ローマ旅行記 2
2014年10月28日() 2日目 <ローマ(バチカン市国、ナヴォーナ広場、トレビの泉、記念堂、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘)>


<ローマの有名観光地を一巡り>

 昨夜は夜12時半に寝て、起きたのは7時。本当は6時に目覚ましをかけていたのだけど、疲れすぎて起きることができなかった。それでも7時間近く寝たおかげで、昨日一日中悩まされていた気持ち悪さも大分良くなったように感じる。こうなるといろいろと前向きになるもので、一応報告の下書きは終わっているし、今日は学会は午後からでしかも受付だけだし、何よりもせっかくローマに来ているのだし、ということで、今日はもう一日中ローマの名所名跡を見て回ることにした。

 そうと決まれば時間がもったいないので、まず地球の歩き方を見て大雑把な今日の行程を決める。まず朝早く行かないと長蛇の列ができてしまうというバチカンのサンピエトロ大聖堂まで地下鉄で行き、そこから歩いてローマ市内にある名所を見て回るとちょうどよいことが分かった。バチカン、コロッセオ、トレビの泉、パンテオン、スペイン広場etc・・・。何度も聞いたことがある超弩級の観光地が直ぐ近くにある。そう考えると昨日までの後ろ向きな気持ちはどこかへ行き、居ても立っても居られなくなってきた。

 ということで、さっさと準備をして7時半にホテルを出る。ローマの朝は結構寒く、コートを着ている人も多い。昨日の夜の怪しげな雰囲気と違い、朝のローマテルミニ駅前は通勤客や旅行客でごった返している。まず、テルミニ駅の新聞売場(キオスク)で、ローマパスを購入。3日間地下鉄・バスに乗り放題、かつ指定された見どころのうち最初2か所は無料で36ユーロ。やや高いけれど、いちいち切符を購入する手間が省けること、コロッセオで入場券を買うために長蛇の列に並ばなくてもよくなることなどのメリットがあるので、買うことにした。今回はのんびりできないので効率的に動きたい。


<朝のホテル前>

<古そうなトラムも走っている>

<朝のテルミニ駅>

<3日間地下鉄・バスに乗り放題のローマパス>

 まずは地下鉄A線のテルミニ駅からサンピエトロ大聖堂に近いオッタビアーノ(Ottaviano)駅へ。改札口にローマパスを差し込もうとすると、何度入れても上手く行かない。おかしいなあと思っていると、係りのオジサンがやってき、ローマパスは改札口に入れるのではなく、スイカのようにピッとするのだと教えてくれた。ローマパスは一見すると厚紙にしか見えないので、まさかこの中にICチップが仕込まれているとは思わなかった。

 地下鉄はものすごい混雑で、東京の朝の通勤ラッシュとあまり変わらない。ぎゅうぎゅうの電車に押し込まれ、スリに対して最高レベルの警戒をする。ローマの地下鉄では特に混雑時のスリに気を付けろと言われていたので最初は気が気ではなかったが、結果から言えばきちんと気を付けていれば大丈夫のように感じた。6駅15分くらいでオッタビアーノ駅に到着。

 オッタビアーノ駅からサンピエトロ広場までは500mくらいなので、ローマの街を眺めながら歩いて行く。  


<オッタビアーノ通り>

<バチカンへの入り口の城門>

 バチカン市国への入り口の城門をくぐると、目の前にサン・ピエトロ広場が広がった。「おお、これがあのサン・ピエトロ広場か」とミーハー丸出しで喜ぶ。まだ朝8半だというのに、広場には結構な人がいる。  


<合計で284本の柱が広場を囲む>

<サンピエトロ大聖堂が見えた>

<スイス人傭兵が守っている>

<サンピエトロ大聖堂と広場>

<サンピエトロ大聖堂>

<屋根の上には140人の歴代法皇>

 広場は後でゆっくり見ることにして、とりあえず8時半から営業しているサン・ピエトロ大聖堂のクーポラに上ることにする。クーポラに上るためにはサン・ピエトロ大聖堂に入らないといけない。日中だと大聖堂に入るのに1時間以上かかることもあるとのことだったけど、まだ朝早かったおかげか並ぶことなく入ることができた。ちなみにサン・ピエトロ大聖堂に入るには荷物検査と服装チェックがあり、半パンやサンダル、ノースリーブやタンクトップだとアウトです。

