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東京見聞録  
2007年12月28日(金) 一日目   <明石(玉子焼き)、姫路(姫路城)、龍野(うすくち醤油館、龍野城)>


18きっぷで帰省する>

 今年は帰省の手配をしてなかったので、12月20日頃になってどうやって実家に帰ろうかと焦りはじめましたが、そこに救いの手が。後輩のN君が27日発のムーンライトながらを予約していたけど、予定が変わって使わなくなったから譲ってくれるということでありがたく頂戴することにしました。年末のムーンライトながらの指定席はなかなか取りづらいプレミアムチケットです。ありがたやありがたや。

 ということで久しぶりに18きっぷで帰省することになりましたが、もうそんなに若くありません。21歳の頃なら一日電車に乗り続けて実家に帰ってしまっても問題ありませんでしたが、今それをやるとさすがに体がボロボロになってしまいます。なので途中で1泊して体に負担をかけずに帰ろうと。宿は時間的に中間地点である岡山にして、ついでにまだ行ったことのない場所の観光もしてしまいます。二日かけて帰っても、宿代交通費込みで1万円以下で帰れるので新幹線や飛行機で帰るより断然安いです。

 27日の夜10時。帰省の準備をして小田急線の下北沢駅へ行き、そこから小田原行きの急行に乗車。なぜJRではなく小田急に乗るのかというと、少しでも安くあげようというセコイ魂胆があるからです。18きっぷは「0時を超えて初めて停まる駅から有効」という決まりがあり、ムーンライトながらでは小田原が0時を過ぎて初めて停まる駅になります。ということは都内から小田原までの運賃1410円は別途支払わなければいけません。それだったら小田原まで小田急で行ったほうが安いじゃないかと、小田急に乗りました。下北沢から小田原まで800円なので、JR利用より610円も節約できます!

 下北沢22時24分発の急行に乗りましたが、この時間の小田原方面は相当混むことを忘れていました。世間はまだ仕事してるもんね。大きな荷物を持ってぎゅうぎゅう詰めの車内に乗り込むのはなかなか疲れます。これだったら600円多く出しても、席が保証されているJRに乗ればよかったな・・・と若干後悔。小田原到着は23時56分ですが、この1時間半で相当疲れてしまいました。

 小田原について、かなり遅めの晩御飯に駅前の吉野家で牛すき焼き定食を食べ、明けて28日。0時31分発のムーンライトながらに乗車。この時期のムーンライトながら、さすがに満席です。僕の隣に座っていたおばさんはドドリアさんみたいな人で、席からはみだした肉が僕の席を侵食する始末。鼾もかいているのでうるさくて寝ようにも寝られない。勘弁してほしい。。


<小田原駅の二宮金次郎>

<ムーンライトながら>

 結局オバサンの影響もありつつ、ムーンライトながらでは一睡もできずに朝を迎えてしまいました。夜中に大きな声で電話するやつもいるし、どれだけマナー悪いんだか。繁忙期のムーンライトながらはあまりいいもんじゃありませんね。6時55分、大垣到着。米原からは新快速に乗り、京都・大阪・神戸を通り過ぎて、9時41分、最初の目的地である明石に到着しました。しとしとと雨が降る嫌な天気です。

<明石 魚の棚と玉子焼き>

 明石と言えば東経135度の子午線と明石焼き(玉子焼き)ですが、東経135度に関してはどこをどう見学すればいいのか分からないのでパスし、明石焼きだけを堪能する予定でした。あらかじめ目ぼしい店をピックアップしておいたので準備は万全。早速駅から歩いて、明石の台所と言われる「魚の棚商店街」」へ。地元では親しみを込めて「ウォンタナ」と言うとか言わないとか。。朝もまだ早いですが、正月が近いからか結構賑わっています。


