このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
中国(杭州・紹興・上海)−5 西湖十景編(その2)
< ③曲院風荷 >
10時30分 : 曲院風荷
岳廟から湖畔に戻って、西湖十景の観光再開である。
曲院風荷
曲院風荷は、ハスを中心にした公園である。園内の池は一面がハスである。ハスの花が咲いている季節に行くと、ハスの香りが漂うそうだ。
一面がハスである。
曲院風荷から見た蘇堤
< ④蘇堤春暁 >
蘇堤は、北宋の政治家であり、詩人としても名高い蘇軾(1036−1101)の名を取ったものである。蘇軾は別名「蘇東坡」という。
当時の北宋は、王安石が率いる新法党と司馬光が率いる旧法党が対立していた。蘇軾は旧法党に属していたため、新法党が実権を握ると左遷され、旧法党が実権を握ると中央に復帰し、再度新法党が実権を握ると左遷された。蘇軾は、杭州に知事として二回赴任しているようである。この「知事」と白居易が務めていた「刺史」とは同じものなのかがよく分からない。この辺になると専門書でないと調べられないようである。
蘇軾が知事のときに、杭州の人民を動員して西湖の浚渫を行い、掘り出した泥で作られた堤が蘇堤である。いわば治水工事の副産物である。
蘇堤
ところで、この蘇堤は南北に長さ2.8キロの堤である。岳廟側に「自転車は走ってはならない」というふうに読める看板があり、自転車の上に×マークまで描かれている。にもかかわらず、中国人は平気で自転車に乗っていた。警察官らしき人も注意しない。僕の看板に対する理解が間違っていたのか、中国人がそんなの気にしないのか、どちらであろうか。
また、2.8キロ歩いたのだが、石碑が見当たらなかった。見落としたのかと思って夕方に再度レンタサイクル(やはり誰にも注意されなかった)で走ってみたのだが、見付からない。
代わりといってはなんだが、岳廟の反対側、つまり歩ききったところにある石碑を掲載したい。
石碑
蘇堤を渡り切ったところに、蘇東坡紀念館があり、庭には銅像が立っている。内部には絵や書が展示されているが、小さな紀念館なので展示作品数は少ない。
蘇軾(蘇東坡)像
用語集では「蘇軾」が用いられているが、杭州では「蘇東坡」の方がよく用いられるようである。なにしろ、「東坡肉」という彼の名を取った料理があるくらいである。これは写真を撮ってきたので、別のページでご紹介したい。
さて、蘇東坡の詩で一番有名なのはこれであろう。
春夜 蘇軾
春宵一刻直千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈
「書き下し文」
春夜 蘇軾
春宵一刻直(あたい)千金
花に清香有り月に陰有り
歌管(かかん)楼台(ろうだい)声細細
鞦韆(しゅうせん)院落(いんらく)夜沈沈
「訳」
春の夜は、ひとときが千金にあたいするほど気持ちの良いものだ。
花には清らかな香りがあり、月はおぼろにかすんでいる。
先ほどまで高どのの上で歌を歌い笛を吹き、にぎやかであったが、今はしずまり、
女達の戯れていた庭のブランコもしずかに垂れて、夜は静かにふけていく。
書き下し文と訳は こちらのホームページ を参考にさせていただきました。
この詩がいつ頃書かれたのか、はたして杭州の春の夜のことを書いたのかは分かりません。判明しましたら掲載します。
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |