです。

江戸時代の途中から明治時代の間に、浴衣を着て盆踊りや花火を楽しむようになったようです。

「麦秋至（ばくしゅういたる、または、むぎのときいたる）」は、二十四節気の「小満（しょうまん）［現在の暦で５月２１日〜６月４日頃］」の七十二節候の末候の言葉です。

「麦が熟し麦秋（ばくしゅう）となる」という意味です。

「麦秋（ばくしゅう）（［むぎあき］と読む事もあります）」は、「麦の刈り入れをする季節。初夏の頃。」を言います。

「麦秋」は、「麦の秋（むぎのあき）」という呼び方もします。

夏の季語です。

緑色の穂をしていた麦が、熟すと茶色のような色になります。

その時期がちょうど初夏の頃と重なります。

そのため「秋」と付いていますが、「夏」の季語になります。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前 　　　　　　　　　　 目次 　　　　　　　　　　 次→