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東京見聞録  
2006年6月18日()・19日(月) 五日目・六日目
 <結婚式、韓国対フランス戦、帰国>


韓国の結婚式>

 8時過ぎ起床。

 今日は友人の結婚式。今回の旅の真の目的は、何を隠そうこの「結婚式」なのです。しかし今までの旅行記を見ても分かる通り、このままでは結婚式を口実に韓国に遊びに来たとしか思えません。3日前、ユノにも「あんたら結婚式を口実に遊びに来たんでしょ?」と痛いところをつかれたし。だからこそ、真の目的である結婚式には真剣に参加しなければいけません。

 テグ夫妻の家でフルーツ主体の朝食をとり、結婚式に出席する準備。この日のために東急吉祥寺店で5000円もする白ネクタイを購入していて、今日がそのネクタイの初お目見えとなるはずでした。しかし、韓国では慶事で白ネクタイをする習慣がないらしい。しかも、白は縁起がよくない色だから、逆に失礼になると言われました。立ちはだかる文化の違い。おれの5000円が・・・。仕方なくいつも着用している赤いネクタイをすることにしました。文化の違いって恐ろしいですね。

 男性陣はビシっとスーツで決めて、いざ出陣。しかし女性陣を見てみると、何かが違う。これが結婚式に出席する服装なのか・・・?特に少し奇抜なシンサン(女性)は、ジーンズとサンダルにサングラスと、普通に遊びに行く格好で出かけようとしています。彼女、どこまでも我が道を行く人間です。

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 タクシーに乗って式場へ。式場へ着くと、いるわいるわ本日の出席者の皆様。年配の方は伝統的なチマ・チョゴリに身を包み、着物を着る日本とはやっぱり違う文化だなぁと変な感心をしてしまいました。しかししかし、新郎新婦の友人達を見ると、なんとジーンズで参加している人が何人もいます。シンサンだけではないみたいです。男でもスーツじゃない人もいるし、これがコリアン・テイストなのでしょうか。

 さて、少し奥に進むとウエディングドレスに身をつつんだ新婦が椅子に座っていました。皆が順番に記念撮影をしています。もちろん僕らも一緒に記念撮影。間近でみると本当に綺麗です。改めて結婚おめでとう。

 しばし待っていよいよ結婚式。微妙にキリスト式っぽいけどキリスト教式じゃない感じで進む結婚式。日本だとみんなが神聖な気持ちになって静まり返る儀式です。しかし、ここは韓国。やっぱり一筋縄ではいかない。席が空いているのに立っている人が多数で、しかもお構い無しにぶらぶら移動している。それに拍車をかけるように、さらにひどかったのが私語です。結婚式が進められているのに、みんな大声で好き勝手に話してる。神聖な前とうるさい後ろ。まるで食事のない立食パーティー。もうわけわからん。そういう感じで、結婚式自体は20分程度で終了しました。 


<新郎新婦、入場>

<愛を誓っている(多分)新郎新婦>

 「結婚式」が終わった後は、隣の建物へ移動して昼食。僕はこの日、どういう段取りで結婚式全体が行われるのかを理解していなかったため、「ありゃ?披露宴は?」という当然の疑問があったのですが、とりあえずは昼食は別だそうです。驚いた。そんなわけで、新郎・新婦がいないなかバイキング形式の食事を食べてきました。ここの食事はおいしかった。さすが「新羅ウェディング」。ただ、出されたビールが全て人肌程度に温くて、全く飲む気になれませんでした。冷えてないビールなんて。

 食事が終わっていよいよ披露宴かな?と思っていると、どうやらまた次の会場へ移動するらしく、10分ほど歩くことになりました。ちなみにこの日のテグは気温30度。ソウルとは気温差が10度近くあるんじゃないかと思うくらい蒸し暑かった。そんな中を冬物のスーツを着て歩くので、汗が止まりません。

 到着したのはこぢんまりとした喫茶店。ここで二次会らしい。ていうか、あれ?披露宴は?僕はてっきり披露宴があるものだと思っていたのに。。どうやら披露宴自体がないっぽいことをこの時点で悟ったのでした。

