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東京見聞録  
2007年3月3日() 一日目   <松島(牡蠣、五大堂、瑞巌寺、遊覧船)、鳴子温泉>


仙台へ>

 毎年恒例となった学部時代の学科のみんなとの「卒業旅行」。もはや卒業する人は誰もいないけれど、今年も決行です。一昨年の日光・湯元温泉、去年の白川郷・飛騨高山に続き、今年は仙台・松島・鳴子温泉となりました。宮城県には行ったことがないので、かなり楽しみでした。ただ今年は予定が合わなかった人も多く、ちょっと寂しい5人(1人は途中合流)の旅。

 朝8時30分、東京駅八重洲中央口に4人が集合。今回も個人的に先週使った「土日きっぷ」を使っての移動です。8時56分発の「はやて9号」に乗り、一路仙台へ。はやては全車指定席で、東京を出て上野・大宮に停まったあとは、どこにも停車せずに仙台に着くらしく、東京から仙台までわずか1時間40分です。仙台ってそんなに近いのね。

 時刻表で調べたら東京−仙台間が352kmで、東京−名古屋間の366kmとほぼ同じ。東京−名古屋間は速達の「のぞみ」で1時間40分。東海道新幹線の品川(東京から6km)・新横浜(同じく29km)を東北新幹線の上野(4km)・大宮(30km)と考えたら、名古屋・仙台までは両者が非常によく似ています。僕は東海道新幹線にはよく乗るものの、東北新幹線は先週初めて乗った初心者なので、その似っぷりに驚きました。

 今年は行きの電車の中でビールを飲むことなく、みんなの最近の生活を話して過ごしました。社会人2人、院生2人だったけど、やっぱり社会人って忙しいんだね。毎日終電近くで帰るというのは僕には多分できません。院生も精神的には大変なんだろうけど、まだそっちのほうが僕にはあっているかもしれない。

 10時37分、仙台駅に到着。改めて思うけど、本当に速い。「東北の首都・仙台」、ついにやってきました。東京では曇っていた天気も、北へ進むにつれて晴れてきて、仙台は眩しいほどの青い空!


<仙台駅ホームとはやて>

<仙台駅は朝から混雑>

 今日はまず仙台から仙石線(仙台石巻線)に乗って、日本三景である松島へ行く予定です。しかし乗り換え時間が少しあったので、仙台駅の内外をしばらくうろうろと見物しました。噂通り、仙台の街にはタクシーが多いです。駅前はタクシーで埋め尽くされています。あと駅の周りはビルで埋め尽くされていて、やっぱり仙台はかなりの都会です。少なくとも小倉以上だね。実際仙台は人口100万を超えたのに、北九州は100万を割ったから、勢いの点からしても全然違うのかも。


<仙台駅前のタクシー>

<仙台駅在来線コンコース>

<日本三景 陸奥の松島>

 仙台駅で時間を潰し、11時8分発の仙石線快速に乗るべく仙石線のホームへ。仙石線の終点である石巻は漫画家・石ノ森章太郎の生まれ故郷であり、石巻は石ノ森漫画で町興しをしているというのは聞いたことがありました。どうやらその波が仙台のほうにも及んでいて、仙台駅の仙石線に近いコインロッカーにも石ノ森漫画がペイントされていました。そもそも港町って漫画家が輩出される土地なんでしょうか?境港の水木しげる、氷見の藤子不二男A、そして石巻の石ノ森章太郎と、偶然にしては凄い。


<コインロッカーに石ノ森漫画>

<仙石線へ>

 仙石線ホームはかなり地下深くにありました。長い長いエスカレーターを下っていくのは大江戸線のようです。これは帰りの乗り換えが面倒くさそうだな・・・と思っていたら、後で実際大変なことになります。

 11時8分発の快速に無事乗車。天気のいい土曜日の午前中ということもあって、電車は結構な混雑です。僕達は座ることが出来ず、仙台郊外の風景を眺めていました。途中で通過した塩釜とか多賀城とか、機会があれば一度行ってみたい。

 11時34分、松島海岸駅に到着。ついにやってきた日本三景・松島。宮島、天橋立と来て、個人的にはいよいよ最後の日本三景です。駅を出るとおじさんが「遊覧船の券はここで販売してますよ〜」と必死に言うので、釣られて(?)先に購入。1400円で50分の遊覧だそうです。松島に行ったら是非とも遊覧船に乗りたいと思っていたので、これは楽しみ。

