このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

京都・北近畿旅行記 1  
2009年1月10日() <京都(西本願寺、イノダコーヒ)、天橋立、丹後半島一周、城崎泊>


<いつもの夜行バスで京都へ>

 1月9日夜。雨が降る中、東京駅へ行き、八重洲地下街のマクドナルドでとりあえず腹に詰め込んでから、9時40分発の京都行き夜行バス「フライングスニーカー号」に乗車。最近よく使っている片道4800円の格安高速バスです。格安バスなので窮屈な4列シートですが、平日だと乗客一桁の日もあって、2席占領出来るのでなかなかお得なバスでした。でも今回は三連休前の金曜日。バスは予想通り満席で、窮屈なことこの上ありません。それでも僕にあてがわれた座席は「1C」という先頭の通路側だったので、前に足を延ばすスペースがないことを除けば結構快適でした。一番前の席だと他の乗客を見なくて済むので、混雑しているという視覚的な情報を入れずに済みます。隣に座ったおじさんもお行儀がよく、僕の座席まで侵入してくることはありません。通路を挟んで隣に座った女子二人がずっとジャニーズの話で盛り上がっていたのには若干イライラしましたが・・・。

 ただ快適と言ってもいつもの二席占領に比べたら天と地との差があるもので、これで同じ料金なのかと思うと少し腹立たしくもあります。さらに夜行高速バスはカーテンが閉められていて景色が見られないうえに、消灯も早いので本も読めません。これは拷問に近い。僕は夜行バスで寝られないのは分かっていたので、強制的に寝るべくワンカップ大関を飲みましたが、残念ながら全く効力を発揮してくれませんでした。そういうわけで、結局今回も一睡もできないまま、朝5時50分に京都駅に到着。

 天気予報によると京都は雪が降って寒いということでしたが、バスを降りてみるとパラパラと小雨が降っているものの、意外と暖かいです。今まで冬の京都を避けてきたのは盆地特有の猛烈な寒さがあったからですが、今回は正直なところ助かった・・・とこの段階では思っていました。

 さて、朝6時前の京都。今日は京都を起点にして北近畿へ行く予定ですが、その待ち合わせの約束時間は午前9時。まだ3時間もあります。とりあえず3時間の時間を潰すべくぶらぶらしないといけませんが、夜明け前の京都、開いている店など皆無といっても過言ではありません。駅近くの新福菜館や第一旭といったラーメン屋は開いてますが、今回はあまり腹も減ってない。となると観光ということになりますが、この時間から開いているのは清水寺か西本願寺、もしくは境内が解放されている神社くらいのもの。本当は伏見稲荷大社のお山巡りをしようと思いました。でも雨が降る中を朝から山道を歩くのもなぁ・・・と、気温と天気を考えて中止することに。以前ならそんなの無視して行っていた思いますが、どうやら僕も自制するということを覚えたようです。成長したもんだ。

 結局駅からも近い西本願寺へ行くことに。西本願寺は 2005年の10月 にも行っていますが、その時は御影堂が大改装中で改装が終わるのは2008年12月となっていました。となると、今はちょうど改装も終わった頃だから、3年越しで御影堂にお目にかかることができるのではないかと。ということで西本願寺へと向かいましたが、途中から雨が雪に変わり、勢いも増してきました。それとともに一気に下がる気温。手が悴んで朝から泣きそうです。何でこんなことになるのか・・・。西本願寺に着いたら着いたで、御影堂の改装自体は終わっていたものの、御影堂の周りにはまだフェンスがしてあり全貌を拝むことが出来ませんでした。何しろまだ暗いからよく分からない。阿弥陀堂だけは朝のお勤めがあるらしく煌々と輝いていたので写真を撮ることが出来ましたが、三脚をセットして8秒露光した結果が下の写真です。雪が降って寒いから、写真を撮るのにも一苦労でした。

 寒いので早々に西本願寺を後にし、再び京都駅へ。7時前になったので、地下鉄で烏丸御池まで行き、堺町三条の 「イノダコーヒ」 へ。イノダは7時開店ですが、僕が店に着いた7時10分の時点で既に結構な客が入っていました。見たところ、地元の常連さんと観光客が半々。かろうじて空いていた禁煙席に案内してもらい、「京の朝食」(1200円)を注文。原油価格高騰の影響か、9月に食べた時に比べて150円値上がりしていましたが、まあ仕方がない。普段なら朝食に1000円以上かけるなんてあり得ませんが、旅行に行ったときくらいはねぇ。今日はクロワッサンが焼き立てで、パリパリとしてとてもおいしくいただけました。食後はコーヒーを飲みつつ本を読んで約1時間半ほど。ここは店内にBGMが流れないので、非常にゆったりと静かに過ごせます。御馳走様でした。9時前に店を出ると、店の外はかなりの行列で、やっぱり朝早く来てよかった。


<夜明け前の西本願寺阿弥陀堂>
 
<朝のイノダコーヒ禁煙席>

<京の朝食>

<アラビアの真珠>

<雪降る北近畿へ 天橋立と丹後半島>

 今回の京都行き、最初はいつものように京都市内をぶらぶらして2泊3日を過ごす予定でしたが、今回は幸くんも来るしドライブにでも出かけるかということになり、ドライブするなら1泊くらいしたいねということになり、行くなら北にするかとなり、北なら何処に泊まりたいかと聞かれて「城崎なんかいいねぇ」と答えたら早速その日にあおかつが宿を予約し、あれよあれよという間に1泊2日北近畿の旅をすることになりました。1泊2日で出かけるのは今年に入って決まったことなので、その素早さに驚くばかりです。

 というわけで、9時に再び京都駅に戻り、東京から新幹線でやってきた幸くんと待ち合わせ。9時40分頃、あおかつくんと彼女さんも車で到着したので、僕ら二人も青いデミオのあおかつカーに乗って、一路北近畿へ。この頃には京都市内の雪も止んで、まあそこそこの天気にはなりましたが、北へ進むにつれて雪が酷くなってきました。特に京都縦貫道に乗ってからがすごく、前が見えなくなったりします。僕は運転しないけど、雪の中の高速道路は冷や冷やものです。

 縦貫道を丹波ICで降りて、国道沿いにある 「丹波の里やまがた屋」 というところで休憩。ここの「丹波の黒豆パン」はあおかつ君も大絶賛ということで、人数分買って食べてみました。ほんのりと甘くておいしい。豆も大き目で結構たくさん入っています。僕は豆パンがあまり好きではありませんが、この黒豆パンはなかなかのものでした。他にも夜に飲む丹波ワインを買ったり、黒豆製品の試食をしたり。さすが丹波は黒豆の里だけあるという品ぞろえです。


<丹波の黒豆パン>
 
<丹波の黒豆茶>

 休憩後は天橋立がある京都北部の宮津市を目指して、国道27号から綾部宮津道路へ。北へ進むに連れて、さらに雪が酷くなってきました。スタットレスタイヤだとは言え、しかも自分は運転していないとはいえ、大雪の中を車で走るのはかなり怖いです。その分景色は綺麗なので、僕の視線はずっと左の窓の外。前よりも左を見ている方が安心感があります。


<雪が降る高速道路>
 
<北タンゴ鉄道宮津駅>

 12時過ぎに無事宮津駅に到着。駅近くに車を止めて、宮津駅前にある 「富田屋」 へ。ここは新鮮な海産物が安く大量に食べられるということで、煮つけや刺身やカマ焼き、焼き牡蠣にカレイの焼き物、ホルモン焼きやアサリのバター焼きなど、とにかくいろいろと注文。どれもこれも値段が安かったので、どうせ小ぶりなものか質の悪いものでも出てくるのだろうと思っていましたが、出てきたのはなかなかのものばかりでした。カレイの焼き物は380円、牡蠣は5つで700円とかだから、抜群のコストパフォーマンスです。それぞれがご飯(僕も頼んだのになぜか僕だけ出てこなかったから、腹立って玉子丼に変更したけど)、運転手のあおかつ以外の3人で熱燗1合飲んで、一人辺り1500円という安さでした。御馳走様。


<宮津駅前の富田屋>
 
<刺身盛り合わせとカマ焼き>

<焼牡蠣>

<カレイの焼き物>

 その後、天橋立へ。約2年振りにやってきました。そして今回も2年前と同じように大雪です。何となく嫌な予感がしますが、とりあえず天橋立駅近くにある「天橋立ビューランド」のケーブルカー乗り場へ。ここからケーブルカーに乗って上まで行けば、天橋立の全貌が見えるはずです。ちなみに2年前に行ったのは、対岸の傘松公園展望台。当たり前ですが景色が異なります。(当時の旅行記は こちら

 ケーブルカー乗り場に着いて「往復1枚ください」と言うと、係のお姉さんから「今は上がっても全く何も見えない状態ですが宜しいですか?」と返ってきました。あぁ、嫌な予感見事的中。確かに雪が降り続くこの天気では、景色も拝めそうにありません。残念だけど、天橋立の眺望は今回断念して、ふもとの文殊寺にお参りすることに。

