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東京見聞録  
2007年2月20日(火) 一日目  <高崎、四万の甌穴、四萬館と露天風呂>


東京から高崎へ>

 2月上・中旬は長いこと友達を泊めたり、風邪引いたり、進学試験があったりと、結構てんやわんやだったので、ふと「どこか温泉で羽でも伸ばしたいなぁ・・・」と思いました。そして温泉宿のウェブサイトをパラパラ見ているうちに本当に行く気満々になってしまい、さらには「じゃあ部屋付き露天風呂の部屋にでも予約するか」と気が大きくなって、あれよあれよと宿を予約するところまで行きました。目的地は群馬県の四万(しま)温泉。予約したのが日曜の夕方で、出発が火曜日と、かなり突発的な旅となりました。今回の旅はいつものように歩き回って一生懸命観光するのではなく、時間に余裕を持って温泉でだらだらとゆっくりすることです。

 20日の朝、渋谷駅へ。8時38分発の湘南新宿ライン高崎行きに乗車。平日の朝なので、皆さん働きに行かれるだろうところを学生の僕が温泉に行くなんて何だか悪いなぁと思いながら、電車は一路高崎へ。高崎着が10時43分。

 このまま四万温泉に行ってもよかったけど、時間が早すぎるので一旦高崎で途中下車。今回は下調べをしてきてないので、高崎と言えばだるまくらいしか知りません。でも歩き回れば何かわかるだろうと、駅を出て市役所方面へ向かいました。高崎は新幹線も停まる、群馬県を代表する都市のはずですが、街には人があまりおらず、寂れた雰囲気が漂っている気がしました。曇天という天気のせいもあると思うけど、本当に人があまり歩いていない。群馬県随一の商業都市と聞いたんだけど。


<高崎駅>

<高崎市役所>

 駅を出てメインストリートをまっすぐ進んだところに高崎市役所があります。ここの最上階は展望スポットになっているので、とりあえず市役所から高崎の街を眺めることにしました。しかし高崎の市役所は、失礼だけど都市の規模に似合わない巨大さです。ウィキペディアの情報によると、

 「1998年(平成10年)に、高崎市役所は、庁舎能力を上げるために建て替えられた。
  地上21階、地下2階、高さ102.5mである。新市庁舎は、その規模の大きさから賛否両論があった。」


 ということなので、やっぱり地元の人もそれはちょっと・・・と思っていたことが伺えます。沖縄県庁だって14階建てだぞ??しかも高崎市はまだ中核市に移行してないから、自前業務も多くないはずなのに。何でこんなに大きい市役所を建てたのか、ますます謎。大体駅からまっすぐに伸びる道路の行き着く先に役所があるというのは、役所が権力の象徴に見えるので、個人的には好きじゃありません。

 まだ新しい市役所に入って21階の展望室へ。展望室からは高崎市街と遠く前橋も望めます。それと高崎の名物である巨大な「高崎観音」も小さいながら見えました。写真はかなりアップで撮ってます。あと高崎の街には異様に車が多いです。聞いたところ群馬県は一人当たりの車の保有台数が日本一らしい。


<高崎駅方面>

<高崎観音>

 市役所の21階はワンフロア全て展望室になっているので、本当に広々しています。これはねぇ、宝の持ち腐れと言われても仕方がないかもしれません。ソファーには「ここで寝たり飲食したりすることを禁止します」と書いてあるにもかかわらず、ホームレス風の老人二人が寝ていました。うーん、いいのか高崎市。。

 市役所を出てからは、その辺をぶらぶら。市役所がある場所を含め、近辺一帯は高崎城址だそうで、堀や門が残されていました。でもやっぱり城跡に役所が存在する都市というのは、どうしても役所が権力の象徴というか偉そうに見えて仕方ありません。ここや福井城址にある福井県庁とか見ると、役所が偉いのかと思ってしまう。


<高崎城のお堀跡>

<東門>

 さらに商店街をぶらぶらしてみると、高崎の商店街は結構シャッター街になっていることがわかりました。昼前というのにそんなに街には人がいないし、高崎は結構不景気なのか?


<閉まってます>

<高崎の商店街>

 そろそろ昼なので、どこかで昼食をとることに。しかし高崎の名物が何なのかわかりません。すのさんのお父さんが高崎出身なので、駅前に何かあるかを聞いてみたものの、「何もない」という返事が返ってきました。出身者が何もないというのだから本当に何もないんだろう。ということで、蕎麦屋なら無難だろうと、商店街のそれなりに歴史のありそうな蕎麦屋へ。とろろそばを食べたけどなかなかおいしかった。ゆずの香りがいいアクセントになってます。昼を過ぎると、近くで働いていると思われるサラリーマンで店は満員になったので、地域密着で結構評判の店なのでしょう。


<大むらのとろろそば>

<大むら>

 そばを食べた後はJTBに寄って帰りのバスのチケットを買い、高崎駅へ。高崎駅12時46分発の吾妻線に乗り、四万温泉へ。電車の中は地元の高校生と温泉へ行くと思われる年配者で混雑していました。

<四万の甌穴と湯元四萬館>

 1時41分、中之条駅着。高崎は曇っていたものの、渋川を過ぎた辺りから少し晴れだして、中之条に着いたころにはそれなりにいい天気になっていました。よかったよかった。

 駅前からバスに乗って四万温泉へ。四万温泉は中之条駅から山道を進んで30分くらいの距離にありますが、四万温泉街に入る前に「四万の甌穴」という場所があるので、そこでバスを降りることにしました。甌穴とは「川の渦巻状の流れによって、石や砂が同じところを回り、川底の岩盤と接触して侵食されて出来た丸い穴」だそうで、この付近に大小合わせて8個ほど見られます。数万年単位で作られるものらしく、そういうのを聞くと単純だけど自然ってすごいと思います。ちょっとした川の流れとちょっとした石の動きでも、長い長い年月を経ると大きな穴になるんですね。

 ということでバスを降りて、間近で甌穴を見ようとしました。しかし道路から川へ降りる階段は「冬季は階段が凍結して滑る恐れがあるため閉鎖しています」とロープが張られていました。残念。。がしかし、今年は暖冬で雪なんか全くない。階段にも雪なんか全く積もっていません。これだったら別に下りてもいいんじゃ・・・?実際後から来た人はロープをくぐって下りてたし、全然問題なさそうなので階段を下りてみました。うん、下りても全然問題がない。上の道路からも見られるけど、やっぱり近くで見ると迫力があります。すごいねぇ、自然は長い年月をかけてこんな形を作ってしまうなんて。

 甌穴を見たあとは、道路を山の方に歩いて今日泊まる旅館を目指します。四万川沿いに歩いていくと、途中でちょっとした湖になっている場所を見つけました。そこは何と!湖の色が真っ青!!何なんだ、この色は??ここのメインは下の写真の左に見えている「桃太郎の滝」らしいですが、僕にはどちらかというとこの湖の着色料でも使ってるんじゃないかという青色が気になりました。写真では色を正確に表現できないのが残念だけど、とにかく真っ青で驚いた。


<桃太郎の滝と真っ青な湖>

 そして30分くらい歩いたところで、本日の宿 「湯元四萬館」 に到着。時間を計算したので、チェックイン開始時間の3時ちょうどに着くことができました。今日は今からここでゆっくり温泉三昧です。奮発した初めての部屋付き露天風呂。かなり楽しみじゃ。


<湯元四萬館>

<庭>

 さっそく部屋に案内してもらうと、部屋は別館4階の「銀杏」という部屋でした。おぉ、僕に合っている名前じゃないの、と一人ふふんと笑いながら部屋へ。(←意味が分からない方へ。大学のシンボルマークが銀杏なのです。。)部屋がこれまた豪華で、掘りごたつにマッサージチェアまであります。そして奥にはもちろん露天風呂!いやー、贅沢だね。別館は2003年に出来たばかりなので、部屋自体も新しくて快適です。

