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2005年10月27日(木) 一日目 <○竹のラーメン、清明神社>
<高速バスで京都へ>
ちょっとだけ時間ができたので、学期中にも関わらず京都へ行くことにしました。8月の頭に行ったばかりですが、京都はまだまだ見たいところが多い。何といっても世界遺産です。今回は4日間で寺社仏閣庭園名物と、ありとあらゆるものを過密気味に観光してみようかという、少しばかり無謀な旅行です。宿はまたまた京都在住のあおかつ君宅。
ただし、学生だから時間はそこそこあるけど、お金はあまりありません。そこで今回はいつもの様にリッチに新幹線で移動するのではなく、「青春ぬードリーム号」という、夜行バスの中でも料金設定が安い、いわゆる「格安バス」で行くことにしました。往復で9500円です。新幹線を使うと片道でも13000円くらいになってしまので、この差はかなり大きいです。でも安いということは、裏を返せば設備や時間の点で我慢しなければいけないわけで、この点はちょっと苦痛です。遠足で使うような2×2列のバスで、京都到着が朝の5時という恐ろしい早さです。でも安いから何も文句は言えない。。
というわけで、10月26日の21時10分、新宿南口にあるバスターミナルで「青春ニュードリーム号」に乗り込みました。余談ですがこのバスはJRバスが運行しているもので、JRは電車でもバスでも格安なものには「青春」という枕詞をつけています。「青春18切符」とか。「青春の時期なら多少安くても問題ない」というJRの裏心が垣間見えるようで何か嫌です。
さて、バスに乗むと、多少の狭さは感じるものの、そんなに窮屈というほどでもありません。まあ、これならゆっくり過ごせそうだ。よかったよかった。では明日の朝も早いし、早速寝ることにしよう・・・と思いました。
が、しかし。そんな僕の夢見心地を一瞬にしてぶち壊す事態が訪れます。
最後にバスに乗ってきた一人の男性、この人は僕の斜め後ろの席に座ったのですが、何かがおかしい。最初はハッカ飴を舐めているのかと思い、「バスの中でハッカなんか食うなよなぁ、全く。」と思っていたのですが、時間が経つにつれ、その臭いはそんなに生易しいものではないことに気付きはじめました。この特有の臭いは、まさか・・・。
そうなのです。彼から発せられるスメルは、いわゆる長い間風呂に入っていない人のスメルでした。一般的には公園に住んでる方と言ったほうが分かりやすいかもしれませんが、公園に住んでる方でも風呂に入ってる人はいるだろうし、家持の人でも風呂に入らなかったらそういうスメルになる可能性があるので、敢えてここでは「長い間風呂に入っていない」という表現を使わせていただきます。まぁとにかく臭いの何の。モウイヤダ・・・。
この男性の登場によって、バスの中は一瞬にして地獄になりました。「おれの京都旅行の船出が・・・ぎゃー!!」です。もう本当に涙が出そう。同時にこのやり場のない怒りを何処へぶつけていいかわからず、しかも8時間もこの密室にいなければならないなんて!気が狂いそうになる中、バスは京都へ向けて出発。しかも出発して程なく、その男性は靴下まで脱ぐもんだから、スメルはさらに爆発。バスが出発して10分で、本当に吐きそうになりました。何てついてないのでしょうか。僕は旅に出るといつも運が悪いのですが、さすがに今回のは酷すぎます。こんなんだったらおとなしく新幹線で行くべきだったよ・・・とほほ。
まあでもよく考えると、人間って勝手なものです。多分僕が傍観者だったら「そういう人を生み出す世間が悪い」とか何とか言った挙句、「そういうのは周りが我慢するしかない」とか言ってお茶を濁してしまうかもしれません。でも実際自分が当事者(=被害者)となると、悪いけど、「本当にどっか行ってくれっ!」と相手に露骨な嫌悪感を抱くから。人間って自分勝手だよなという自分自身への反省をしつつ、でもやっぱり「頼むから本当に何とかしてくれっ!」と思いながら、バスは中央道を西へと進んでいきました。
結局スメルのお陰でほとんど眠ることも出来ず、バスは明け方5時前に京都駅に到着。2ヶ月半ぶりに京都へ降り立った感慨よりも何よりも、ようやくあの殺人級の臭いから開放されたことへの喜びの方が勝ってしまいました。新鮮な空気ってこんなにおいしいんだね。空気は汚しちゃいけないね。まさに環境問題。
<朝の京都駅> |
<朝の京都で路頭に迷う>
まだ朝5時過ぎの京都。殺人級のスメルのお陰でほとんど寝られなかったのもあって眠気はピークですが、朝早過ぎるから交通手段がないのと、あまり朝早く行き過ぎると家主のあおかつ君に迷惑をかけることもあって、しばらく街をぶらぶらすることにしました。どうせ早く着くなら、早くから開いているところを観光しようと、事前に下調べしておいたのです。できる男、すぱくり。
ということで向かったのは、5時半から開いているという西本願寺。京都駅から西へ歩いて徒歩15分くらいのところにあります。ところが5時半になったのはいいものの、暗くて何処が入り口かわかりません。外周が広くて2キロくらいあります。ようやく門を見つけても、本当に入っていいのかわからない。小心者の僕は、ここで敢え無く退散しました。全く何やってるんだか。
仕方なく京都駅へ戻り、この時点で5時40分。無駄に40分も歩いてしまったので腹が減ってしまいました。明け方に腹が減ったらラーメンだよね、ということで、ラーメンを食べるべく、前から目をつけておいた店へ。8月に京都に行った時に、京都駅の近くにある「新福菜館」という有名なラーメン屋で食べたことがありますが、その隣にこれまた有名な「第一旭」というラーメン屋があります。この二店はどちらとも本店で、しかも朝早くから店を開けていることで有名な店。本店が二店揃って隣同士で営業という、非常に珍しい競争をしている店達です。事前に調べたところ「新福菜館」は開店が7時半、「第一旭」は開店が5時半ということだったので、今回は「第一旭」に行くことにして、意気揚々と歩いていきました。そして店の前に到着。
ところが、なぜか5時半を過ぎているのに、店のシャッターが閉まってます。おかしいな・・・と、よく見てみると、「木曜定休」の文字。あ、今日は木曜日だ・・・。営業時間は調べておいたものの、定休日までは把握していませんでした。詰めが甘い男、すぱくり。西本願寺に続いて、またしても挫折です。自分の不甲斐なさに少しうなだれながら、再び京都駅へ。運が悪いというか、ダメ人間というか、今回の旅行は最初から踏んだり蹴ったりではないか。。こんなことじゃ今回は先が思いやられるな・・・。
ようやく夜も白々と明け始めた頃。地下鉄も動き出したので、とりあえずあおかつ宅に向かうことに。でも何とかしてラーメンを食べたかったので、途中の四条で降りて、どこかで店を見つけることにしました。四条で降りて、四条通を河原町方面へ。四条河原町の交差点まで来たところで今度は北上し、京都市役所方面へ。今書いたところが京都の中心繁華街一帯になりますが、朝はほとんど人がおらず、清々しい通りです。途中に吉野家が「おいで〜、おいで〜」と手招きしていた(ように見えた)のだけど、ここはぐっと我慢して他の店を探すことに。京都まで来て吉野屋で豚丼食べたら、もう台無しじゃないか。
ようやく見つけたのが、「新福菜館」の河原町支店。しょうがない、新福菜館は二回目になるけど今回はここで手を打とう。本店と違って朝8時まで営業しているみたいなので、ちょうどよかった。前は肉大目を頼んだけど、今回は普通のラーメン650円を注文。ご丁寧にも、ご主人が朝刊を持ってきてくれました。なかなかサービスのいいお店です。
出てきたラーメンは下の写真の通りですが、前回(本店)のスープよりも若干色が薄いです。前回は塩辛すぎて大変な思いをしたので、今回も注意してましたが、食べてみるとこれが意外にあっさり醤油でした。うん、うまい。醤油のうまみが麺やネギに上手く染み込んでいる感じです。若干麺が伸び気味だったけれど、これはなかなか。じゃあ一体前回のラーメンは何だったんだろう?作り間違いかな・・・?ともかく、前回よりもよい新福菜館のラーメンを食べて満足しました。
<今回も新福菜館のラーメン> | <京都市役所> |
ラーメンを食べたら眠くなったので、急いであおかつの家へ。河原町通りを北上し(北上することを京都では「上る」と言うらしい)、京都市役所を右に見ながら進んで、7時前にあおかつ邸へ到着しました。2ヶ月ぶりに会うあおかつ君はちょうど寝ていたのだけど、聞いたら寝たのは5時だったそうな。それなら5時に着いて直接来てもよかったわけね。まぁでも寝るか、ということで、二人揃ってもう一度眠りの世界へ。臭くない上に、体を横にして寝られるって何て幸せなんだろう!と、ささやかな幸せに浸りながら、いつの間にか眠りに落ちていきました。
<○竹のラーメンと晴明神社>
ぐっすりと寝て、気が付くと午後1時前。目が覚めたころ、京都大学での授業が終わったこつこつさんがあおかつ家へやってきました。で、しばらく3人でぼんやり。こつこつさんは昼食用に近くのパン屋でパンを買ってきていて、そのパンが結構おいしそうなパンでした。聞けばすぐ近くに「進々堂」という京都では結構有名なパン屋の本店があるそうです。
あおかつとこつこつさんに、昨日のバスの中でのスメルの話をしたら、案の定二人から笑われました。しかも、片道5000円のバスというのはそんなに安くないそうです。もっと安いのになると、2000円くらいのもあるんだとか。「5000円のバスで、しかも臭い人がいるっていうのは最悪ですね」というこつこつさんの言葉が痛かった・・・。
さて、そうこうしているうちに時刻は3時過ぎ。バイトへ出かけるこつこつさんを見送り、残った男二人も街をぶらぶらすべく外出。この時間から本格的な観光はきついので、適当に歩いてみるかという感じで。まずは遅い昼食をということで、前回は定休日で食べることが出来なかった
「麺屋○竹」
に行くことに。あおかつ邸から徒歩3分という住宅地の中にぽつんとある店ですが、実は京都ではかなりの有名店らしく、いろいろな雑誌で取り上げられていました。知らなかった。あおかつ君によるとここはチャーシューがうまいということなので、それを楽しみにしていざ入店。
店内は思った以上に清潔な雰囲気。そして3時という時間にもかかわらずほぼ満席です。やはり人気店のようです。今回はラーメン750円の他に、焼豚飯230円も注文。旅では食べ物に妥協はしないので、食べたいと思ったものは何でも注文してしまいます。待っている間、厨房の中を見ていると、チャーシューをガスバーナーで焼いている様子が見えました。焼くと表面がこんがりして、いい味が出るんだよね。これは確かに楽しみになってきた。
そしてようやくお待ちかねのラーメンと焼豚飯が到着。どちらともかなりおいしくてびっくりです。ラーメンは魚出汁ということでしたが、透明感のあるスープで、油も見た目多い割にはそれほど油っこくありません。魚の自己主張が強いスープはあまり好きではありませんが、ここのスープはあっさりとした風味でいただくことができました。麺は中太麺でつるつるといけます。そしてチャーシュー。バーナーで表面を焼いているから香ばしさと歯ごたえはあるのに、中身はホロホロととろける。これは絶妙です。サイドメニューの焼豚飯は、サイドメニューで値段が安いからと侮ること勿れです。これが結構ボリュームがあって、しかもうまい。ラーメンと焼豚飯を両方食べたら、満腹になってしまいました。前回の東龍に続いて、間違いなく大当たりのラーメンです。いいもの食べさせてもらいました。ご馳走様。
<麺屋 ○竹> | <○竹のラーメンと焼豚飯> |
おいしいラーメンで満足した後は、散歩がてら西へ。西へ1.5キロくらい歩くと、「堀川通り」という大きな通りに出たので、堀川通りを北へ向かって歩いてみました。
<堀川通り> | <堀川通り商店街> |
堀川通りを北上し、商店街を抜けるとリサイクルショップがあったので入ってみることに。実は恥ずかしながら、環境サークルに属してリサイクル市とかやっておきながら、リサイクルショップに入るのは初めてです。あおかつはソファーを探していたみたいですが、ソファーの類は中古でも結構高いです。ただ、安いものは徹底的に安い。大体の価格帯を初めて知りました。個人的にはニンテンドーDSとソフト1本ついて10000円というのが気になりました。
リサイクルショップを出てもう少し北に行ったところにあったのが晴明神社。かの有名な陰陽師、安倍晴明をお祭りしている神社です。小さな神社で時間も時間だったかほとんど人はいませんでしたが、いつもは結構にぎわうそうです。確かにここ最近、陰陽師などで安倍晴明はかなりメジャーな存在になったからな。
ここでは折角なのでお守りを購入しました。いろいろある中で、「営業力・学力の向上守」を選びました。既に今の段階で必要なのは「学力」というよりも「研究力」なのだけど、それはまぁ置いておいて、陰陽五行の力を借りて様々なことを向上させることができないかなと。結局は他人任せになってしまうのだけど、お守りにすがりたい時だってあります。。お願いします晴明様。
<晴明神社> | <夕暮れなので本殿はちょっと暗い> |
<今日の夕食はおでんだよ>
晴明神社でちょっとだけ陰陽に触れた後は、日も暮れてきたので来た道を逆戻り。来年からあおかつ君がめでたく勤めることになった京都府庁を眺めたりしながら、家の近所にあるスーパーへ。今日の夜は家でおでんを食べよう!ということで、おでんの具や酒その他を買出ししてきました。購入額は全てで約6000円。結構買いました。そして7時前にアパートに到着しておでんの準備。とはいっても全てあおかつ君がやってくれました。本当に感謝感謝。その間僕は、テレビを見たりしてのんきに過ごしたり。でも何か申し訳ない気がしたので、「おでんと言えば日本酒だろ」という信念のもと、近くのコンビニに日本酒を買出しに行ってきました。でもこれが考えるとあとあといけなかったような気もします。
10時頃、ほぼ全ての準備が終わったということで、乾杯。今日は結局何だかんだで7,8キロ歩いたし、朝、昼とラーメンしか食べてなかったしで、染み込んでくるビール(正確には発泡酒です)がうまいっ!おでんはバイトが終わって帰ってくるこつこつさんを待つことにして、とりあえずおつまみとビールで疲れた体を癒しました。
こつこつさんは帰ってきた11時過ぎには、両者とも発泡酒を3本ずつ開けて、若干いい気分になってました。ここからはみんなでメインディッシュのおでん。それと共に日本酒。あおかつ君が作ってくれたおでんは味が染み込んでいてうまかった。それでもって日本酒におでんが合います。たまらんっ!日本人でよかった。・・・と思って調子に乗ったのか、気がつけばかなりの量の日本酒を飲んでしまっていました。日本酒は次の日に残るから恐ろしい。ということで、切りのいいところで日本酒を切り上げて、焼酎に移りました。大分麦焼酎の二階堂。これは一般的な麦焼酎で飲みやすい。
<あおかつ君が作ったおでんだよ> |
一通りおでんを食べ終わってみんなでテレビを見ていると、関西ローカルのバラエティー番組に空想科学読本の柳田理科雄が出ていてびっくりしました。さすが関西ローカル。関西ローカルの番組も結構面白いですね。東京ではたまにしか見かけない芸人が出ているから、結構新鮮です。「この人関東で見かけなくなったけど、こっちで頑張ってたんだな」というような。
お酒も入っていい気分になり、1時過ぎからなぜかぷよぷよ大会。僕はこのぷよぷよが苦手です。あおかつは言うまでもなく、こつこつさんと何度やってもコテンパンにされる始末で、これは練習しなければいかんと思いました。でもどうやら先を読まなければいけないパズルは苦手のようです。将棋も碁も好きだけど弱い、下手の横好きタイプ。ぷよぷよもそういう種類のパズルゲームだから、多分一生苦手でしょう。恐らくそういった右脳の働きが弱いのではないかと思います。
ぷよぷよの後は3人で桃太郎電鉄。ぶっ飛びカードを使ったら、故郷下関にぶっ飛ばされて若干嬉しくなったりしながら、明け方5時近くまで遊んでいました。
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