スペイン旅行記 3
2015年11月1日()・2日(月)  3・4日目 <シッチェス滞在>


<嵐の前:11月1日>

 リビングのソファーの寝心地が思いの他よくて、放っておくとずっと寝てしまいそうだったので、気合を入れて朝7時に起きる。テラスに出てみると、雲が出てきていて風も強くなってきていた。天気予報によると今日、明日と天気が崩れ、特に明日はこの地域では珍しく暴風雨になるらしい。とりあえず朝食を食べに行き、コーヒーを飲みながら今日一日どうするかを考える。


<風が強くて雲が出てきた>

<11月1日の朝食>

 昼過ぎからいよいよ学会が始まるので、それまでは部屋でひたすら報告の準備を行い、昼から学会へ出かける。学会会場は昨日朝日を見たビーチの近くにあるホテルだったので、泊まっているホテルから5分くらいかけて歩いていく。ちょうど日曜昼過ぎの時間だったので、途中のレストラン街は賑わっていて、優雅に赤ワインを傾けて語らっている人がたくさんいる。僕も早くワインを飲みたいので羨ましい。


<日曜のレストラン街>

<レストラン街その2>

<大分波が高い>

<波は高いけど泳ぐ人もいる>

 学会会場に到着して受付を行い、明日の報告会場などを視察。一通りどんな雰囲気なのかを感じてから、再びホテルへ戻って明日の準備に戻る。行きはぐるっと大回りして会場に向かっていたが、帰りはショートカットの階段を見つけたのでそっちからホテルに戻った。こっちの道を通ると2,3分でホテルに戻れるし、眺めもいい。

 ホテルに戻って明日の報告準備を進め、途中で頭が痛くなってきたのでバファリンを飲み、夜は共著者のO先生にも来てもらって報告の打合せ行う。打合せの結果、かなりぎりぎりの準備になることが分かったので、今日はもう寝る暇がないなと徹夜を覚悟して準備を進める。また頭が痛くなったのでもう一回バファリンを飲み、何とかして眠気を飛ばそうとしながら準備をしていると、はっきり言ってここでこのまま倒れて死んでしまうんじゃないかと思うくらいの状態だった。意識朦朧というかふらふら。そもそも朝食を食べてから何も食べていない。でもそんなことを言っても時間は止まらないので、何とかぐっとこらえて準備を進めてた。ということで寝ないで次の日を迎えているので、日記はこのまま続きます。

<大嵐:11月2日>

 英語での報告原稿を作っていたら時刻は既に11月2日の朝8時になっていた。報告は朝9時からなので、準備とかを含めると8時半には着いておきたい。ということでまだ全部は終わってないけど切り上げて学会会場へと急ぐ。そして朝1番のセッションで報告。報告はいろいろあって狐に抓まれたまま、白昼夢のような状態で終わってしまったが、まあ無事終わったのでほっと一息。何事も慣れですね。

 自分のセッションが終わり、前日から寝てないし食べてないしでふらふらだったので、一旦ホテルに戻って仮眠を取ることにする。共著者のO先生は午後からまたセッションを聞くと言うことだったので、夜の食事の約束だけして一旦別れて、僕はホテルに戻った。

 ホテルに戻って横になろうとするも、目が冴えて寝ることができない。かといってもう一回学会に行こうと思っても、外はいつの間にかひどい雨と風になっていて、出ようにも出られない状態だった。海が近いので風の音が凄いし、何度か瞬間的に停電になったりするくらいは風が強い。さすがにこの天気は大丈夫かなと思ってしまう。何も身動きが取れなくなってしまったので、仕方なく部屋で本を読んだりして過ごす。まあ、報告も終わったし、悪天候の中でバカンスということでしょうか。


<今日はどう考えても悪天候>

<波がめちゃくちゃ高い>

 本を読んでいるといつの間にか寝ていたようで、1時間ほど経っていた。そして起きたらかなり喉が痛い。ずっと張りつめていた緊張の糸がぷつんと切れて、抵抗力も下がってしまったんだろうか。さすがに気を張り過ぎていたし、徹夜とか無理してしまったなと思い、風邪薬を飲んでベッドで少し横になることにした。でも寝ようとするとなかなか寝れない。。

 そんな寝たか寝てないか分からない状態で夜6時になり、O先生から夕食を食べに行こうという電話が入る。もう2日くらい何も食べてない割にはあまり腹も減ってないなあと思いつつも、さすがに何か食べておかないと余計に体調が悪くなってしまうような気がしたので、誘いに乗って食べに出かけることにした。

