このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

そうです。これは「サランラップ」です。でも、「サランラップ」って、いったい何でしょう。


  「サランラップ」は一般名詞ではありません。株式会社「旭化成」の商品名なのです。では、その由来は? 旭化成のホームページから紹介します。

 「サランラップ」はいきなり誕生した商品ではありません。20世紀初頭世界初の合成樹脂ベークライトが誕生しますが、以来アメリカでは合成樹脂の研究を熱心に進めていました。その研究の成果が(ポリ塩化 ビニリデン)という形で実を結び、この合成樹脂をアメリカは戦争に活用しました。

この合成樹脂は、太平洋戦線で兵士を悩ませた蚊から身を守るための蚊帳、ジャングルを行進する兵士を水虫から守る靴の中敷き、銃や弾丸を湿気から守るための包装フィルムなどが 、主な用途だったそうです。


 戦争が終わり、フィルムに様々な改良がなされましたが、ナチュラルチーズを包装する以外に用途が見つかりませんでした。

 1940年代後半のある日、フィルム製造メーカーの職長を務めていたラドウィック、アイアンズの二人は、妻を伴って近所の人々とピクニックに出かけました。ラドウィックの奥さんは、たまたま夫が会社で作っていたフィルムにレタスを包んで持っていきました。すると「このラップとてもきれい。どこで手に入れたの?」「私も欲しい。どこで売っているの?」と大変な評判になってしまいました。

 そこでラドウィック、アイアンズの二人は、驚き、早速翌日上司に報告し、クリング・ラップ・カンパニーを設立して開発に着手し、ダウケミカル社から取り寄せた樹脂のロールを紙管に巻き付けて箱詰めし、サランラップ第1号が完成したという訳です。


 完成すると近郊の都市でも試験的に販売され、結果は上々でした。 名前もラドウィック、アイアンズの二人の妻サラ(Sarah )とアン(Ann)にちなんで「サランラップ」と決定されました。

 発売から2年後の1952年にはダウケミカル社が生産を担当し、サランラップは全米に進出することになります。

 日本では、1952年に旭化成とダウケミカル社との提携により、折半出資企業「旭ダウ(株)」が設立され、1960年(昭和35年)にサランラップを発売開始いたしました。

 日本での発売当初(1960年)は・・・ と言うと、
 冷蔵庫が普及し、レンジなどの台所製品も普及していたアメリカと違い、日本では、発売当初、何に使う物か、ほとんどの主婦はわからなかったといいます。

 1960年当時の日本の冷蔵庫普及率は10%でした。
また、大卒初任給(全国平均)は13030円。郵便はがきは5円でした。サランラップは30センチ幅、長さ7メートルで、値段は100円でした。

 その後、昭和40年代になり冷蔵庫の普及率が50%近くなったころから、「サランラップ」の価値が評価されはじめるようになりました。

 昭和50年代に電子レンジの普及とともに第2の伸張期を迎え、安定した伸びを見せながら現在に至っています。

 野菜や魚を包んで冷蔵庫に入れたり、「サランラップ」をかけて電子レンジでチンしたり・・・

 昭和54年(1979)にサランラップ販売(株)が販売を行う体制がとられ、生産体制は昭和57年(1982)旭ダウと旭化成が合併してからは、旭化成で一貫生産されています。
・・・そして 今では、ラップフィルムというより「サランラップ」などの名称で親しまれ、食品保存には欠かせない商品です。

データ(1960年)
新卒初任給 大卒 13030円
高卒 7740円
中卒  5760円

郵便葉書 5円
封書   10円
理髪料(最低で) 160円
かけそば  30円
かけうどん  30円
ラーメン  35円
コーヒー  50円
カレーライス  50円から100円

(当時の100円は今の1000円より価値があった

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