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最後のリレーつばめの旅

2011(平成22)年1月9日(日)
熊本〜肥後大津
1429M (普通)
普通列車(肥後大津方)
発車案内板

この日は、帰途へと就きますが、まずは、肥後大津駅へと向かいます。
目的は、豊肥本線の駅を始発とする特急「有明」号に乗車するためです。
その中でも、できるだけ長い距離を乗車したいということで、肥後大津駅を始発とする特急「有明10」号に乗車することにしました。

まだ薄暗い中、JR九州ホテル熊本をチェックアウトし、熊本駅へと向かいました。
改札を通り、豊肥本線普通列車の発着する0番線へ行くと、すでに肥後大津駅行きの普通列車は入線していました。
車内はガラガラでしたので、一旦、ロングシートの座席に荷物を置いてから、再びホームへと出て、列車や留置されている787系を撮影したりしました。

いよいよ発車の時間となり、熊本駅を発車しました。
少し鹿児島本線と並走してから、豊肥本線は東へと進行方向を変えました。
途中駅から、部活の朝錬でしょうか、ジャージを着た学生が乗車し、静かだった車内は少し賑やかになりました。

列車は、武蔵塚、光の森と、特急「有明」号の発着駅に停車していきます。
この地域の利便性の向上や、阿蘇くまもと空港とのアクセスなど、どんな理由があるかはわかりませんが、特急の発着駅にしては、意外とこじんまりとしているなというイメージでした。

そして、列車は、終点の肥後大津駅に到着しました。
列車を下りると、木造駅舎や構内踏切など、ローカル線の駅そのものといった雰囲気です。
周遊きっぷを提示し、改札を出て、駅舎を出てみましたが、特に商業地が広がっているわけでもなく、のどかな感じがしました。
駅舎を撮影し、列車の到着まで、待合室で待つことにしました。

左上:普通列車(肥後大津方)
右上:発車案内板
左下:肥後大津駅
右下:駅名標

肥後大津駅
駅名標
肥後大津〜小倉
1010M (有明10号)
特急有明10号(小倉方)
「有明 小倉」の方向幕

列車の発車時刻が近づいたので、改札を通り、3番線ホームへと向かいました。
この日は雪の予報でしたが、やはり、ちらほらと雪も舞っていました。
自身のほかには、ほんの数人、列車を待っているだけでした。

程なくして、構内踏切が鳴り出し、遮断機が下りると、熊本方から787系が姿を現しました。
時計を見ると、発車時刻までわずかな時間でしたので、急いで列車の姿を撮影し、乗り込みました。

すぐに発車の時間となり、特急「有明10」号は、肥後大津駅を発車しました。
この時点では、自身の乗車した車両には、他の乗客の姿はありませんでした。

肥後大津駅を発車して、しばらくは、農地と住宅地が交互に現れます。
その車窓も、やがて、建物が続くようになりました。
しかしながら、すぐ横を通る豊後街道沿いには木々が伸びており、緑のある景色が続きます。

光の森駅に停車した列車は、次の武蔵塚駅にも停車します。
程なくして、熊本方から真っ赤なキハ185系の特急「九州横断特急2」号が現れ、交換を行いました。
列車は、建物が続く景色の中を走ります。
竜田口駅を通過すると、やがて、白川を渡りました。

左上:特急有明10号(小倉方)
右上:「有明 小倉」の方向幕
(以上、肥後大津駅3番線ホームにて)
左下:白川を渡る
(竜田口〜東海学園前間にて)
右下:新水前寺駅に停車

白川を渡る
新水前寺駅に停車
白川を渡る
鹿児島本線と九州新幹線が近づく

水前寺駅に停車した列車は、ゆっくりと進み、すぐに新水前寺駅に停車しました。
新水前寺駅は、熊本市電とのアクセス向上のための工事が行われていました。

平成駅を通過した列車は、程なくして、再び、白川を渡りました。
やがて、車窓左手から九州新幹線の高架とともに鹿児島本線が近づき、合流しました。

列車は、熊本駅に到着しました。
ここまで、指定席はわずかな乗客のみで、熊本駅からどっと乗車してくるのかと思いきや、ここでもわずかな乗車のみでした。
多くの空席のまま、熊本駅を発車しました。

上熊本駅に停車した列車は、しばらくすると、田原坂へと差し掛かります。
この付近を通過するのは、まだほんの数回ですが、自身の中では、すっかりお馴染みの景色となりました。
かつてのSLの時代は、難所といわれた田原坂も、最新鋭の特急電車は軽々と通過していきます。
今でこそ、景色で感じることができますが、九州新幹線が開通すると、かつての難所を感じることもなく、トンネルで通過してしまうのかと思うと、少し寂しい気がします。

菊池川を渡り、玉名駅に停車した列車は、長洲駅、荒尾駅と停車し、大牟田駅に到着しました。

左上:白川を渡る
右上:鹿児島本線と九州新幹線が近づく
(以上、平成〜熊本間にて)
左下:菊池川を渡る
(玉名〜肥後伊倉間にて)
右下:大牟田駅を発車

菊池川を渡る
大牟田駅を発車
筑後平野に積もる雪
筑後川を渡る

瀬高駅に到着する頃には、再び、車窓に雪が舞いはじめました。
羽犬塚駅に停車した後、筑後平野に広がる農地には、すでに白く雪が積もりはじめていました。

久留米駅に停車した列車は、筑後川を渡りました。
農地は一層白くなり、雪が降り続いていることが伺えました。
九州新幹線と別れると、程なくして、鳥栖駅に到着しました。

鳥栖駅を発車しても雪は降り続いています。
基山を頂きとする山地の林や、その間に広がる農地も雪化粧をしていました。

しかしながら、列車は福岡県へと入ると、車窓の雪はやみ、白く雪が積もったところもほとんどなくなってきました。
二日市駅に停車した後は、雪が積もった様子もありませんでした。
雪によるダイヤの乱れを心配しましたが、ここまでのところは特に影響はなさそうでした。

左上:筑後平野に積もる雪
(西牟田〜荒木間にて)
右上:筑後川を渡る
(久留米〜肥前旭間にて)
左下:雪に白む農地
(けやき台〜原田間にて)
右下:二日市駅に停車

雪に白む農地
二日市駅に停車
博多運転区を通過
頭上を飛行機が飛ぶ

列車は、竹下駅を通過すると、車窓左手に、博多運転区が広がりました。
その中に、2010(平成22)年に口蹄疫により畜産業が大きな被害を受けた宮崎県に対する応援企画「がんばれ宮崎!」のラッピングが施された「白いソニック」こと885系車両の姿も見えました。
程なくして、列車は、博多駅に到着しました。
下車される方もいましたが、博多駅から乗車される方もいました。

少し停車して、列車は、博多駅を発車しました。
今回の旅も、博多駅はスルーでしたが、いつかは、博多の街を散策したいという思いでした。
やがて、都市に近い空港として知られている福岡空港への着陸も近いのでしょうか、車窓左手に、飛行機の姿が大きく見えました。
程なくして、列車は、名島橋梁を渡ります。
車窓左手には、西鉄貝塚線と臨港貨物線、そして、国道3号線の橋梁が並走していました。

香椎駅を過ぎると、再び車窓に雪が舞いはじめました。
福間駅を過ぎて、内陸へと入ると、再び車窓が白く雪化粧を始めました。
雪の中、赤間駅に停車しました。

左上:博多運転区を通過
(竹下駅付近にて)
右上:頭上を飛行機が飛ぶ
左下:名島橋梁を渡る
(以上、箱崎〜千早間にて)
右下:雪化粧した宗像市付近
(東福間〜東郷間にて)

名島橋梁を渡る
雪化粧した宗像市付近
北九州高速道路が並走
小倉駅に到着

雪化粧は山間だけだったようで、折尾駅に停車し、洞海湾沿いへと出る頃には、雨へと変わっていきました。
黒崎駅に停車すると、車窓左手に黒崎バイパスの工事区間が続きます。

程なくして、左手には水色の屋根の八幡製鐵所八幡構内が広がります。
北九州都市高速道路が頭上を跨ぎ、左手に現れると、列車はスペースワールド駅を通過しました。

車窓左手に若戸大橋が見えると、列車は戸畑駅に停車しました。

列車は、高速道路と並走したり、やや離れたりしながら進むと、小倉駅到着のアナウンスが流れました。
新幹線の高架が、左手に並走すると、程なくして、小倉駅に到着しました。
3時間弱の有明号の旅、そして、最後のリレーつばめ号の旅が無事に終えられたことを感謝し、ホームへと下り立ちました。

先頭車両を撮影しようと、小倉方の4号車の前に行くと、車体には所々に雪が残っていました。
ホームの駅名票の下の掲示スペースには、「新九州起動」のフレーズとともに、N700系が一面にデザインされたポスターが貼られており、九州新幹線の全通が間もないことが伝わってきます。
しかしそれは、同時に、その向こうにいる列車の終焉が間もないということも意味しています。
特急「リレーつばめ」号、そして、小倉駅における特急「有明」号は、間もなく終焉の時を迎えます。
その前に九州縦断の旅ができたということに感謝しつつ、在来線ホームを後にしました。

追記として、九州新幹線全線開業の前日、未曾有の大災害、東日本大震災が発生しました。
そのため、すべての開業イベントは中止され、静かなスタートとはなりましたが、関係者や沿線の方々の期待と喜びは大きいことでしょう。
またいつか、今度は九州新幹線で九州縦断の旅をしに行きたいと思います。

左上:北九州高速道路が並走
(スペースワールド駅付近にて)
右上:小倉駅に到着
(小倉駅付近にて)
左下:特急有明10号(小倉方)
右下:5,6番線ホームにて
(以上、小倉駅にて)

特急有明10号(小倉方)
5,6番線ホームにて


最後のリレーつばめの旅
2011(平成22)年1月9日 -その4-
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