 僕もX線荷物チェックを受け、サン・ピエトロ大聖堂の入り口を通ってクーポラの受付へ。さすがにこの時間だと人も少なく、ほとんど並ぶことなくチケットを買えた。ずっと階段だと5ユーロ、途中までエレベーターだと7ユーロだったので、今回は体力温存と時間有効利用のため、エレベーターを使う7ユーロの方にする。ピサ・フィレンツェ・ボローニャで結成された「イタリアの高いところに上り隊」の隊員としては、本来なら全て階段を使いたかったところだけど、今後のことを考えると仕方がない。 


<サン・ピエトロ大聖堂の入り口を見て>

<クーポラに上る入口へ>

 まずエレベーターでサン・ピエトロ大聖堂の屋上へ。そこから徒歩でクーポラに上っていく。途中までエレベーターを使ったものの、そこからの階段が結構長い。ただ、途中の通路には精巧なモザイクが描かれており、下を見れば聖堂内で行われているミサが、上を見上げればドームのフレスコ画が見える。


<屋上に立つ大聖堂のクーポラ>

<途中で見ることができるモザイク画>

<聖堂内部を見下ろす>

<聖堂で行われているミサをアップで>

 さらに息を切らせながら上って、ようやくクーポラの屋上に到着。屋上からはサンピエトロ広場を始めとして、ローマが一望できる。サン・ピエトロ広場を良く見ると、さっきは見られなかった行列ができていた。多分サン・ピエトロ大聖堂に入る、もしくはクーポラに上る人々だろう。いや、30分早く来ておいてよかった。その後しばらく360度の眺めを楽しんでいたけど、段々と人が多くなって次第に身動きが取れないくらいになってきたので、仕方がなく降りることにする。朝一番でこれなら、日中は凄いことになるんだろう。   


<クーポラの屋上に到着>

<サンピエトロ広場を見下ろす>

<バチカン政庁舎とバチカンの庭園>

<ローマ市街を眺める>

 クーポラから降りてきて、大聖堂の頂上で聖人の像を後ろから眺めたり、ジェラートを食べている観光客を観察したり。その後再び地上に戻る。エレベーターチケットを買っていたのでエレベーターで降りてもよかったのけれど、下りだしと思って折角なので歩いて降りてみることにした。広めのらせん階段をてくてくと下っていくと目が回る上に、思ったよりも長くてちょっと左ひざが痛くなってきた。やっぱり無理はするんじゃなかった。というか、徒歩チケットだったら上りもこれだったので、エレベーターチケットにしておいてよかった。


<大聖堂の頂上>

<聖人の像を後ろから>

 クーポラからの階段を降りるとそこはサン・ピエトロ大聖堂。僕でも知っているカトリック教会の総本山で、その中はかなり広い。入場料無料でフラッシュなし撮影ならOKというのもありがたい。聖堂内には巨匠達が作った宗教美術作品がこれでもかというくらいあり、下手な美術館よりも見ごたえがある。まず正面入り口を入って右側にある「ピエタの礼拝堂」には、ミケランジェロが25歳の時に作ったというピエタ(聖母像)が鎮座している。出だしからミケランジェロとは。

 他にも多分有名であろう彫刻作品やフレスコ画が多く、もっと予習しておけばとか、もっとこの時代のことに詳しければという後悔が出てきた。僕はこういう方面に疎いので、一つ一つの作品が持っている意味合いを十分に理解できないのが非常にもったいない。ただ、さすがにサン・ピエトロ大聖堂が本当にすごい場所であることは良く分かった。あと、歴代教皇の墓にはそのミイラも祭られており、不謹慎かもしれないけれど写真を撮ることもできる。顔はデスマスクで覆われているので、ろう人形に見えないこともない。


