このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

魅惑の飯田線ツアー・4



●電柱がかぶってしまった、電車●

カメラを構えた我々の目の前を轟音を立てて走り去る電車。
こうやって見てみるといつも何気なく乗っている電車がいかに大きいかという事を再認識する

電車を見送った後、時計を確認した我々は、ご飯の時間までもうそんなにない事を知りつつも、
今来た道を宿まで帰るのも癪だという理由で、前に向けて歩き始めた。
手元にあるアバウト縮尺な地図をもってしても、宿まではかなりの距離がある。
残り時間半分を切った時点で、来た道のりの大体2倍の行程を歩くのだ。

私の高度な頭脳が、はじき出した答えによると、
今までの倍のペースで歩かねば、ご飯時までに部屋に帰れないということになる。

川沿いの少し肌寒い風が心地よくなるほどのペースで宿に向かう。
沿道で我々を見送る原住民及び、観光客の皆様は、どんな眼差しで我々を見ていたのだろうか。

ようやく、宿に帰りついた我々(17:55着)を迎えたのは、
ご飯の時間を迎える宿の慌しい空気であった。
出かける際にフロントにカギを預けて外に出た我々は、
フロントの中に向かって、「すいません。帰りました〜」と声をかけた。
無論の事カウンターの中にいるべき人物は、夕餉の準備に追われており、無人である。
我々は、自分の部屋に入ることも出来ずに、またロビーのソファでぼーっとする事となった。

<5分後>
仲居「…どうされました?」
私 「いや、カギを預けてあるもんで、入れないんです」
仲居「あらあらあらあら」

祈れば通じるものだ。
我々は、ようやく自分の部屋に帰りつくことが出来た。


部屋に戻って、靴下を脱いで、上着も脱いで、くつろぐこと数分。
仲居さんが食事の用意をする為に部屋に登場した。

仲居「もうお風呂には入られましたか?」

着いて早々宿を脱出して汗だくで徘徊していた等とは口が裂けても言えん。

我々「いえ、まだなんですよ。部屋でゆっくりしていたので…」
よう言うた、このうそつきめ。

仲居「じゃあ、御飯の用意しますからね」


●一番初めに置かれた料理たち●

さて、この時点で我々は腹ペコであった。
仲居さんの勧めてくれた壜ビールなどを開けつつも、
銀シャリ至上主義者の私の脳裏いっぱいに広がっていたのは白い御飯の幻影だった。
おかずは沢山あるが、白い御飯がない。
もう暫くすれば白い御飯は運ばれてくるのだろうか。
ここにあるおかずを食べてしまった後に白い御飯が来てしまったら、
また、白い御飯の後に、ろくすっぽおかずが来ないような状況に追い込まれたら
私は不幸せになるのではないか。

そんな事を考えながら、細々と飯を食っていたわけだ。


しかし、途中からそんな事はどうでもよくなった。
それくらい腹が減っていたのだとご理解いただきたい。

それから2時間、我々は仲居さんが運んできた料理を、片っ端から食べていった。
1時間を過ぎた辺りからかなりも満腹感に包まれ、
デザートが出た頃には満腹で倒れそうになっていた。
素晴らしい料理だった。

素晴らしい料理だったので、始めの一枚しか写真は取れてない。
後の写真は、食いさしだったり空の皿だったりで、何の料理を食っていたのか今となっては分からない。


さて、飯も食って、風呂にも入った我々は、ちょっと散歩に出かけることにした。
まあ、この時間なので、開いてる店など期待してなかったのだが、
やはり、コンビニというのはいいものだ。こんな時間でも開いている。

●●さん、○○さん。もうそろそろよいでしょう。

●コンビニエンス様の御前である。控えおろう●

は、はぁ〜。orz

中もとってもコンビニエント。
食料品以外と生活雑貨以外は200%インフレな感じのお値段。
流石だ。現代人は便利の対価を何らかの形で支払わねばならないという
消費社会の鉄則をここで教えておるのだこのコンビニは!


適当に清涼飲料水などを買い込んで、
浴衣にサイズの合わない下駄といういでたちであたりを徘徊し、
踵が下駄からはみ出して、つま先歩きに近い状態で駅舎の前で小休止。


●そろそろ中秋の名月●

居合わせたおばちゃんなどに写真を撮ってもらったりしながら
宿に戻った。

部屋の電気を消せば、眼下に流れる川の流れと、零れるような月明かり。
網戸のないサッシに突進してくる羽虫と蛾の羽音。
何気なくベランダから身を乗り出して下を見ると、
露天風呂に浸かるおっさんの裸体などがつぶさに見て取れる。

いや、期待したのはそういうのじゃないんですよ。
ね?

というわけで、3時間ほど月見をして本日終了。




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