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東京見聞録  
2006年12月25日(月) 一日目   <出発→富山(白えび丼とますの寿し)→高岡(雨晴海岸)→高岡泊>


北陸へ出発>

 2006年12月25日、朝4時。クリスマスイブである前夜はうちで湾岸太郎・ぽてとの二人と鍋をし、そのまま3人とも寝ずに25日の早朝を迎えました。二人には悪いけれど、旅行のためには4時には家を出なければいけません。何が楽しくてクリスマスの早朝に出発しなければならないのか。でも日程は決めてしまったから仕方がない。1月9日まで留守にする家の戸締りをし、4時に3人で出発しました。周りの家々は既に寝静まっているようで、聖なる夜は静寂に包まれています。昨日の夜の喧騒がまるで嘘のようです。

 朝なのでまだ始発が動いているわけもなく、歩いて渋谷へ。夜明け前の寒い道玄坂を下っていき、4時20分頃渋谷駅に到着。ここで二人と別れて、一人山手線のホームへ向かいます。二人はまだ始発がないみたいだったので、本当にごめん。しかし、一睡もしていない上に結構な酒が入っているので死ぬほど眠い。。山手線外回りのホームには始発を待つ人が結構いました。みなさんクリスマスイブの夜を渋谷で過ごしたのでしょうか。


<始発を待つ渋谷駅山手線ホーム>

 今回の北陸旅行の行程はざっと以下の通り。初日に高崎線・上越線を北上して日本海に出て、そこから日本海に沿って西へ進んで行く。日本海を沿うように行くので、北陸・北近畿・山陰を経由し、所々で途中下車して観光するという5泊6日の日程です。最終日は本州の西の端である下関の実家にゴールインと、こういう形になっています。特に北陸はまだ行ったこともないので、非常に楽しみなところです。とりあえず初日は半分を移動に当てているので、電車で過ごす時間が長くなります。最初の目的地である富山までは以下の通り9時間半の長丁場です。

  渋谷4:38→(山手線)→上野5:08
  上野5:13→(高崎線)→高崎6:55
  高崎7:08→(上越線)→水上8:11
  水上8:19→(上越線)→長岡10:14
  長岡10:22→(信越本線)→直江津11:49
  直江津11:57→(北陸本線)→富山14:09

 心配された長丁場ですが、実は渋谷で山手線に乗ってからの記憶があまりありません。なぜなら徹夜と酒の効果で車中ずっと寝ていたから。特に上野と高崎では乗り換えたはずなんだけど、乗り換えた記憶がありません。水上で乗り換えた記憶はかろうじてあるけれど、もう眠くて何が何だか。。ようやく眠気が醒めたのは長岡で信越本線の電車に乗り、柏崎を過ぎた辺り、つまり日本海が眼前に広がったときでした。このときまでの約6時間半、ほとんど寝てすごしていたけど、きちんと予定通りの電車に乗っている。人間の能力は凄いです。

 座った姿勢とは言いながら、6時間半寝ていたので、体力はかなり回復した模様です。柏崎を過ぎると、ここからは日本海を沿うように移動します。眠気も飛んで、目の前に広がる日本海を眺める余裕も出てきました。冬の日本海は寒そうだ。。


<青海川(おうみがわ)駅と日本海>

 11時49分、直江津駅に到着。ここはJR東日本と西日本の境界駅です。ここで電車を乗り換えていよいよ北陸本線に入ります。直江津駅のコンコースから外を眺めると、遠くに立山連峰が見えました。最後の乗換えを終えて、11時57分に出発。これであとは富山に着くのを静かに待つのみです。


