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北海道旅行記・2005年8月31日


本日の行程
0〜1日目 →(急行はまなす)→札幌→(特急スーパー北斗)→苫小牧→(鈍行)→様似→(ジェイアール北海道バス)→襟裳岬→(ジェイアール北海道バス)→広尾→ (十勝バス)→帯広3日目

1.(函館)→札幌→様似

目が覚めたら東室蘭だった。だがまだ午前4時台なので二度寝をし、南千歳あたりから身支度をととのえた。午前6時7分、札幌駅定時到着。今年も30時間の道のりを経て札幌までやってきた。駅のプレートを見て感動。

札幌駅前には牛丼屋がないので、駅前のコンビニでお茶とおにぎりを購入。北海道のコンビニでは、どこに行っても筋子おにぎりを売っている。購入してからすぐに駅に戻り、ホームに上がる。すると網走からの特急オホーツクが入ってきた。オホーツクのキハ183系はエンジンの音がうるさいので、これが入っているとホームで会話が出来ない。向かい側のホームにいた札沼線の列車は6連で、先頭のキハ40は「石狩当別←→新十津川」という表示が。石狩当別7時51分発の5423D用の列車なのだろう。

6時40分に函館行き特急スーパー北斗2号が入ってきた。これに乗って苫小牧へと戻る。函館行きの始発なので、自由席はけっこう混んでいた。午前7時ちょうどに発車。新札幌や南千歳でもけっこう乗ってきた。午前7時41分に苫小牧に到着。ここで日高本線へと乗り換える。

スーパー北斗から降りた直後に、向かい側の1番線に静内からの日高本線の列車が到着した。高校生が大量に降りてきて、この列車が折り返しの様似行き2225Dとなる。苫小牧に入ってきた列車は3連だが、前の2連を切り離して単行となり、様似へ向かう。その作業中、一人旅と思しき「同業者」が、地元のおじさんらしき人に話しかけられていた。去年は長旅の間に同業者に会うことはなかったが、今年はあちこちで同業者を見かけ、なかなか面白いことをしてくれた人もいたのだが、それに関してはまた後ほど…。

列車の切り離し作業が終わってから、車内に入れた。席に荷物をおいてから、トイレに行くために苫小牧駅の改札へ。改札の外には「祝・優勝 駒大苫小牧高校」の横断幕が。列車は8時1分に出発。ボックス席は全部埋まり、ロング部に座っている人がいた。だが発車から30分後の鵡川あたりでけっこう降りた。鵡川あたりから馬が見えてくる。日高は全国有数の馬産地で、サラブレッドのふるさとといわれる。

日高門別を出たあたりから、延々と海沿いを走る。線路のすぐ横が海で、青い太平洋の海が広がる。日高山脈と海にはさまれたせまい地域を通るので、所々、海の上を走るところもある。だが少し海を離れたところを走る時は牧場の横を通るので、景色がけっこう頻繁に変わる。午前9時半すぎに日高本線で最大の駅、静内駅に到着。レンタカーで襟裳岬に行ってみたかったのだが、駅員さんに料金を聞いたらかなり高かったのでやめた。駅の写真を撮ってスタンプを押した。

静内では30分ほど停車し、様似から来た列車とすれ違い。静内発車後は少し山の中に入る。浦河まで1時間ほど寝ていた。日高支庁のある浦河を過ぎると再び海沿いに出る。線路のすぐでこんぶ漁が行われていた。こんぶは一日中天気の良い日の早朝に撮り、海岸沿いに干す。一面こんぶが干されている様子は圧巻。列車は1日7往復しかないため、漁家の方々も線路をまたいで作業をすることが多い。そのため、運転士さんがこまめに警笛を鳴らし、列車が近づいていることを知らせていた。

2.様似→襟裳岬→広尾

定時の午前11時25分に様似駅到着。10分接続で襟裳岬へ向かうジェイアール北海道バスに乗車。バスは国道336号をひたすら走るが、日高山脈と太平洋にはさまれた狭い地域を通るので、連続降雨80ミリ以上で通行止めになるそうな。今日は天気も良く、風もなかったので波がおだやかで、とてもそのような悪天候は想像できなかったが…。

55分ほどでバスは襟裳岬のバス停に到着。まずは岬の展望台に行き、写真を撮った。快晴だったので遠くまで見えた。襟裳岬は先がとがっている岬なので、300度にわたって海が広がっている。その後、岬の地下に作られた博物館「風の館」に入った。入り口に岬の気温・湿度・風速を示すものがあったが、気温22度・湿度85%・風速は3〜4メートルだった。気温だけ見ると涼しそうだが、湿度が高かったの暑く感じた。風に関しては、風速10メートル以上の日が年間290日あるらしい。濃霧と強風で有名な襟裳岬なので、今日は例外的な天気なのかも。

博物館では岬の気候や、アザラシなどの展示物を見た後、「えりも風土記」という10分ほどの映画を見た。「くらしは風とともにあり」という言葉の元、えりもに住む人たちの生活の様子が紹介されていた。これを見て、えりもの人たちの様子が分かっただけでなく、北海道を旅するからには、単なる観光だけではいけない、人々の暮らしや文化、歴史を学ばないといけないし、学ばねば北海道を楽しめないと思った。

これを見終えた後、「風速25メートルの世界を体験」できる部屋の装置が動くということなので、入ってみた。部屋の端の方は風速10メートル程度。これなら「きつい風だなあ」といった程度だが、装置に近づくと25メートルになる。さすがに20メートルを過ぎると前を向いていられなくなった。その後、岬の岩場にアザラシが上がっているということなので、風の館に備え付けられている双眼鏡でのぞいてみたら、岩場にいるアザラシや、泳いでいるアザラシが見えた。全体的になかなか展示が面白い博物館だった。宗谷岬は何もないし、納沙布岬は北方領土関連のみなので、なかなか楽しい岬だった。だが安っぽい観光地ではなく、「果て」を感じさせてくれる場所でもあった。北海道の魅力の1つは、色々な面において「果て」を感じることが出来ることだと思う。

博物館から出てきたら風が少し出てきた。岬にはお土産屋兼食堂が3軒あり、そのうちの1軒に入って「えりもラーメン」を食べた。3種類の海草につぶ貝などの入った豪華なラーメン。さっぱりした塩味で、うまかった。食事後は絵葉書を買って、あとはお土産を見て時間をつぶす。午後2時57分発の広尾行きバスに乗った。路線バスなのに観光バスタイプのものが来た。黄金道路に入ったあたりで寝て、目が覚めたのは終点広尾に着く直前だった。

3.広尾→帯広

広尾バスターミナルは、かつての国鉄広尾線の広尾駅舎を使っている。数年前までは客車や貨車もおいてあったらしい。駅舎の中にはバスの切符売り場や広尾線資料室、広尾線の駅スタンプがおいてあった。まさか廃線のスタンプを押せるとは思わなかった。駅舎は現役時のままで、広尾線列車の到着時刻表も残っていた。しっかり見たかったのだが、すぐに広尾からの帯広行きバスが来たので、あまり見られなかった。バスは整理券方式なのだが、切符売り場があるので切符を買ったら、硬券だったのでびっくり。今時お土産用でないバスの切符で硬券なんか滅多にお目にかかれないだろう…。

広尾を4時12分に出たバスは、旧広尾線沿いに走ってゆく。バスは10人弱しか乗っておらず、途中の停留所で乗ってくる人もほとんどいない。だが所々にある集落はけっこう大きいので、決して人が住んでいない訳ではない。

このバスは十勝平野を北上するバスなので、土がだんだん十勝平野の黒土らしい色になっていく。稲作の石狩平野、畑作の十勝平野。時々肥料のにおいがバスの中に入ってきたりするのは御愛敬。路線バスなのであまりスピードを出さずに走っていたが、途中ちょっとしたトラブルがあって8分ほど遅れた後はかなり飛ばしていた。バスの運転手さんはこまめに「現在○分遅れで走っております。大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と車内放送していた。バスなど定時に来ないのが当たり前の世界で住んでいると、このような放送が珍しく感じる。

バス停の名前は「中札内12号」のように、開拓道路の名前を使っているものが多い。だがなんといってもここは「愛国から幸福へ」の路線。そのため愛国停留所も幸福停留所もある。また、「愛国から幸福行き」の硬券バス乗車券もしっかり売られており、最盛期には1年で300万枚売れた元祖・縁起切符を、十勝バスは今も収入源としてしっかり活用している。愛国・幸福ともに駅舎が残されており、今回は下車できなかったが、いずれ訪れてみたい。広尾・愛国・幸福に限らず、広尾線の旧駅舎は残っているものが多く、廃線探索のしがいがありそう。

途中、何分か遅れたバスは帯広駅に着く頃には定時運行となっており、午後6時29分に帯広駅北口に到着。さすがに路線バスに2時間以上乗っていると疲れる…。駅から歩いて数分の所にあるホテルへ行き、チェックイン。大きな荷物をおいて、食事をするために繁華街をうろつくが、飲み屋しかなく、結局帯広駅にある豚丼の店で豚丼を食べた。肉はほどよい厚さで、たれもうまかった。これを食べると全国チェーンの店の豚丼は「豚小間切れ丼」にしか思えないな…。食事後、コンビニで酒とつまみを買いに行った。目的の発泡酒がなかったので他の酒で我慢。部屋に戻ってからはテレビを見て、風呂に入って、飲んだ。午前0時過ぎに就寝。

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