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東京見聞録
2005年10月28日(金) 二日目 <知恩院、八坂神社、円山公園、祇園を歩く>


知恩院>

 昨晩は少し飲み過ぎて、しかも朝5時に寝たのだから早く起きられるわけもなく、やっと目が覚めたのは12時過ぎでした。途中何度か目が覚めたものの、頭が痛くてどうにもならなかった。やっぱり日本酒は恐ろしい。今回の旅行の目的は過密スケジュールで観光する予定だったのに、一日目、二日目と既に午前中を無駄にしています。観光するなら午前中を有効に使わないといけないということに、二日目の昼にしてようやく気付いました。

 あおかつ君も二日酔いだったらしく、結局出かけたのは2時過ぎ。何をやっているのだか。2時からだとあまり遠くへ行っても仕方がないので、比較的アパートから近い東山を中心に見て回ることにしました。まず最初に向かったのは知恩院。三条通を東へ歩いて行くこと約20分。あおかつ君は家を出る前に昨日の残りのおでんを食べていたけれど、僕は昼食を何も食べてなかったので(まだそのとき食欲がなかった)、途中でマクドナルドへ寄ってハンバーガとマックチキンを買って食べました。せっかく京都に来ているのだから、食事は何としても京都ぽいものをと思っていましたが、この時点ではもう何食べてもいいやと、半ばヤケクソです。旅に来たら、その土地でしか食べられないものを食べるというのが、僕のモットーなんだけど・・・。目の前の食欲に負けてしまった。

 マクドナルドの看板は、普通赤地に黄色の文字で「マクドナルド」と書かれていると思いますが、京都は赤地ではなくて若干茶色地なんですね。これはあおかつ君によると、周りの街の雰囲気に合わせた、京都ならではの試みらしいです。落ち着いた街に赤地の看板があると目立ってしまうから、わざと地味な茶色系統にしているそうです。

 そんなことでようやく知恩院に到着。知恩院は浄土宗の総本山で、正式名称は「大谷寺知恩教院」というそうです。元々は浄土宗の開祖法然の布教の拠点であり、同時に亡くなった場であるという、由緒正しき寺院です。この知恩院には「七不思議」というものがあって、結構それを楽しみにして行ったところもあったのですが、工事中とか改装中とかで7つのうち3つしか見ることができませんでした。これは残念です。

 知恩院の見所はその七不思議の他に、現存する日本最大の楼門である「三門」、法然像が安置されている「御影堂」、書院風建築の「大方丈」「小方丈」などなどがあるみたいなのですが、「大方丈」「小方丈」は改装中で立ち入り禁止。その期限は何と平成23年・・・。この年は法然が亡くなってからちょうど800年の年。いろんな意味で長いです。


<知恩院 御影堂>
 
<七不思議1 忘れ傘>

<七不思議2 鴬張りの廊下>

<御影堂にある扉の細工>

<上から三門を望む>

<知恩院 三門>

 知恩院を一通り見終え、無料休憩所で一休みしていると、既に時刻は4時。「もう閉門するから早く出ください」という放送が流れ始めたので、そそくさと退散しました。4時10分閉門とはなかなか早いです。4時過ぎで閉まることを知らず、この時間から見学しようとして、急な階段を一生懸命登って、挙句の果てに頂上でストップかけられてすごすごと階段を下りてくる人が何人もいました。可哀想に。

 七不思議を全て見られなかったので、今度は改装が全て終わる平成23年にもう一度訪れます。

<円山公園と八坂神社>

 知恩院の隣にある円山公園へ。知恩院と八坂神社を結ぶ道がちょうど円山公園と考えればいいのかな?明治19年に造営された京都市最古の公園だそうです。花見の名所ということでしたが、少し色付き始めた紅葉もなかなか綺麗でした。夕暮れの公園を、男二人で散歩。廻遊式庭園なので若干の上り下りもあってなかなか素敵です。市民の憩いの場なんですね。


