スペイン旅行記 2
2015年10月31日() 2日目 <シッチェス滞在>


<シッチェスの日の出>

 2日目は朝6時起床。昨日は日付けが変わる前に寝たので、時差ぼけの割には良く寝られた気がする。目が覚めて部屋のテラスから景色を眺めてみると、東側の空が薄っすらと赤みがかってきているところだった。雲も全くないよい天気らしい。事前に調べた天気予報では、明日から少し天気が崩れるということだったので、こういう機会はないだろうと日の出を見に行くことにした。どこで見られるかとか、何時に日の出なのかとか、全然調べてないけれど、とりあえず茜色に染まっていく方向に行けば何とかなろうだろう、と。


<部屋のテラスから見た朝焼け>

<ホテルを出たところ>

 7時前にホテルを出て、海沿いを東に進んでいく。昨日は暗くて良く分からなかったけれど、今回のホテルはシッチェスの港のそばに位置しているらしい。港といっても漁港ではなく、個人用のクルーザーが多く停まるリゾート港という感じで、漁港特有の魚臭さもない。海岸沿いにはレストランが並んでいて、本当にリゾート地なんだなと思う。

 海沿いの道を5分くらい歩くと、港の入り口のような場所に着いた。その手前が無料駐車場と展望広場のようになっていて、隣にはビーチがあり、日の出を見るには持って来いの場所になっている。少し海風が寒いけど、ここで日の出を待つことにした。


<朝のリゾート港>

<港に車で入るにはお金がいる>

<良さそうなビーチを発見>

<展望広場のような場所で日の出を待つ>

 明るくなっていく東の空を眺めて何枚か写真を撮っていると、7時35分頃に水平線から太陽が顔を出した。ただその太陽はすぐに雲に覆われてしまう。日の出が近付くにつれて水平線に雲が湧き始めたので、少し残念な形にはなってしまった。一応太陽が雲から顔を出した時点で日の出ということにしておこう。日の出をじっくりと見たのは、もしかしたら15年くらい前の正月以来じゃないだろうか。


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<2。多分日の出>

<3>

<4!これで日の出!>

 しばらく朝日を眺めてから再びホテルへ。ホテルへ戻る道は朝日を背に受けて歩くことになるので、目の前の建物がが朝日を浴びて橙色に光っているのが何とも良い感じになっている。ホテルのそばの防波堤の上から見えるシッチェスの中心街も、朝日に照らされてきれいに見える。今日の朝日を見ることができただけで、スペインに来て初日から早起きしてよかったと思う。


<ビーチからも日の出を撮ってみた>

<朝日に照らされる白い家>

<朝のホテル>

<遠くに見えるシッチェスの中心地>

 8時頃ホテルに戻り、ホテルの1階の朝食会場で朝食を取る。土日の朝食時間は7時半から11時までとかなり長めに設定されているけれど、これはスペイン人の食事スタイルに合わせている時間らしい。スペイン人は朝食は珈琲とパン程度でごく軽く取り、昼食は14時くらいから、夕食は21時くらいから、それぞれがっつり食べるらしい。実際、街中のレストランも昼は13時半くらいから開くところが多く、日本の感覚で食べようと思ったら空いている店を見つけるのに苦労する。そんなタイムテーブルで動いているので、朝食も11時までやっているとのこと。日本だったら11時だと早い人はもう昼食の時間だからなあ。

 そういうこともあってか、8時に食事会場に行ったものの、他には僕以外誰もおらず、少々寂しい中で朝食を食べた。何種類かのパンの他に、温かい食べ物はベーコン、スクランブルエッグ、ソーセージくらい。朝食代は宿代に含まれていて、単独では15ユーロ(約2100円)する。正直なところ、この内容で2000円を超えるのはなあと思ってしまう。海外のホテルはどうして朝食がこうも高いんだろうか。朝食は付けていないというO先生の行動の方が正しかったかもしれない。日本ではちょうどベーコンやソーセージの発がん性がニュースになっていたけれど、お構いなしにガツガツ食べた。


