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北海道旅行記・2005年9月2日


本日の行程
3日目札幌→(特急スーパーおおぞら)→新得→(鈍行)→滝川→(特急スーパーホワイトアロー)→岩見沢→(鈍行)→沼ノ端→ (鈍行)→南千歳→(快速エアポート)→新千歳空港→(快速エアポート)→札幌5日目

1.札幌→新得

7時20分起床。身支度をととのえ、8時20分頃に出発。今日もこの札幌のホテルに泊まるので、大きな荷物は部屋においていく。地下鉄は朝のラッシュ時。札幌駅のキオスクで朝食を買ってホームに入る。9時前に釧路行きの特急スーパーおおぞら3号が入ってきたので乗車。この列車は通常は6連なのだが、今日は9連。昨年乗った時も増結していたので、最低車両数で走ることの方が少ないのかもしれない。自由席もけっこう埋まっていた。

南千歳までは一昨日通ったのと同じ千歳線。南千歳から分岐して石勝線へと入る。川端駅を出たあたりに川端ダムがあり、線路を付け替えた跡があるが、いつ頃付け替えられたものなのかはネットでは調べられなかった。この石勝線は昨年通ったのだが、夕張支線との分岐駅である新夕張以東は夕暮れ時に通ったのでよく分からなかった。というわけで今年はしっかりと外を見る。昨年廃止になった楓駅(現在は楓信号所)もはっきり見えた。

キハ283系は最高時速130キロで石勝線を飛ばし、定刻の11時8分に新得駅に着いた。新得は十勝平野の西の端。再び十勝にやってきた。駅には小さなキオスクがあり、ここで昼食を購入。あと、ここは後で述べる狩勝峠越えの東側の拠点だったので、駅前には蒸気機関車の機関士をたたえる銅像が建っていた。駅の待合室には、JR北海道が企画したバーベキュー列車ツアーの広告が貼ってあったが、「バーベキュー」の点々の部分が牛と豚の絵になっていて、かわいらしい。新得はスポーツ合宿がさかんな街でもあるようだ。たしかにこんな環境の良いところで練習できたらいいだろうなあ。

11時20分過ぎに再び改札の中に入り、帯広からやってきた滝川行き2432Dに乗る。同じホームに釧路行きも止まっていた。この駅はいわゆる国鉄形のホームを持ち、上下線の特急用に2本の線路がいるので、それぞれ逆の方向に進む鈍行が1つのホームに止まっているのだろう。私たちが乗った滝川行きより先に釧路行きが出て行った。そして定時の11時32分に滝川行き2432Dが発車。これから進むルートは、石勝線がなかった頃に札幌と道東とを結ぶメインルートであった根室本線。だが新得を発車した列車はしばらくの間はさきほど通った石勝線を札幌方面に戻ってゆく。新得から24キロあまり札幌寄りにある上落合信号所で石勝線と根室本線が合流するのだが、そこから新得駅までの間に駅がないので、石勝線から根室本線に乗り換えるには新得駅へ行かねばならない。新得駅を出ると急カーブが続く。先ほどは窓が開かない特急車内だったので気づかなかったが、カーブで視界が良くないためか、線路沿いに警報音を鳴らす装置があるようで、ずっと警報音が鳴っていた。急カーブの間は牧場と山が広がる、非常に綺麗な景色。

2.新得→岩見沢

カーブが終わると6キロ近い新狩勝トンネルに入る。このトンネルは1966年に完成したが、それまでは峠を通っていた。ここを蒸気機関車で越えるのは非常に大変だったそうだ。その代わり、この峠から見える景色は最高だったとか。トンネル内で窓から顔を出してみたが、トンネル内は真っ暗で湿っぽい。その湿った空気にキハ40のヘッドライトの薄明かりが反射して、不気味な感じを漂わせている。写真を撮ってみたが、湿気のためにうまく撮れなかった。7分ほどでトンネルを抜け、峠を下りてゆく。

峠を下りたところにある落合駅は、新狩勝トンネルが出来る前は補機の蒸機を連結していたため、かなり大きな駅だった。峠を越える客は少ないため、滝川からやってきて落合までしか行かない列車もある。落合の次の幾寅駅は映画「鉄道員」の舞台となった幌舞駅のセットがある。駅前には映画用の列車の一部や、腕木式信号機(まさか動いていないと思うが)、セット用駅舎があった。駅のプレートも幾寅と書かれたものと、幌舞と書かれたものが両方ある。ドラマ「すずらん」で使われた留萌本線の恵比島駅(明日萌駅)みたいだった。幾寅駅からしばらくは金山ダムの横を通る。海沿いの景色もすばらしいが、湖沿いの景色は水の向こうに山があるので、これはこれで美しい。

金山ダムから離れてしばらく山の中を進むと、富良野が近づいてくるので畑が見えてくる。ここまでの駅は、今でこそ乗降客も少ない駅だが、かつては札幌・道東のメインルートであったために、どの駅も立派な待避線を構えており(幾寅などは剥がされているが)、本線としての貫禄を備えている。単なるローカル線ではないなあと実感。路盤も良いので揺れも少なく、キハ40は雄大に走る。富良野駅は3分停車だったので、改札には行かなかった。

