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快速ゆめぞら号 乗車記

2010(平成22)年8月28日(土) -その1-
越後湯沢〜水上
9732M (快速ゆめぞら2号)
快速ゆめぞら2号(水上方)
「快速ゆめぞら 越後湯沢−水上」の行先表示シール

2010(平成22)年8月21,28日と、ほくほく線を走る「ゆめぞら」号が、JR東日本の快速「ゆめぞら」号として、初めて上越線を越後湯沢から水上まで走りました。
上越国境の車窓とともに、ぜひ清水トンネルや新清水トンネルで上映される「ゆめぞら」を見てみたいと、28日の快速「ゆめぞら」号を越後湯沢と水上の間の往復に乗車してきました。

普段は、越後湯沢駅の0番線にしか発着しない北越急行の車両ですが、快速「ゆめぞら」2号は、一番遠い4番線からの発車となります。
ホームでは、越後湯沢駅の駅員により「歓迎」の横断幕も掲げられ、臨時列車に乗るというムードも高まってきました。
そして、発車の数分前になったところで、ようやく下り方面から列車が姿を現しました。
発車まではわずかな時間しかありませんが、全席指定ですので急ぐ必要もなく、発車ぎりぎりまでホームで撮影を行い、列車に乗り込みました。

車内は満席とはいきませんでしたが、多くの乗客を乗せ、越後湯沢駅の駅員の方々に見送られながら、越後湯沢駅を発車しました。

左上:快速ゆめぞら2号(水上方)
右上:「快速ゆめぞら 越後湯沢−水上」の行先表示シール
左下:「歓迎 ゆめぞら号 御一行様」の横断幕
(以上、越後湯沢駅にて)

「歓迎 ゆめぞら号 御一行様」の横断幕

水田が広がる
第二魚野川橋梁を渡る

越後湯沢駅を発車してしばらくすると、早速水田が広がります。
この辺りも、南魚沼産コシヒカリの産地です。
第三魚野川橋梁を渡った列車は、程なくして、岩原スキー場前駅を通過、リゾートマンションの脇を過ぎると、岩原の大カーブへと差し掛かります。
遠方にスキー場を見ながら、ぐるりと大きな右カーブを描いた列車は、しばらく木々の中を走ります。
次に視界が開けると、湯沢中里スキー場のゲレンデとともに、国鉄のスハ43系客車を利用した休憩施設が見えてきます。
夏季はゲレンデがショートコースのゴルフ場にもなっており、ゴルフを楽しむ方々の姿もありました。
そして、その湯沢中里スキー場のスキーセンターとも直結している越後中里駅を通過すると、程なくして、列車は第二魚野川橋梁を渡りました。
遠方には、目指す谷川岳の姿も見えました。

第二魚野川橋梁を渡ると、いよいよトンネル区間へと入ります。
第二松川トンネルに入ると、「カルメン」の曲に合わせてゆめぞら「花火編」が始まりました。
ほくほく線内では何度か見たことのある花火編でしたが、松川のループを通りながらの上映には、少し興奮しました。
次の第一松川トンネルを抜けた列車は、しばらくして、レンガ造りの橋脚で有名な毛渡沢橋梁を渡ります。

左上:水田が広がる
(越後湯沢〜岩原スキー場前間にて)
右上:第二魚野川橋梁を渡る
(越後中里〜土樽間にて)
左下:ゆめぞら「花火編」
(第二松川トンネル(越後中里〜土樽間)にて)
右下:毛渡沢橋梁を渡る
(越後中里〜土樽間にて)

ゆめぞら「花火編」
毛渡沢橋梁を渡る
第一魚野川橋梁を渡る
ゆめぞら「星座編」

列車は土樽駅に差し掛かりました。
ポイントを渡って上りホーム寄りの副本線に入ると思いきや、そのまま本線を直進したので、「あれ」と思っていると、本線にホームが設置されており、かつての上りホームは使われなくなっていました。
後で調べたところ、2008(平成20)年の6月にホームの改築が行われたとのことでした。

土樽駅を通過すると、いよいよ国境の長いトンネルへと入ります。
まだ川幅も狭い上流の魚野川に架かる第一魚野川橋梁を渡ると、列車は清水トンネルへと入りました。
早速、ゆめぞら「星座編」の上映が始まりました。
ゆめぞら上映は、もちろんそれ自体が楽しいのですが、それより何より、この歴史ある清水トンネル内で、ゆめぞらが上映されているということに感激しました。

清水トンネル通過中に、ゆめぞらは次の「海中編」に変わりました。
ゆめぞら「海中編」では、上越国境のトンネル内で、クジラが泳ぐ姿を見ることができました。
ほくほく線のトンネル通過時間を基準に作られている映像ですので、ほくほく線内最長の赤倉トンネルより短い清水トンネルですが、普段より速度が出せない分、上映時間も長くなるのですね。
1931(昭和6)年に供用を開始したかつての日本第1位のトンネルも、技術の進歩により、2010(平成22)年9月現在は日本第21位の長さとなりました。

左上:第一魚野川橋梁を渡る
(土樽〜土合間にて)
右上:ゆめぞら「星座編」
左下:ゆめぞら「海中編」
(以上、清水トンネル(土樽〜土合間)にて)

ゆめぞら「海中編」

快速ゆめぞら2号(水上方)
青空の下で

パッと視界が明るくなり、トンネルを出ると、上州の青空が出迎えてくれました。
そして、すぐに、いつものように窓が水滴で曇りました。
関越交通のバスが踏切待ちをしている土合踏切を過ぎると、列車は土合駅に到着しました。

土合駅では、19分の停車時間があります。
また、ホームでは、土合駅の記念入場券が発売されるとのことで、早速ホームに下りてみました。
ホームでは、水上駅でしょうか、JRの駅員の方々が仮設の記念入場券売り場で待っていらっしゃいました。
早速その前に並び、買い求めた硬券の入場券には、土合駅下りホームへと続く階段がデザインされていました。
自身が買い求めた後も、ホームの売り場には、長い列ができていました。

まだしばらく時間があるので、駅舎内を散策したり、普段とは違う、上越国境の山懐に抱かれるゆめぞら号の姿を写真に納めたりしました。
この日は、車体側面のゆめぞらのロゴに描かれている青空が、そのままこの日の空になったような感じで、残暑厳しいながらも、とても気持ちのいい時間を過ごしました。

いつしか発車の時間となり、列車に乗り込みました。
乗客の乗り遅れがないかを心配する車掌や駅員の姿に、時刻表に載っている列車ながらも、団体列車のような、不思議な一体感を感じました。
そして、列車は土合駅を発車しました。

左上:快速ゆめぞら2号(水上方)
右上:青空の下で
左下:上越国境の山懐に抱かれる
(以上、土合駅にて)

上越国境の山懐に抱かれる

ゆめぞら「天空編」
湯檜曽のループを眺める

列車は、土合駅を発車するとすぐに、第四湯檜曽トンネルへと入ります。
すぐに、ゆめぞら「天空編」の上映が始まりました。
第三湯檜曽トンネルを出たところで、自身はすかさず、進行方向右側の乗降口のところに移動しました。
すると、ゆめぞら上映も中断され、車内放送にて、車窓右下のループ線の紹介がありました。
眼下に延びる線路を見て、車内からは「おー」っと歓声が上がっていました。
自身も、久しぶりの湯檜曽のループを写真に収めました。

第二湯檜曽トンネルに入り、ゆめぞら「天空編」がもう一度最初から上映されると、大きな左カーブを描きながら、次第に下っていくのがわかりました。
そして、第一湯檜曽トンネルを抜けると、再び車内放送で、「後方に先ほど通ってきた線路が見えます」とありました。
列車は湯檜曽駅を通過、ホームには列車を撮影するファンの姿もありました。

湯檜曽駅を過ぎると、車窓左手から利根川が接近してきて、土合から湯檜曽までの渓谷を作ってきた湯檜曽川が合流します。
ここからわずかながらではありますが、利根川と並走します。
第六利根川橋梁付近では、橋梁を渡る列車を撮影するファンの姿も見えました。
そして、程なくして、SLの転車台を過ぎると、終点の水上駅に到着しました。

左上:ゆめぞら「宇宙編」
(第四湯檜曽トンネル(土合〜湯檜曽間)にて)
右上:湯檜曽のループを眺める
左下:第七利根川橋梁を渡る
(土合〜湯檜曽間にて)

第七利根川橋梁を渡る

快速ゆめぞら2号(水上方)
2,3番線ホームにて

列車を下りて、早速、上越国境を越えてきた、ゆめぞら号の姿を撮影しました。
上州の陽の光を受けて、白い車体がいっそう輝いていました。
2番線には、長岡行きの115系新潟色が停車しており、水上駅でのツーショットを撮影しました。

回送として発車していくとのことで、2,3番線を後にしました。
跨線橋を渡り、1番線ホームを改札口に歩いていくと、地元の方でしょうか、スチールギターの生演奏をされていらっしゃいました。
どうりで、2,3番線ホームで撮影しをしているときから、何となく南国風の楽器の演奏が聞こえていたわけです。
その横では、水上温泉の温泉旅館の女将さん方とマスコットキャラクターの「おいでちゃん」の出迎えもありました。
思いがけない歓迎を頂きつつ、一旦改札を出ました。

左上:快速ゆめぞら2号(水上方)
右上:2,3番線ホームにて
左下:115系新潟色とともに
(以上、水上駅にて)

115系新潟色とともに



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2010(平成22)年8月28日 -その2-

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