<サンピエトロ大聖堂は世界最大級の教会建築>

<ミケランジェロのピエタ>

 分からないなりにもじっくりと見ていたら、既に10時を回っていた。名残惜しいけどそろそろ行かないといけない。広場に出ると、翌日の教皇謁見に備えて無数の椅子が準備されていた。しかしサンピエトロ広場は広大で、北京の天安門広場を思い出した。もちろん、天安門広場より品も治安も良いけれど。残念ながら僕は形式上仏教徒かつ日本の八百万の神を信仰していることになっている人間で、キリスト教徒ではない。もしキリスト教、特にカトリックに帰依していたとすれば、バチカンを訪問するということはもっと神聖な儀式だったのだろうと思う。キリスト教徒でない分、お気楽な気持ちで観光させてもらって何となく申し訳ない気持ちにもなった。


<大聖堂の正面から見るサンピエトロ広場>

<オベリスクとサン・ピエトロ大聖堂>

<10時過ぎでこの行列ができている>

<コンチリアツィオーネ通りから見るサン・ピエトロ大聖堂>

 サン・ピエトロ大聖堂に入るための大行列を横目で見ながら、バチカンから続くコンチリアツィオーネ通りを通って再びローマへ。バチカンといえばバチカン博物館も行きたいところだけど、今回は時間がないので諦めざるを得なかった。そもそも相当混んでいて入場するのにゴールデンウィークのディズニーランドクラスに待たないといけないらしいので、今度時間があるときにゆっくり来ようと思う。その時までに世界史の復習として、美術品の価値が分かる男になっておきます。

 天気も良くなってきて、朝の冷え込みが嘘のように暑くなってきた。朝食も食べてなかったので、ここらで休憩がてら早めの昼食をということで、目についたカフェに入る。日本語メニューもあって値段が明らかに観光客向けではあったけれど、一人旅だし面倒なのでもう仕方がない。とりあえず今回一度食べてみたかったローマ発祥のカルボナーラを注文する。あとはお決まりのエスプレッソも。エスプレッソは4ユーロで、カルボナーラが14ユーロ。このときはまだ値段の感覚が分からなかったけど、よく考えたらエスプレッソ4ユーロはともかく、カルボナーラ14ユーロ(日本円で2000円)はさすがに高いよなあ。やっぱり観光客向けの店で食べるとこうなってしまうのだろうか。

 ただ、店の名誉のために言っておくと味はよかった。本場のカルボナーラは生クリームを使わず、卵とチーズとベーコンと黒コショウだけで仕上げると聞いていたけれど、まさにその通り。生クリームを使わなくても卵とチーズのとろみで濃厚に仕上がっている。あとはベーコンがカリカリで香ばしく、塩分もちょうど良い。日本で食べるカルボナーラに比べるとかなり濃厚に仕上がっている。値段を考えなければ悪くなかった。これで半額の7ユーロくらいだったらなあ。


<コンチリアツィオーネ通りにあるカフェ>

<なぜかルイージの帽子を売っていた>

<エスプレッソ(4ユーロ)>

<カルボナーラは14ユーロ>

 食後、コンチリアツィオーネ通りをまっすぐ行くと、砦のようなサンタンジェロ城が見えてくる。2世紀にローマ皇帝ハドリアヌスが自分以降の皇帝の墓として建設し、それ以降要塞、礼拝場と役割を変え、今では博物館になっている。ローマパスを使えば無料になるので中に入ってみたかったけど、恥ずかしながらサンタンジェロ城の存在はローマに来てから知ったので、まず元々知っている場所に入りたいということでパスすることにした。まあもしも時間があればまた今後、ということで。

 サンタンジェロ城の前にはサンタンジェロ橋かかり、欄干には17世紀のベルニーニ作の天使像のコピーが飾られている。このベルニーニはサン・ピエトロ広場も設計した人物らしい。ベルニーニの天使像(コピー)の元からテヴェレ川を眺めると、遠くにバチカンのサン・ピエトロ大聖堂が見えるというなかなかの風景が楽しめる。しかし、天気が良くてよかった。


