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三回目の知床調査 3
2010年10月14日(木)  <ウトロ(森林センター聞き取り、鮭の遡上)、清里(じゃがいも焼酎)>


<車を使ってウトロと清里へ>

 昨日は10時に寝たので、朝4時に目が覚めました。持ち出し仕事をした後で朝一番の温泉に入り、朝食を取ってから8時45分にロビーに集合。昨日に引き続きレンタカーに乗って40km離れたウトロに向けて出発。斜里は今日も雨が降っています。


<斜里の畑>

<斜里の畑>

 10時前にウトロの道の駅に到着。ここでの目的はただ一つ。昨日食べなかった知床串いもレンジャーを食べることです。2月に食べたときのような感動はありませんが、ホクホクしたジャガイモはおいしいです。北海道は新鮮なジャガイモを食べられるから羨ましい。


<今日は串いもレンジャーを食べる>

<おいしいです>

 道の駅ウトロの隣にある、知床世界遺産センターへ。道の駅には何度も立ち寄っておきながら、どういうわけか世界遺産センターに入ったことはありませんでした。中は知床に関する情報が一通り手に入るといった場所で、知床自然センターや羅臼のビジターセンターに似ています。ここは環境省所轄。知床には様々な行政機関が絡んでおり、それぞれの機関が別々にセンターを建てているので、いろいろなところに箱物があって良く分からなくなったりもします。大体どこも同じような情報を展示しているしなあ。


<道の駅の隣にある環境省の遺産センター>

<知床世界遺産センター>

<遺産センター内部>

<森の中で熊にばったり出会うこともある>

 しばし世界遺産センターを見学した後、11時から林野庁北海道森林管理局所管の知床森林センターでヒアリング。所長さんに対応していただきました。ここは去年の夏にも大人数で訪れて、一緒に昼食を食べたり世界遺産に指定されている国有林を案内してもらったりしたところです。しかし去年は森を案内してもらっただけで、政策に関するヒアリングが全くできなかったので、今回改めて少人数でやってきました。森林センターは実際に国有林の管理をしているというわけではなく、森林思想・自然思想の普及啓発活動やイベントの開催など、いわゆるソフト面を担っているそうです。


<知床森林センター>

<知床の木に触れ合うための道具>

 ヒアリング後は再びウトロの街に戻り、2月にも訪れた 一休屋 で昼食。FさんとD1Y君は本日の焼き魚定食を、僕はさけ親子丼を注文。焼き魚定食(840円)は鮭のハラスということで心惹かれました。でもいくらも食べたくなったので、値段が倍近く(1575円)するさけ親子丼に。盛り付けがとても綺麗です。いくらのプチプチした食感がたまりません。


<ウトロの一休屋>

<さけ親子丼を食べる>

 鮭で腹が満たされた後は、店の前を流れるペレケ川でしばしマスの遡上を眺めました。世界遺産センターの案内板にも、「ペレケ川/徒歩1分でマスの遡上見に行けマス」と、手作り感満載の本日のオススメメニューが乗っていました。見に行けマス。。川を覗いて見ると、大量のマスが体をくねらせてペレケ川を遡上しています。隣で見ていた外国人観光客の一団も、「ワァオ!」と言って感嘆しまくりです。


<世界遺産センターにあった手書きの案内>

<ペレケ川>

<一生懸命マスが川を上っている>

<頑張れ頑張れ>

 産卵を終えて力尽きたマスは、やがて骨になり、無事自然に還っていったようです。こういうのを見ると、何だか儚いですねえ。


<力尽きてしまったマスたち>

<自然に還りました>

 河口まで下ると、そこにはまだ元気が有り余っている大量のマスが川の上流を目指しています。水しぶきの上げ方が違う。しかしそこは昨日の羅臼川と同じく、海鳥やカラス、さらには人間の釣り人までいるので、越えていくのはかなりの難関のようです。少しでも弱った個体を海鳥が虎視眈々と狙っており、その目はハンターさながらです。


<ペレケ川河口>

<河口だとマスの元気が違う>

 マスの遡上を見ていたら、時刻は既に2時。午後は知床観光最大のコンテンツと言っても過言ではない、知床五湖を見に行くことに。知床五湖は観光と自然保護の観点から、いろいろと問題を抱えている場所でもあるので、去年の夏に引き続いてもう一度この目で見ておこうという大義名分です。あと、ちょうど今の時期は紅葉真っ盛りだということで、その辺りも楽しみにして知床五湖へ。

 ところが知床五湖に近づくにつれて、雨が酷くなりだしました。行けば止むんじゃないかという期待もむなしく、五湖の周辺は大雨で視界も危うい。きちんとした傘を持っていなかったので、今回は残念ながら諦めることにして、五湖の手前でUターンしました。紅葉見てコケモモソフト食べたかったなあ・・・。車窓から100平方メートル運動地の写真を数枚だけ撮り、再びウトロ方面へと戻りました。


<雨の100平方メートル運動地>

<入植者が残した廃屋が残る>

 ウトロに戻る途中、昨日訪れた知床自然センターで休憩。自然センターまで戻ると、再び雨も小降りになりました。どうやら知床は場所によって全然天気が異なるようです。自然センターに入って、昨日は遅すぎて食べられなかったハマナス・コケモモソフトを。寒い中ソフトクリームを食べるのは辛いけど、ここは食べておかなければ。ほんのりとした酸っぱさがありおいしいです。


<自然センターの白樺の紅葉>

<少しだけ紅葉しています>

<紅葉アップ>

<ハマナス・コケモモソフトを食べる>

 知床五湖に行かなくなって時間が余ったので、斜里町の南にある清里町へ行ってみることにしました。清里町は斜里町市街の南に位置する、人口4500人の小さな町です。清里町は農業が盛んで、特にジャガイモの一大産地であり、さらに調べてみるとジャガイモ焼酎なるものがあるというので、ジャガイモ好きにはもってこい。あとは北海道型農業の現場を見るという意味でも、プロジェクト趣旨にもぴったりという強引な理由付けをして、清里町へと向かいました。ウトロから斜里市街に戻り、そこから南下して清里町へ。ウトロから約1時間の道のりです。

 4時に清里町のじゃがいも焼酎工場に到着。清里町に近付くにつれて段々と天気が良くなり、到着する頃には太陽が顔を出す程度まで回復しました。焼酎工場の辺りは、見渡す限りのジャガイモ畑。地平線を望むことができる、北海道独特の畑の風景です。お陰で空が広い。夕日に照らされたジャガイモ畑がきらきらと輝いています。残念なのは、デジカメでは空と畑の両方を綺麗に撮ることができないということです。空に焦点を合わせれば畑が暗くなるし、畑に焦点を当てると空が白とびしてしまう。目で見た風景と全然違います。実際には左の写真の空と右の写真の畑を合わせたらちょうど良くなる感じです。


<清里町の夕暮れ>

<一面のジャガイモ畑>

 焼酎工場へ。焼酎工場自体はヨーロッパにありそうなメルヘンチックな建物でした。


<メルヘンな建物の焼酎工場>

<見学自由です>

 中の見学スペースはそんなに広くないですが、勝手に見学してよいということで、解説ビデオを見ながら見物しました。


<じゃがいも焼酎を作る>

<じゃがいも焼酎を作るその2>

 アルコール飲料製造工場のお楽しみといえば何と言っても試飲です。ここは会議室のようなところに清里町オリジナルの焼酎がずらりと並んでいて、しかも勝手に好きなだけ飲んでくださいという太っ腹な試飲でした。専ら運転をしてもらっているFさんには申し訳ないと思いつつ、ありがたく許可をもらって、一種類ずつ試してみることに。琥珀色をしたじゃがいも焼酎は、ほんのりじゃがいもの風味がするようなしないようなまろやかな口当たり。一番高級だと思われる5年ものの「清里セレクション」は、濃厚な味わいで胃にストンと落ちていきます。ああ、うまい。


<自由に試飲できる>

<一番高級な焼酎>

 焼酎工場の見学を終えて、隣にある御土産屋を冷やかしていたら既に太陽は落ちていました。斜里に戻り、レンタカーを返却してから夕食へ。ホテル近くにある 「串丸」 という居酒屋へ行ってみました。こぢんまりとした、しかし居心地のよい居酒屋です。主体の串を中心にして、面白そうな食べ物をいくつか注文。どの料理もおいしかったですが、特に清里産ジャガイモの自家製ポテトチップがおいしかった。ジャガイモ好きにはたまりません。ビール2杯にこれだけのものを食べて、1人2000円程度でした。安くてびっくり。


<サービスのイカ炙り焼き>

<串盛り>

<長いものフライ>

<豚串>

<サチク赤豚とキムチのチヂミ>

<清里産自家製ポテトチップス>

 食後は一旦ホテルの部屋で休憩したあと、D1Y君の部屋でこれまでのヒアリングと今後の方向性についての打ち合わせを深夜2時過ぎまで。温泉に入ることもなく、3時前に就寝。


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