最近、フリーターが増えている。
フリーターというのは、フリー(free)とアルバイター(arbeiter)を合体させた言葉で、手短に言えば、「正式に就職しないで、アルバイトを続ける労働者」ということだ。ニュースによると、フリーターは150万人を越えたそうである。非常に大きな数字である。150万人というのは、現在の若年層の一世代の人口と同じである。
彼らは高校や大学、または専門学校を卒業しても、まっとうに正業に就かないで、レストラン、ファーストフード、コンビニなどでパートで働くのである。働かない連中もいるようだ。彼らは正業につかない理由として、次のようなことをあげている。
(1)自分が何をしたいのか分からないので、それが見つかるまでとりあえずアルバイトをする
(2)一つの正業に就くということは、ほかの可能性を捨てることだから、それが怖い。
(3)なんとなく正業には就きたくない。
「何がしたいのか分からない」というのは、自分のやりたいこと、自分に向いている仕事が見つからないということだろう。気持ちは理解できるが、そんな幸せな仕事をしている人がたくさんいるとは思えない。
一つの仕事を選べば、当然その他のものを捨てることになる。その恐怖心は分かる。しかし、いつまでもそんな贅沢なことは言っていられないだろう。
「青い鳥」の童話ではないが、「いい仕事」なんて、けっこう自分の目の前にあるのかもしれない。ひょっとすると、今フリーターでやっている仕事がいちばん合っている仕事なのかもしれないよ。 |
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