<サンタンジェロ橋から見るサンタンジェロ城>

<ベルニーニの天使像(コピー)>

<サンタンジェロ橋から眺めるサンピエトロ大聖堂など>

<テヴェレ川の逆方面を眺める>

 テヴェレ川を渡り、次はナヴォーナ広場を目指して歩いていく。ちょっと道に迷ったものの、そのおかげでローマの裏路地をぶらぶらすることができた。街を歩いているとパッと目の前にいかにも歴史がありそうな建築物が現れて、地球の歩き方で確認してみると確かに歴史がある教会だったりする。どこに行ってもそういう感じなので、ローマの街は半端じゃない。


<こういうと外で食べてみたい>

<ローマの裏路地>

<サンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会>

<そろそろナヴォーナ広場>

 そしてナヴォーナ広場。ローマを代表する広場の一つらしい。元々は1世紀後半に作られた競技場が始まりだそうで、15世紀に広場になったとのこと。日本だと弥生時代に作られた競技場が応仁の乱の頃に広場になって今まで続いていることになる。歴史が凄すぎて何が何だか。

 広場には三つの有名な噴水があって、それぞれに歴史があるらしい。中でも中央にある古代ローマのオベリスクを掲げる四大河の噴水は、これまたベルニーニの作らしい。これだけ後世に名前が残る作品を作るというのもまたすごい。広場は本当に市民や観光客の憩いの場となっていて、大道芸人も多い。イタリアの修学旅行生っぽい子供たちもいた。ただ物売りも多くて、中東系の人間がやけにスマホ自撮り用の長い棒を売っていたのが印象的だった。この自撮り棒、ローマでは流行っているようで、皆結構使っているし、どこに行ってもそれを売っている中東系の男がいる。彼らは自撮り棒売り組合でも作ってるんだろうか。


<市民の憩いのナヴォーナ広場>

<ネプチューンの噴水>

<ローマ時代のオベリスクと四大河の噴水>

<ムーア人の噴水。げろげろゲロ>

 ナヴォーナ広場でしばしぼんやりとした後、少しあるいてパンテオンへ。アテネにあるのがパルテノン神殿で、こっちはパンテオン。歩き方によれば、現存するローマ建築の最も完全な遺構で、世界最大の石造り建築とのこと。今は国家的な功労者を祭る神殿となっていて、内部には美術家のラッファエロやイタリア王国を統一したヴィットリオ・エマヌエーレ2世の墓もあった。もちろん入場無料で写真撮影可なのでありがたい。こういう建物はこれまでRPGゲームの中でしか見たことがなかったので、中に入ると敵が出てきそうに思えるが、当たり前のようにそんなことはない。2000年も前の建物がそのまま残っているのは、石の文化ならではだと思う。


<やってきましたパンテオン>

<ローマ建築の最も完全な遺構らしい>

<パンテオンの内部>

<ラッファエロの墓もある>

 次はお決まりのトレビの泉を見にいくため、街の狭い路地を歩いていく。途中、イタリア下院の建物であるモンテチトーリオ宮の前を通ると、消防隊員のような人たちがシュプレヒコールをあげていた。何のデモかは分からなかったけど。ただ、デモには炊き出しのようなものも出ていて、参加者は皆楽しそうだった。なお、下院の前にあるオベリスクは紀元前6世紀のものらしい。どこまで歴史が古いんだ。


<カプラニカ広場>

<モンテチトーリ宮(下院)と紀元前6世紀のオベリスク>

<下院前で消防隊のような人たちがデモをしている>

<こちらはマルクス・アウレリウスの記念柱>

 さらに歩いてトレビの泉へ。しかし、何と、トレビの泉は絶賛改修工事中で、水もなけりゃ彫刻も見えない。。工事のおかげで普段は入れないような泉の上を散策できるルートが設けられてはいるけれど、何か納得がいかないというか。。あの水に満たされたトレビの泉を見てみたかったなあ。よく分かったのは、トレビの泉がある広場は思った以上に狭いということ。そしてそんな狭い中にも人が多い。こんな工事中にもかかわらず観光客が多かったということは、それだけの集客力がある場所なんだろう。


