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上海・嘉興調査 1  
2009年9月14日(月) 一日目   <出発、上海(上海駅周辺散策、四川料理)>


上海へ>

 国立2プロジェクトの関係で、参加することになった上海・嘉興調査。7月中旬から続いてきた、調査シリーズの第4段です。前の3つの調査は国立1プロジェクトの方なので厳密には違いますが、どちらともプロジェクトリーダーが卍先生であるのもあって結構ごっちゃになっています。調査で海外に連れ行ってもらえるなんて本当にありがたい。この4回で僕の旅費に使われた金額は50万円程度になるはずで、それだけの成果をださなければと身が引き締まる思いです。

 最近は羽田発の上海便が就航しているということで、今回は羽田便を利用。しかもJAL便と、何というか贅沢です。自費だったら成田発の安い中国籍航空会社またはノースウェストで行くところですが、負担の少ない羽田発の上に安心の日系航空会社ということで、気分はプチブル。プチブル気分ついでに、吉祥寺からのリムジンバスに乗って羽田へ向かいました。電車で行くより500円ほど高いですが、煩わしい乗り換えの手間が省ける上、絶対に座れるので、バスの方がお得感があります。

 飛行機は9時25分。国際線に乗るには2時間前には空港に、と習ってきたので、気合を入れて6時20分に吉祥寺を出るバスに乗り、羽田空港に着いたのは7時過ぎ。早めにチェックインや出国手続きをし、全てが終わったのが8時。どうやら早過ぎたようです。恐らく「2時間前までに」というのは成田のことで、国際線が少ない羽田の場合、人自体が少ないのでそんなに早く来る必要がないのかもしれません。お陰で機内へ案内されるまでの50分が手持無沙汰になってしまいました。日本最大規模を誇る国内線ターミナルと比べ、羽田の国際線ターミナルは本当に質素です。来年には新しく立派な建物に生まれ変わるそうですが、現時点では時間を潰せるようなところがないので困りました。

 8時半頃、今回同行する卍グループが集合。一人遅刻で飛行機に乗れなくなるというアクシデントがありつつも、残りの10名は無事に上海虹橋空港行きのJL8877便に乗車。水平状態に入ってしばらくすると機内食が配られました。鼻の調子が悪く鼻炎の薬を飲んでいたのと、あとやはり調査で行くのだから月曜の午前中からアルコール類はまずいよなぁと思い、今回は涙をのんでビールを辞退しようと思っていました。しかし向こうで先生方がビールを飲んでいるのを見て、「ああ、別に飲んでも良いわけね・・・」と都合のよい解釈をした僕は、「エビスください」と銘柄を名指しでビールをいただくことに。本当に意思が弱いです。でもアルコール類をタダで提供してくる日系航空会社はありがたい。


<羽田空港国際線ターミナルから>
 
<JALの機内食>

 機内食はカレーっぽいもので、ビールによく合います。付け合わせも煮物で、やっぱり日系の機内食はいいなぁ。食後はモニターでアメトーークの「がや芸人」の回を見ていると、いつの間にか上海に着陸する時間に。日本時間12時35分、中国時間で11時35分、上海虹橋空港に到着。2度目の中国にして、初めての上海にやってきました。東京より南にあるだけあって、さすがに少し暖かい。東京では半袖じゃあ寒いかな?という感じでしたが、上海は気温・湿度とも高く、むわっとしています。入国手続きや検疫を済ませた後は、タクシーに分乗して上海駅近くのホテルまで。 


<上海虹橋空港に到着>
 
<ホテルまではタクシーで>

 虹橋空港から上海駅までは、タクシーで約30分。車窓には高層ビルが連なり、上海の発展具合というか都市の大きさを感じます。北京よりも高層ビルが多い。ただ北京のときも感じたことですが、特に高層マンションは全く同じようなビルがいくつも林立しており、まるでシムシティの住宅のように思いました。画一的で面白い。上海は最早資本主義に染まっているように感じましたが、画一的なマンション群は共産主義の面目躍如といったところでしょうか。