<魚の棚>

<魚の棚商店街>

 商店街で今日の夜用に蛸の天ぷらを買い、目当ての玉子焼き屋へ。魚の棚にはいくつか玉子焼きが屋がありますが、その中でも評判が高かった「たこ磯」という店に行ってみようと思っていました。データによると10時開店ということなので、開店はまだかと店の前を行ったり来たり。ところが10時を過ぎても一向に開く気配はなく、その間商店街を行ったり来たりするもんだから、客引きのおっちゃんに「兄ちゃんさっきも通ったやん、おかえり!ほらこれ買ってって!」とうざい絡まれ方までする始末。僕はもうこれが恥ずかしくてたまらなくなり、一刻も早く魚の棚から離れたくなりました。そういうわけで、もうたこ磯じゃなくてもいいやと適当な店でテイクアウトの玉子焼きを購入。15個500円。イケテナイな、自分・・・。

 明石駅に戻り、ホームで電車を待ちながらさっき買った玉子焼きを。若干周囲の視線が痛かったような気もしますが、そんなの気にしない。本場の玉子焼きはふわふわしていておいしいです。たこ焼きよりも随分軽い感じがします。できれば今度は出来たてを店で食べたい。


<明石駅>

<玉子焼き>

<姫路 世界遺産姫路城>

 明石から電車に乗り西へ。25分で次の目的地、姫路に到着。姫路駅は以前乗換えで何度か利用したことがありますが、ホームは高架化されていて、僕が知っている姫路駅ではありませんでした。世の中変わって行きますねぇ。それでも姫路駅で有名な立ち食いそばの「えきそば」はやっていたので、昼食代わりに「えきそば」を。麺がそばともうどんともつかない「えきそば」で、どちらかというと中華麺っぽいのかとも思いましたが、喉越しがよくておいしかった。


<えきそば屋 まねき>

<えきそば 350円>

 さて、姫路での目的は世界遺産の姫路城を見ることです。姫路駅のホームには何度も降りたことがあるけれど、姫路駅の外には出たことはなかったすぱくり。世界遺産である姫路城はここ2年間、行ってみたいランキング1位に君臨しており、ずっと行く機会を探っていました。今回ようやく姫路城を見学することができ、感慨もひとしおです。雨が降っているのが残念ですが、駅から見える姫路城が何ともいえません。駅前から真っ直ぐ伸びる道を歩いて姫路城へと向かいました。近付くに連れて徐々に大きくなってくる姫路城が期待感を増大させます。


<姫路駅>

<駅から姫路城>

<市内に残る石垣>

<入場口から姫路城を眺める>

 姫路城前の公園について姫路城を見上げてみると、さすがに迫力があります。白くて美しい。まるでプラモデルで作られた城を見ているように、複雑で手が込んでいます。そういうことが遠くから見ているだけなのに分かるのはすごい。晴れていたらもっと綺麗に見えるんだろうけれども。いろんな角度から姫路城を撮ってみました。


<姫路城アップ>

<別の角度で>

<庭園から>

 入場料を払って中へ。まずは西の丸へ。徳川2代将軍秀忠の娘、千姫が嫁いでここに暮らしたことで有名だそうです。平面的に広く、いくつも長い廊下があるのが特徴的。千姫の化粧料で建てられたという化粧櫓には、貝合わせに興じる千姫のマネキンが。


<長い廊下>

<化粧櫓>

 その後は歩いて天守閣の方へ。姫路城は規模が大きく、道が迷路のように入り組んでいます。僕は今まで結構全国各地の城を見てきたと思いますが、これほどまでに規模が大きく優美で、かつ当時のまま残っている城というものは見たことがありません。だからこそ世界遺産に指定されたのでしょうが、見学するほうにとってもかなり見ごたえがあります。見学者も半分以上は外国人で、西欧系の人が多いのに驚きました。これぞ世界遺産効果か?