 何はともあれ、早速露天風呂を覗いてみました。源泉かけ流しの温泉が滔々と流れて浴槽を満たしています。窓の外を見るとすぐそばを四万川が流れていて、眺めもこれまた贅沢です。いやー、僕みたいな人間がこんな贅沢を味わっていいんだろうか。。日本酒なんかを飲みながら入ったら相当乙だろうな・・・。写真で見ると浴槽が小さいようにも見えますが、これでも大人3人は入れる大きさで、露天風呂自体が広いのです。


<部屋にある露天風呂。結構大きい〜>

 まあ部屋つき露天風呂はその気になればいつでも入ることが出来るので、これは後のお楽しみにすることにして、まずは宿のなかにあるほかの貸切露天風呂を巡ることにしました。何とこの湯元四萬館、予約無しで利用できる貸切露天風呂が5箇所もあります(冬季)。利用の仕方は本当に単純で、露天風呂に行き、誰もいなかったら入って鍵をかけるだけ。何て単純なシステムなんでしょうか。今日はシーズンオフの平日なので、そんなに宿泊客が多いわけでもありません(後で聞いたらこの日の宿泊客は全部で9組)。だから基本的には好き放題に貸切露天風呂が使えました。

 まず最初に訪れたのは「風の谷」という露天風呂。時間も早いので案の定誰もおらず、多分一番乗りです。湯船は狭いですが、少人数で入るならこれで十分。しかも目の前に広がる四万川の渓流の眺めは最高。これは幸せだ・・・。お湯もぬるめで、いくらでも入っていられそうです。思わず「極楽極楽」と言いたくなります。


<風の谷>

<目の前に広がる渓流>

 ここにずっといたいくらいですが、後の人が待っているかもしれないということで30分で切り上げました。あんまり占拠しても悪いしね。いやーしかし気持ちよかった。

 部屋に戻って一段落してから、いよいよ部屋の露天風呂に入ってみました。貸切露天もいいけど、部屋にある露天風呂はまた別格です。いつでも好きに使っていいという征服感みたいな。ただ源泉かけ流しなので、ちょっとお湯が熱くてあまり入っていられなかった。。仕方がないので水でうめることにしました。こういう温泉は、ぬるめで長く長く浸かっていたい。夜か明日の朝にはちょうどいい温度になっていることでしょう。

 温泉からあがってマッサージチェアーに座ったりしながらまったりとしていると、もう6時で夕食の時間になりました。部屋に運ばれてくる量の多い夕食たち。酢の物から天ぷら、すき焼き、鮎の塩焼き、フカひれスープにジャガイモのオーブン焼などなど、和洋中入り乱れての豪華な食事です。部屋食なので一度出しになってしまい、料理の暖かさの面では劣ってしまいますが、ゆっくりと落ち着いて食べられるのはいい。あと基本的に近くで採れたものを使っているらしく、魚介類がないことは素晴らしい。予約特典のワイン1本と共においしくいただきました。ただ量が多かったので食べ終わるまでに1時間かかってしまった。というか全部食べ切れなかった・・・。


<夕食>

 夕食で本当に腹一杯になって動けなくなったので、しばし休憩したあと再び貸切露天風呂へと出かけました。まずは小さめの「河鹿の湯」へ。ここは2人入ると一杯の露天ですが、その分景色を近くに感じることができる気がします。運がよければ名前の元にもなっている鹿が対岸に顔を出すこともあるらしいけど、今日は残念ながら鹿は現れず。

 河鹿の湯の次は少し大きめの「そのかぜの湯」へ。ここは檜を使った露天風呂で、個人的には一番よかった露天風呂でした。何しろ浴槽が広い。洗い場もある。檜の匂いをかぎながらゆっくりと景色を眺めるのは最高です。まさに至福の時。ここは女性に一番人気のある露天風呂らしいけど、それも分かります。


<河鹿の湯>

<そよかぜの湯>

 露天風呂を満喫したあとは、ちょっと暗いけど下駄を履いて外に出て庭を散策してみたり、部屋でゆったりとマッサージチェアーに座ったり、部屋の露天風呂に入ったりして、11時過ぎに就寝。久しぶりに気持ちいい眠りにつきました。


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