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東京見聞録  
2006年6月17日() 四日目
 <ウルサンの海へ行く、バスでテグへ>


現代自動車のお膝元、工場と海の街、蔚山(ウルサン)>

 昨日遅かったのもあって、起きたのは9時過ぎ。6時間ほど寝ることができて、久しぶりにまともな睡眠をとることが出来たには出来ました。しかしオンドルの間に男三人が川の字で寝たので、あまり疲れが取れた気はしません。。

 シャワーを借りて軽く朝食をいただいた後、ボソンの父上にお茶を入れていただきました。ご自慢の茶器とともに、韓国式の作法で。味は日本のお茶と同じだったけれど、入れ方が違うと違う飲み物のように感じます。お茶請けは僕らが日本から持参していた「桜羊羹」。何かあるかもしれないと思ってお土産を余分に買っておいてよかった。。


<韓国式のお茶>

 お茶を飲んで一息ついてから、市内観光へ。ボソン弟が運転する車でドライブです。蔚山大学や、2002年ワールドカップの会場となった蔚山スタジアムを見ながら、海を目指すことに。

 ウルサンは人口108万人を擁する韓国第7の都市。朝鮮半島の南東部に位置します。ソウル—ウルサン間は、東京—名古屋間くらい離れていて、高速バスでも4時間半かかります。ウルサンを一言で表すなら、工場と自動車の町。現代自動車のお膝元として、臨海部には巨大なコンビナートが形成されていて、その巨大さには驚かされます。道路も広いし、トラックも多い。


<広い道路と工場群>

 広い道路と工場群を眺めながら、目指すは海。しかし途中、またしても韓国ならではの風景を発見。右下の写真です。このトラックの色使いと色の配置、どう見ても福山通運のトラックそのものではないか。でももうこの程度の模倣じゃ驚かなくなってしまった。


<コンビナート>

<ありゃ?福山通運のパクリ?>

 40分ほどのドライブを経て、ようやく海へ。ウルサン中心部から20km南の、椿島(チュンド)へ到着しました。売店で買ったアイスクリームを食べながら眺めるウルサンの海。国は違えど海の表情は変わりませんね。


<チュンドの海>

<自然が織り成す姿は韓国も一緒>

<灯台もあります>

<何かの伝説で出てくるというオモニと子供達>

 少し移動して、今度は砂浜の方へ。天気がよくて夏のようだったものの、海水に触れてみるとまだまだ冷たい。


<延々と続く砂浜>

<恋人達も眺めるウルサンの海>

 ウルサンの海を満喫して、再びボソン実家へ。昼食は、一昨日夜のリベンジということで、チキンのデリバリー!オキ君お勧めのデリバリーチキン。デリバリーチキン初体験の僕としては、一昨日のチキンとどう違うのかが楽しみでした。ボソン弟は時間差攻撃で二つの店からデリバリーするという高等テクニックを駆使してくれました。


<デリバリーチキン 第一陣>

 さて、第一陣で届いたチキン。食べてみるとやはりこれがうまい。ジューシーで肉厚。確かに一昨日食べたチキンとは一味違う。これがオキ君心酔のデリバリーチキンか・・・。一昨日、ビールを注文する僕を横目に、「目の前の肉に集中したい」と真剣な表情で言っていたその気持ち、わからんでもないです。一陣目を食べ終える頃、第二陣のデリバリーが登場。甘辛タレと醤油味の二つ。味にアクセントがあって、これまたうまい。お陰で腹一杯になりました。これははまりそうです。日本でないのが悔やまれる。

 昼食後は荷物をまとめてテグへ。ボソンとボソン弟がバスターミナルまで見送りに来てくれました。二人を始め、ご家族の皆様には本当にお世話になりました。どうもありがとうございます。ボソンには明日ソウルでまた会うけれど。。

 待っている間、売店で売っていた「麦コーラ」なる謎の飲み物を飲んでみました。チキンをデリバリーするとたまについてくるというこの謎の飲み物、飲んでみるとひたすらおかしい。麦茶とコーラを一緒に飲んだらこういう味がする気がします。でも普通麦茶とコーラを一緒に飲むなんて馬鹿げたことはしません。でも敢えてその馬鹿げた努力をしてしまった企業に拍手を送りたい。


<ウルサン バスターミナル>

<謎の麦コーラ>

 テグ行きの高速バスは15分に1本の割合で来ます。しかし、ここは始発の次の停留所。既にバスには多くの乗客が乗っていて、残り座席はわずかです。しかも、韓国は順番待ちという概念がほとんどないので、乗れるのは早いもの勝ちになります。最初のバスが来たとき、ゆっくりと乗り場に向かっていると、もうダッシュで駆け寄る人達。あぁ、これが韓国かと思い知った瞬間でした。案の定そのバスには乗れず、一本待つことに。日本の常識が通用しない韓国。次のバスに乗るに当たって、「ここは韓国。我々も韓国人になろう。他人は関係ない」と、臨戦態勢で臨むことにしました。そしてその甲斐あって次のバスで無事乗車。前へ前へという気概がないと、韓国では生きて行けなさそうです。

<林檎の街、大邱(テグ)>

 バスは1時間半程度でテグに到着。ターミナル駅である東テグ駅へ行き、とりあえず荷物をコインロッカーへ預けます。このコインロッカー、日本でも見たことがない指紋認証型のロッカーで、かなりハイテクです。さすがKTX開通に備えて大幅に改築された東テグ駅。


