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2005年8月6日(土) 一日目 <出発、中央本線18切符の旅(松本、名古屋)、京都到着>
<出発吉祥寺〜松本>
ここ2,3年、帰省するときはいつも新幹線を利用していましたが、「たまにはのんびり帰ってみるかなあ」ということで、今回の帰省は青春18きっぷで移動して、途中京都にいるあおかつ君の家に寄ることにしました。
ただし東海道本線の東京—大阪間は何度も往復しているので飽きてしまったのが正直なところ。特に静岡県あたりを移動している頃は、乗車の疲れがピークに達してしまう上に風景が面白くないので(静岡のみなさん、すみません)、かなり退屈な時間になってしまいます。ということで今回は趣向を変えて、中央本線経由で京都に向かうことにしました。東京吉祥寺を出発し、長野県の松本を経て名古屋に向かい、そこから東海道本線で京都まで向かうと、そういうルートです。というわけで、吉祥寺の吉野家で豚丼並盛半熟卵を食べて、いざ出発。
吉祥寺発6時17分の中央本線下り列車に乗車。朝だから空いているだろうと思っていたら、既に結構混んでいました。土曜日だったからなのか、特に中高年の方が多い。背中にリュックを背負っている人が多かったので、多分山登りに行くのでしょう。
立川で甲府行きに乗り換え、高尾を過ぎた辺りから風景ががらっと変わってきます。高尾までは郊外通勤電車だった感のある中央線が、高尾から先は一気に行楽列車に変わったような雰囲気です。山登りに行くと思われるおじさんおばさんの人数もかなり増えていました。僕の隣に座ったおじさんはかなり山に慣れた感じの人らしく、高尾で乗ってきてからずっと寝ていたのに、目的地の2,3駅前になると急に目を覚まし、おもむろにバナナ2本を平らげ日焼け止めを塗りたくっていました。バナナをもくもくと食べる姿には驚いたけど、山登りには栄養価が高いバナナが欠かせないのでしょう。
そのおじさんが降りたのが塩山駅。特急通過待ちで10分ほど停まったので、僕も外に出て新鮮な空気を吸ってきました。2時間以上も電車に座っていると疲れてくるんでね。下の写真はその時の一枚。
<中央本線 塩山駅(山梨県)> |
8時45分、甲府駅着。ここで8時55分発の松本行きに乗り換え。途中小淵沢とか諏訪とかいった景色のよい場所を通るから、車窓を眺めて楽しもうと思っていたのだけど・・・疲れて寝てしまってました。まあ早起きしたから仕方がないか。
<松本と名古屋での寄り道>
吉祥寺を出てから約4時間半、長野県松本市に到着。松本で一旦改札の外に出て、観光するか昼食をとるかすることに。乗り継ぎが良い次の電車が12時3分発なので、松本滞在時間は約1時間です。ということは必然的に観光か昼食かを選ばなければいけません。
<松本駅> | <駅前メインストリート> |
松本の観光と言えば、何と言っても松本城。日本三大名城にも選ばれているし、国宝四城の一つです。城好きとしてはどうしても押さえておきたい場所ではありますが、松本城は駅から離れているところにあるし、じっくり見学していたら1時間では済みそうもない。悩んだ挙句松本城は諦めて、駅の近くで昼食をとることにしました。
その昼食は信州に来たのだからということで、蕎麦を食べてきました。これは「信州松本と言えば何と言っても蕎麦」という、何とも偏見に満ち溢れた思い込みによるものです。駅前のエスパ7階にある
「信州砂場」
という蕎麦屋で「冷やしぶっかけそば」800円を注文。具がたくさん。麺にこしがあってなかなかおいしかった。欲を言えば、もうちょっと冷えていればよかったけど。
<信州砂場の冷やしぶっかけそば> |