 二次会と言っても、日本であるような二次会とは違って、グループごとに席に座って普通にビールや食事をするというものでした。結局日韓交流の仲間達と座って、3時間くらいビール飲んだりパッピンス(韓国のカキ氷)を食べたりして時を過ごしました。昼間からいい身分です。僕はこの時点で相当疲れた顔をしていたらしく、テグ夫妻から「すぱくり大丈夫か?」と何回も聞かれたほどです。出来るだけ顔に出さないようにしているんだけどねぇ。心配かけてごめんなさい。

 着替えた新郎新婦が4時頃到着し、今から何か始まるのかな?と思っていると、何と残っていたのは我々の団体のみでした。結局、新郎新婦と軽く挨拶を交わして店を出るという、何ともしまりのないものとなりました。そして新郎新婦は車に乗って帰っていってしまいました・・・。

 初めての異国の結婚式。何か勝手がわからなくて個人的に右往左往してしまったけど、まぁいい経験になりました。新郎新婦のお二人には、心からおめでとうを言いたいと思います。

<テグで買い物・テグで夕食>

 タクシーでテグ夫妻の家に戻った僕達は、少し休憩してスーパーへ買い物に出かけることになりました。ということで向かったのは韓国の大手スーパー「Eマート」。日本でいうところのイオンとかイトーヨーカドーみたいなところで、かなりでかい複合型スーパーです。まぁテグのEマート、テグに来るたびに来ているので、今回で行くのは3回目です。


<大きなEマート>

<韓国と言えばキムチ>

 今日の夕食も兼ねて、お土産なんかも買うことに。ワールドカップ一色の韓国、当然スーパーの中にもテハミンググッズのコーナーがあります。今夜の韓国—フランス戦を控え、赤Tシャツを買うべきかどうか悩んでいると、テグ夫ジェホンが「買ってあげるよー」と一言。ありがとうございます、ジェホン様。

 その後は食品売り場で買い物。まぁこの辺は日本のスーパーと同じです。ただ韓国のスーパーは試食が多い。プルコギから冷麺、キムチなどなどと、その種類も多数です。テグ夫ジェホンに先導されるまま、「次はあの試食、その次はあっちの試食行ってみよう」てな感じで、さながら韓国スーパー試食ツアーになってしまいました。お陰で晩御飯を控えているというのに、試食だけで小腹が満たされてしまうという何とも不思議な結果に。

 買い物を終え、再びタクシーでテグ夫妻家へ戻ります。夫妻の家の近くの街並みをどうぞ。


<近くの大通り>

<新しい高層マンション>

<こちらは一般的な街並み>

<テグ夫妻が住むアパート>

<テグ夫妻の家(5階)の窓からテグの町を。網戸越しですみません>

 今日の夕食は総勢6人。僕とオキ君、テグ夫妻に加え、結婚式にやってきたソウル人ウンジン(女)と、オキ君のあとを受けてKOからソウル大学に留学しているジジ君。日本人3人でデリバリーチキンを食べようと盛り上がり、二箱注文しました。今日の夜は最後だし、何といっても昨日食べたチキンが忘れられない。夫妻は菜食主義なので、汁なしキムチ冷麺のようなものを作って準備完了。

 しかし、これが、何というか、チキンが多くて参った。予想以上の量で、ウンジン含めて4人で食べて何とか食べきることができました。確かにおいしかったけど、量が多すぎるとひじょーに油っこいので胃がもたれます。チキン要注意です。

 夕食時、なぜか韓国の3DアニメのDVDを見ることになりました。韓国語がわからない僕のことを考えてくれたのか、ご丁寧にも英語の字幕ツキでした。「すぱくりは英語できるから、これでも大丈夫だよね」とは言われたけど、それはさすがに無理だっての。字幕早いんだもの。日本語の字幕でさえ、字幕に集中してアニメのほうを見られないことがあるのに、ましてや英語の字幕。アニメを見るか字幕を見るかの二者択一で、どっちも中途半端になってしまい、みんなが笑っているところで笑えないという寂しい状況でした。英語勉強しよう。

 この日ソウルに戻る予定の僕らは、東テグ8時55分発のKTXを予約していました。チキンを食べ終わった時点で8時だったので、急いで荷物をまとめて、テグ夫妻の車で東テグ駅へ。夫妻とまた会うことを約束して、KTXに乗り込みました。