<新しくなった東テグ駅>

<駅の中も新しい>

 荷物を預けて市街地へ出ようと駅構内を歩いていると、明日の結婚式に参加するためにやってきた日韓交流の仲間達三人(いずれも女性)と偶然再会。おぉお久しぶりね!と再開したものの、彼らは既にテグ夫妻(日韓交流の元締め夫妻)の家へ向かうという。(テグでの宿は、皆テグ夫妻の家です。)僕らはまだテグについたばかりで市街地をうろつきたいということで、一旦別れました。まぁ彼女達、英語が通じないから会話に困るというのも一旦別れた理由であったといえなくはないけど。。そういうわけで、オキ君と二人、地下鉄に乗って市街地の中央洞へと向かいました。

 テグの地下鉄というと、記憶に新しいのは3年前の地下鉄火災。100名以上もの死者を出した悲しい事件でした。初めてテグを訪れたのは、地下鉄火災から1ヶ月と経っていなかったときで、そのときは地下鉄全線が運転中止、火災が起きた駅では遺族が寝泊りして抗議活動をしているという状態でした。1ヶ月経っても消えていなかった焼けた臭いが、事件の悲惨さを物語っていたのを鮮明に覚えています。

 それから3年。テグの地下鉄は生まれ変わっていて、事件があったことを忘れるくらい綺麗になっていました。事故の教訓を生かしていろいろと改良が施されているみたいで、例えば事故で駅が停電になったときに道順がわかるよう、蛍光色の矢印がいたるところに貼り付けられていたりします。

 あと変わっているのは地下鉄の切符。ICチップか何かを内蔵した丸型の切符で、再利用可能のようです。しかしまだスムーズでないのか、自動改札で引っかかる場面をよく見かけました。実際オキ君が引っかかったし。


<丸型の地下鉄切符>

<新しくなったテグの地下鉄>

 地下鉄は無事に中央洞駅に到着。まず竹島切手(向こうでは独島切手)を買おうとテグ中央郵便局に行ったものの、土曜日で切手販売は通常していないそうです。残念。ていうかそもそも竹島切手は既に販売を中止していて、ワールドカップ韓国代表切手ならあるよと言われました。まぁそっちはあまり・・・。

 その後は「KYOBO」というでかい本屋兼雑貨屋へ行き、韓国の地図を探したり、お土産を探したり。地下の一角がジブリ売り場のようになっていて、久しぶりに目にする日本語が懐かしくもあります。ジブリが人気があることからも、日本文化開放は結構進んでいるみたいです。

 買い物を済ませて再び東テグ駅へ戻り、バスでテグ夫妻のアパートへ。韓国のバスはほんとに激しいです。急ブレーキの連発だから、危ないったらありゃしない。急ブレーキのお陰で、幼稚園くらいの子がオキ君の股間に顔を埋めてしまうという珍事まで起きてしまいました。見ているほうは面白かったけど。

 ようやくテグ夫妻の家に着いたのは7時。しかし、夫妻はまだ仕事から帰っておらず、家にいたのは先ほどの日韓交流仲間の三人。年頃の女性が三人揃えばなんとかで、とにかくかまびすしい。気後れした我々男二人は、荷物の整理なんかをして夫妻の帰りを待っていました。1時間くらいして夫妻(ジェホン・ウンギョン)が帰宅。1ヶ月前に日本で会って以来なので、喜びもひとしおというわけでもありませんが、とりあえず嬉しい。

 夫婦は菜食主義なので、今日はおとなしく家で皆で食事をして、静かに過ごすのだろうと思っていたら、「よし、飲みに行こう!」と声高らかに宣言されました。こうやって結局毎日飲みにいくことになるのね。しかし、皆さんの最大限の行為なので無駄にするわけにはいきません。肝臓が頑張れる限り。。

 アパートから15分くらい歩いて、居酒屋に到着しました。と、店を見て吃驚!昨日ウルサンでボソンとボソン弟に連れて行ってもらった店と同じ!!どうやら最近韓国で流行りのチェーンみたいです。この店、ウルサンもテグも中心部から外れた場所にあったので、その繁殖力の強さをうかがい知ることができます。

 ここは半分スポーツバーみたいなもので、店の大画面ではスポーツ中継を放送しています。今日は何と「巨人対楽天」でした。イスンヨプがいるからとはいえ、ゴールデンタイムに日本のプロ野球を中継する韓国には恐れ入ります。

 総勢7人で乾杯。テグ夫妻やその他の人がビールを頼む中、僕とオキ君の前には何故か「百歳酒」という薬酒があてがわれ、「これは軽いいじめか?」とも思ったものの、当然彼らが嫌がらせでそんなことをするはずがありません。長旅で疲れている僕らを気遣ってくれたのでしょう。しかし僕はビールが飲みたかったので、百歳酒のビンを空けたあとはビールを注文しました。

 昨日までのボソンと違い、日韓交流仲間の三人は英語を話さないので、こちらとしても片言の韓国語と身振り手振りで対応するしかありません。こういうときは意思疎通の限界を感じます。もう少し韓国語ができたならば。


<どうも有名チェーンらしい居酒屋>

<白菜とジャガイモのパジョン>

<豆腐チゲ>

<韓国版スルメ。コチュジャン付き>

 2時間くらいして店を出ると、今度は2次会へ行くという。もうどこまでもついていきますよ。2次会では新たなメンバーも加わり、楽しく飲んでいると、明日結婚式を控えた新郎新婦が登場!いやーおめでとう。ということで日本から持参した和菓子を手渡しました。結婚はおめでたいね。

 結局店を出たのは日付が変わった頃。家に帰りついたら速攻で寝てしまいました。


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