 風は相変わらず強烈なものの、雨が上がっていたのが幸いだったので、海沿いの道を歩いて繁華街方面へ。目を付けていたレストランに行くと、どうやらやっていない様子。今日は休みか?と思ったら店員が出てきた、夜は8時半からの営業だと、とのこと。このときまだ時刻は7時過ぎ。すっかりスペインタイムのことを忘れていた。スペイン人の夕食の時間は21時〜22時くらいだった。

 開いている別の店で食べようかと思ったけど、折角だし開店時間まで待つことにして、それまでは街を歩きながら時間を潰すことにした。夜のシッチェスもなかなか風情があって良いです。


<夜の教会>

<夜のシッチェスの繁華街>

<繁華街その2>

<繁華街その3>

 駅近くまで行ったり、パンを買ったりしてもまだ時間があったので、カフェに入って時間を潰すことに。とりあえずビールを一杯飲みたいけれど、どれがスペインで有名なのか分からなかったので、店員さんに「ワッツフェーマスインエスパニョ〜ル??」と聞いてみた。でもどうやら英語が通じないみたいで、「?‘+*&」みたいなスペイン語で返される。こういうところだと、famousという単語すら通じないのね・・・。

 仕方なく、これまで見たことがない銘柄を指して「これください」みたいなことを言ったら「OK!」と言って引っ込んで行った。ああよかった、通じたと思ったのも束の間、僕の前に出されたのは、日本でも何度も飲んだことがあるメキシコのコロナビールだった・・・。おかしいなあ、僕はコロナの上にあった銘柄を指さしたはずだったんだけどなあ。一昨日のアムステルビールといい、今日のコロナビールといい、今回はビール運に恵まれてないらしい。まあ飲んだけど。


<シッチェスのカフェ>

<カフェに入る>

<とりあえずビールを飲みたいけど、どれがいいのか悩む>

<コロナが出てきた。。>

 カフェでコロナビールを飲んだらようやく8時半になったので、改めて海岸沿いのレストランへ。1965年創業のFragataという店で、内装は黒で統一されていて高級感が漂っている。こんなところに男二人で入ったので、店員さんには絶対ゲイだと思われてるな。

 お酒が飲めないというO先生には申し訳ないけれど、ようやく報告も終わったので今日は飲むことにする。1杯目はCava(カバ)というスペインのスパークリングワイン。シュワシュワっとして痛めた喉に染み渡る。2杯目は海鮮パエリアを頼むということで、白ワイン。銘柄は忘れてしまったけど、ストンと落ちていくやや重みのあるワインだった。


<1杯目:Cava>

<2杯目:白ワイン>

 食事は2人なので、海鮮サラダ、魚料理1品に海鮮パエリア2人前にした。思えばスペインに来て初めて食べるまともな食事かもしれない。帆立の料理は名前を忘れてしまったけど、ソースが濃厚でおいしかった。

 そしてお待ちかねのパエリア。2人前から注文を受け付けるというパエリアは、例のパエリア専用の鍋で焼かれて出てくる。客が焼け具合を確認した後、店員さんがきれいに取り分けてくれる。海鮮パエリアというだけあって、海産物も具だくさん。一口米を食べると、トロッとした食感に少し芯が残る炊き具合。噛むと海鮮のエキスがギュッと出て、それがめちゃくちゃ濃厚だった。日本でもパエリアを食べたことがあるけど、水分が飛んでパサパサな黄色いご飯を食べている感じだったので、それと比べると全然違う食べ物に感じる。というか、これまで日本で食べてきたパエリアは本物のパエリアではなかったんだな。いやー、おいしかった。量も十分、というか多いくらい。 


<最初のセッティング>

<前菜の付け合わせ>

<シッチェス風海鮮サラダ>

<帆立の何とか>

<海鮮パエリア>

<食後のエスプレッソ>

 初めてのきちんとした料理に満足して、強風の中をホテルに戻る。高級店でしっかり食べたので、一人当たり50ユーロ(約7000円)くらいかかってしまったけど、スペインなんていつ来れるか分からないし、パエリアがおいしかったので50ユーロの価値はあった。

 さて、報告も終わってようやくお役御免となったので、翌日は身も心も軽くバルセロナへ行くことにして、バルセロナのガイドブックを読み始める。ただ喉の痛みが強くなってきているので心配だ。


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