<トレビの泉まさかの工事中>

<有名な彫刻も覆われて修復中>

<泉がない分、中まで入れるようになっているが>

<まあ、何というか残念である>

 トレビの泉は工事中でも、周りの通りにはお土産屋やパフォーマーがひしめき合っている。どうもスプレーで絵を描くパフォーマンスが流行っているようで、何人かの若者がスプレーと刷毛とポンポン(?)で絵を描いている。その様子を見ていると、確かに上手い。ポンポンでキャンバスを叩くと、上手い具合に花火や滝のようになってしまう。図画工作が苦手な僕にとってはそういう才能が羨ましい。まあ、絵を買おうとは思わないけど・・・。その他にも、やっぱり中東系のスマホ用自撮り用棒を売っている人間が多い。ただ、僕のように一眼レフを持っている人間には声をかけてこないのでありがたい。一眼レフで自撮りしている人は見ないからなあ。そんな光景を見ながら、次の目的地である旧市街の中心部にあるヴェネツィア広場とヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂に向かって歩いていく。


<スプレーの絵描き職人>

<雑貨屋が並ぶ>

<毛沢東のおでこに何か書いたり貼りたくなるのは世界共通>

<ヴェネツィア広場に向かってコルソ通りを歩く>

 トレビの泉から10分くらい歩いて、ヴェネツィア広場とその前にそびえるヴィットリオ・エマヌエーレ2世紀念堂へ。異様なほど大きいこの建物、イタリアを統一し、初代国王となったヴィットリオ・エマヌエーレ2世の偉業を記念して建てられた建物とのこと。1911年に完成したということなので、古代ローマの遺跡がひしめくこの地ではかなり新しい部類に入る。でも建設されて100年も経っているんだよなあ。ローマにいると感覚がおかしくなってくる。建設当初はやっぱり周りと雰囲気が合わないということで、評判が悪かったらしい。それが今では観光名所になっているんだから、歴史は分かりません。

 記念堂の内部はちょっとした博物館になっていて、多分イタリア建国前後のことを展示しているのだと思う。でもイタリア語の解説しかないので、実際のところは分からない。イタリア語の解説しかないのと、ここで時間を取るわけにはいかないので、博物館はスルーして記念堂の高い場所に上ってみることにした。


<ヴィットリオ・エマヌエーレ2世紀念堂>

<記念堂を下からアップで>

<ヴィットリオ氏でしょうか>

<記念堂から見るヴェネツィア広場>

<記念堂の広場の方に上ってみる>

<内部は無料の博物館みたいになっている>

 記念堂の側目の階段を上って裏手に回ると、古代ローマの遺跡であるフォロ・ロマーノやコロッセオが見渡せる。7ユーロ支払えばエレベーターで最上階まで行けるということだったけど、エレベーターの行列が結構長くなっていたので諦める。高いところからの眺めはサンピエトロ大聖堂のクーポラで見たからまあいいか。ただ、この記念堂はローマの真ん中に位置しており、高いところから見ると東西南北良く見渡せるらしいので、次に来る機会があったら高いところに上り隊の隊員として上ってみようかな。

 続いて記念堂の隣にあるカンピドーリオ広場へ。ここはミケランジェロによって整備された広場で、正面にはローマ帝国時代の2体の巨像が鎮座している。そして正面には現在も使われているローマ市庁舎。そのローマ市庁舎の裏手に回ると古代ローマの遺跡が一望できるというので行ってみる。


