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常磐炭鉱専用鉄道 小野田線 2
湯本の街中に突如として現れる宝海隧道。
隧道の詳細を見ていこう。
隧道には扁額や銘板などは無いようだ。
現在でこそ車道として利用されているが、その断面は鉄道トンネル独特の馬蹄型をしている。
隧道内部を撮影する。
内部はコンクリートの隙間から水が染み出している。水は壁面を僅かに伝わるのみなので差し迫った危険は無いだろう。
明かりは一切無い。夜中にここを徒歩や自転車で通過するのは御免蒙りたい。
道床には車両通行の為、定期的に砂利が入れられているようだ。
枕木などの遺構は見受けられない。
隧道内部にフラッシュを浴びせる。
現役で使われているトンネルであるから定期的に保守されてはいるのだろうが、年季は隠せない。
左官を施されたモルタルが所々剥がれ落ち、内部の鉄が露出している。
私の見た限りでは、鉄はレールを曲げた物のように見えるが…
短い隧道を通り抜け、反対側の坑口を撮影する。
こちらにも扁額や銘板の類は見当たらない。
この隧道の特徴として「地被りが無い」という事が挙げられる。
隧道と言うより山肌の保護、落石避け(ロックシェード)的な意味合いを持っているのだろう。
画像右側の山が神社のご神体であるという信仰的な面も持っているのだろう。
隧道を抜けた後も、カーブは続く。
分岐地点では北に向かっていた専用鉄道は、カーブを終える頃には南西方向へと進行方向を変える。
行く手には住宅地が見える。
しばらく進むと左手にはこのような施設が現れる。
「
地下数百mからポンプを用いて源泉を給湯設備に汲み上げ、湯本温泉内の旅館、ホテルに送るのである。
地下の滋養分そのまま、まさに源泉掛け流し。
湯本温泉はその昔よりリウマチ、関節痛などの痛みに良く効くと言われている。
遠方からお越しの際は湯本温泉に是非つかって頂きたい。
ポンプ所の脇の道路にはポールが設置され、物理的に自動車の通行を規制している。
自動車の通行を許すと、湯本駅前で無用の渋滞を巻き起こす恐れがあるのでこのような措置が取られているのであろう。
賢明な措置だ。
2輪車や歩行者はゲートの脇が空いているので通行は規制されていない。
ポンプ所の先は住宅街になっていた。
どのお宅も皆立派なものだ。
住宅街にお住まいの方は目の前の道が元鉄道だった事を知っているのであろうか。
砂利道はいつしか舗装路に変わり、カーブを終えた専用鉄道は第一の目的地、磐崎坑へ向けて進む。
鉄道跡は北方よりやって来た市道と合流する。
行く手には炭鉱のヤマが見えてきた。
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