<境界の直江津駅>

<左に小さく見える立山連峰>

 直江津を出てしばらくすると、富山県に突入。右に日本海、左に雪の立山連峰が広がる車窓は素晴らしい。


<右を見れば日本海(親不知辺り)>

<左を見れば立山連峰>

<糸魚川駅近く>

<電車の設備は古かった>

 14時9分、富山駅着。こうやって書いているとすぐ到着したように見えるけど、実際はやっぱり長かった・・・。

<富山の白えび丼とますの寿し>

 ようやく第1の目的地である富山に到着。初北陸です。朝から何も食べてないので、とりあえずかなり遅い朝食兼遅い昼食を取らなければいけません。A型人間すぱくりは事前に富山名物を調べ、あらかじめ複数の飲食店をピックアップしていたので店の場所・値段等は全く問題なし。問題は複数ピックアップしてしまったので、どの店に行こうか迷ってしまったことです。最終的には富山名物の「ブラックラーメン」を食べるか、これまた名物の「白えび天丼」を食べるかの二者択一にまでは絞り込んだものの、この二つを一つにするのが大変でした。ラーメンハンターとしては是非とも富山ブラックは食べておきたい。しかし北陸と言えば海の幸、白えび天丼も捨てがたい。困った困った。

 二食とも食べてしまうか?という悪魔のようなささやきも聞こえてきたものの、結局決断を下して「白えび天丼」を食べることにしました。旅行中くらいはラーメンのことは忘れよう。ラーメンなら東京で腐るほど食べられるじゃないか。富山の白えび天丼はここでしか食えないぞ、というのが理由と言えば理由です。

 ということで、富山駅3階にある 「白えび屋」 へ。一番リーズナブルな「白えび天丼」(630円)を注文。白えび刺身丼1570円というのもあったけど、予算的ぐっと我慢して半額以下の基本メニューにしました。時間が時間だけに店内に客は僕一人。結構な有名店らしいんだけど。

 しばし待つと白えび天丼がやってきました。なるほど、白えびって一匹一匹が小さいのね。何はともあれ、記念すべき今回の旅行の一食目です。しかも腹が減っている。なので若干興奮気味に白えび天丼をかき込みました。空腹がいいスパイスになっておいしかった。ただクリティカルなことを言うと、僕はあまり海老が好きではありません。しかも小さい海老って殻付きのまま揚げて食べてしまうことになるから、いくらかりかりの天ぷらにしたところで、どうしても殻の違和感大有りです。うまいことはうまいんだけどね。やっぱり白えび刺身丼にしておけばよかったのかな・・・。


<やってきました富山駅>

<白えび天丼>

 最初の名物である白えび天丼を食べて腹も満たされたところで、富山市内を散策。とは言っても電車の都合上、富山発3時7分の電車に乗りたいところです。一本遅らせると1時間後になってしまい、高岡に着くころには日が暮れて、雨晴海岸で雄大な立山連峰を見ることができそうにありません。これでは困るので、やや早足で市内へと出かけました。

 富山にはめぼしい観光スポットがなかったので(富山の皆さんすみません)、目的はただ一つ。名物である「ますの寿し」を買いに行くことです。駅弁でも売っているけど、事前にネットでいろいろと情報に当たると、「駅弁は全くおいしくない。その代わり市内ある専門店で買うとおいしい」という複数の同じ意見が目につきました。そこで今回はその専門店の中でも評判が高い 「高田屋」 のますの寿しを買うことに。地図を頼りに駅から高田屋まで歩きます。

 歩いてみて気付いたのですが、富山の街は何となく静かです。県庁所在地なんだけど、あまり人の気配が感じられないというか何というか。地方都市独特の寂しさが感じられます。この先、金沢・福井と北陸の県庁所在地を歩いたけど、富山が一番静かでした。


<路面電車が走っている>

<富山市の駅前通り>

 迷いながらも県庁近くの高田屋に到着。思ったよりも結構時間がかかりました。これは帰りは急がないと、電車に間に合わないかもしれない。とりあえず最後の1個らしかった「ますの寿し一重」(1200円)を買って、少々急ぎ足で富山駅へと戻りました。


