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魅惑の飯田線ツアー・6
●綺麗に澄んだ川、橋の上から泳ぐ魚が見える●
駅を出てから、秋とはいえ、目も眩むような強い日差しの中
この辺りの主要道路と思われる道路沿いを歩く。
いたる所にある『電源開発』の文字。
この辺りは発電王国のようだ。電気が起きまくっている模様。
川を渡る吊り橋から川面を見下ろせば、釣り人が川に入っている。
それも恐らくダースで数えたほうがいいほどの人数だ。
恐らく、鮎を釣っているのだろう。友釣りをやっている人が多い。
皆釣った魚をびくに入れているので、どうやらこの中に太公望はいないようだ。
ぶらぶらと1時間ほど辺りを散策した後、
これから先のきっぷと帰りのきっぷを手に入れるためにみどりの窓口に向かう。
私「天竜峡までのきっぷと、帰りのきっぷと、豊橋までの特急券下さい」
駅「はい分かりました。特急件は自由席特急券でいいですか?」
私「指定席取っといた方がいいですか?」
駅「いや、ほぼ間違いなく座れますよ。もし一杯なら車内で指定取り直してもらえば結構ですので」
私「分かりました」
このようなやり取りの後、買った切符を手にホームに向かう。
線路を横切る構内踏切を渡り、やってきた電車に乗り込むと、
●運転席の真後ろが封鎖されている●
封鎖されている(といっても普通のロープ)箇所は、どうも荷物室らしい。
恐らく郵便屋さんとか、新聞屋さんとかが駅で荷物を降ろすためなんだろう。
それくらい山が深くて道路も頼りないような所を電車は走る。
小さなトンネルを潜り、木立の中を駆け抜けて、沢を渡り、断崖絶壁を見ながら
電車は元気に走り続けている。
ある駅に止まるときに、ふと見たことがある駅だなと思っていたら
●正子様御成婚の時に少しだけ有名になった秘境駅●
正確には小和田(こわだ)と発音するこの駅は、またしても浜松市。
駅のホームの隣に今にも崩れそうな小屋(駅舎?)があって、
そこの中に何冊もの旅記念ノートが置いてあった。
そうだな、いつかこの駅に立ち寄ることがあったらここに何か落書きをしていこう。
小和田駅を出た電車は、走ったり、止まったりを繰り返しながら
じりじりと北上を続ける。
進行方向左側の車窓には、天竜川の大きな流れが広がり、
そこに合流するいくつもの小さく、綺麗な川が見える。
時間があれば適当にこの辺の駅で下車して、川まで降りたいところだが、
電車を下りると少なくとも向こう一時間は電車がやってこない状況を考えると、
この辺りで降りてしまうのは得策ではないような気もする。
何よりきっぷが無駄になってしまうし。
そんな事を思いながらぼーっと景色を見ていると、
川下りをしている船に出会う。
天竜峡から出ている『ライン下り』の船だ。
今日、中部天竜から北上したのはこの『ライン下り』がどんなもんか見に行くためでもあった。
日本全国いろんな所にある、この『ライン下り』であるが、
この名前の由来というのが、ヨーロッパの国際河川ライン川である。
おらが川を大河ラインになぞらえて、そこを下るヨーロピアンな雰囲気を演出したかったのだろうが、
名前の由来を知った瞬間に『もうちょっと名前どうにかならんかったか?』と、
誰しもが思いつつも突っ込まずにおく、嗚呼、この日本人の懐の深さよ。
もちろん私は日本人であるので、そんなことは口から出さずに文字にする。
電車は程なく天竜峡駅(てんりゅうきょうえき)に着いた。
●ホーム上屋、駅舎も木造の雰囲気のある駅になっている。●
改札を出るときに、切符を記念に貰いたいと申し出ると、
駅員さんが快く引き受けてくれた。
こういう小さな一つ一つのことが旅にいい想い出を増やしていってくれる。
ちなみに、ここまで逃れてくると、ようやく浜松市の呪縛から開放される。
合併はええけど、広げすぎちゃいますか?
駅舎を出た我々はともかく天竜峡というやつを見物しようと、
東に向かって歩き出して、ちょっとだけ違和感を感じた。
町並みが、あからさまに観光地なのだ。
何と言うか、日本列島改造論の残滓がここにありますよ、といった感じ。
昭和の典型的な観光地雰囲気が漂っている。
これを良しとするかしないかは個人差がありそうだ。
ともかく、天竜川を渡る橋から『天竜峡』を見下ろす。
●天竜峡とはこんな所●
両岸を切り立った崖に挟まれ、その間をかなりの水量の水が流れている。
橋から水面までの高さは適当に見て、大体30Mといった所か。
よし、ライン下りを見物してみよう。
という事で、ライン下り乗り場近くまで行った我々は、正直ひるんだ。
料金:大人3100円
おいおい〜、どんなブルジョアが乗るのりもんなんや〜?
少なくとも俺はこれには乗らずに、川に下りられるルートを探して川に降りるほうを選ぶね。
というようなことを連れに言うと、賛成されたので、
近所にあった農産物の直売所のようなところを冷やかして、何も買わず
腹が減ってきたので、飯屋を探してうろつくことにした。
思ったより飯屋がない。
正確には、「うまそうな」飯屋が見当たらん。
うろうろと町を徘徊すること30分、駅の裏側の少し小高い所にある、
ちょっとわけあり風の蕎麦屋を発見した。
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