<ソウルへ戻る・ワールドカップ「韓国対フランス」戦観戦>

 KTXことKorea Train eXpressは、ソウル—東テグ間を新幹線並みの時速300kmで走るというシロモノです。2004年に開業したKTX。それまでの最速達であったセマウル号なんかは、スピード的には井の頭線の急行とかわらなかった(=よくスピードが落ちる)ので、KTXは速さの面では快適。いよいよ韓国も高速時代に突入しました。

 無事にKTXに乗り込み席を見つけて座ると、何か車内がおかしい気がします。それもそのはずで、車両の真ん中を対称軸として座席が向かい合っています。後から聞いた話だと、これはKTXが狭くて座席を回転させることができないためらしいですが、それにしても歪です。僕が座った席はあろうことか進行方向と逆向きで、何となく損した気がして腑に落ちない。しかも席が狭い。新幹線の方がゆったりしていてくつろげます。

 まあそんなKTXでもいいところはあって、動力を先頭の機関車に全て集約しているらしいので客車は走行中でも本当に静かです。ここが新幹線と大きな違い。お陰でソウルまでの1時間半をぐっすりと過ごすことができました。


<KTXのチケット 3500円くらい>

<対面式の狭い車内>

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 ソウル駅に10時40分着。コンコースのテレビでやっていた「日本対クロアチア」は、前半ロスタイムで0−0。川口のスーパーセーブがあったことを知らない僕らは、何やってんだという感じで前半が終わるのを見届け、地下鉄に乗って市庁舎前へ。今日は午前4時から(韓国にとっては)大一番の「韓国対フランス」戦があるので、その応援風景を見てみようという野次馬心です。

 ソウル駅の地下鉄駅から、あかいTシャツや応援グッズに身を包んだ若者が目に付くようになり、市庁駅を降りる頃にはもう電車内が真っ赤。荷物は別の駅のコインロッカーに預けて市庁駅に降りると、そこはもう市庁舎前広場へ向かう人の群れで大混雑です。いくつかの地上出口が封鎖されていたし。

 地上に出る前に、コンコースにあったテレビで日本対クロアチアの後半戦残り15分を観戦。思いのほか韓国人が集まっていて、もちろんクロアチアの応援をしていました。クロアチアが攻め込むと歓声があがるので言葉がわからなくてもわかります。最初はそんなことお構い無しに中継を見ていたものの、韓国人が何と言っているか気になったのでオキ君に聞いてみたところ、

 「何やってんだよクロアチア!」
 「日本は勝つはずがない」

 と言っているらしい。やっぱりそうなんだろう。でも、わかっていてもそういうことを実際聞くと寂しいものがあります。やっぱりこういうことをいう国は応援できない、と決意した瞬間でもありました。結局試合は引き分けのまま終了し、日本が決勝トーナメントへ進むにはブラジルに2点差以上での勝利が最低条件という何とも厳しい結果に。

 日本戦も終わり、いよいよ地上に出てみると、これがもうものすごい人!人・人・人の大洪水。ソウル市庁舎前が一面赤で埋め尽くされていました。まだ試合開始4時間前だというのに尋常ではない熱気です。木曜日に見た静かな市庁前広場とは別の場所のようです。まさかこれほどだとは思わなかった。


<ソウル市庁前広場に集まった韓国サポーター>

 この日の人出は2万人。競技場に集まるならいざ知らず、ソウルの中心部の市街地にこれだけの人数が集まるというのは驚愕です。日本だったら都庁前広場とか、皇居前広場に集まるようなもんだろうけど、実際警察とか動かすの大変だろうし。それだけ韓国は国を挙げてワールドカップを応援しているということでしょう。実際ソウルのビルにはいたるところにユニフォームを着たパク・チソンと俳優がガッツポーズをしている巨大ポスターが貼られていて、街を歩いているとずっとパクチソンに見られているような気がしてなりません。

 盛り上がる韓国サポーターをよそに、僕はいまいち乗り切れない。さっき日本が引き分けたこともあるし、韓国の日本に対する態度を直に見てしまったことでこの国を応援する気にはなれないという気持ちが出てきたのもあります。かばんにはテグで買ってもらった赤いTシャツを忍ばせていたものの、ここでは結局着ることはありませんでした。オキ君は割り切って赤いTシャツを着て歩いていたけど。。