富良野を出てしばらくすると、長いトンネルにはいる。かつては空知側に沿って走り、空知大滝という滝を見られたのだが、滝里ダム建設により、トンネルを通る新線に切り替えられた。トンネルを抜けると急に空模様が悪くなり、芦別に着く少し前に雨が降ってきた。芦別駅は6分停車なので改札の外に出てみた。芦別市と隣の赤平市はかつて炭鉱で栄えた街。駅もかなり大きく、駅舎も重厚な感じがした。古くて汚い駅はたくさんあるが、芦別は古いながらも手入れが行き届いている感じがした。赤平駅も大きな駅だった。このあたりで雨がやんだ。

定時の午後2時15分に滝川駅1番線に到着。次に乗る特急までは15分しかないので、急いで立ち食いうどんをかきこみ、キオスクで酒を買った。そして特急の着くホームに降りるが、列車が来ない。結局4分遅れで特急スーパーホワイトアロー18号が入ってきた。30分ほどで岩見沢駅に到着。岩見沢ではすぐに跨線橋を渡って、室蘭本線の苫小牧行き1470Dに乗り換えた。

3.岩見沢→沼ノ端→新千歳空港→札幌

岩見沢から苫小牧までの区間は現在は完全なローカル線だが、かつては赤平・芦別・万字・夕張などの炭鉱の石炭を室蘭港へ運ぶための路線であった。そのため、一部区間をのぞいて複線になっている。非電化なのに複線という区間は全国的にも珍しい。止まる駅もそれぞれかつては広い貨物用引き込み線を持っていたことを伺わせるが、根室本線と違ってそれはほとんど撤去されている。かつて夕張鉄道と接続していた栗山駅には夕張鉄道のものらしい跨線橋があった。

石勝線と合流する追分では中学生らしき学生がけっこう乗ってきてにぎやかに。だが数は余り多くない。複線区間では当然列車がすれ違うことがある。単線区間では列車のすれ違いは駅か信号所でしか行われないので、走っている列車同士がすれ違うことはない。1両編成の列車と走行中にすれ違うと一瞬ですれ違いが終わってしまう。追分以南でタンク車の貨物列車を見た。現在は当然石炭の輸送はないが、貨物列車がなくなった訳ではないようだ。

千歳線と合流する沼ノ端駅のかなり手前から、千歳線の札幌方面行きの線路と併走する。こちらは札幌と室蘭・函館を結ぶ特急が多数走る幹線で、室蘭本線の方はローカル線だが、このあたりでは千歳線は上下線が離れている。そのため、千歳線の方がむしろ支線のように見える。沼ノ端駅のそばで苫小牧方面行きの線路とも合流し、沼ノ端駅に着く。ここで中学生たちと一緒に下車。沼ノ端駅は無人駅で自動券売機がおいてあるだけだが、周囲は住宅地なので、駅前にたくさんタクシーが止まっていた。駅の様子を観察してから跨線橋を渡り、札幌方面行きのホームへ行く。列車が近づいていくると「次の列車は苫小牧を出ました」という自動放送が入る。そして午後4時49分、苫小牧発手稲行き2793Mが入ってきた。そして乗車。車両は721系の3連。3ドアクロスシート車だが、デッキがある。これは北海道が寒いので外と室内の間に部屋を作って、外気が客室内に入らないようにするため。

沼ノ端を出た列車は、南千歳までにある途中駅2駅は通過。この駅の周りには何もないので通過も納得。午後5時ちょうどに南千歳駅に到着。本来なら次の新千歳空港行きは5時13分発なのだが、前の列車が遅れていたので、すぐに向かい側のホームに新千歳空港行き快速エアポート162号が入ってきた。列車は特急スーパーホワイトアローと同じ車両。3分で新千歳空港駅に着いた。

南千歳駅・新千歳空港駅間の2.6kmは1992年に開業。JR北海道の玄関駅なので、非常にきれい。改札を出た後、自動改札機で札幌行き快速エアポートの指定席券を買って、空港の出発カウンターやお土産屋を見て回る。北方領土に関するコーナーの所にはエゾジカ・クマ・トドの剥製がおいてあった。本屋ではガイドブックを見て、札幌で食事をする店を探した。

6時25分頃に駅に戻り、小樽行きの快速エアポート175号に乗車。列車は721系の6連だが、そのうちの1両はuシートと呼ばれる指定席になっている。300円でかなり快適な座席に座れる。そのためかなり人気があるようだ。これに30分あまり乗って午後6時10分、札幌に戻ってきた。

札幌駅から地下鉄ですすきのへ行き、今日はホテルには寄らずに直接夕食をとりにいった。行った店はさっぽろジンギスカン本店。プレハブの建物の2階にあり、町工場か何かに見間違いそうだった。店内も広くなく、待っている人がいたが、10分ほど待ったら席が空いた。私たちが食べ出した直後に11人の団体が入ってきたので、けっこうきわどかった…。ラム肉がけっこう分厚いのに柔らかく、かなりうまかった。そこそこ食べたのに2人で4400円だった。

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