 遊覧船は後で乗ることにして、まずは昼食。松島は超有名観光地なので、飲食店が数多あります。でも観光地だと値段だけ高くて味は最悪、なんてことも多々あるので、ここは石橋を叩いて渡る勢いで、出発前にインターネットでいろいろと評判や口コミを検索しておきました。旅行先で不味い飯を食うことほど不幸なことはないので。そして辿り着いた店が 「さんとり茶屋」 。どこのページを見ても高評価だったので、ここなら多分間違いないだろうと思い、ぐるなびの「生牡蠣or焼牡蠣をお一人様に一つずつサービス」クーポンを印刷して持参したのでした。これで用意周到抜かりなし。問題はみんながその店に賛同してくれるかだったけど、皆さん心優しく「いいよー」と言ってくれました。どうもありがとね。

 さんとり茶屋近くにある飲食店は、店のおばさん達が必死に呼び込みをしていたのですが、さんとり茶屋は呼び込みを一切やっていません。それでも昼前にして人が集まっています。やっぱりおいしいところには人が集うものなんですね。周りの店はこの店に客取られてんだろうなーと思った一幕でした。僕らが入店したのは12時前だったけど、すぐに2階の座敷は満席になりました。多分その後に来た人は「満席です」と言われて渋々諦めたことでしょう。

 席について、旅行なのでとりあえず皆で生ビールで乾杯。土曜日の昼間から松島を見ながらビールを飲むなんて、何て贅沢なことか。そしてすぐに持参のクーポンで頼んだ生牡蠣・焼牡蠣がやってきました。見た瞬間、その生牡蠣の大きさにびっくり!牡蠣ってこんなに大きいのか・・・。いつも鍋で食べている牡蠣の少なくとも3倍はあります。レモンを絞ってつるりと食べると、これが本当においしいのよ。このおいしさを表現する能力がないのが残念ですが、頑張って言うと、口の中に潮の香りが広がる感じ。レモンしかかけてないのに、海水由来の塩味が効いていて、このおいしさはうっとりします。生牡蠣ってこんなんだったのかー・・・。松島に来てよかったっ!ちなみに普通に生牡蠣を4個注文すると1000円以上するので、クーポンがあってよかった。というか1000円分もクーポンでサービスしてくれるなんて太っ腹だ。

 その後は僕はカキ三昧定食を、他の3人は鮮魚丼を注文。カキ三昧定食は1890円もするけど、旅行なので構いません。せっかくだから松島のおいしいものを食べなきゃ。旅行先で不味い飯に出会うことほど不幸なことはないので。

 カキ三昧定食は期待に違わず、というか期待以上でした。焼牡蠣2つに牡蠣フライ3つ、ポン酢で味付けした生牡蠣が4つ。どれもこれもおいしい。いつも食べている牡蠣と比べると、味が濃厚です。あと特筆すべきはご飯がめちゃくちゃおいしかった。どんなにおかずがおいしくても、ご飯がべちょべちょだったり不味かったりするとげんなりするものですが、ここのご飯は硬さ・味とも抜群でした。このご飯があるから食も進みます。ということで最初の生牡蠣から始まった牡蠣のフルコース、本当においしかった。ちゃんと調べておいただけのことはありました。


<クーポンで手に入れた生牡蠣>

<牡蠣三昧定食>

 食後は有名な五大堂へ。五大堂は坂上田村麻呂が毘沙門堂を建立したのが始まりで、伊達政宗が再建したのが今に伝わっているそうです。建物と赤い橋のコントラストが期待を裏切らない風景でした。赤い橋はちゃんと歩かないと足がはまるほどの隙間が空いています。はまったら危ないね。


<五大堂と橋>

<五大堂>

<五大堂>

<五大堂から福浦橋を望む>

 続いては伊達氏と縁の深い瑞巌寺へ。瑞巌寺の起源は800年代と古いもののその後荒廃し、それを伊達政宗が再興したそうです。五大堂と言い瑞巌寺と言い、伊達政宗はすごいね。瑞巌寺参道には松尾芭蕉が休憩しています。


<腰掛ける松尾芭蕉>

<瑞巌寺入り口>

 瑞巌寺の参道は杉並木になっていて、なかなか雰囲気があります。杉並木の右を見ればいくつも洞窟があり、そこではお坊さんが修行したりしていたらしい。


<杉並木>

<ここから先は有料>

 杉並木を抜けると、そこから先は有料地帯。入場料700円だったけど、その販売方法が自動販売機でした。。永平寺もそうだったけど、寺にも機械化の流れが押し寄せているのでしょうか。僕は自動販売機で買ったけど、他の3人は納得がいかなかったのか有人の販売所で購入していました。その気持ち、分かる。

