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交通結節点のショーウィンドー
阪急西山天王山駅を見る


頭上の高架橋が結節点の証


2013年12月21日に開業した阪急京都線の西山天王山駅。
駅の真上を走る京都縦貫道との結節など、新しい交通拠点として、メディアでも大きく取り上げられましたが、その様子を早速見てきました。

※特記なき写真は2013年12月および2014年1月撮影


●大きく取り上げられた開業
2013年12月21日、阪急京都線の大山崎−長岡天神間に新駅「西山天王山」が開業しました。
都市間輸送を志向して建設された阪急京都線や神戸線は駅間が長い傾向にありますが、各社の路線が比較的離れている京阪間では、各社独自の駅勢圏を構築しているので、阪急でも洛西口、摂津市と近年新駅開業が相次いでおり、西山天王山もそうした一環に見えます。

しかし西山天王山は一味も二味も違うという位置づけです。2013年4月に大山崎IC−沓掛IC間が開通した京都縦貫道が駅の真上を通っているのですが、ここに高速BS(高速長岡京BS)を設置して、鉄道と高速バスの乗り換え拠点として整備されたのです。
もちろん新駅として「標準装備」の各種設備もあり、地域交通も含めた総合的交通結節点というのが謳い文句です。

ホームから京都縦貫道を見る


●高速道路との結節点
京都縦貫道は「老ノ坂亀岡道路」として始まったR9のバイパスから、山陰線(嵯峨野線)に並行する高速道路として整備が進んでいましたが、起点がR9の沓掛ICということで、他の高速道路網との接続も無いことから孤立感が強く、京都市内を通過流動が経由する格好に加え、R9の千代原口交差点が2013年2月にアンダーパスが開通するまで渋滞名所でした。

今回の開通区間は専用部が京滋バイパスとして整備されている京都第二外環状道路(にそと)の延伸部であり、今回の開通で名神などの高速道路ネットワークと直結したことで、京都府北部への広域流動の幹線となりますが、西山天王山はこの高速道路ネットワークとの結節という意味が大きく、国交省、長岡京市、阪急電鉄ともまずは高速道路、高速バスとの結節を大きく謳っており、メディアもそれに乗った格好で、特に関西のメディアは全国ネットのなかでも独自編成の割合が大きいので、大きく取り上げられています。

駅ナンバリングも入った新しい駅名標


●忘れられた「先輩」
行政イチ押しで、メディア戦略に長けた阪急が主体ということもあるのでしょう、最先端事例のように取り上げられていますが、高速道路との結節、特に高速バスとの結節という意味では、既に15年以上の実績を誇る場所が、しかも同じ関西にあるのです。

阪急電車の中吊り。キャッチコピーは、
「高速道路と鉄道をつないだ新しい駅のカタチ」

ある意味我が国を代表する鉄道と高速バスの結節点であるその「先例」は、言うまでもなく高速舞子(舞子BS)であり、JR神戸線舞子駅、山陽電車舞子公園駅との乗換ポイントとして機能しています。

「コンパクトに集約された乗り継ぎ施設」

本四高速の神戸淡路鳴戸道が長い舞子トンネルを抜けて明石海峡大橋にかかる接続部分であるわずかな陸上区間に設置されたのが高速舞子で、JR神戸線舞子駅、山陽電車舞子公園駅の真上にあるという点でも西山天王山駅と同じシチュエーションです。

高速舞子(2006年1月撮影)

しかも実績という意味では文句なしで、関西と淡路島、四国を結ぶ高速バスが数多く停車するばかりか、このBSを始終点とする系統も設置されており、ターミナルが大阪市内や神戸市内で分散している高速バスも、高速舞子まで行けばその1箇所でいろいろな系統に乗り継げる、という意味でもまさに結節点としての機能をフル回転しています。

鉄道側も1998年の高速舞子の開設と同時にJRは快速電車の停車を開始し(ホームがない列車線経由の快速は通過)、山陽電車も2001年に土休日のみ特急、直特が停車するようになり、2006年に特急、直特の通年全列車停車となっており、鉄道側の対応もしっかりしています。