松本からは中央本線を上って名古屋へ。余談ですが、松本→名古屋は東京から見ると下っているのに、名古屋に向かっているので「上り」となるらしいです。上り下りの定義は難しいものがあります。松本で乗った列車は2両編成で、ドアは自分で開閉しなければいけないタイプ。田舎に来たと実感します。松本から名古屋までは山の中を通ること約4時間の長丁場です。
実はこの路線、高校の修学旅行で長野にスキーに行った時に通った路線でもあります。そのときは特急だったけれど、険しい山の中を走る線路はくねくねと曲がっているので、揺れを抑えるために「振り子式」が採用されている電車でした。でも振り子式であったにもかかわらず、揺れで気分が悪くなっている人が結構いた気がします。しかし車窓の風景は最高。眼下に川を眺めながら、急峻な山中を突っ走るので、これでもかというほど自然を満喫できます。今回は特急ではないので、振り子式でないのが心配でしたが、車窓の景色を眺めることができるので非常に楽しみにしていました。
・・・が、気付いたら寝てた。出発して30分、塩尻を過ぎた当たりからの記憶がありません。気がついたら乗換えなければいけない中津川というまで来ていて、本当に勿体無いことをしてしまったと後悔しっぱなしです。何か揺れが心地よかったんだな。振り子方式を採用していたら起きていたかもしれん。
中津川を過ぎたあたりからは起きていましたが、ここからはもう名古屋近郊電車になってしまいます。8月上旬の土曜日はいたるところで祭りがあるみたいで、浴衣姿の女性がたくさん乗ってきました。いやぁ、浴衣はいいね。そんなこんなで15時58分、ようやく名古屋に着。最初から東海道本線に乗っていれば既に京都に着いている時間です。でも今回は中央本線経由だから、4時にもなってまだ名古屋。
名古屋では一旦下車して、駅ビルをうろうろしてきました。いわゆるデパチカで味噌ヒレカツパンを買ったり、ブルーベリー&プルーンのジュースを飲んだり、ういろうを買ったり、モリゾー&キッコロを見たり。ただ、久しぶりに人が多いところを歩いたので、気分が悪くなったりもしました。人混みは嫌だね。
<名古屋駅のモリゾー&キッコロ> | <味噌ヒレカツバーガー> |
名古屋ショッピングを30分で終えて、再び電車へ。時間的に考えてあとは京都へ一直線です。名古屋で乗った米原行き快速ですが、名古屋大垣間はものすごく人が多くて参りました。考えてみれば土曜日の夕方だし、その上木曽川で花火大会があるらしく、そりゃ込むわってことです。結局大垣までは平日朝の井の頭線のように、黙って立っていました。
大垣を越えると乗客は急に少なくなります。そして後に残るのは大体18切符を使って旅や帰省をしている人。大きい荷物を見ればその手の人なんだとわかるようになりました。大体自分もその手の人だしね。でもって大垣米原間は電車の本数が極端に減るので、18切符を使った移動をしていると大抵ここが鬼門になります。今回は名古屋から米原まで直通だったのでかなり楽でした。
米原には17時38分に到着。ここでJR西日本の新快速に乗り換えれば、あとは京都に着くのを待つのみです。
<名古屋から走ってきた電車> | <夕暮れの米原駅周辺> |
<京都到着>
18時45分、ようやく京都駅に到着。日がかなり落ちてライトアップされ始めた京都タワーがきれいでした。131mの京都タワーは一見すると華奢ですが、応力外被構造という構造なので鉄筋のタワーよりも強度が強いそうです。
<京都タワー> |
京都駅から地下鉄に乗り、あおかつ君のアパートがある京都市役所前へ。地下鉄の発車ベルが京風(というか和音階)で、さすが日本の古都京都だと思いました。あと京都の地下鉄の車内灯って暗いような気がします。あれも古都をイメージしてるのかしら?そして一番驚いたのは料金の高さ。とはいっても横浜とか大阪の地下鉄も京都と同じくらいだから、東京が特別安いのかも。
