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鉛作業主任者



講習の流れ、感想等

 2002年08月07日・08日の二日間、芝浦工業大学芝浦校舎(北21教室)にて講習は行われた。申込みは直接労働安全衛生管理協会へ問い合わせ、個人で申し込んだ。
 労働安全衛生法第14条、労働安全衛生法施行令第6条十九により、事業者は、別表第四第一号から第十号までに掲げる鉛業務(遠隔操作によつて行なう隔離室におけるものを除く)に係る作業について、鉛作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者として選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければならないと、定められている。
 鉛が広く用いられる業種は、金属精錬業(水道管昔は鉛今は合成樹脂)、船舶解体業、陶器製造・ガラスほうろう業(ガラスには鉛が含有…細工しやすい、着色、プリズム調整等)、蓄電池製造業などである。
 講習科目は・・・
 「鉛等等による健康生涯及びその予防措置に関する知識」(鉛中毒の病理、症状、予防法、応急措置)3時間
 「作業環境の改善方法に関する知識」(鉛の性質、鉛に係る設備の管理、作業環境の評価及び改善方法)3時間
 「保護具に関する知識」(鉛に係る保護具の種類、性能、使用方法、管理)1時間
 「関係法令」3時間
 ・・・である。
 鉛作業でもっとも注意を払わなければならない事は鉛中毒だ。この資格は鉛中毒防止が最大の目的である。鉛の体内への侵入経路は呼吸器、消化器があり、吸収された鉛は殆んどが8〜9割が骨に蓄積される。
 鉛はあらゆる食品にも微量に含有している。従って、微量な吸入での害はなく、鉛作業による急激な吸入量と、体内から排泄される量のバランスが乱れる事により、中毒症状は起きる次第だ。
 その中毒や汚染を防ぐものが、特定化学物質等作業主任者・有機溶剤作業主任者同様、保護具(局所排気装置・呼吸用保護具など)である。呼吸用保護具(防毒マスク)には、まず給気式(どこでも可)とろ過式(酸素濃度18以上で使用)がある。作業場で一般的なのはろ過式であろう。
 ろ過式は自らの呼吸によりマスクに付いたフィルター(粉塵用)や吸収缶(ガス用)で汚染空気を浄化するものである。注意しなければならないのはマスクの選定である。粉塵用のマスクは毒ガスろ過にならないし、毒ガス用のマスクは粉塵用のマスクならない。更には防毒マスクでは吸収缶の色の選定が伴う。
 例えば、有機ガス汚染は黒色、酸性ガス汚染は灰色など、吸収缶の種類を取り違えると、マスクは無意味なものとなる。NBC兵器からの自衛対策で、自前のガスマスクを購入する際も、同様の選定力が必要である。



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