●高速長岡京BSの道路的な構造
では今回「鳴り物入り」で開業した高速バスストップはどうでしょうか。
高速道路網における四国へのメインルート上に位置する高速舞子と違い、京都府北部(丹後地方)や兵庫県北部(但馬地方)へのアクセスに過ぎない京都縦貫道というハンデはありますが、高速道路ネットワークという意味では悪くない位置です。

ところが現地を見て一瞬で落胆、というか、まず驚きました。バス停がいわゆる「本線バスストップ」ではないのです。高速舞子のように大阪、神戸市内と淡路島、四国を結ぶ高速バスが立ち寄る、というスタイルでの設定が出来ないのです。
つまり、都市高速のように本線に並行して出口ランプ、入口ランプが現れる格好の長岡京ICの、大山崎JCTに向いて出入りするランプウェイの料金所の外側に設置されているのです。

バス停の先に料金所(上り大山崎方面)

京都縦貫道の本線を大山崎JCTと沓掛ICの方向に直進する系統は本来利用できない構造です。というか、高速長岡京BSを使うバスは大山崎JCT方面から来て必ず長岡京ICで降りる必要があるのです。
これはICのランプ内にUターン路を設けたりして設置されているBSと根本的には一緒、というか、後述するように一般道に出ずに出入り口に戻れないだけそうしたBSよりも「不便」であり、いったん一般道に出てBSがたまたま駅の真上にある、というだけとも言えます。

下り線のバス停の先は一般道へ


●結節という割に目立つ「分離」
BSへのアプローチも「結節」という割に「分離」しており、阪急の東口駅舎を出て、沓掛方面は右手、大山崎方面は左手のエレベーター棟(塔)まで屋外を歩きます。

下り沓掛方面へのエレベーター塔

頭上を京都縦貫道が通るため雨は直接降らなさそうですが、「吹きさらし」です。頭上の高架橋で雨露をしのげる、という発想かもしれませんが、大屋根をつけたJR大阪駅が風雨の吹き込み対策で結局撤去した個別ホームの屋根を復活させた先例があるように、位置が高い「屋根」は吹き降りや霧雨には無力です。

上り大山崎方面。駐輪場を併設

このあたりは後述するBSの上屋の問題にも共通するわけで、利用者目線での設計とは思えません。

結局雨よけに屋根を追加した大阪駅
(2012年11月撮影)

そして舞子のようにBSのエントランスは1つになっていないため、方面によってまず行く手が分かれるのも不便です。現在は利用する系統も少ないのですが、もし舞子のように本格稼動するときが来たら、改札前などで行先別の乗り場案内と周知が必要になりますが、今はありません。

それぞれのエレベーター塔にまで行って空振り、いや、乗り場まで行って空振りでは目も当てられませんが、何行きはこちら、という分かりやすい案内が必要です。

それぞれの塔屋には注意があるが

本来であれば、観光案内所も含めて1つの建屋におさめ、高速バスの待合室は観光案内所併設とし、そこで乗り場がどちらになるかを周知徹底してそれぞれのエレベーター塔に向かう、というスタイルであるべきですが、事業主体(阪急、長岡京市、NEXCO西日本)の違いや補助金の関係で、同居すべきものが別々になってしまい、分かりやすさも失われた格好です。

駅舎(奥)と観光案内所も別々です

こうした利用者不在の「分離」は道の駅によく見られますし、開き直ったのか建屋やエリアごとの事業主体や予算の違いをご丁寧に解説する始末ですが、早急に改善して撲滅すべき事象です。

ご丁寧に右下に建屋別の補助金制度まで記載
(2012年5月撮影)


●そもそも誘導に難が
高速バスへの「結節」と言いながらの分離は上で指摘した通りですが、改札前でまず二手に分ける部分の表示もいけません。

改札を抜けると...

