このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

伊良湖岬——芭蕉碑


芭蕉句碑(新)  伊良湖岬の灯台の反対側、宮山原生林(典型的な暖地性常緑樹林—国の天然記念物)の下の国道259沿いに、「芭蕉の句碑公園」がある。その中心に「鷹ひとつ 見つけてうれし 伊良湖岬」の句碑がある。碑陰に、「この句は、芭蕉が愛弟子の杜国の衝心を慰めようと、貞享4年(1687)冬越人を伴い、保美に杜国を尋ね馬を並べてこの地に清遊したとき詠んだ句である 昭和五十八年三月建立 渥美町」、と刻まれている。芭蕉句碑
芭蕉句碑芭蕉句碑(旧)  上の句碑の横の岩の上に「鷹ひとつ 見つけてうれし 伊良虞崎」(表記は案内板による)の古い句碑が建っている。昭和30年代にここを訪れた野田宇太郎は、最初「形も単純な道標か何かのようで句碑にしては面白味がない。伊良湖の歴史にとってもっとも意義深い名句も、これでは気の毒だ」と思ったのだが、後で寛政5年(1793)5月の建立と知って、当時としては珍しい方形の句碑で、かえってハイカラなものっだった、と考えを改めたことを『東海文学散歩』に書いている。野田宇太郎はよじ登って碑陰の文字まで確かめようとしたが、今は登ることは禁止の立て札が立っている。
伊良湖村塩業旧蹟之地の碑  芭蕉句碑の近くにこの碑がある。「この地は、ここから東西に帯状に延びた旧伊良湖の中心地であった。明治三十八年、旧陸軍伊良湖試砲場用地の拡大に伴い、百十四戸全戸が移転を余儀なくされあわただしくこの地を去った……」と記念碑建立の趣旨を記した案内板が立っている。昭和六十二年三月の日付がある。伊良湖村旧跡の碑
粕谷磯丸歌碑粕谷磯丸歌碑  上の記念碑に隣接した場所にこの歌碑がある。粕谷磯丸のことを知ったのは野田宇太郎の『東海文学散歩』を通してだ。貧しい漁師の子だった磯丸は、母の病気快癒のため伊良虞神社に日参しているうちに、人が神前に奉納された絵馬の歌を読み上げるのを聴いて感動、やがて自分でも歌を作り、歌を書くために文字も覚えていった。漁師歌人の名は近隣の評判となり、やがては宮中にまで伝わることとなった、という。
 伊良湖岬ガーデンホテルを望む高台にある碑には、「夏ころもきてもみよかしいらご崎 涼しき浪のよるの月かげ」と刻まれている。建立は昭和62年3月、渥美町。
「粕谷磯丸舊里」の碑  粕谷磯丸ゆかりの伊良湖神社に、愛知県の名でこの碑が建っている。伊良湖神社はかつては芭蕉句碑近くにあったが、旧軍の演習地の拡大で、現在の国道259の豊橋よりに移された。粕谷磯丸の碑
片浜十三里片浜十三里  伊良湖神社から国道42号線の通っている太平洋岸に出ると、そこは片浜十三里といわれた海岸が広がっている。前方は伊良湖岬。高台の建物は伊良湖岬ビューホテル。

トップへ

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください