このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

おもしろトピックの家


おもしろトッピク(19): 先生が「うどん屋」で修行するんだって!


 なんともユニークな事件である。うどん屋の店員と学校の先生はどのような関係があるのだろうか。

 事件を説明する前に、この学校(大阪南部の私立学校)の新しい理事長さんについて少々説明する必要があります。

 この新しい理事長A氏はもともと大阪で米屋さんを営んでおりました。そして1971年、外食産業界に進出し、うどん店第一号店を奈良市に出店しました。その後、事業を全国に広げ、現在、この外食チェーンうどん店は520店舗に増加し、Aさんはそのオーナーとなっています。この業界ではいわゆる「立志伝中の人物」なんだそうです。

 
 一方、話題の私立学校は前の理事長がなんと「財テク」に失敗し、経営危機に陥ってしまいました。学校の先生というのは、学校の外にでると、とたんに世間知らずになってしまう人が多いようです。この場合も、慣れないことをしてやけどをしたようです。

で、この学園の再建を要請されたのが、新理事長のAさんでした。新理事長は見事に学園の経営を建て直し、現在も理事長としてがんばっているというわけです。

 この理事長が去年採用した教師採用システムがこの問題の「うどん屋で修行」であります。





  教員はまず1年目は試用期間として学園が常勤講師の待遇で採用します。二年目からはうどん店の正社員に身分を移し、うどん店から学校に5年間出向するという形になります。

 出向教員は学校の現場で上司から「能力が低い」と判断された場合には、出向が終わった時点で、うどんチェーン店に戻り、教職以外の仕事が与えられます。反対に評価の高い教員は、5年ごとに期間を更新し、引き続き教壇に立っていけるんだそうです。

 ただし、このシステムができる前に採用された教員に対してはこのシステムは適用しないということです。



 
 
 A氏は「この制度のねらいは、やる気のある先生集団を作ることだ」と言っています。また、「理事長に就任以後、教育界の悪いところをいろいろ見てきた。努力しないで、教職に居座ることのできるような現状はいけない。

教員として能力のない者には新天地を与えて、別の能力を引き出してやることこそ人材育成だ。この制度については本人たちから了解をとっている」と話しているそうです。











先生はやはり教室で働くのがいちばんかな!


 これに対して、組合は 「このままだと学園は全員、うどんチェーン店の社員で占められてしまう。ワンマン社長、ワンマン理事長の顔色をうかがうような職場になれば、教師が生徒の気持ちをくむことなどできなくなる」と訴えています。

 さて、この理事長の考え方、あなたはどう思いますか。

(2000年10
月10日の朝日新聞を参考にしました)


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