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小さなミスの意外な結果
播但線での小旅行での体験から


和田山に着いた播但線列車


兵庫県の瀬戸内側と日本海側を結ぶ播但線、このエリアの陰陽連絡線としては比較的距離も短く、効率的に移動できます。
ちょうど青春18きっぷが余っていたこともあって、播但線経由で日本海を見に行ってきましたが、その播但線に絡んでいくつかの出来事がありました。


まずは神戸から姫路に向かったのですが、土休日の朝は下りの新快速の設定が大阪7時45分発までありません。
ですから明石から各駅停車となる快速を延々と利用しないといけないのですが、それも大阪7時6分発までは20分ヘッドになります。
そんな6時台の電車は少なくて当然、といいたくなるところでしょうが、今回乗車した705Kは大阪発こそ6時47分ですが、三ノ宮が7時14分、明石39分、加古川58分、姫路は8時15分と、朝の時間帯としては土休日であっても需要が多い時間帯です。
特に学校の補習、部活動、また土休日も操業している事業所の登校、出勤時間とまさに重なるわけで、しかも次の707Kは大阪7時6分発が加古川での「スーパーはくと1号」退避で姫路着が8時43分と遅くなり、705Kに乗らないとどうしようもない感じです。

まさに20分ヘッドの時間帯と15分ヘッドの時間帯がはっきり分かれている時間帯、需要が多いこの電車が221系の6連というのですから驚きで、通常は三ノ宮での入れ替わりが期待できるのに「運がよければ」座れたというレベル。それどころか三ノ宮、明石と通勤、通学客の乗車が増し、立客は消えないし、混雑は増すと散々で、実際、東加古川まで座れず、かなり疲れました。
東播方面に通勤している知人に聞いても、平日も含めて朝の下りはひどいようで、実際、平日でも三ノ宮から加古川、姫路に8時半までに到着という条件で使える電車は、6時25分(快速姫路行き)、6時35分(普通加古川行き。西明石で姫路行き接続)、6時48分(快速網干行き)、7時14分(新快速姫路行き)、7時40分(新快速姫路行き)だけであり、山陽電車を足元にも寄せ付けないはずのJRの穴といえます。

さて到着直前、新幹線始め各方面の接続案内が流れました。この電車は網干行きですが、竜野以遠は播州赤穂行きになります。これが相生で上郡行きに連絡とまで案内したのは親切です。
そして乗り継ぐ播但線。8時33分に寺前行きが33番線から、と流れました。事前に調べた時、この電車からの接続は寺前までで和田山連絡ではなく、1本後が和田山連絡なので、寺前まで先行して和田山行きの座席確保にちょうどいいと思っていました。

高架駅になって見違える姫路に着くと、播但線と姫新線は既存ホームのままなので乗り換えが骨です。播但線は103系なのでトイレはないはずと(実はトイレ設置改造を受けた編成もあった)、とトイレに入りましたが、これも快速の車内で聞いた接続が頭に入っての行動。
そして播但線ホームに向かうとあれっ?という光景が飛び込んできました。

突端式のホーム基部にある案内には33分発はなく、次は43分の和田山連絡寺前行きが32番線からです。そして33番線には電車などいません。不思議な気分でとりあえず乗客がかなり乗っている32番線の電車に乗りましたが、改めて持参の時刻表を見て仰天です。


なんと33分発など元から存在しません。1本前は23分発で、トイレに入っている最中に出ていました。
だったら快速車中の放送はなんだったのか。実は前夜遅くまで三宮で飲んでおり、二日酔い気味だったこともあり、それが原因の聞き間違えだったか、と最初は思いました。

ところがホーム上ではどうも「ご同輩」がいるようです。
初老〜中年の複数のグループ客が、32番線の電車に人が乗っているのと、33番線に電車がいないのを見て怪訝な顔をしています。「33分発」の声も聞こえており、どうも聞き間違えではなく本当だったようです。
高架化されるので設備は最小限にしたのか、ホーム基部にLED案内表示器がある反面、ホームには時刻表が見当たらず、ホームで思案顔の集団がそこかしこに見えます。ホームに駅員はおらず、連絡通路、改札側に近いホーム基部側はワンマンのため車掌もおらず、手近なところには聞くべき人も見あたりません。

やがて33番線に姫路止めの電車が入り、グループ客は、やっぱりこっちがある、と乗り込みましたが、回送になるという注意でもあったのでしょうか、すぐ降りてきました。
やがてこちらの電車に乗ってきましたが、少なくとも20人は同じような行動をしており、幻の「33分発」に振り回された格好ですが、あの単純ともいえるミスがここまで大勢を惑わしたわけです。時刻表を確認すれば、と言っても、その日その時にその会社から案内があったら、そちらが正だと思うのは誰にも責められません。

まあ今回は寺前止めだけですから、被害は最小限だったのですが、これがもし和田山連絡便であったらと思うとぞっとします。本数の多い電車区間で無いだけに、細心の注意が必要です。

さて電車は寺前に着き、和田山行きのDCに乗り換えです。
対面接続が基本であるのは良いのですが、ステップのない電車用ホームとステップ付きの気動車用ホームを対面接続にするため、ホーム上に段差があり、それを解消するためスロープ通路があるのですが、それが線路に並行方向になっているため、目の前の列車に乗り換えるのに、通れる箇所が限定されているのです。これでは平行移動できる対面接続の良さを殺してしまっており、かつ今回のように乗客が多いとホーム上で行列が出来るという不可解な現象が現実に発生します。

さて和田山行きはなんと単行。先発電車からの乗客が既に席を占めているうえに、ここまでの電車に立客がいただけに、DCの車内は通路にもびっしり埋まってしまいました。
この日はどうも生野でウォーキング関係のイベントがあったのでしょうか、結果から言うと生野で半分程度が降りましたが、なぜに2両にしなかったのか。生野を出ても座席定員オーバーの状態は解消されずに和田山に至りました。

ここはせめて他列車のように2両運行に出来ないのか。夕方の帰りは2両でしたが、空いているように見えてもし単行なら座席定員をオーバーするレベルだっただけに、単行は行き過ぎではないのか。
もちろん18きっぷ利用での通過というのが多いことは事実ですが、2両連結にするというのは過大な対応でもないだけに問題でしょう。

それにしても50人以上は降りた生野が気になりますが、もし大会というような明らかに大人数の参加が予想されるイベントであったら増結手配をしてほしかったです。

幸いあれやこれやあったのは播但線まででしたが、どうも不手際が目立った道中でした。
特に姫路の一件は、本来名指しで非難するようなことは書くべきではないとはいえ、お粗末なミスであり、かつ予想外に大勢の乗客に影響したことを考えると、うやむやにさせるべきでは無い事例であり、敢えて今回こうした形で公開しました。




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