<カンピドーリオ広場へ>

<カンピドーリオ広場とローマ市庁舎>

 下の写真がローマ市庁舎の裏手からの眺め。確かに古代ローマっぽい遺跡がこれでもかというほど広がっている。この辺りはフォロ・ロマーノと言って、古代ローマの政治の中心地だった場所。今の「フォーラム」の語源になった場所らしい。あとで実際に入ってみようと思ってはいたけれど、高い所からタダでこれだけのものを眺められると、もう入らないでいいかなあとも思ってしまう。これだけの景色を見ていると、何か古代遺跡のダンジョンみたいに見えてくる。近くに武器とか鎧っぽいものも売っていたので、RPGものの映画の撮影とかできそう。

 そして実際にフォロ・ロマーノに入ってみる。以前は無料だったけど、最近有料になったらしい。フォロ・ロマーノと隣のパラティーノの丘、それにコロッセオの入場料が共通で12ユーロ。これがローマパスの1回目もしくは2回目入場場所だと無料になる。共通券12ユーロが無料になるのはありがたいので、ここで無料パワーを使わせてもらうことにする。窓口でその旨を話すと、じゃああそこから入ってくれということで入口を指さしてくれる。ただ失敗したのは、窓口で音声案内を借りるのを忘れてしまったことだった。フォロ・ロマーノとパラティーノの丘は見どころが多い上に、遺跡はよく似た場所が多いので、音声ガイドは借りておくべきだった。

 ということで、地球の歩き方の情報を頼りにしてフォロ・ロマーノの内部を歩く。ここで一つ一つ紹介しようと思ったけれど、そうするとかなり長くなってしまうので写真ダイジェストお伝えします。足元が砂であることに加え、遺跡なので想像力を豊かにしなければいけないので、体力だけではなく頭の方も使って結構疲れてしまった。でもこの辺りで古代ローマ共和政時代の政治が行われていたと思うと、それだけでロマンがあるなあと思う。


<エミリアのバジリカ>

<エミリアのバジリカを横から>

<セヴェルスの凱旋門>

<ユリウスのバジリカから見た中心部>

<ユリウスのバジリカ>

<カストルとポルックスの神殿>

<アントニヌスとファウスティーナの神殿>

<ヴェスタの巫女の家>

<当時の彫刻が残っている>

<ティトゥスの凱旋門>

 下が砂と石の上、太陽の日差しも強かったので大分疲れてしまったけれど、続いてフォロ・ロマーノの隣にあるパラティーノの丘へ。パラティーノの丘は、皇帝や貴族がこぞってすんだ場所だったそうで、やっぱり権力者は小高い丘に住みたがるものだと思う。で、いろいろとその遺構を見学して感心はしていたのだけど、いかんせん歩き過ぎて足がいたくなり、さらに昨日からの疲労の蓄積がピークに達してしまったために、途中で吐きそうなほど気持ちが悪くなってしまった。でも折角ローマに来ているので勿体ないと思い、何とか気力で歩き回る。そういうわけで後半の記憶が大分飛んでます。


<ファルネジアーニ庭園>

<パラティーノの丘から市街地を眺める>

<神殿跡?

<ドムス・フラヴィア>

<ドムス・アウグスターナ>

<馬場として使われたであろうスタディオ>

 気が付けば2時間半もフォア・ロマーノとパラティーノの丘をうろうろしていた。最後にフォロ・ロマーノからコロッセオが良く見える場所があるというので行ってみる。そこは広場のようになっていて、確かにコロッセオが良く見えた。疲れたのでしばらくそこの階段に座ってぼんやりとコロッセオを見ていたけど、よく考えるとあのコロッセオが目の前にあるんだよなあと思うと不思議な気持ちになってきた。今本当にローマにいるんだと。


<眺めのいい場所に行ってみる>

<確かにコロッセオが良く見える>

<コロッセオ>

<振り返ると教会の遺跡>

 しばらく休憩して広場を出ようとすると、係りのおばさんがやってきて、もうフォロ・ロマーノの閉館時間なので広場を閉める時間だという。え?と思って時計を見ると、もう午後4時だった。イタリアはこの週頭でサマータイムが終わり、本格的な冬営業時間になるということで、コロッセオも4時で閉まってしまうらしい。本当は今日は最後にコロッセオに入ってローマ観光を締めようと思っていたのに。それだけローマは見どころが多かったということか。