7時半頃、市役所前であおかつ君と待ち合わせて彼のアパートへ。市役所から程近い、「夷川通り」にあるアパートです。あおかつ君は5階に住んでいるのだけど、アパートにはエレベーターがない!5階なのにエレベーターがないのは、建築基準法に違反するとかしないとか(あおかつ談)。でも部屋は広くていいアパートでした。というか市街地から近いというのが最大の利点です。夜遊びし放題じゃん。
一旦休憩して夕食へ。鴨川沿いの川床に行こうかという話になりましたが、あまりに値段が高いので断念しました。川床は一人最低7000円からで、貧乏学生の僕にとっては到底無理な値段です。結局は安く食べられる焼き鳥を食べに行こうとなり、歩いて三条通りへ。ちなみに京都は道が碁盤目状になっていて、その一つ一つに名前がついているというのは知っていたのだけど、実際に歩いてみると初心者にはどれがどの通りなのか全くわかりません。あおかつがいろいろと説明してくれましたが、初日の時点では何が何やらちんぷんかんぷん。
焼き鳥屋に向かっている途中にも、明らかに「一見さんお断り!」というオーラを出している店や、「おばんざい食べ放題どすぇ」とでもいいたそうな店もあったりして、「あぁ、京都に来たんだなぁ」と感慨に耽ったりしました。静かな通りに整然と構えている飲食店。東京とは大違いだね。そういう店を見ながら、焼き鳥屋が近くなってきた頃、ふと目に留まったのが一軒の居酒屋。京風家屋の一軒家で、一見するとめちゃくちゃ高級そうな感じの店でしたが、料金を見ると普通より若干高めなだけで、僕でも行けそうな雰囲気。ということで焼き鳥屋から路線変更し、勇気を出して入ってみました。
「心心」
という店です。
通されたのは2階の部屋。この店は、古い京風家屋の一軒家を買い取って、そのまま居酒屋にしたそうです。2階の部屋は畳敷きで最大20人くらいしか入れないので、静かで雰囲気も抜群。時がゆったりと流れているような感じです。あおかつ君と二人でちょっと感動してしまいました。こういう居酒屋は東京ではなかなかお目にかかれません。雰囲気だけでも、写真をどうぞ。拙い写真なので、雰囲気が伝わり辛いのが残念。
プレミアムモルツで乾杯し、京風のおばんざんを何品か。雰囲気がよかったこと、料理がおいしかったのもさることながら、従業員のお姉さん(お姉さんといっても、多分僕より年下)が素敵でした。「お仕事のお帰りですか?」と聞かれたので、いやいや僕は東京から遊びにきたのですよ、というと、「東京から!楽しんでくださいね」という凄く感じのいい返事をしてくれました。こうやって文字で書いてみると全くいい感じがしませんが、京都弁のイントネーションで話されるのともうたまりません。女性が京都弁を話すと柔らかい雰囲気が出ていいですね。僕はもうすっかりお姉さんの虜になってしまったよん。あと、これから鴨川に寄って帰るみたいな話をしたら、「鴨川ですかぁ、あの辺はチンピラが多いから気をつけてくださいね」と言われました。チンピラって。半分死語やん。清楚なお姉さんからチンピラって言葉が出てきたのが面白い。
とにかく、雰囲気と料理とお姉さん全ていい居酒屋でした。京都に行ったらまた絶対に行きたいお店です。
居酒屋を出たのが10時半。お姉さんの言うとおり、チンピラの皆さんに気を付けつつ、鴨川に寄ってきました。鴨川の河川敷では多くの人が花火をやったり愛を語り合ったりしています。本当にいい感じだった。都会の中に田舎がある、まさにそんな感じです。
<夜の鴨川> |
30分くらい鴨川を眺めて、あおかつ君のアパートへ。この後はもちろんお酒であります。第3のビールを飲み比べたり、芋焼酎を飲んだり、世界陸上での織田裕二の暑苦しさに突っ込みを入れたりしながら、明け方5時までゆったりと過ごしました。
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