<ホテルの朝食会場>

<本日の朝食>

 朝食を取って部屋に戻ってからは、ひたすらリビングで明後日の報告準備をする。きちんとした机があって、目の前には海が広がっているので、一般的なホテルのように小さいカウンターみたいな場所で仕事をするのに比べればかなり恵まれている。でもせっかくの天気で、目の前に海が広がっているのに仕事をしているなんて、何て勿体ないんだとも思ってしまう。快晴で気温もぐんぐん上昇したので、窓を開けっぱなしにしてちょうどよい気候だったのだけど、窓を開けると海鳥の鳴き声やボートの音なんかが聞こえてきて、一体自分は何をやっているんだという気分になる。早めに準備をしなかったのが悪いのだけど。

 午後1時を過ぎるとランチタイムになるようで、レストランになっているホテルの1階から「ズンチャッ♪ズンチャッ♪ズンチャッ♪ズンチャッ♪」という感じで大音量の音楽が聞こえてくるようになった。リゾート気分の時ならいいけど、仕事中にちょっとこれは勘弁してほしいなあ。


<リビングで海を見ながら>

<テラスから見た景色>

<シッチェス散策>

 午後3時半頃、ずっと報告準備をしていてさすがに疲れてきたので、買い物がてらシッチェスの街に繰り出すことにした。ホテルの近辺はリゾート地のため、スーパーやコンビニのようなものが全くなく、水や食料を買うためにはホテルから徒歩20分のところにあるシッチェス駅前のスーパーに行かないといけない。夕食に関しても、近所のレストランでは取りにくいので、何かパンとか惣菜のようなものをスーパーで調達しておかないといけない。そもそも今日は昼食を食べていないのでもう結構腹が減っている。ということで、カメラと財布を持ってシッチェスの街に繰り出した

 ホテルを出て朝来た道とは逆方向に海岸沿いに進んでいくと、早速眼下にビーチがあった。明日から11月だというのに、結構の人が泳いでいる。確かに今日の気温は25度を超えているけど、日陰に入れば結構寒い。9月過ぎたら海には入らない日本人とは考え方が根本的に違うんだろうな。緯度だけで考えると、この辺りは函館と同じくらいの位置にある。にもかかわらず11月に海に入れるんだから、地中海は温暖な気候なんだろう。

 と思ってビーチを眺めていたのだけど、よく目を凝らして見ると、素っ裸のオジサンとかトップレスの女性が結構いる。ん?ここはヌーディストビーチなのか?と思ったけど、そうじゃないらしい。素っ裸のオジサン二人組の横で、普通に水着を着た家族連れとかが遊んでいたりして、僕の頭は???になった。ガイドブックによると、シッチェスは「ゲイの聖地」で、ビーチで素っ裸になって遊ぶゲイも多いらしい。まあそういうことなんだろうけど、裸に対する考え方が日本とは全然違うんだろうな。ちなみに下の写真にはヌードのオジサンや女性は写っていない(か、写っていても小さいので詳細を確認できない)ので、ここに載せても大丈夫かと。


<明日から11月だというのに、泳ぐ人多数>

<老若男女泳いでます>

 そういった全裸のオジサンやお姉さんを眺めながら、やや起伏のある海岸沿いの砂道を歩いて街の中心部の方へ歩いていく。天気もよくて海風も気持ちいいので、この部分だけ切り取るとまさにリゾートと言っても過言ではない。


<海沿いの砂道を行く>

<ホテルの方を振り返る>

<中心地のビーチっぽい場所に到着>

<シッチェスは芸術の街でもある>

 ホテルから10分くらい歩いて、中心地と思われるビーチに到着。土曜日の午後ということもあって、海沿いのレストランにはたくさんの人がいた。午後4時前だから、スペインの人にとってはちょうど昼食の時間、ということかもしれない。ビーチでも結構泳いでる人がいるものの、さっきのビーチに比べると全裸の割合は比較的少ないようだった(それでも1,2人はいたような・・・)。街を歩くカップルも、男女カップルだけではなく、同性愛カップルも結構見受けられる。そういう人たちに奇異な目を向ける人も全くいない。さすがに「ゲイの街」と言われるだけのことはある。ちなみにレズビアンも結構います。


