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東京見聞録
2006年3月17日(金) 一日目 <羽田空港出発、出雲泊>


<山陰へ>

 午後3時。学校での用を終え、羽田空港へ。今回の旅行先は山陰です。

 山口県に生まれ育ったのに、何でわざわざ東京から山陰へ?・・・と思う人もいるかもしれません。でも、僕が生まれ育ったのは本州の西の端、下関。下関から山陰地方の島根・鳥取へは、実は非常に交通アクセスが悪いのです。例えば下関から鳥取まで行こうとすると、新幹線と特急を駆使したとしても、5時間くらいかかります。これは下関—東京間を新幹線で移動する時間と同じ。距離的には近くても、時間的には非常に遠い場所、それが僕にとっての山陰でした。「近くて遠い県、島根・鳥取」というわけ。でも同じ中国地方としてそれでは寂しいので、「今まで知らなかったご近所さんの様子を垣間みてみよう」と思い、山陰に旅立つことにしました。

 4時、羽田空港着。予約いていた便は、18:30発のJAL出雲行き。一本前の便に乗れるかも、と思って早めに来てみたものの、ちょっとの差で飛行機は出発してしまいました。無念です。仕方なく予定通りの便に乗ることにします。

 まずは航空券を購入。ここのところの原油高で、航空運賃は値上がりする一方です。三年前は26,000円だった料金が、今は29,600円だって。たまんないね。定額で行ったのでは高くて話にならないので、今回も使うのは株主優待券。この魔法の券を使うとあら不思議、料金が半額になります。

 そして今回はさらに、今まで頑張って貯めた1万マイルを15,000円のクーポンに変え、それをも使います。つまり、定額29,600円が株主優待で14,800円になり、さらにそれを15,000円のクーポンで買う → タダ!! なのであります!ありがとう、株主優待券をくれた優しい方と、こつこつマイルを貯めた以前の僕・・・。

 そんなわけで航空券を無事入手しました。あとは出発を待つのみです。しかし、まだ出発の時間までは2時間以上もあります。この時間を利用して、羽田空港のデッキに出てみることに。「スカイデッキ」というらしいですが、なかなかいい景色だね。無数の飛行機が並んでいる姿は圧巻だ。

 最近第2ターミナルができた羽田空港ですが、第1ターミナルのデッキからもその第2ターミナルの飛行機を見ることもできました。ポケモン一色に塗装された飛行機が着陸して、その色使いにびっくり。なんだ、あのけばけばしい色は? 


<第一ターミナル JALの飛行機>

<向こうは第二ターミナル、ANAのポケモン>

 前日に新北九州空港が開港し、新しい航空会社が就航したこともあって、北九州発の全身黒い飛行機も飛んできました。何でもカラスをイメージしているということですが、その姿は異様です。空から黒い物体が降ってくるのは何と恐ろしいことか。やっぱり飛行機は白を基調にしていただきたい。

 次々に着陸・離陸する飛行機をしばし眺めていたものの、東京湾の海風は身にしみます。寒いので一旦退散。しかし今日は雲ひとつない快晴。空港から東京湾に沈み行く夕日を見たかったので、太陽が沈む時間を見計らって、あとでまた来ることにします。

 空港にあった本屋で時間を潰し、再び展望デッキへ。余談ですが、空港内の本屋では、店頭に『JALが危ない』とか何とかいう本がお勧めですっ!という感じで平積みにされていました。空港内でその本を平積みにする度胸。その本屋には恐れ入った。でも乗る前から乗客の不安を煽る行為はやめて・・・。

 時刻は午後5時15分。西の空が赤らんで来て、さっきとは違う黄昏時の情景が広がっていました。しかも富士山が綺麗。飛行機と夕日と富士山。この3点セットで来られると何とも言えません。黄昏るね・・・。


<富士山と夕日と滑走路>

 とても美しい情景だったものの、夕方の海風はさっきよりもさらに冷たく感じます。それに搭乗時間も迫ってきている。太陽が完全に沈んだところで、搭乗ゲートへ向かうことにしました。

 検査をくぐって搭乗ゲートへ向かっていると、何故か緊張感が高まってきました。今まで美しい情景に身を置いて忘れていたけど、僕は飛行機が苦手なのです!すっかり忘れていた。それにさっき本屋で『JALは危ない』なんて本も見たし。あ〜恐い恐い。さらに飛行機に乗るのは1年振りで、「飛行機慣れ」というものを忘れてしまったのも恐怖感を増大させる一員となりました。大丈夫だと言い聞かせても心臓の鼓動は早くなるばかりです。外の風景は息を呑むほどきれいなのに、それを楽しむ余裕がない。


<出発を待つ飛行機と夕暮れの富士山。綺麗だが余裕なし。>

 対策として考えたのはビール。ビールを飲めばちょっとは強気になれるに違いない。そう考えた僕は、夕食用のシュウマイ弁当とキリンの一番搾り500ml缶を買い込んで、搭乗しました。で、着陸する前に強引にビールを流し込みました。300mlくらい。。これで少しは落ち着いたような気がします。

 僕がよく利用する那覇便や石垣便は、観光客が多くて服装も飛行機内の雰囲気も「アロハ〜」な感じなのですが、この出雲便は8割以上の乗客がビッチリとスーツで決めたビジネスマンでした。飛行機内がお通夜みたいにしーんとしてます。金曜日の最終便っていうのもあったんだろうけど、行先によってこんなにも雰囲気が違うんですね。

 定刻18:30、飛行機は羽田空港を離陸。空から見る東京の夜景というものは本当に綺麗だった。僕は通路側の席だったから、あまりよく見えなかったけど。。安定飛行に入った頃、シュウマイ弁当を食べてお茶をもらって一息つき、備え付けの雑誌に目を通していると、シートベルト着用のアナウンス。何事か?と思ったら、もう出雲空港に着くというのでした。いや〜、飛行機って本当に速い。

 19:45。定刻より5分早く出雲空港着。飛行機を降りるときに、「今日も一日お仕事お疲れ様でした。どうぞ気をつけてお帰りください」というフライトアテンダントのお姉さんの放送がありました。8割以上のサラリーマンへ向けた言葉なのでしょう。すみません、僕は観光にきました。お気をつけてお帰りするわけにはいきません。

 出雲空港から連絡バスに乗って出雲市駅へ。飛行が満席だったので、バスも混雑するかも・・・と思っていたら、乗客はわずか5人でした。運賃は一人700円なので、計3500円です。これで採算が取れるのか?と心配しながらも、30分でバスは出雲市駅に到着。

 出雲市駅で浜田からやってきたすのと合流し、そのまま駅前のホテルへ。今日は格安のビジネスホテルに泊まります。一人一泊3490円で朝食付き。設備も新しくて、この値段でこれは満足。明日からの移動に備え、早めに就寝することにしました。


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