「下り」「上り」と書かれている案内がそもそもマイナスで、沓掛方面が下り、大山崎方面が上りという京都縦貫道の区分に従っていますが、高速バスの利用者は高速道路の「下り」「上り」など知りません。

識別は上りと下り

さすがに間人行きなら下り、東京行きなら上りをイメージするでしょうが、では信州方面行きはどうでしょうか。多くの人が「下り」をイメージするでしょうが、乗り場は「上り」です。今後京都発長岡京経由中四国、九州方面、というような系統が出来てもおそらく「上り」でしょうから、ただでさえ案内不足のところに、一般的なイメージと逆になる発着を案内にするのは好ましくありません。

信州方面も東京方面も下り線は降車専用

行先については、上下線とも乗り場として機能する本線BSの先例を見るに、ベタですが見やすい位置に行先を並べるのが一番です。

ベタに行く先を並べた高速京田辺
(2012年6月撮影)

行先の羅列があれば、つまり、抽象的な上り下りや方面だけと違い網羅しているのであれば、逆に確認するものです。

さらに分岐ポイントはこんな感じ(一部路線のみ掲載)
(2012年6月撮影)


●中途半端さが使い勝手の悪さに直結
いろいろありますが、高速BSまで上がって見ましょう。
地平の交通広場から遥か上の高速BSまでの上下移動が必須なので、EVの設置は当然ですが、便利ですが、階段は非常用ということで閉鎖されており、舞子のようにES主体のほうが、1台しかないEVを待つしかない高速長岡京よりも便利です。

左奥の階段は使えません

ちょうど上がって行くところだったりすると、数分単位でロスしますから、乗り換え時間の極小化が結節点ならではの効果のはずが、無用なロスタイムを伴うのではいけません。

ESと階段、またはEVでアプローチする高速舞子
(2006年1月撮影)

また待合室が、と言っていますが、上り線側のエレベーター塔のエントランスにベンチを置いただけ。通路がちょっと広がっただけで何とも狭いスペースですし、人がたむろしたら通行の邪魔です。しかも最初は3人分しかなかったのを無理やり増設したので余計に苦しいレイアウトです。
EV待ちのリスクがあるのに階下で待つとなると、BSに行くタイミングが難しいのに、BSに行くと待つスペースが屋根付きとはいえ吹きさらしのプラットホームでは快適性も何もあったもんじゃないです。

この通路が待合室

おまけにエレベーター塔からバス停までの間の上屋が連続していません。改札前の「露天」は高速の高架があるのですが、ここは完全な露天です。高い高架橋の上での吹きさらしは、防音壁があるとはいえ厳しい環境ですし、ここで傘を使うのも不便極まります。

下り線乗り場。後方の人影のあたりがEVの入口上り線乗り場。EV付近から乗り場を見る

このあたりはBSと同じフロアでバスを待てて、上屋が連続している高速舞子の足下にも及びません。
なんか中途半端にも程があるわけで、何でここまで絶賛するのか理解できないというのが正直な感想です。

高速舞子の出発ホーム(2006年1月撮影)到着ホームも上屋完備(2006年1月撮影)


●そもそも高速バスが乗り入れる効果はあるのか
さらに乗り入れる高速バス路線も微妙と言うかで、名神を本来直進するバスが、大山崎JCTから1.1km 入った長岡京IC経由で高速長岡京BSに立ち寄り、また大山崎JCTに戻るとか、本来高速長岡京BSに入れない京都縦貫道を直進するバスが、長岡京ICで降りて高速長岡京BSに寄って、下道に下りてから再び長岡京ICから京都縦貫道に戻る(丹後海陸交通=丹海の京都−間人線)、というどちらも無駄な行程です。

BSから遠望した大山崎JCTの予告標識

京都縦貫道を直進する長岡京ICの同一方向乗り降りも信号交差点が1箇所入りますし、高速長岡京での「折り返し」になる名神系統に至っては、信号交差点の先にしばらく進んでから路側に整備された折り返し場で折り返すので、距離に加え往復で信号交差点2箇所の通過と、大山崎JCTからで考えると、距離もさることながら時間ロスが大きいです。

長岡京ICからここに降りてきます

名神も8車線化して久しく、第二京阪も出来たこともあり、昔のように梶原トンネルから天王山トンネルが混むことも激減しています。ですから渋滞時のエスケープルートという位置づけを考えても、高速長岡京まで往復するのなら、直進して天王山などの渋滞を経たほうが却って早い可能性すらあります。

その先の沓掛方面入口の向こうに折り返し場がある

では地元利用という意味では、名神大山崎BSとの比較になりますが、京都駅系統を使わずに、敢えて大阪駅系統を高速長岡京から利用するインセンティブが働くのは、地元のニーズといえます。後述するようにクルマでのアクセスに配慮があるだけに、名神大山崎BSよりも便利とも言えますが、そのためにバスを往復させるだけの価値はあるのか。

阪急との結節という意味でも、梅田へ出るよりも便利なエリアは限定的です。京都については京都発着便がJR京都駅ベースのため、阪急沿線をターゲットにするという意味では意味がありますが、かなりのニッチです。
いずれにしても西山天王山自体、普通(準急)しか停車しない駅で、西山天王山を挟んで高槻市や長岡天神、桂で特急や快急に乗り換えになるのも今一つです。準急は高槻市以南で優等運転ですが、高槻市で特急や快急との緩急結合がありますし。

停まるのは普通と準急


●他の特徴もてんこ盛り
西山天王山駅は高速バスとの結節が大きく謳われていますが、実際には鉄道と他の交通機関、交通手段との結節のショーウィンドー的な存在として、あらゆる結節がてんこ盛り状態です。

京阪淀駅とのバスは好調

もちろんバス乗り場が整備され、さらに桂川を渡って京阪淀駅を結ぶバス路線が阪急バス、京阪バスの共同運行で開設されました。
下流では高槻まで渡河点が無く、上流は京阪が伏見を回り遠のくため、最短で両線を結ぶこのバスは早速人気のようですが、これは今回の隠れたヒットの部分です。

平日朝夕は毎時2本、それ以外は毎時1本

ただ背後の住宅地を結ぶバス路線は、特急停車駅の長岡天神や、快速が停まるJR長岡京とも結んでいる上に、ロータリーに回り込む前に経由するバス停の方が便利です。

P&R駐車場。平日の宵の口で10台弱が駐車

ある意味「新味」なのがパークアンドライド関係で、高速高架下の転用が効かない用地を活かして40台程度の駐車場が用意され、EV用の充電設備もあります。
また、駐輪場にバイク用駐車場もあり、徒歩はもちろん、あらゆる交通手段に対応した「結節」がここでは見ることが出来ます。

バイク用駐車場。チェーン錠も用意

国交省肝入りの新駅ということもあり、何でも詰め込んだ感じですが、それが活かしきれるかとなると微妙な気がしますし、あまり意味がない施設までショーウインドーとして詰め込んだ感じも否めません。逆に、高速道路と高速バスを除けば、最近の新駅と大差がない、とも言えるわけで、あまり「新味」を感じなかったのも各地の新駅における既視感かもしれません。

右手の建屋が駐輪場(上り線EV塔併設とは別)


●道路交通との関係
西山天王山駅が位置する長岡京市の玄関口はJR長岡京駅と阪急長岡天神駅です。
これまで西山天王山駅がなかったということは、駅周辺の住宅地からの流動は長岡天神駅、JR長岡京駅やJR山崎駅に向かう阪急バスに頼るか、クルマでの送迎ということになります。

フレンドマートのあるJR長岡京駅前

特に西山天王山駅のすぐ西側から大山崎町になるのですが、JR山崎駅、阪急大山崎駅は天王山のせり出しの向こう側、大阪府との境界付近であり、このあたりの住宅街は長岡京市の交通インフラに頼る格好です。

阪急長岡天神駅前

距離的にも、また阪急は特急や快急の停車、JRは朝の快速電車の停車もあり、長岡天神やJR長岡京へのアクセスが主流のようですが、長岡天神駅が昔ながらの駅前、という感じで、クルマはもちろんバスでのアクセスも苦労する感じです。
このあたりは駅前広場が整備されたJR長岡京へなびく感じかもしれませんが、京都市の業務中枢へのアクセスなら阪急一拓であり、実際に狭いバス通りや横道で待つ送迎のクルマを見ると、駅周辺の負荷を軽減する目的が見えてきます。

長岡天神駅のバス乗り場のあるこの通りは少し距離が

ただ、あまりにも駅前に何もない西山天王山でのP&Rや送迎はつぶしが効かない訳で、日常生活を考えると商店街がある長岡天神や、駅前に京滋地区ではお馴染みの平和堂の店舗(フレンドマート)があるJR長岡京からシフトするというのは、あまり現実的でないかもしれません。西山天王山にはバス乗り場側のロータリーのほかに、反対側の西口にも小さなロータリーを設けてタクシーの発着や送迎対応をしていますが。

西口ロータリー

一方でP&Rについて、京都観光などで長岡京ICを利用して駐車場に停めて、阪急で京都市内へ、という利用法を想定しているようですが、ピーク時の京都市内のP&Rは二条駅付近まで入って嵐山や東山へは公共交通、というように、さらにワンクッション置くような西山天王山は微妙です。
ただし高速道路を降りてすぐ(実際には高速バスのように方向転換のためにいろいろ回り込む必要がある)というロケーションは魅力ですが、市内までの距離があるのは決定的な不利要素です。

正面の堀割道路を跨いで右奥の西口ロータリーへ


●ブレイクスルーはあるか
弱いながらもある高速バスとの結節ですが、日中便を振り向けた丹海が関空連絡を謳っているのは面白い試みです。
もちろん西山天王山で阪急に乗り換えても茨木市で特急に乗り継ぎ、淡路で天下茶屋行きに乗り換え、さらには天下茶屋でラピート乗り換えと、ならば京都駅まで行って「はるか」でしょう、というところです。(京都駅からリムジン利用だと、丹海は烏丸口、リムジンは八条口と正反対なのでちょっとしんどい)

道路が整備されてクルマでのアクセスも便利

休日の堺筋線直通準急は乗り換えなしで、天六−高槻市で優等運転とはいえ、河原町行きは高槻市、天下茶屋行きは茨木市で特急退避、高槻市から西山天王山は各駅に停まって4つ目というわけで、さらに地下鉄線内は各駅停車と言うこともあり、心理的な遅さを感じます。

しかし関空連絡というのは目の付けどころとしては面白いというか筋がいいです。
それこそ高速長岡京BSを活かす格好で、洛西NTから沓掛ICに出て、高速長岡京BS、高速京田辺BSを経て関空に至る、というようなリムジンを設定し、高速長岡京BSで乗り継ぐのです。大山崎JCTから高槻BS経由で伊丹行き、と言う系統も考えられますし、そうしたリムジンとの乗り継ぎポイントにすれば、京都縦貫道方面から京都駅への高速バスの経由便も増えるでしょうし、阪急との乗り継ぎも増えるでしょう。ただ、BSのある階の空きスペースに待合室の設置が必須ですが。

こんな準備工事もあり、最終形はどうなるのか


●ショーウィンドーで終わらせないために
全体的に見て、あれもこれもというショーウィンドーとしての性格だけが目につき、実用面では中途半端さというか、粗が目立ちます。
もともと京都縦貫道という位置的な問題があるわけで、実用にも十分耐えられるかというと微妙な存在で、国交省や長岡京市の自己満足と言ったら言い過ぎかもしれませんが、ここまで潤沢な施設を作るべき場所だったのか、という疑念は払拭できません。

駅東側のロータリー入口

一方でやり方次第では妙味もあるし、京阪淀駅との路線バスのように地味なヒットもあるわけで、示されたてんこ盛りのメニューの中から、当地に適したメニューを選んで伸ばしていくことが、この新しい結節点の活かし方でしょう。

もちろんそのためには、中途半端な部分を極力改良すべきですし、それを怠ると、ややもすると「失敗作」のレッテルを張られかねません。

阪急電車に掲出されたヘッドマーク









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