 瑞巌寺には国宝・重要文化財クラスの建物が多く、なかなか見ごたえがあります。特に本堂の中は一般的な寺とは一風違う造りで、仏間だけではなく藩主御成りの間や家臣の詰め所があったりして、さながら武家屋敷のようにも思えます。もしかして伊達政宗は青葉城が何かあったらこの寺に逃げようと思っていたのか?(ちなみに本堂の中は写真撮影禁止なので写真がありません。)


<本堂(国宝)>

<赤い梅と白い梅>

<廊下(国宝)>

<庫裏(国宝)>

 見学後は付属の博物館をさらっと見て再び松島海岸駅へ。ここで名古屋からやってきたK君と合流し、皆で遊覧船へ。この遊覧船、50分で松島付近を一周するものです。最初のうちは席に座ってテープで流れる解説を聞きながら窓の外の風景を見ていたものの、座っていたら気持ちよくて眠ってしまいそうでした。ということでデッキに出て潮風に吹かれながら松島の風景を眺めてみることにしました。

 デッキに出ると、ものすごいカモメの数が目に飛び込んできました。。カモメが凄い勢いで並走(この場合並飛?)しています。そしてかなりの人がカモメにエサをやっています。船は結構なスピードを出しているはずなんだけど、エサを目当てに大量のカモメが並走するもんだから、カモメがふわふわと宙に浮いているという不思議な感じでした。だから船内でカモメのエサを売っていたのか。カモメのえさはかっぱえびせんだったけれども。。あとカモメは目が恐い。

 カモメは賢くて、デッキのぎりぎりを飛んでいるものの、絶対に中には入ってきません。毎日何回もやってるから、その辺のことは覚えてしまったんでしょう。かっぱえびせんを投げると、空中でうまい具合にキャッチし、これはもはや観光客を楽しませる一種の名人芸になっていました。ということで最初は面白がってカモメにエサをやったり眺めたりしていました。

 ただ時間が経つに連れてだんだん飽きてきます。だって本当は松島の景色を堪能しに来たのだから。「日本三景」といわれる素晴らしい景色を見に来たというのに、なぜカモメに視界を遮られなければならないのか。そう思うと腹立たしくなって仕方ありません。大人たちは次第にみんな飽きてきたのか、クルージングの後半になると船の中へと戻っていきました。でも子供達はキャッキャキャッキャ言いながら、デッキを走り回り、ひたすらカモメにエサを与え続けています。こらガキ!いい加減静かにせぃ!お前達のせいでカモメが寄ってくるから、この素晴らしい景色が見られないじゃないか!・・・と言うこと何てできるはずもなく、じっと我慢しました。イライラは募るばかりです。ああいうときは「もうやめなさい」と親が止めるべきなのに。最近の親は一体何をやっておるのか!!

 ということで松島遊覧船で撮った写真はカモメと風景のミクスチャーとなってます。とりあえず写真をいくつかどうぞ。


<鐘島>

<仁王島>

<何と言う島か忘れた>

<海から五大堂を>

<群れをなすカモメ>

<遠くに見える仙台火力発電所>

 まあ実際カモメがいなくて風景だけ見たとしても、果たしてそれほど感動したかは微妙なところです。船からは一つ一つの島を見て、その解説を聞いて、の繰り返し。確かに面白い形をした島はたくさんあるのだけど、それだけを独立してみるのは果たしてどうなのかと。松島というのは海も島々も陸も木も寺も全体としてまとめて「松島」だと思うのです。宮島の鳥居と社殿を遠く船から見て、または天橋立を上から俯瞰して見て感動するように、松島も全体を俯瞰して見ないと日本三景と言われる絶妙な調和がわからないような気がします。今回は船から松島の各「構成要素」を見ることが見ることを出来てよかったけど、今度は高いところから全体として統合された松島を見てみたいと強く思いました。

 遊覧船から降りて、これで松島観光は終了です。仙台へ戻るべく松島海岸駅へ。駅までの途中、どこかで「カキソフト」でも売ってないかなぁと目を凝らして探してみたものの、そんなものを売っている店はどこにもありませんでした。キワモノソフトを愛する身としてはちょっと残念。松島の皆様、もし何かの手違いでこの文章を読まれてましたら、是非ともカキソフトを開発するよう御一考を。

<鳴子温泉へ向かう>

 4時2分の電車に乗って再び仙台へ。今日はこれから仙台で新幹線に乗り換えて一駅先の古川駅に行き、古川駅で在来線の陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉へと向かいます。

 仙台へ戻る仙石線の中で時刻表を確認してみると、この電車の仙台着が4時39分。古川行きの新幹線は仙台発4時42分。その次が1時間後の5時42分。4時42分の新幹線に乗れば鳴子温泉着が6時前になるけど、1時間後の5時42分の新幹線だと到着は7時前になってしまいます。さらに仙台で1時間の時間を潰さなければなりません。試しに携帯の乗り換え案内で検索してみると、仙台での乗り換え時間は「63分」と表示されました。つまり乗り換え案内は3分で乗り換えることは不可能だから、5時42分の新幹線に乗りなさいと言っているようです。

 しかしここでの1時間ロスは大きい。1時間早く着けば、その分温泉でゆっくりとできます。この1時間を無駄にしないためにも、我々は走ることを決意しました。3分での乗り換えは最初から不可能なのかもしれません。でもやってみなければ可能か不可能かはわからない。我々は不可能を可能にするという目標を持った学科を卒業したじゃないか。よし、やろう。・・・と皆が思ったかどうかは不明ですが、僕は走る気満々になりました。

 そして4時39分、仙台駅到着。ドアが開くと同時にダッシュ。乗っていた車両がよかったのか、ドアが開いた目の前がエスカレーターで、人を掻き分けてエスカレーターを駆け上がりました。そして難なくエスカレーターの頂上に到着。お、これなら間に合いそうだ。・・・と思って左に曲がると、目の前にさらに長い長いエスカレーターが。そうだ、仙石線ホームって地下深くにあったんだっけ・・・。行きは下りだから意識しなかったけど、上るとなると相当な長さです。しかし走って上らなければいけません。めちゃくちゃ長くてきつい。何とか上りきったらもうへとへとです。心臓がバクバクいってます。

 しかしここで立ち止まるわけにはいかず、次は新幹線ホームを目指さなければいけません。仙石線と新幹線改札はコンコースの両端同士にあるので、コンコースを端から端まで走りました。コンコースを疾走する5人。この時点で時計は4時41分を示しています。果たして行けるか??

 僕が新幹線改札を通った時点で4時41分30秒。少し遅れてHY君、もう少し遅れて3人。ホームへの階段を駆け上ろうとしたそのとき、プルプルプルプル〜という発車音と、車掌の「やまびこ号盛岡行き、発車します。閉まるドアにご注意ください〜」という声が聞こえてきました。というか、「ご注意ください〜」の辺りで3分の2は上りきっていたものの、「あぁ、これはもう駄目か・・・」と思いました。せっかくここまで頑張って走ったのに、結局駄目なのかと。

 それでも一応最後の力を振り絞って階段を上りきると、新幹線の乗車口はまだかろうじて開いていました。そしてホームの少し離れた場所にいた駅員さんが、駆け上ってきた僕を見ている気がしました。これはもしかしたら行けるかもと思い、とりあえず新幹線に飛び乗ったものの、問題はみんなが来ているか。僕は女性陣にも気を使わず、なりふり構わず走ってしまったからな・・・と思ったら、10秒くらいしてみんなやってきた!そして何とか全員滑り込みセーフ。・・・間、に、合、っ、た、・・・。

 ということでミッションコンプリート。3分での乗り換えに成功しました。途中の長い長いエスカレーターにも諦めず、最後まで全力を尽くしたのはさすが相関のメンバー。あと仙石線のドアがエスカレーターの目の前だったり、新幹線ホームで駅員さんが気を利かせてくれたりと、かなり運がよかったのもあります。ともかく、みんなお疲れ様。でも3分で乗り換えるってちょっと無理があったな。皆さんにはあまりお薦めできません。

 新幹線に乗って席を見つけて座っても、まだみんな息があがっていて、本当にぐったりでした。僕にとってここ1年くらいで一番激しい運動だったので、多分みんなもそうだったと思います。車窓を見る余裕もなく、本当にぐったりでした。あとめちゃくちゃ一生懸命走ったけど、そういえば僕は喘息持ちだったことを新幹線に乗ってから思い出しました。今日は体調がよかったから何ともなかったけど、体調がよくて本当によかった。仙台−古川間はわずか15分程度だけど、この15分がとても長く感じました。。そんな中流れたのは、宇多田ヒカル離婚のニュース。びっくりした。

 まだ息があがっている状態で古川に到着し、ここで陸羽東線に乗り換え。陸羽東線は「奥の細道湯けむりライン」という愛称がついています。というか調べてみるとJR東日本の東北地方の支線にはいろんな愛称がついています。陸羽西線は「奥の細道最上川ライン」、大船渡線は「ドラゴンレール」、この前乗った磐越西線は「森と水とロマンの鉄道」、釜石線は「銀河ドリームライン」と、とりあえず愛称というか別称がつけられまくってます。多分振興を図る意味があるとは思うんだけど、なかなか覚えられません。

 陸羽東線に乗って、宮城県北部を東へ。一面に広がる水田がローカル線に乗っている雰囲気を醸し出してくれます。そして田んぼに沈み行く夕日がこれまたきれい。新幹線に間に合わなかったらこのきれいな景色を見ることができなかったに違いない。一生懸命走ってよかった。


<陸羽本線に乗り換える>

<田んぼに沈み行く夕日>

<鳴子温泉>

 6時前に鳴子温泉駅に到着。雪が積もっているかもとかすかに期待してたけど、全く積もっていませんでした。駅を出ると今日宿泊する「ゆさや旅館」の方が送迎にきてくれていて、車に乗って宿へ。聞けばやっぱり今年は雪が少ないらしいです。どこまでも暖冬なんですね。

 今回宿泊する 「ゆさや旅館」 は鳴子温泉の中でも一番歴史のある旅館で、その創建は1632年だそうです。建物自体が国の登録有形文化財に指定されていて、内部はかなり趣があります。新しい宿ではないので機能面や綺麗さでは劣るけど、その分味があります。部屋にトイレも新しい暖房もない。でも個人的にはこういう宿が好きです。時間から取り残された感じがたまりません。


<ロビー>

<ロビーその2>

<こけしがお出迎え>

<こけしの雛人形(今日はひな祭り)>

 ゆさやの名物といえば、アルカリ性の「うなぎ湯」。これを楽しみにしていました。ただ男が大浴場を使えるのは夜8時までだったので、一旦部屋に荷物を置いてからすぐに大浴場へ(女性陣は隣の共同浴場である「滝の湯」へ)。先客が2人いましたが、程なくあがり、僕らの貸切になりました。早速体を洗ってからうなぎ湯へ。おぉ、確かにぬるぬる。源泉かけ流しなのでちょっと熱いけど、我慢すると慣れてきて、非常に気持ちがいいです。ぬるぬるぬるぬるぬるぬるぬるぬる・・・肌がすべすべになる前に、何かとろけそう。1時間遅かったらこの大浴場に入れなかったわけだから、走ってよかった。


<うなぎ湯(大浴場)>

 しっかりとうなぎ湯を堪能してからは夕食。ここの宿は部屋食が基本ですが、5人だと僕らの部屋に入りきらないということで、空いている隣の部屋で食べることになりました。面白い仲居さんとのやりとりののち、サービスで「遊佐物語」というオリジナルの日本酒がサービスされ、これがなかなかおいしい。後はビールを飲みながらの食事をいただきました。今回のメインは写真左上の「合鴨の山菜味噌炊き鍋」ですが、合鴨はあまり僕の口に合わないみたいです。おいしかったけど、積極的に食べようという気にはならないかな。一番手前にあるのは仲居さん曰く「あさつきの野生化したものの味噌和え」で、これはおいしかった。


<ゆさやの夕食>

<デザート>

 夕食後は貸切露天風呂をとってもらっているということなので、一息ついてから入ってきました。宿を出て少し歩くと、山の中腹に露天風呂がありました。ここは最近出来たらしく、ゆさやの中で唯一ウォシュレットのトイレがあったりします。温泉は広くて開放感があって、とても気持ちよかった。少し熱かったので水でうめたらいくらでも入っていられそうでした。しかし制限時間は30分。これは紅葉の綺麗な季節の夕方に来たら本当にいいだろうな・・・。


<露天風呂「茜の湯」>

 温泉を堪能した後はもちろん飲むことに。去年、一昨年と深夜遅くまで飲んでいたけど、今年はみんな社会人と大学院生になって疲れているのか、1時前にお開きになりました。僕も夕食で結構ビールを飲んだので、このときは日本酒をちびちびとしか飲めなかった。いや、今日は走ったから無理もない。みんなお疲れ様。社会人をやっている友達の話を聞くと、自分とは違う世界の話なのでとても面白いと同時に、「自分も頑張らないとな」と思わされます。

 飲み終わってからはそのまま寝てもよかったけど、せっかくなので一風呂浴びることにしました。この時間なら誰も入ってはいまい、と一人で小浴場へ。男性は夜8時からチェックアウトの朝10時まで、小浴場しか使えないのです。でもお湯は大浴場と同じぬるぬるのうなぎ湯。案の定誰もいなかったので、一人気楽に羽を伸ばして入ってきました。貧乏性の僕にとって、一人で入るならこのくらいの規模の風呂の方が落ち着いて好きです。


<うなぎ湯(小浴場)>

 20分ほどぬるぬるして、さっぱりした後で部屋に戻って就寝。1時過ぎに寝ることができるなんて幸せ。


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