<ますの寿しがおいしいと評判の高田屋>

<県庁近くのお堀>

<富山市街からは見ると立山連峰はすぐそこ(棒が邪魔だ。)>

 急いで戻ったので、3時ジャストに富山駅に到着。間に合った間に合った。ここから再び北陸本線に乗って次の目的地である高岡へ。結局のところ富山滞在時間は1時間もなかったので、今度またじっくりと腰を落ち着けて来てみたいと思います。アルペンルートに行く時にでも来よう。

<高岡と雨晴海岸>

 3時29分、高岡着。駅前にあるホテルにチェックインして部屋に荷物を置き、再び駅に戻って今度は氷見線に乗って雨晴海岸へ向かいます。雨晴海岸から眺める立山連峰は富山湾からそそり立つように見えることで有名で、海から山がそそり立つように見えるのは世界的に見ても南米のどこかと雨晴海岸しかないという極めて貴重な風景らしいです。実は雨晴海岸は次の日の朝、氷見に行ったついでに訪れようと思っていたのだけど、明日から天気が崩れるらしいので急遽予定を変更して今日行くことにしました。だから富山での滞在時間が短くなって焦っていたわけです。時刻は4時近くで既に夕暮れが近づいてはいるけど、高岡駅からも立山連峰は見えるし、多分大丈夫だろう。


<前衛的な高岡駅南口>

<広い構内と立山連峰>

<高岡と言えば鋳物とアルミ>

<氷見線のホームは端にちょこんと>

 4時12分の高岡発の氷見線に乗って雨晴海岸へ。広い高岡駅の中で、氷見線は一番端に追いやられていて、何となく侘しさを感じます。時間が時間だけに高校生が多かった。氷見線は1時間に1本程度だから、乗り遅れると大変なんだろうね。列車も国鉄時代から走ってそうな、重厚で重い感じするものでした。列車に乗って高校生の会話に耳を傾けていると、関西弁が混じった独特の方言を操っていました。これは何弁というのでしょうか?高岡弁?ともかく田舎の高校生は素朴でいいですねぇ。

 4時32分、終点氷見の二駅手前、雨晴駅に到着。さすがにこの時間だと、地元民以外で降りる人間は僕以外にいませんでした。もう半分日は暮れかけていますが、少し歩いて雨晴海岸へ。


<作業所のような雨晴駅>

<夕暮れの雨晴駅ホーム>

 5分くらい歩くと、例の富山湾と立山連峰がよく見えるという場所に到着。しかし、やっぱりというか何というか、天気はいいのに立山連峰の形をはっきりと確認することはできませんでした。。残念。よく目を凝らして見ると、うっすらと立山連峰が見えるんだけども。下の写真もよく目を凝らしてみると、かすかに雪をかぶった立山連峰が見えないこともないです。よーく見てね。よーく。ともかく、もう少し早い時間に来ていれば見られたはずなんだよなぁ。明日は天候期待できないし残念だ。


<うっすらとだけ見える雪の立山連峰。手前の岩は義経の伝説が残る義経岩>

 残念な気持ちで駅へ戻ると、駅前によく見えるときの看板がありました。左下の写真です。天気がいいとこうやってくっきり見えるらしい。今日も天気よかったけど、夕暮れじゃだめなのね。今回はこの看板を見て溜飲を下げることにします。寂寥感漂うホームで時間を潰した後、4時54分の列車に乗って高岡に戻りました。5時16分、高岡着。


<看板。本来ならこう見えます。>

<やっぱり見えないよね・・・>

<高岡で買い物をする>

 高岡に戻った頃にはすっかり日も暮れ、5時過ぎなのに静かな夜を迎えていました。そろそろ夕食を考えなければいけません。一人旅はこの夕食が一番ネックになるところで、僕は勇気がないから一人で居酒屋とか入ったりすることができないのです。かといってファーストフードやコンビニ弁当で済ますのはナンセンス。せっかく旅行に来ているのに、その土地のおいしいものを食べなくてどうするのか。こういうときに心強いのが地元のスーパーで、スーパーに行けば大抵は地物を使った惣菜が売ってあります。作り置きだし安いし、飲食店で食べるよりはちょっとレベルは落ちるかもしれないけど、今回の旅行の夕食はほぼこれで通すことにしました。

