ドイツ調査 1
2012年10月26日(金) 1日目 <東京→フランクフルト→ヴュルツブルク>


<初めてのドイツへ>

 調査出張で10日間ほどドイツへ。「西欧」と呼ばれる地域に行くのは初めてで、「ヨーロッパ」全体に広げると、去年の今頃の時期に行ったウクライナとベラルーシ以来、2回目です。

 去年のベラルーシ・ウクライナ行きで使った大き目のキャリーバッグを押し入れから1年振りに引っ張り出し、前夜から準備を始めましたが、10日間分の着替えや諸々を準備するのには時間がかかり、一息ついたのは出発2時間前の午前3時。猛烈に眠かったので仮眠を取りたいところでしたが、万が一寝坊して遅刻でもしたら本当に大変なことになるので、ブラックコーヒーを飲みまくって耐えました。途中何度か記憶が飛びそうな時間があったので、結構危なかった。

 朝5時に自宅を出て吉祥寺へ。吉祥寺からは早朝に2本だけある中央線経由の成田エクスプレスの1便目に乗って一路成田空港へ。成田エクスプレスは足元が広くて快適なので、ここでゆっくり寝ようを思っていましたが、コーヒーのカフェインが効いてきたのか、全然眠れませんでした。さっきまであれだけ眠かったのに。


<早朝の吉祥寺から>

<まだ夜明け前の吉祥寺>

 7時18分、成田空港第1ターミナル到着。南ウイングの出発ロビーに移動し、7時半過ぎに今回の調査メンバーが集合した後、チェックイン、保安検査、出国審査をパス。今回は往復ともルフトハンザ航空を使うので、同じスターアライアンスに加盟しているANAのマイルを貯めることができました。旅行社から受けた事前の説明では、「今回のチケットではANAのマイルを貯めることはできない」ということでしたが、一応カウンターで聞いてみると「貯められますよ」とのこと。旅行社の説明を鵜呑みにしてANAのマイレージカードを持って来ていない人もいたようなので、わずかな可能性を信じて持ってきた自分を褒めたいと思います。何と言っても往復8500マイルは大きい。何事も情報を鵜呑みにしては駄目です。


<成田空港第1旅客ターミナルに到着>

<南ウイングの出発ロビー>

<9時45分発のフランクフルト行きに乗る>

<45番ゲートまでが遠い>

 フランクフルト行きLH711便は、現在世界最大の航空機であるA380での運航ということで、近付いてまじまじと眺めたり写真を撮ったりしました。確かにでかい。かなりの迫力があります。


<フランクフルト行き>

<巨大なA380>

 9時10分に搭乗開始になりましたが、巨大な飛行機ということは座席数もかなり多く、全員が搭乗するまでにかなりの時間がかかります。調べてみるとルフトハンザのA380便は全部で526席あるらしい。僕達が乗り込んだのは搭乗開始から20分経った9時30分で、慌ただしく席に座ったらすぐに離陸、という感じで何とも慌ただしい。

 機内も広く、1階席は3−4−3の座席配置。きちんとモニターも付いています。僕が指定されたのは窓際A席で、窓からの景色を楽しみにしていましたが、ちょうど翼の真横に当たり、しかもその翼が今まで見たことないくらい大きなものだったので、景色も何もあったもんじゃありませんでした。残念過ぎます。そして通路側には大先生が座られているので、非常にトイレに行き辛い。「いつでも行ってくれていいから」とはおっしゃってくれたけれど、12時間というフライト時間を感がると若干気が滅入ります。

 定刻に離陸。安定飛行に入ったところでウェルカムドリンクとスナックが提供されました。ドリンクはドイツビール、白ワイン、赤ワイン、スパークリングワインなどなどのアルコール類とソフトドリンクから選べます。他の人達はスパークリングワインや白ワインを頼んでいたけれど、ドイツと言えばビールということで、まずはドイツビールを注文。ヴァルシュタイナーが出てきました。日本のビールよりも少し濃厚でおいしい。


<3−4−3の巨大な機内>

<まずはウェルカムドリンクのドイツビールを1杯>

 続いて昼食。飲み物は白ワインにしました。お替りもできるということだったので、白ワインの次は赤ワインを。無料でアルコール類が出てくるのはありがたいことです。去年乗ったアエロフロートは紙パックの安い赤ワイン以外はアルコールがなかったので、本当にルフトハンザ様々。平日の昼間から機上で飲んだくれられるのは幸せなことです。


<きちんとメニューがある>

<昼食と白ワイン>

<赤ワインをおかわり>

<途中の軽食はカステラ>

 昼食を食べたらさすがに眠くなったので、空気枕とアイマスクを装着してしばらく寝ていましたが、12時間という飛行時間はかなり長いもので、寝るのにも飽きて途中で時間を持て余し気味になります。映画を見ようかと思ったけれど、日本語対応の番組もあまりない。まあ、モニターがあるだけありがたいと思わなければいけないのかもしれませんが。仕方なく日本語対応の「スパイダーマン」を見て、その突拍子もないアメリカンな展開に胸焼けがしました。しかもラスト10分がトイレに行っている間に終わっていたという締まりのないおまけ付き。モニターの反応が悪くて、一時停止されていなかったようですが、中途半端感が半端ありません。

 到着2時間前(日本時間夜7時半)に夕食。夕食は和食かドイツのオクトーバーフェスト名物料理ということで、迷わずにオクトーバフェスト名物料理を選択。ソーセージ、マッシュポテト、ザワークラフトのメインがかなりおいしかった。ビールに合います。ドイツに行くことになってよかったなあと思った瞬間でした。この後は結局ソーセージやマッシュポテトに苦しめられることになるわけですが・・・。


<オクトーバーフェスト名物料理とビール>

<本当に翼が大きい>

 時計の針を7時間戻して、現地時間午後2時半、フランクフルト国際空港に到着。祝・初欧州。フランクフルトは雨が降っています。


<フランクフルト国際空港に到着>

<到着したスポットからが長すぎる>

 飛行機から降り、500mくらい続いているんじゃないかという異様に長い廊下を歩いてから入国審査等。フランクフルトでの入国審査は簡単だと聞いていましたが、「職業は何だ」とか「どこに泊まるんだ」とか結構入念に聞かれました。最初に「何の目的で来たのか」と言われて、ついつい「ビジネス」と言ってしまったがために、その後の説明が面倒なことに。大人しくサイトシーイングと言っておくべきだった。

<フランクフルトからヴュルツブルクへ>

 全員が無事ドイツに入国したところで、現地のアテンダント兼通訳の在独日本御婦人と合流し、到着ロビー周辺にあるパン屋でパンと水を買ってからバスに乗り、今回の最初の目的地であるヴュルツブルクへ。バスの中ではベテラン通訳さんのドイツ概要説明を聞きながら、さっき買っておいたライ麦チーズパンをほおばりました。ライ麦パンは歯ごたえがあって、チーズとひまわりの種と合わさると濃厚な味になります。日本じゃこのパンはなかなか食べられないなあ。全部食べてしまいたいところだったけれど、この後夕食が控えているので半分程度で我慢です。


<フランクフルト到着ロビー>

<おいしそうなパンが並ぶ>

<ライ麦とチーズとひまわりの種パンを買った>

<アウトバーンを疾走する>

 フランクフルトからヴュルツブルクまではアウトバーンを通って約1時間半。ドイツはちょうど紅葉の時期のようで、木々が綺麗に色付いています。日本のように赤く紅葉するものは少なく、基本的には黄色系統が多いそうです。天気が悪かったので写真が上手く撮れなかったのが残念。昨日までは天気も良く、気温も25度まで上がって絶好の紅葉狩り日和だったそうですが、今日から急激に冷え込んでいるとのこと。気温は0度前後で、コートが必須です。日本が20度以上だったので、この寒暖差は結構堪えます。

 フランクフルトから1時間半でヴュルツブルクのホテルに到着。ヴュルツブルクでのホテルはマリティム。有名ガイドブックによれば、マリティムはヴュルツブルクで最高級のホテルということでしたが、個人的にはまあそこそこのホテルかな、といった感じです。ヴュルツブルクは人口14万人程度でそこまで大きな街ではないので、それからすると最高級と言ってもいいのかも。


<ヴュルツブルクのマリティムホテルに到着>

<ホテルのロビー>

<本日のお部屋>

<部屋からの眺め>

 部屋についてささっと身支度を整えた後、夕食の集合時間まで40分程度の時間があったので、早速街歩きすることにして外出。

<ロマンティック街道の起点 ヴュルツブルク>

 ヴュルツブルクはバイエルン州のフランケン地方における中心として、ロマンティック街道の北の起点になっている都市です。あのシーボルトはこの街で生まれ、レントゲンはヴュルツブルク大学で研究したということで、日本人にとってもそこそこ馴染みがある街です。何らかの縁があり、大津市と姉妹都市提携をしているそうで、市内にはちょっとした日本庭園みたいいなものもあります。人口は14万人程度ですが、そうとは思えない活気がある街です。

 自由時間は正味30分程度しかなかったので、ホテルの周辺をうろうろすることくらいしかできませんでした。しかしホテルはマイン川の傍に位置していて、少し出るとマイン川とアルテ・マイン橋、それに丘の上にあるマリエンベルク要塞が見えます。マリエンベルク要塞は1253年から1719年まで、この地を治めていた歴代大司教の居城兼要塞となっていた場所。ベタな感想ですが、ドラクエの城のようです。


<ホテル前>

<ホテル前をトラムが通る>

<マイン川とマリエンベルク要塞>

<マリエンベルク要塞をアップで>

 ヴュルツブルクの街は紅葉まっ盛りといったところ。

 ふらふらしていたらすぐに30分経ってしまったので一旦ホテルへ。ロビーで集合して街を歩きつつ夕食へ、という段取りになり、結局再びマイン川とマリエンベルク要塞方面へと向かうことになりました。ただし今度はアルテ・マイン橋の方まで。マイン橋の欄干には12人の聖人像が立っていて、それをバックにマリエンベルク要塞を眺めると「欧州に来たっ!」という感じがします。もう一回言うけど、ドラクエっぽい。


<紅葉とマリエンベルク要塞>

<マイン橋とマリエンベルク要塞>

<マイン橋>

<橋の上の聖人とマイン橋>

 時刻も7時過ぎになって段々暗くなってきたので、そろそろ夕食へ。アルテ・マイン橋を戻ると左手に市庁舎があり、その地下が「ラーツケラー」というフランケン地方料理のレストランになっているということで、初日はそこになりました。某有名ガイドブックでも最初に紹介されているので多分間違いない。


<左手に市庁舎、正面に大聖堂>

<市庁舎のラーツケラー>

 店内は荘厳な雰囲気というか、人はいるけど話している人がいないような雰囲気で若干戸惑いましたが、とりあえず席に案内されてまずはヴュルツブルクが本場のフランケンワインで乾杯。フランケンの白ワインはコクがあり、かなりの辛口だということでしたが、甘い酒が苦手が僕にはこのすっきりとした喉越しがぴったりでした。口に入れるとかすかな炭酸感もあり、すっと喉に落ちて行きます。辛口といってもワイン本来の甘みはあるし、飲みやすい。隣にいた△↓さんによると「危険な味」ということで、飲みやすいためについつい飲み過ぎてしまう可能性のあるワインです。


<初めてのフランケンワイン>

<隣のオジサンがサービスでくれる>

 ヨーロッパの食事は基本的には一人一品なので、今回も皆個別に注文。スープ+メインの組み合わせで、僕は「カボチャとジャガイモのスープ」と「牛肉の西洋山葵ソースかけ」にしました。この二つで大体20ユーロくらい。1ユーロが100円前後の今だと日本円にして2000円くらいなので、本当に助かります。以前の1ユーロ=170円とかだったら、これだけで3500円とかしてしまうので。。

 カボチャとジャガイモのスープには予想外にもかなり大きめの揚げパンのようなもの付いていて、これだけで腹が膨れそうな感じでした。さすが欧州。スープ自体はしっかりとした濃い目の味付けでおいしかった。メインで出てきた牛肉の西洋山葵添えは、牛肉自体が小さく薄くされていて、それが3枚ほど出てきました。おいしかったけど、西洋山葵(ホースラディッシュ)は日本の山葵のように鼻にツンとくる感覚が弱いので少し物足りないか。一緒にイチゴジャムも付いていたので、最初は何でこんなものが付いているのかと不思議に思いましたが、これをステーキにつけて食べると意外とおいしくてびっくり。ただし、付け合わせで出てきた味なし平打ちパスタだけは本当に全く味がなく、一体どうやって食べろと言うのか。非常に困りました。


<何となく荘厳な雰囲気の店内>

<スープと一緒に出てきた揚げパンのようなもの>

<カボチャとジャガイモのスープ>

<メインの牛肉の山葵ソースがけ>

 で、実はこの日4食目にも関わらず(日本時間で言うと翌深夜3時とか)おいしく飲み食いしていると、隣のテーブルで食事をしていた二人のオジサンからこちらのテーブルに白ワインのサービスが。聞けばこのオジサンはライプツィヒの自動車工場か何かで働いていて、日本人が非常に好きだとのことで、見ず知らずの僕らにワインを奢ってくれたのでした。丁寧にお礼をして、その白ワインをいただくことに。それが上の右側の写真の小さなグラスの方です。最初に注文したワインと少し違った銘柄だったけれど、これまた飲みやすくておいしかった。美味しいワインは喉をすとんと落ちていきます。

 ということで初日の夕食を堪能し、帰りは腹ごなしも兼ねてヴュルツブルクの中心部を歩いて帰ることに。人口14万人の街にしてはデパートやグローバル店舗(H&Mとかマクドナルドとか)があり、夜でも結構な人で賑わっています。


<夜のヴュルツブルクを歩く>

<ヴュルツブルクの中心街>

<大聖堂>

<ノイミンシュター教会>

<ヴュルツブルクの昔の偉い人?>

 ホテル到着後、ホテルの地下に無料のプールがあるということで、D2N君と一緒に行くことに。プールがあるという事前情報を仕入れたので、今回は日本から水着を持ってきていました。ドイツで泳いで体脂肪を落としてしまおうと。ところがプールは僕らが想像していた25mプールが6コースとかそういうのではなくて、いかにもリゾート地にあるような変形プールでした。最大長でも15mくらいしかない。。さすがに「市内随一の大型高級ホテル((C)地球○歩き方)」。しかしここで引き下がっては負けた気がするので、1時間ほどせっせと平泳ぎ。1時間して周りを見ると、いつの間にかN君もいなくなっていたので、隣にあったサウナに入って引き上げようとしました。

 で、サウナに入ると、何とそこには一糸まとわぬ(つまり素っ裸の)若い女性が仰向けでごろんと横になっていました。上段にはその彼氏と思われる男性がおり、こちらも生まれたままの姿で横になっています。僕が入っても全然気にしない様子でしたが、水着を着ている僕の方は「???」と頭の中が混乱し、状況を把握するのが大変でした。さすがにすぐに出るのも変だったのでしばらく隅の方でじっとしていたものの、本来はだくだく汗が出るはずのサウナなのに逆に汗が引っ込んでいきます。そして非常に気まずくなって自分自身が居た堪れなくなったので、5分で出てしまいました。何だかドイツに負けたような気がする・・・。

 少し冷静になってロッカーで着替えていると、その男女カップルが前も後ろも胸も隠さない状態でサウナから出てきてシャワーに向かって行きました。ううん、ここでは僕の方が非常識なのだろうか・・・。ともかく、とっさの事態では女性の裸を見ることができてどうのこうのという感じにはならないことが分かりました。それよりも状況を整理するのが大変。あー、びっくりした。フィンランドなんかではサウナは男女混浴と聞いていましたが、まさかドイツもそうだとは思わなかったので、かなり面食らった感じです。

 プールから上がって部屋に戻ろうとすると、同室のTさんが既に寝ていたようで部屋に入ることができなかったので、とりあえず隣のD1I君のところに行って、さっき買っておいたビールで乾杯。運動後のビールは旨い。ただI君と同室のN君がまだ戻ってきておらず、てっきり先に戻っていたものだと思っていた僕は彼がどうしているのか結構気になっていました。


<夜のビール>

 ビールを一杯飲んでから自室に戻り、12時頃就寝。後日聞いた話だと、N君は実はプールのベンチで寝ていて、プールの営業時間の終了後に係のオジサンに起こされたとか何とか。。


二日目へ→

旅行記トップにモドル