 以前文殊寺に来た時は朝早いこともあって誰もいませんでしたが、今回は十日戎の最中らしく、お参りするのに行列が出来ていました。前も言ったと思いますが、僕はこの「お参りするために列に並ぶ」という行為の意味が分かりません。横から賽銭をあげて、さっとお参りしても同じじゃないのか?と常々思っています。その方がよっぽど合理的だと思うんだけど。なんでみんな並ぶんでしょうねぇ。まあ今回はみんなで来ているのでおとなしく並びましたが・・・。


<文殊寺>
 
<頭にかければ良くなる>

 その後せっかくなので天橋立へ行ってみることに。しかし雪で土が抜かるんでいて、おまけに寒いということで、天橋立の入り口まで行ってそれ以上進むのはやめました。これは賢明な判断だったはず。


<文殊寺らしい知恵の輪>
 
<天橋立入り口>

 と、こういうふうに天気はずっと雪で視界が悪い状態でしたが、文殊寺近くにあるお土産屋に入っていろいろと物色したり、宮津名物の焼きちくわを買ったり(←あおかつが)したりして時間が経過していくうちに、少しですが天気が回復したような状態になりました。ほんの少しですが、太陽の位置も分かるような気がします。心なしか視界も良好になったようで、麓から天橋立ビューランドの展望台を見上げているとよく見えています。さっきまでは全く見えなかったのに。ということで、これはチャンスとばかりに再びケーブルカー乗り場へ。

 ところがケーブルカー乗り場に着いたら、また元の視界の悪い状態に戻ってしまいました。係のお姉さんもさっきと同じ口調で、「今は上がっても全く何も見えない状態ですが宜しいですか?」という始末。しかしここまで来たのだから、見えなくても一応上がっておこうと、ケーブルカーに乗って展望台へ行くことにしました。ケーブルカーは小さくて、ことことと進んで行きます。ちなみにこのビューランドはケーブルカーとリフトの二種類がありますが、この雪の中をリフトで登っているツワモノもいました。

 標高が高い展望台は麓よりもさらに視界が悪く、雪もどっさりと積もっています。試しに天橋立方面を見てみましたが、もはや何も見えません。麓すら見えない。幸くんが股のぞきをしていますが、もちろん逆さになっても見えるはずもなく。。逆に見えない状態で股のぞきをしているのがシュールなので写真を撮らせてもらいました。


<何も見えない>
 
<股のぞきしても何も見えない>

<乗ってきたケーブルカー>

<寂しい感じの遊園地施設>

 ただ、2年前も最初こういう状態でしたが、我慢して待っていると視界が良くなって全貌が見え、さらには奇跡的に30分くらい青空が覗いたということがあります。科学的には解明できないけど、一応「晴男」と呼ばれているすぱくり。今回もみんなを説得して、もう少し待ってみようじゃないのと、展望レストランで暖かい飲み物を飲みながら待ってみることに。まあ、そもそも晴男なら最初から晴れているはずなんだけれど。

 しかし待った甲斐があったのか、少しですが雪が止んで視界が良くなりました。さすがに青空が広がることはありませんでしたが、天橋立の一部が見えます。これでも全然景色はよくありませんが、見えないよりは見えた方がまだましです。待ってよかった。一応ではありますが、天橋立が見えたということで皆で満足して、ケーブルカーに乗って降りました。


<少しだけ見えた天橋立>

 時刻は4時。再び車に乗って、海沿いに丹後半島を一周してから宿泊地の城崎温泉へ向かうことにしました。できれば途中の伊根で舟屋でも見ようと。ところがどうも道を間違えたらしく、伊根の舟屋は見ないままに通り過ぎてしまいました。まあこの天気なので、見えたかどうかはわかりません。

 丹後半島の付け根である天橋立は雪が積もっていましたが、丹後半島の北部に行くと風は強いものの雪は全く積もっていませんでした。これは海に近いからなのか?京都北端の経ヶ岬を通る頃には日も暮れ出し、風の強い中で海岸沿いの細い道をうねうねと進むのはなかなかスリルがありました。大時化模様で荒れ狂った海が日本海っぽさを醸し出しています。


