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魅惑の飯田線ツアー・2
豊橋を出発した電車は、暫く東海道本線と併走した後、名鉄N古屋本線と分岐し、
北へと向きを変える。
もともと私鉄であった飯田線であるので、人家の鼻先を電車が掠める様に走っていく。
東海道本線の慌しさとは打って変わって、車内をのんびりとした空気が包んでいる。
●国鉄マーク入り扇風機。壁のスイッチで勝手に起動可能の模様●
豊川稲荷(とよかわいなり)で有名な豊川駅に列車が近づくと、名鉄の線路がすぐ隣まで来る。
名鉄豊川線だ。しかし、JRの線路側からは電車も駅も殆ど見えない。
フェンスや塀で十重二十重だ。そこまで嫌う理由があるんか?
豊川を出た電車はのどかな田園風景の中をジョイント音も軽やかに走ってゆく。
ジョイント音というのはあれですよ、レールの継ぎ目を車輪が通ってタタン、タタン。いう音。
で、まあ、そのまま、飯田線は北上を続け、新城(しんしろ)市に到着。
ここで対抗列車をやり過ごす事になった。
7分間の停車だというので、外の空気を吸いに出てみた。
立派な駅舎が往時の繁栄ぶりを今に伝えている。
足元に、『特急伊那路・乗車位置』のシール。よし、帰りには乗ろう。
新城を発車したとたん車窓に飛び込んできたものを見た私は、
●農協のスーパー。教授Y氏の研究によると、これがある場所はcountry sideなのだそうな●
Aコープを久しぶりに見た気がする。
思ったよりも沢山車が止まっているのは、買い物客なのか、
それとも農協関係者なのかは謎。近くに『ユニー』もあるのに。
その後も、駅にこまめに停車しながら、乗客の入れ替えもほとんど無い状態で
列車はのんびりと北を目指す。
途中の駅で、イベント列車と交換する。
●EF58が牽引するトロッコ列車●
こいつの牽引する客車の中には、松山旅行の際にヒドい目にあった客車の親戚も繋がっている。
このトロッコ列車も尻の下がむちゃくちゃ熱いに違いないという、
強迫観念にも似た考えが頭をよぎる。
先生、私はもうML松山には乗りたくありません。熱いよー。
などと思いながら電車に揺られること暫く、
長篠城(ながしのじょう)駅に到着。かなり山深い立地だ。
教科書でよく見かけた『長篠の戦い』の舞台になったところだが、
よもやこんなに内陸の峻険な地形の中で行われていたとは思わなかった。
知識で知っているのと、実際に見てみるのでは大きく違うものだと思った。
●駅前のワンシーン●
長篠城駅前の商店のお姉さん(!)が、電車を降りてきた同年輩のお姉さん(!)と挨拶。
ほのぼのとした光景だ。
私もあんなふうに出迎えられたいもんです。
仲良さげに立ち話をするばあちゃんを見ながら、電車は走り出す。
途中、長時間停車した駅で、気分転換に外に出ると、
運転手のおっちゃんと車掌の兄ちゃんがタバコを吸いがてら立ち話をしていて、
話しかけられたので、15分ほど一緒に談笑していた。
運転手のおっちゃんは豊橋近辺の人で、車掌の兄ちゃんはN古屋出身の人らしい。
車掌の兄ちゃんはパソコンを買いたいらしく、最近のパソコン事情について話に花が咲いた。
運転手のおっちゃんは『パソコンはよう分からん』と、へそを曲げた。
運「しかし、ええなぁ。連休に温泉行きなんか、JRにおったらできんから。」
車「そうですよねー」
私「いえ、僕も普段は土日は仕事なんですよー」
ちゃんと土日休みの仕事してる人間はいいなぁと、三人でしみじみ。
●ここに写っている車掌さん。ナイスガイです●
目的地湯谷温泉までもう少し、夕暮れの駅に到着した列車を降りて、
お世話になった車掌さんに視線を向けると、
発車のホイッスルを吹いて、車掌室に入りざま、ピッと敬礼をくれた。
私も手を上げて、走り去る列車を見送る。
ああ、着いた着いた。
なかなか立派な駅舎が建っている。
横を通り過ぎた我々の前に、着物姿の仲居さんがわらわらと出現。
すわ、出迎えかと感激しそうになったが、どうも他の旅館の仲居さんらしい。
パタパタと小走りに歩く仲居さんの姿を見るにつけ、旅館の醸し出す雰囲気に酔ってくるというもの。
我々は清々しいた気分になりつつ、目当ての旅館を目指すことにした。
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