<天守閣へ>

<天守閣を真下から見上げる>

 天守閣へ入るとその古さ満点な感じが重厚感を醸し出しています。最近の天守閣は中身ハイテクでエレベーター付き、みたいなところが多いので(小倉城とか鶴ヶ城とか)。最上階から見える姫路の景色もよいです。雨が降っているのが悔やまれる。


<天守閣内>

<鉄砲が展示される>

<姫路市内その1>

<姫路市内その2 姫路駅方面>

 姫路城はざっと見るだけでも1時間以上かかりました。それほど広くて見ごたえがあります。2009年からは大修理を行うそうで、その際には「見せる修理」を行うということで、その辺りにも興味があります。今度は晴れたときにまた来てみたいです。晴れていたら白塗りの壁がもっと綺麗に見えるに違いない。

 姫路城の後は、城の裏手にある「兵庫県立歴史博物館」へ。最近はまっている都道府県・政令指定都市レベルの博物館巡りです。まあでも、ここの展示はちょっと子供向けというか、展示内容が少ないような気もしました。兵庫県の各地の祭りの展示や、全国各地の城の模型展示とかは面白かったけど、兵庫県の歴史の通史という部分に関してはちょっと弱いかな。


<姫路城を裏側から>

<兵庫県立歴史博物館>

<全国各地の城の模型>

<県立美術館>

 ということで歴史博物館をさっと見終えて再び姫路駅へ。それにしても姫路は思った以上に発展していて驚きました。調べてみたら人口53万人、神戸市に次いで第2位というから、発展しているのは当たり前か。そういえば高校のスキー研修で長野に行ったとき、インストラクターの綺麗なお姉さんは姫路出身だって言ってたな。お姉さん元気だろうか・・・。

<龍野 醤油と揖保の糸>

 2時半頃姫路駅に戻り、次の目的地である龍野へ。龍野へは姫路から姫新線に乗って約25分です。姫新線の「姫」は姫路、「新」は確か岡山県の新見だったかな?結構なローカル線で、1両編成の気動車が頑張って走ってます。地元客が多い中で車窓に目をやりつつ、こういうのが旅の醍醐味だよなぁとか思いながら、本竜野駅に到着しました。


<姫新線>

<本竜野駅>

 龍野というのは醤油と倉とそうめんの街で、「播磨の小京都」と呼ばれているそうです。ややこしいのは「たつの」の表し方で、駅名は「竜野」、旧市名は「龍野」、合併してできた新しい市は「たつの」という三通りの表し方があります。何で駅名と旧市名が違うのかがよく分かりません。新市名は流行りにのって平仮名だし。よく分からん。ここでは旧市内を回るのと伝統ある地名ということで、「龍野」を用いて進めていきます。

 龍野に着いた瞬間からより雨脚が強くなり、風も酷くなってきました。横殴りの雨は結構辛いです。こんなんで見学できるんかな?と思いながらも歩いて揖保川へ。素麺ブランドナンバーワンの「揖保の糸」の名前の由来になった川です。その川沿いに立つのが醤油会社の「ヒガシマル醤油」。僕にとっては「ちょっと雑炊のヒガシマル」のイメージが強いですが。。龍野にはヒガシマルの工場が至るところにあるので、歩いているとどこからともなく醤油の香りがしてきます。千葉県の野田を思い出しました。揖保川の景色はなかなかのものですが、橋の上は風が非常に強いのですぐに退散。飛ばされる。


<ヒガシマル醤油>

<揖保川>

 揖保川を渡って倉のある街並みへ行き、まずは「うすくち龍野醤油資料館」へ。1979年に出来た世界初の醤油の博物館です。まあ世界初とは言ってるけど、醤油は日本のものだから、日本初が自動的に世界初になるってことでしょうか。建物はヒガシマル醤油の先代本社屋として使われていたそうです。入館料は何と10円。破格。

 資料館の中には以前醤油作りに使われていた数々の道具が展示されています。樽なんかは匂いを嗅いでみるとかすかに醤油の匂いがして、醤油フェチにはたまりません(僕は醤油フェチではないけれど。。)