<円山公園>
 
<円山公園2>

<円山公園3>

<坂本竜馬と中岡慎太郎の像>

 円山公園を抜けると八坂神社。八坂神社は全国の祇園社の根本神社です。祇園祭と言えば八坂神社なわけで、地元のひとは「ギオンさん」と呼んでいるとか。基本的には厄払いの神みたいで、厄年に関する情報がそこかしこに溢れていました。あとは縁結びの神様もあったり。とりあえず後厄なので、厄払いの神にお参りしてきました。


<八坂神社 本殿>
 
<矢坂神社 西楼門>

<祇園を散策してみる>

 八坂神社の西楼門を降りると、目の前には祇園の街が広がります。これまでいまいち祇園が何処にあるのかはっきり知りませんでしたが、こういうところにある訳ですね。要するに四条通りの東の端一体が祇園なのだと始めて知りました。日も暮れ出して、もしかしたら舞妓さんに会えるかもしれんと思い、祇園を散策することにしました。  

 最初は四条通の祇園街を歩いていましたが、ここはいわゆる「想像していた祇園」じゃなくて、完全に観光地の祇園です。あぶらとり紙で有名な「よーじや」があったり、ちょっと洒落たカフェがあったり、行列のできる団子屋があったり。ここはここで面白いのだけど、折角来たのだから本格的な祇園を垣間見てみようと思い、細い路地に入ってみました。

 路地に入ると、表通りの雰囲気とは打って変わって、静かで落ち着いた情景が広がります。これこれ、これが想像していた祇園。古い京都の町家が広がる中に、電灯がぽつんぽつんと付き、明らかに「一見さんお断り」というような店がたくさん。ちょうど暗くなるかならないかという時間だったので、出勤(?)する舞妓さんにすれ違うかも、と期待したのだけれど、舞妓さんは一人もいませんでした。残念。


<祇園1>
 
<祇園2>

 祇園を30分くらいぶらぶらして、舞妓さんに会わないし、何となくこれでは寂しいと思ったので、ここはいっちょ奮発して祇園で買い物をすることにしました。おいしい鯖寿司の店があって、持ち帰りもOKということなので、そこで鯖寿司を買って帰ろうじゃないの、ということです。祇園で初めてのお買い物。しかも鯖寿司は一人前2200円ということなので、これはもう大きなお買い物。大奮発です。店は 「いづう」 というお寿司屋さんで、鯖寿司で結構有名らしいので、てっきり店も大きいのだろうと思っていました。ところが10分くらい彷徨ってようやく店を見つけて唖然としました。店はすごく静かな通りにぽつんと小さく佇んでいます。

 「これは・・・入っていいんかな・・・??いややっぱりジーパンしか履いてない20代前半の男が二人で入るようなところじゃないよな、やめておこうか・・・いや、でもここまで来たんだし、旅の恥は書き捨てっていうじゃないか、買っちゃえばいいじゃん、いやいや待て待て、もし入って『一見さんにはお売りできまへん』とか『一人前だけではお売りできまへん、お帰りやす』って断られたらそれこそ恥ずかしいじゃないか、やっぱりやめておこう・・・」

 僕は一人でパニックに陥ってしまい、店の前をウロウロする始末。自分が一番嫌いな優柔不断男になってしまいました。見かねたあおかつが「いいじゃん、入ろうよ」と後押ししてくれなかったら、ホントに尻尾巻いて逃げてたかもしれん。それほど圧倒的な雰囲気だったというわけです。結局おそるおそる店に入ると、店内はかなり狭く、そして驚くほど静かでした。それこそ店はテーブル席だけで、僕の部屋の広さくらいしかありません。先客の方が3人いたのだけど、これまたご年配の方々で静かに京都と鯖寿司を満喫していらっしゃる様子でした。やっぱり恐い。。

 おどおどしていると、お店のおかみさんが登場したので、「持ち帰りしたいんですけど・・・」と緊張しながら聞くと、「何人前でしょうか?」と聞かれました。これはもしかしたら一人前お断りなのか・・・?と思ってしまい、「すみません、1人前でも大丈夫でしょうか、すみません」と、なぜか最初と最後に二回謝る始末。それを聞いたお上さんは苦笑しながら「大丈夫ですよ、でも一人前で大丈夫ですか?」と、なぜかジャブを浴びせていらっしゃいました。ついつい「やっぱり一人前じゃまずいですか?」と聞いてしまいました。するとお上さんは「いやいや、男性二人だから一人前で足りるのかなと思って」と。そこまで心配してくださらなくても結構ですよ。貧乏学生と無職なので、一人前を二人で分けて食べるのです。ということでようやく2200円の鯖寿司を購入しました。ああ、緊張した。

 祇園は恐いところだね。というか自分の作った幻想の世界に負けてるね。 

<今日の夕食は焼鳥だよ>

 鯖寿司は帰ってから食べることにして、今日の夜はこつこつさんがいないので外食しようというで、あおかつ君が前から気になっていたという焼鳥屋へ行くことになりました。祇園から北へ歩いて丸太町通りへ。着いた焼鳥屋はプレハブとブロック塀で立てたような簡素なつくり。店の中が狭いので、外の駐車場のようなところにも席があり、そこで食べることに。外にあるので、通りを通る人からよく見えます。あおかつはいつもこれを見ていて、一回食べに来てみたいと思っていたそうです。

 値段表がなかったので若干どきどきしましたが、とりあえず瓶ビールと焼き鳥数本を注文。瓶ビールというのが、赤提灯の飲み屋みたいでいいね。そして焼き鳥は一本当たりの量が多くてうまい。豪快な焼き鳥でした。焼き鳥の写真を撮り忘れてしまったので、最後に注文したししとうの写真しかないのですが、それでも下の写真を見てもらえれば分かるとおり、ししとうも一つ一つがでかい上に、一串7本という多さです。ボリューム満点。


<ししとう>

<おどろおどろしい京大熊野寮>

 結局二人でビール大瓶4本、焼き鳥を計24本くらい頼んで、腹を膨らませて店を出ました。一人12本と言っても一般的な店の量に換算したら20本くらいいってるんじゃないかというくらい多かった。肝心の会計は一人当たり約4000円。一串150〜250円といったところでしょうか。ぼったくりじゃなくてよかった。これなら満足です。

 若干ほろ酔い気分で店を後にし、アパートへ。途中に京都大学の熊野寮というのがあったので、じろじろ覗いてしまいましたが、古さと汚さは今は亡き駒場寮に匹敵するくらいのものでした。京大にはまだこういう学生寮が残っているのね。ちょっと羨ましい。

 アパートに戻ると、ビールの程よい酔いと満腹感、疲労感で、二人ともいつの間にか寝てしまっていました。そして2時間ちょっと寝て、起きたのは11時頃。テレビを見ながら、さっき買った鯖寿司をば。


<いづうの鯖寿司>

<切り口が素敵>

 鯖寿司は2200円もしただけあって、本当においしいです。上品な味。最初昆布も一緒に食べるのかと思って食べたら、どうにもこうにも昆布が噛み切れないので、何だこの食べ物は!と憤慨したのですが、御召し上がり方の説明書を見ると「昆布をとってお召し上がりください」と書かれていたのでした。早とちりね。というかこの量で2200円なら、結構お得なような気もしてきます。一切れ当たりの量が思った以上に多いから、六切れ食べたら腹一杯になります。高いことは高いけど、本物を知るという意味では良い買い物だったかもしれません。。

 この後は二人でウィニングイレブン7をしながら、酒は飲まずに2時前に就寝。明日こそは朝早く起きて観光しようと誓いました。


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