このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

南アフリカ−6 ケープタウン旅行編(その1)

  2000年4月上旬。2回目の南ア出張で初めての休日を迎えた。今回は土日出勤ということもなく、久し振りの連休である。同行のオーストラリア人M氏と連休の過ごし方を相談したところ、以下のような提案があった。
"Hey Torabane, we must go to Cape Town to refresh."
"Yes. I completely agree with you."
 南アまで来て休日を返上しているのにプロジェクトが思うように進まず、そのために南アと日本の板ばさみになっていた。そのうえ、ホテルとオフィス以外の場所を歩けないという生活が2週間も続いていた。この閉塞的な生活が続くのは耐えられず、誰がなんと言おうと我々にはリフレッシュが必要である。それにはやはり旅行が一番であろう、という理論を我々は構築した。
  ケープタウン訪問が今回の出張の真の目的とさえ言える。「ケープタウンに行かないと、南アフリカの本当の良さはわからない。」と上司も言っていた。「地球の歩き方」もケープタウンからページが始まっている。写真を見るだけで溜息が出るほど美しい場所である。こういうときにNative English Speakerがいるのは心強い。M氏が飛行機からホテルまで全てアレンジしてくれた。もちろんケープタウン旅行は日本のオフィスには内緒である。仕事相手にも固く口止めした。週末はどうするんですか?などというメールが日本から入ってきたがとりあえず黙殺した。
  金曜日に仕事を終えてからヨハネスブルク空港に直行した。ヨハネスブルクからケープタウンまでは飛行機で2時間である。空港で我々はレンタカーを借りた。ケープタウン市内まで車で約20分の距離である。道路は非常に整備されていた。
  夜8時30分頃にチェックインし、休憩もせずにウォーターフロントに繰り出した。ウォーターフロントとは港に隣接したショッピングモール&レストラン街である。ケープタウンも危険度1に指定されているものの、モール内は比較的安全である。少なくともヨハネスブルク中心街よりはかなり安全という印象を受けた。ウォーターフロントは屋外を歩けるのがすばらしい。2回の南ア出張で初めてのガイド無しの散歩であった。夕食を取ったあと、M氏と男二人でベンチに座り、アイスを食べながら港の夜景を眺めた。生まれて初めて見る大西洋である。波の音が聞こえ、夜風が心地よい。やはり人間は水を見るとリラックスするものらしい。いよいよ明日は夢にまで見た喜望峰である。ベンチに座りながら、2人で約束した。明日から2日間、仕事の話しは一切しないと。 (続く)



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