<うすくち龍野醤油資料館>

<熟成させる麹室>

<何か忘れた>

<熟成させる樽>

 資料館を見終わった頃にはさらに雨が強くなっていて、足元はもうびちゃびちゃです。それでもせっかくだからと倉の街並みを散策しました。醤油関連の倉が多いですが、落ち着いた佇まいでのんびり散策するにはもってこいの場所です。あと、驚いたのが醤油の自動販売機。さすが、醤油の町。


<醤油倉>

<ヒガシマルの倉>

 倉のある街並みから少し行くと龍野城。龍野城は城というより屋敷みたいなもので、屋敷は最近再建されたそうです。入場料無料なので屋敷に入ってきましたが、やっぱり再建だと当時のことはよく分かりません。


<龍野城の城門>

<城というよりは屋敷>

 龍野は三木露風の生誕地で、童謡の里宣言をしているということで、龍野城を見た後はそれらの碑でも巡ろうかと思っていましたが、余計に雨が強くなってどうにもこうにもいかなくなりました。時間も5時近くになって薄暗くなり始めています。なので残念ながらここで散策をやめて駅へ。駅へ戻る途中、揖保の糸を使ったレストランがあったので、そこに入って名物の素麺でも食べようかと思いましたが、この寒い中素麺というのもなぁ・・・とパスしてしまいました。やっぱり素麺は夏の暑い時期に食べるに限るので。でも後で調べたら素麺を温めた「にゅうめん」もメニューにあったそうで、それならそっちを食べておけば・・・と後悔してます。

 4時38分本竜野駅発の汽車に乗って姫路へ。姫路には5時2分に到着。姫路では乗り換え時間が3分しかありませんでしたが、この間に一旦改札を出てコインロッカーに預けていた荷物を取り出し、再びホームに行って乗り換えるという結構時間ギリギリなことをして体力を消耗してしまいました。でもここで乗らなかったら岡山方面への次の電車は1時間後なので。山陽本線は姫路までは結構な電車の本数がありますが、岡山に向かう電車になると一気に本数が減ってしまいます。岡山と姫路を直通する電車も少ないし。どちらもそれなりに大きな都市なのに、電車の本数が少ないということは、全く都市圏が異なっているのかもしれません。

<岡山で宿泊>

 6時28分、岡山駅に到着。雨はようやくあがりました。駅から歩いて今日のホテルへ。結構古めの設備のホテルでしたが、素泊まり4000円だし納得という感じです。一旦ホテルに荷物を置き、晩御飯を調達するべく再び岡山駅前の高島屋の地下へ行ってきました。通称デパチカ。僕は一人で旅行すると大抵デパチカでその土地の名産を買って、ホテルに戻ってビールとともにおいしく食べることにしています。そのほうが食費がかからないし、1人で飲食店に行く勇気を出さないでいいので楽です。

 今回も例に漏れず高島屋の地下で岡山名物を物色。もう閉店間際ということで安売りセールが実施されており、ちょっと安めの値段で買い物できたのはよかった。ただその分品数も少なくなっていましたが、一番食べたかった「ままかり寿司」が手に入ったのでOKです。900円とちょっと高かったけど、食べることに妥協はしたくないので奮発しました。


<明石たこの天ぷら>

<ままかり寿司>

 ホテルに戻ってシャワー浴びてすっきりしたところで早速夕食。まずは今朝明石の魚の棚で買ったたこの天ぷら。たこが大きくてうまい。もう少し固いかと思っていたら、さくっと噛み切れます。それでいて弾力がある。ビールにも合う。いいねぇ。ままかり寿司はサッパという魚を酢でしめたものですが、ままかりという名前の由来は「まま(=白米)を借りるほどおいしい」というところから来ているそうです。ままを借りるほどかどうかは分かりませんが、おいしかった。

 食後は昨日の電車でほとんど寝てないこともあって、この日は早めの就寝。


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