 今回宿泊するのは上海駅前にある「新梅華東大酒店」。準4つ星ホテルだそうです。僕にあてがわれたのは18階の部屋。窓からは上海駅が見えます。部屋自体はなかなかのものですが、ちょっとだけ変な臭いがするのが残念。フロントで両替が出来るそうなので3万円ほど元に替えてもらいました。1元=約15円で、計2000元。レートは3年前とほとんど変わっていません。


<今回のホテル:新梅華東大酒店>
 
<なかなかのフロント>

<そこそこのツイン部屋>

<窓からは上海駅が見える>

 一旦チェックインして部屋に荷物を置いた後、ロビーで打ち合わせなど。今日は移動日で予定が入っておらず、打ち合わせ後は夕食の時間までフリーになったので、それならとしばらく上海駅周辺をぶらぶらすることにしました。特講Yさんと留学生Fさんと3人で。Fさんは上海出身で前職がバスガイドということで、上海初心者の僕には心強い味方です。


<ホテルの前>
 
<ホテルの前その2>

 機内食だけでは物足りなかったので、何か軽めのものをということで近くの「大娘水餃」へ。上海市内の大手チェーン店のようです。日本では焼き餃子が主流ですが、本場では餃子は茹でるもの。さすがに水餃子専門店だけあって、水餃子の種類が豊富です。中国語が良く分からないのでFさんにお願いして適当に頼んでもらい、海老や豚肉など3種類の水餃子を。皮が肉厚の割にぷるぷるしていて、中身もぎっしり詰まっています。これはおいしい。日本人にはちょっと癖のある黒酢をつけて食べてもおいしい。値段から考えてもかなりお得で、これからの上海の食事が楽しみになってきました。ただ、一緒に頼んだオレンジジュースが甘過ぎて何とも。。中国では無糖の飲み物が少ないから困る。


<餃子のチェーン店らしい>
 
<店内そこそこ繁盛>

<水餃子三種で21元(約315円)>

<オレンジジュースは甘ったるかった>

 食後は上海駅近くを散策。Fさんの話によると、上海駅周辺はスリや犯罪が多いのであまり近寄らない方がいいと、そういうことでした。どうも地方からやってくる人が多いので、あまり治安がよい場所ではないらしい。東京駅とその周辺みたいに考えてはいけないようです。なので今日は上海駅を遠巻きに眺めるのみ。

 駅近くに旅行者が使うようなスーパーがあったので入って見物してみましたが、ソーセージや煮玉子、ザーサイやトウモロコシの種なのがかなり安い値段で売られており、Fさんによればこれらは所得が低い人が電車の中で食べるためのものだそうです。まあ、Fさんはかなりのお金持ちのようなので、所得が低い人というのがどの程度なのかは僕らには分かりませんが・・・。


<上海駅>
 
<工事の足組みが竹で出来ている>

<UHA味覚党はわかるけれど>

<こんな菓子日本にあったか?>

<ザーサイらしい>

<一本3元の魚肉ソーセージ>

 駅周辺を散策した後は一旦ホテルに戻り、ネットを繋いだりメールを処理したりしていると時刻は6時。初日の夕食は全員で、上海の繁華街である南京東路近くにある四川料理の店、「渝信川菜」で、となりました。上海に来たのに初日から四川料理とは若干変な感じですが、上海料理はこれから頻繁に食べることになるだろうというFさんの判断だそうです。なるほど、気配りが素晴らしい。計12名がタクシーに分乗して店に向かい、通されたのは個室。丸テーブルがどーんと鎮座しています。最初からこんなに豪華でいいのだろうか。卍先生の教え子で現在上海に勤めているかたとその部下さんもおいでになり、計14名で丸テーブルを囲んでの食事となりました。


