翌朝は、6時に起床し、外を見ると、少し雨模様でした。
身支度を整え、ホテルの朝食コーナーで無料のスープを頂いてからチェックアウトすると、ちょうど雨が止んで、日が差し始めた頃でした。
8時前に七尾駅に到着し、ステーションピット チャオに向かいました。
楽しみにしていた「松乃寿し」さんの駅弁は、品揃えも十分で、どれを買おうか少し悩みましたが、「玉宝」の小と「朝市弁当」を選び、あとは、土産を買い求めました。
左：七尾駅
この日は、まず、のと鉄道に乗車し、穴水駅に向かいます。
かつては、穴水駅から更に先の輪島駅と蛸島駅まで延びていたのと鉄道ですが、2001(平成13)年に穴水〜輪島間が、2005(平成15)年には穴水〜蛸島間が廃止され、現在は、七尾駅と穴水駅の間のみを運行しています。
折り返し、穴水行きとなる、2両編成の列車が到着し、下車客を待ってから、列車に乗り込みました。
左：のと鉄道普通列車(穴水方)
（七尾駅にて）
8時12分、列車は七尾駅を発車しました。
昨夜通ったときは夜でしたので、景色はよくわかりませんでしたが、帰りにバスで通った道が線路のすぐ横にあったことがわかりました。
そして、和倉温泉駅の1番線に到着、下車客が少しありました。
ホームの脇には、七尾線電化記念の碑が見えました。
田鶴浜駅を過ぎると、次第に車窓右手奥に、海が見えてきました。
列車は、七尾西湾沿いを進みます。
能登中島駅に到着した列車は、上り列車との交換のため、しばらく停車します。
3番線ホームには、七尾方に郵便車と、穴水方に急行「のと恋路」号で使用していた車両が静態保存されています。
乗客はいつしか、自身の他には、もう一人だけとなっていました。
能登中島駅を発車した列車は、少し海沿いを離れ、緑の中を走ります。
車窓右手に、再び海が見えてくると、列車は、西岸駅に停車、ここから先は、再び海沿いを走ります。
左上：水田の先には七尾西湾が広がる
（田鶴浜〜笠師保間にて）
右上：のと恋路号(奥)と郵便車(手前)が出迎える
（能登中島駅にて）
左下：七尾北湾が広がる
（西岸〜能登鹿島間にて）
右下：「能登さくら駅」で列車交換
（能登鹿島駅にて）
程なくして、桜で有名な能登鹿島駅に到着、ここでも、上り列車との交換のため、しばらく停車しました。
上り列車が到着すると、下車客の姿もありました。
列車は道路沿いの住宅が建ち並ぶ中を進みます。
中には、能登半島沖地震に被災されたのでしょうか、屋根にブルーシートが被せられた建物もありました。
そして、列車は、穴水駅に到着しました。
左：のと鉄道普通列車(穴水方)
（穴水駅にて）
1番線ホームに掲げられた、国鉄時代に作られたであろう駅名標は、穴水から先の駅名が、それがつい数年前のことであるのが伺えるが如く、真っ白く塗り潰されていました。
改札口に向かうと、リーンリーンと、鈴虫の音が聞こえました。
どうやら、虫かごに入った鈴虫を子どもたちにプレゼントしているようでした。
待合室には、更にたくさんの鈴虫が飼われており、秋の虫の音を聞かせてくれていました。
左：七尾駅
右：駅名標
次の列車までの時間、穴水駅付近を散策することにしました。
まずは、すぐ近くにある、穴水大宮に行きました。
大きな石の鳥居をくぐろうと、ふと、鳥居に目をやると、所々にひびが入ったような形跡が見えました。
おそらく、これも能登半島沖地震の傷跡でしょうか。
交差点を渡り、さらに東へと進みます。
真名井橋を渡り、しばらく歩くと、穴水町役場の前の川沿いに出ました。
川とはいっても、かなり潮の香りもしていたので、汽水域なのでしょうか。
川沿いに、腰を下ろせそうなところがあったので、そこに座り、「朝市弁当」を頂くことにしました。
朝食には豪勢過ぎるくらいのたくさんの海の幸を大変美味しく頂きました。
食べ終わろうかというときに、雨がポツポツと落ちてきたので、慌てて撤収し、駅に戻ることにしました。
次第に強くなっていった雨でしたが、再び止み、事無きを得ました。
ただ、意外と次の列車の時間が近づいており、駅へと急ぎました。
左上：穴水大宮鳥居
右上：穴水大宮
左下：穴水町役場前の橋の袂から