 コロッセオに入れなくなったけれど、とりあえずフォロ・ロマーノを出てコロッセオの前まで行ってみる。開館時間は終わっていたけど、広場にはものすごく人が多く、まさにローマの代表的観光地という感じ。もっとこう、神秘的な場所だと思っていたけれど。これだけ観光客がいて地下鉄の駅もあるときているので、かなり俗的な場所に感じられた。こういう場所はスリ注意だな。


<コロッセオにやってきた>

<コロッセオを見上げてみる>

<一応営業時間を確認しておく>

<夕暮れのコロッセオ広場>

 コロッセオに入るのは明日以降にするとして、今日はもう限界なのでいち早くホテルに戻ることにする。フォロロマーノを歩き過ぎたせいで、靴は砂で真っ白になってしまったし。コロッセオの側には地下鉄B線のコロッセオ駅があり、そこからホテルのあるテルミニ駅まではたった2駅。調子がよければ歩きながら帰ったところだけど、もう本当に限界だし、そもそもローマパスを買っているので地下鉄に乗った方がお得に決まっている。ローマの地下鉄は落書きがすごくて、それをそのまま走らせているのもすごい。車両基地に誰でも入れるんだろうか。


<地下鉄B線コロッセオ駅>

<イタリアの地下鉄車両は落書きが多い>

 午後4時30分前に無事テルミニ駅に到着。さすがにこの時間の駅は混雑している。日本と違って電車に乗らなくてもホームに出られるので、鉄道マニアよろしく電車の写真を撮る。電車の形には詳しくないけど、いろんな種類の電車があるものです。イタリアの新幹線であるフレッチャロッサやフレッチャアルジェントに乗って、ナポリにでも行ってみたかった。


<ローマテルミニ駅>

<いろんな電車が発車します>

<混雑するプラットフォーム>

<トレニタリアの電車たちその1>

<電車たちその2>

<電車たちその3>

<電車たちその4>

<電車たちその5>

 で、今日の夕食は本当に考えるのが面倒臭くなったので、テルミニ駅にあったマクドナルドでビックマックを買って、ホテルで食べることにした。まさかのマクドナルドだけど、疲れたときには世界共通の味を食べておくのが一番だし、知らない店に入って右往左往しないでいいので楽。こういうとき、グローバリゼーション万歳、と思ったりもします。ビックマックは6.95ユーロ。ということは日本円で980円!かなり高いなあ。やっぱり1ユーロ=140円だと厳しい。1ユーロ=100円くらいが適正じゃないかと思う。あと、僕はいつもドリンクはウーロン茶とか爽健美茶とかいった甘くないお茶系統にするのだけど、海外だとお茶がないのでどうしても無難なコーラになってしまう。するとコーラは500mlで出てきた。さすがに海外はビックサイズだな。


<ビックマックセットを買う>

<夕暮れのテルミニ駅前>

 ホテルに戻り、シャワーを浴びてからビックマックセットを食べる。日本で食べようがイタリアで食べようが、マクドナルドはマクドナルドだった。黙々と食べるのも寂しいので、テレビをつけてみると、フランスのテレビが放送されていた。最初は何の番組か分からなかったけど、何か見たことがあるような形式でやっている。と思って調べてみたところ、この前まで昼にNHKでやっていた「クイズホールドオン」のフランス版らしい。フランス版というよりは、NHKがフランスから版権を買っているようなので、本家ということか。第二外国語がフランス語だったと言っても、言っていることはさっぱりわからないので、ただただぼんやりと見るだけだったけど、本家フランス版はNHK版よりも豪華な感じがした。司会の男性もエンターティナーで、参加者にぐいぐい食い込んでくる。NHK版もこのくらいやればよかったのに。


<まさかのビックマックセット>

<本家フランスのクイズ番組を見る>

 ということで夜は少し休んだあと、他にやることもないので金曜日の報告準備をする。インターネット無料はありがたいけど、よくつながらなくなるのは勘弁してほしい。ネット上での翻訳が命綱なので。。


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