 さて、高岡駅を出てどこで買い物しようかな・・・と周りを見渡していると、遠くに煌々と輝く「SATY」の文字を発見しました。よし、サティに行こう。サティなら地元でいつも行っていたから勝手が分かって安心です。ということで駅から15分くらい歩いて(しかし高岡の道は広いのに人がいなくて非常に寂しい&恐いぞ)、サティに到着。

 夕食を買う前に、まずは2階のファッションフロアで傘を買うことにしました。明日から雨が降るという予報なのに、折りたたみ傘を持ってくるのを忘れてしまったのでね。いろんな傘を物色して値段を比較してみると、紳士用折りたたみ傘が1980円、対してセールの70cm傘が395円!これは荷物にはなるけど70cm傘を買うしかないじゃないか。。第一折りたたみ傘ってのは「傘を持っている」という安心感を与える効果しかなく、いざ差してみると小さくて全く使い物にならないのは既に学習済みです。明日からの雨はひどいらしいし、荷物もパソコンがあったりして大きいので、ここは思い切って70cmの大型傘を買うことにしました。事実、この旅行でした買い物の中で、一番の当たりがこの70cm傘になろうとは、この時点で僕は思ってもいませんでした。

 傘を買って、1階の生鮮品売り場で地の物を物色。この時期の北陸と言えば、何と言っても海の幸です。特にすぐそこは氷見なんだから、きっとおいしい寒ブリの刺身かなんかが売ってるはず。探しているとやっぱり海の幸があったので、迷わずに購入しました。一つは地物の握り。もう一つは天然物寒ブリの刺身。でもこの寒ブリの刺身、よく見ると「三重産」って書いてます。まぁ、明日氷見に行くんだからこの際三重産でもいいか。

 もう一つ、地物の食材にはには地酒ということで、富山の名酒「銀嶺立山」の200mlも買うことにしました。もちろんビールも一本。今晩はこれに富山で買った高田屋のますの寿しを加えた豪華ラインナップ。居酒屋に行くよりいいかも。

 ホテルに戻ってすぐにシャワーを浴び、一日の疲れを落としてさっぱりしてから、早速夕食を頂くことにしました。いやー、うまい。地魚の握りは身が締まっていておいしい。寒ブリは三重産ではあるものの、脂が乗っていて口の中で程よくとろけます。中トロみたいです。この寿司と寒ブリに、地酒の立山が合う。立山は結構甘口で飲みやすい日本酒でした。僕は日本酒がそんなに好きではないけど、これはいい。

 刺身と寿司を食べ終わって、〆にますの寿し。ますの脂がちょうどいい具合でまろやかでした。これは確かに駅弁のますの寿しと違うかも。感覚としては押し寿司のケーキを食べている感じかな。変な例えだけれども。ともかく、夕食は魚と酢飯で本当に腹が一杯。


<地物の握り8カン>

<天然寒ブリの刺身(三重産)>

<高田屋のますの寿し>

<ますの寿しの中身はこんな感じ>

 夕食後は富山のテレビを見物。僕は旅行先でテレビを見るのを一つの楽しみにしています。もしかしたらテレビが一番その地方をよく表しているかもしれません。ということで、テレビCMの写真を二つほど。左は北越という会社のかき餅のCMです。富山では有名なんかな?右は天気予報。何故かカプリチョーザが提供をしていました。富山にもカプリチョーザがあるんですね。


<かきもちのCM>

<カプリチョーザをバックに天気予報>

 今日は早朝から行動して、明日も朝が早いので11時前に早めの就寝。明日は朝一番で氷見に出かけます。


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