 とりあえず「何だこの盛り上がりは」という言葉しか出てこない状態で歩いていると、ついには「テーハミング!」の大合唱が始まりました。どこまで盛り上がるんでしょうか。改めて言うけど、まだ試合開始4時間前なのよ?どこからそのパワーが出てくるのやら。その迫力に圧倒されるから、歩いているだけでぐったり疲れます。今回見た中で一番韓国らしい場所でした。

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 一通り市庁前を見物して、地下鉄に乗ってボソンの家へ。ボソンの家はわずか2日ぶりなのに、なぜか我が家に戻ってきたかのような気分です。ボソンの家は居心地がいい。ボソンや遊びに来ていたユノと話をして、4時前に近所のスポーツバーへ行くことになりました。ボソンが「赤いシャツを着て!」というので、今回はついにTシャツを着用。若干恥ずかしい。

 近所のスポーツバーはそこそこ埋まってはいますが、赤いシャツを着てない人も結構います。オキ君が言うには「大体ソウル大の学生だろう」とのこと。ソウル大生はTシャツを着るほど入れ込むわけではないみたい。

 ビールを注文して飲んでいると、いよいよ試合開始。フランスが1点先制したところで店内の盛り上がりはすっかり醒め、モニターすら見ずに普通に居酒屋にいるような雰囲気の集団もありました。ところが後半韓国がパクチソンのゴールで同点に追いつくと、割れんばかりの拍手と声援とともに、客が息を吹き返しました。君らさっきまで応援してなかったじゃん?とは思ったものの、あまり興味がない人にとってはまぁそんなもんでしょう。実際ハーフラインにいる選手に対して「シュート!」と叫ぶ客も居て、どこまでサッカーを知らないのかと失笑。


<ビールとおつまみとビジョン>

<もう朝です>

 試合は1対1の引き分け。しかし韓国にとっては金星ともいっていい引き分けでしょう。試合が終わったときはまるで勝ったかのような歓声につつまれていました。それを醒めた目で見る日本人男性が約1名。赤いTシャツ着てるのに。。店員さんも、何でこの人は盛り上がってないんだろうと思ったに違いありません。

<帰国>

 試合が終わってボソンの家に戻ると、時刻は既に朝6時過ぎ。飛行機が午前中なので、急いで帰る準備をしました。その前に、韓国の似たものシリーズを一挙公開。かっぱえびせんにトンガリコーン、きのこの山とポッキー、17茶と生茶。どれも名前は違いますが。特にポッキー(韓国名「ペペロ」)は、韓国ではロッテが製造してのですが、これって道理的にどうなんだろう?よくグリコはロッテに抗議しないなと思います。まぁここまで真似されると返って気持ちいい。


<どこかで見たお菓子シリーズ>

 荷物をまとめてボソン・ユノと別れ、7時前のバスに乗ってインチョン空港へ。一睡もしていないのでバスの中は最適な睡眠空間。1時間ちょっとでインチョン空港へ。空港でウォンを円に戻すと、何とちょうど2万円戻ってきました。最初ウォンに換えたのが5万だから、この旅行で使ったのがわずか3万円だったのは驚き。旅行前に支払いっていた航空券と板門店ツアーの値段を加えても7万円です。やっぱり宿泊費がかからなかったことが一番大きい。ほんと泊めてくれた皆様ありがとうございます。

 出国手続きをして大韓航空に乗り込み、10時50分にインチョンを離陸。


<鶏肉煮込み?の機内食>

<さようなら韓国>

 飛行機の中でも寝ようと思っていたのに、揺れがひどくて寝ることができませんでした。飛行機の揺れは恐いもので。よくわからなかった機内食を食べて、窓の外を眺めていたら成田に到着。気流の影響があって、帰りは2時間かからずに到着しました。


<成田に到着した大韓航空>

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 三度目の韓国。今回はいろいろな人にお世話になりました。特にボソンにはお世話になりっぱなしだったし、ユノやテグで会ったみんなにもよくしてもらいました。オキ君や韓国の友人達のお陰で本当に楽しく充実した旅になりました。学生時代につくった繋がりを通して、今回のボソンのように新たな友人をつくることができるというのは、本当に幸せなことだと思います。これからもできれば繋がりを大切にしていきたい。本当にありがとう。

 また近いうちに韓国へ行きたいと思います。もう少し韓国語を話せるようになって。


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