<初日から早速本格中華>
 
<渝信川菜は四川料理の店>

 さて、恒例の料理写真ですが、中華は品数が多いので、全部紹介していたら容量オーバーしてしまいます。ということで、今回はやや小さめの写真で、マトリックス形式で表してみました。料理名が分からないものも多いし、印象に残ったものだけコメントするという形で。

 B1は蓮根の穴にもち米を詰めて甘く煮つけたもので、前菜として今後もよく出てきます。A2はナマコの煮つけで、他の人にはあまり評判がよくないようでしたが、僕自身は結構おいしく食べました。ふわふわした食感が不思議。というか、辛さが売りの四川料理にあって、全く辛くなかったからよかっただけかもしれませんが。

 四川料理の真骨頂はB2・A3・B3で、B3は言わずと知れた麻婆豆腐。本場のものは辛さが違いますが、さすがにおいしい。中でも一番僕を苦しめたのがA3で、鶏肉・ネギ・青唐辛子・山椒の実を炒めたものです。写真を見てもらっても分かる通り、青唐辛子と山椒の実の量が半端じゃありません。食べかたとしては青唐辛子や山椒を避けて鶏肉とねぎだけ食べるらしいですが、そんなこと知らなかった僕は全部まとめてガブっと行ってしまい、生まれて初めてと言っていいほど悶絶しました。辛いとかじゃなく、痛い!痛くて涙が出てます。口から火を噴くというのはこういうことを言うわけね。普通だったら水やビールを口に含んで何とか辛さを和らげるところですが、このレベルの痛さになると水やビールを口に入れることが逆に痛さを倍増させてしまいます。お陰で四川料理恐怖症になってしまった。

 でもその後出てきた料理は辛さ控えめで、特にC3の揚げ小籠包やA4の豆腐デザートのようなものはA3で死にそうになった僕の口と胃を癒してくれました。揚げ小籠包は肉汁たっぷりで本当においしい。

ABC
1
2
3
4

 ということで辛さに悶絶してどうなることかと思いましたが、トータルとして初日からおいしいものを食べることができて、しかもたらふくビールと紹興酒を飲んで、テンションは上がりました。明日からの調査頑張ろうと。本格的でありながら、料金も至ってリーズナブルだったそうです。というか、こんなに美味しいものを経費で食べさせていただいて、本当にありがとうございます(まあ正確には日当から支払っていることにはなりますが)。

 食後は腹ごなしに南京東路を歩いて租界地域であった外灘まで行ってみることに。南京東路は上海一の繁華街であり、東京でいうところの銀座みたいなところです(多分)。1日中歩行者天国になっており、最先端の店が軒を連ね、ネオンが輝いています。吉野家やユニクロもある。上海駅前と違って街全体が綺麗です。ここだけ見ると、上海はアジアを代表する世界都市に見えます。


<上海一の繁華街、南京東路>
 
<夜の南京東路を歩く>

 やがて租界地区だった外灘(バンド)に到着しました。外灘は通り沿いに租界時代の古い洋館が数多く残っており、さらに川の向こうに見える浦東地区の高層ビル群を一望できる、上海随一の観光スポットだと聞いてきました。しかし、何と、到着して見ると、外灘の洋館群は絶賛改修工事中。しかも川沿いのプロムナードというか公園も全面工事中で、道の向こうに渡って浦東の高層ビル群を眺めることができません。これは一体・・・。せっかく楽しみにしていたというのに。来年の上海万博に向けてということですが、数少ない観光として楽しみにしていただけに残念です。一応浦東地区の写真は撮りましたが、時間が遅いのも相俟ってネオンも少なめで何だかなぁ・・・。


<夜遅い(10時頃)のと工事中とで期待を裏切られた浦東地区の高層ビル群>

 少しがっかりしてタクシーに乗り込みホテルに戻り、鼻炎薬の効き目もあっていつの間にか就寝。


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