<中心地のビーチ>

<トップレスの女性が>

<ビーチ沿いのホテルとレストラン>

<中心地のビーチを反対側から>

 中心地のビーチに着いてからは海から離れ、山側にあるシッチェス駅の方に向かう。この辺り一帯はシッチェスの旧市街になっていて、歴史ある教会や市庁舎を始め、白壁の街並みが入り組みつつ連なっている。白い建物は青空に映えるので、天気の良い今日は白と青の調和が絶妙だった。海沿いの街並みも良かったけど、旧市街の街並みもかなり良い。何となく、久保田早紀の「異邦人」を口ずさみたくなる雰囲気がある。これまでヨーロッパの国ではベラルーシ、ウクライナ、ドイツ、オーストリア、イタリアの街を歩いてきたけど、シッチェスのような街並みは初めてかもしれない。

 旧市街の白い街並みを抜け、20分程度でシッチェス駅に到着。今回は写真を撮ったり景色を眺めたりしながら歩いて来たから余計に時間がかかったけど、確かに普通に歩いてもホテルから20分くらいかかりそうだった。さすがにちょっと遠い。


<シッチェス駅前に到着>

<黄色と白のシッチェス駅>

 シッチェス駅をちらっと見て、駅前のスーパーへ。まず水やビールやワインを買い込み、それから惣菜を探す。でも惣菜はどこを探しても見つからなかった。このスーパーでは惣菜系のものは売ってないらしい。仕方がないのでおつまみのようなヒマワリの種とナッツ類の詰め合わせを買っておいたけど、惣菜がないのは予想外だった。

 今日の夕食どうしようか、と思って来た道を戻っていると、途中でパン屋を発見した。結構オシャレな外観で、客も結構入っている。情報はないけどこういうところなら間違いないだろうと、惣菜パンをいくつか買った。これで食いっぱぐれることはなくなったので一安心。調べてみると、パン屋はシッチェスに本店を置く「enrich」という店とのこと。イートインスペースもあるので、シッチェスにおいでの際はおすすめです。

 パンを手に入れ、来た道をホテルまで戻っているとちょうど日の入りの時間が近付いてきた。ホテルに近い、行きにヌーディストビーチ(?)を眺めた場所が夕陽を見るにはうってつけのようだったので、そこで夕焼けに備えて待機することにした。同じことを考えている人も多いようで、結構な人は同じような場所から夕陽を眺めている。


<ホテルの近くの素っ裸ビーチが見えるところまで戻る>

<夕日を見るには絶好の位置>

 ということで10月31日の日の入り。本当に天気がよかったので、沈みゆく太陽を最後まで見届けることができた。時刻は夕方5時45分頃。日の入りを見るとやっぱり寂寥感が募りますね。人生は儚い。今日は日の出も見たし、同じ日に日の出と日の入りの両方を見たのは生まれて初めてかもしれない。


<1>

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<4。10月31日も終わっていきます>

 ホテルに戻った後は引き続きせっせと報告準備をし、9時頃夕食。ビールを買っていたので、ビールとエンリッチのパンで簡単に済ます。ビールはスペインの銘柄だろうと思って買ったAMSTELという銘柄のものだけど、良く調べてみるとハイネケン傘下のアムステルというオランダのビール会社のビールだった。せっかくスペインに来ているのにオランダのビールを買ってしまったとか。これで若干気分が盛り下がる。さらに水を飲もうと買ってきた1.5リットル容器のペットボトルを開けたら、水と思っていたものはスプライトを薄くしたような甘い清涼飲料水だった。これでさらに気分が盛り下がる。水がないというのは辛いなあ。確認ミスばかりだ。

 ただ、エンリッチのパンはおいしかったのが救いだった。特に写真右側にあるピザのようなパンがうまい。


<アムステルはオランダのビールだった>

<エンリッチで買ってきたパン三種>

 食後も報告準備を続け、深夜3時半頃就寝。寝室のベッドで寝たら寝過ぎてしまうと思ったので、リビングのソファーで寝る。


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