<丹後半島北部:午後5時頃>
 
<丹後半島北部:午後5時半頃>

 蟹で有名な間人(たいざ)を通り過ぎ、再び丹後半島を南下。再び雪が積もってきました。ここからが結構大変で、あおかつカーのナビが古いからなのかなのか、辺鄙な道ばかり教えてきます。通行規制がされていてほとんど車が通らない峠を通らされ、うねうねした道でつるつると車が滑ってどうなることかと冷や冷やしましたが、この峠は無事なんとか完走。しかし次の山道というか峠っぽいところで、ついにタイヤが空回りして前に進まなくなりました。しかも右手は崖なので、一歩間違ってツルっとタイヤが滑ったりすると真っ逆さまです。

 街灯もなく、他に車が一台も走っていないような道を、なぜこのナビは教えてくるのか。こんな寒いところで一夜を明かすのは嫌だわ。車から降りて後ろから押さなきゃなぁ・・・と後ろ向きな考えばかりが浮かびましたが、どうやらバックはできるようで、とりあえずバックして方向転換し、この道を引き返せるなら引き返そうと。方向転換できるかどうか不安でしたが、あおかつくんの華麗なるテクニックによって無事方向転換し、無事に山道を降りることができました。ほっと一息です。まあ、雪道がいかに大変かというのが良く分かって勉強になりました。

<城崎温泉に泊まる>

 城崎温泉の宿に到着したのは7時過ぎ。今回宿泊するのは 「富士見屋」 という旅館でしたが、お世辞にも綺麗な宿とは言えません。部屋は田舎のおばあちゃんの家がの臭いがするし、トイレは共同、しかもそのトイレの電気がつかなかったり鍵がかからなかったりしました。以前行った鳴子温泉の「ゆさや旅館」は、上品な古さを大切にしているというか、手入れされた古さがあふれているという感じでしたが、今回の宿は本当にそのまま古くなってしまったという感じです。まあでも、接客も悪くないし、こういう宿もなかなか味があります。

 着いて早速の夕食。夕食は部屋食で、蟹鍋でした。冬の城崎温泉と言えばやはり蟹なわけで、たっぷりと身が詰まった蟹は食べ応えがあります。最後に作った蟹味噌の雑炊が本当においしいこと。こんなに濃厚な雑炊は今まで食べたことがありません。ほっぺたが落ちそうよ。。この雑炊を食べられただけでも、寒い中来てよかったと思います。


<前菜三品>

<鍋に入れるカニ>

<カニ鍋>

<蟹味噌雑炊>

 お酒と蟹料理で幸せな気分になり、食後は幸せな気分を維持したまま外湯へ出かけることに。ここ城崎温泉には7つの外湯があって、城崎温泉の宿に宿泊している人間なら無料で入ることができます。ただし、城崎温泉の宿の宿泊客であることを証明するために、外湯には宿の浴衣を着ていかなければなりません。ということで、僕らも宿の浴衣に着替えて、下駄を履いて出かけました。僕は寒かったので一応上にコートを羽織って。

 ところが城崎の夜は本当に寒い。雪こそほとんど降っていませんでしたが、足元に積もった雪が下駄履きにはものすごく堪えます。よく見たら下駄を履いているのは僕らくらいのもので、他の宿泊者達は皆長靴を履いているではないか。なんで下駄を履いてきたんだろう・・・と思っても後の祭りで、慣れない下駄履きで進みました。しかも宿から一番遠い「鴻の湯」へ行こうとしたので、足だけでなく全身底冷えしました。氷点下の気温の中、雪に素足を突っ込みながら10分くらいかかってようやく鴻の湯に到着。温泉に浸かって生き返るとはまさにこのことです。

 時間も時間だったので30分くらいしか堪能できませんでしたが、芯まで冷えた体を温めるのには十分でした。露天風呂もあって気持ちがいい。時間的に、男風呂は僕ら3人の他は数人で、広々としていたのもよかった。風呂上がりにまたあの道を帰ると思うと若干テンションが下がりましたが・・・。

 帰り道は途中の店に寄って、500円で売られていた「城崎地ビール」を。湯上りのビールはたまりませんが、既に結構飲んでいたのと外が寒かったのとで、半分くらい飲んだところで腹がパンパンになってしまいました。でもおいしかった。偉大なる風呂上がりの醍醐味です。


<鴻の湯>
 
<湯上りの城崎地ビール>

 行き同様、帰りも雪で足を濡らし、宿に戻ってきたのが11時過ぎ。運転でお疲れのあおかつくんは寝てしまったので、3人で丹波ワインなどなどを開けつつ1時過ぎまで。6畳の部屋に4人は結構狭いです。


二日目へ→

旅行記トップにモドル

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください