このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

アンコール遺跡−8 アンコール・ワット編(2・壁画西南)

 第一回廊はほぼ正方形であり、1辺の長さは約200メートルである。したがって1周すると約800メートルである。1辺は2つに分けられており、合計8つの壁画がある。
  バイヨン のページでも書いたが、アンコールワットの壁画は宗教・政治色が強い芸術的なものであり、バイヨンの壁画はより庶民的であると言える。

 第一回廊の入口から右に進むのが順路であるようだ。8つの壁画を、以下のような順番で見ることになる。やはり建立当初である12世紀半ばの壁画のほうが高く評価されている。

西面南側12世紀半ばマハーバーラタ(カウラヴァ軍とパーンダヴァ軍の決戦)
南面西側歴史回廊(スールヤヴァルマン2世軍隊の行進)
南面東側天国と地獄
東面南側乳海攪拌
東面北側16世紀ヴィシュヌ神と阿修羅の戦い
北面東側クリシュナとバーナの戦い
北面西側不老不死の薬アムリタをめぐる神々と阿修羅の戦い
西面北側12世紀半ばラーマーヤナ(ランカー島の戦い)




<西面南側・マハーバーラタ>

 ヒンドゥー教の聖典である「マハーバーラタ」は、世界史用語集では「北インドのバーラタ族間の戦闘を歌った大叙事詩。3世紀ごろまとめられた。」といういたってシンプルな説明であった。
 調べてみると、パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家の間に起った同族間戦争を主題とし、さらに様々な伝承やヒンドゥー教の説話、詩などが付け加えられているとのことである。原文はサンスクリット語で書かれ、全18巻である。

壁画は長大な作品である。

 壁面では、左からカウラヴァ軍、右からパーンダヴァ軍が進軍している。両軍とも指揮官は馬車に乗り、その下に歩兵が描かれている。整然とした行進である。その両軍が、中央で激突している。まさに両軍入り乱れての大乱戦である。

 観覧する順番は、カウラヴァ軍→激戦→パーンダヴァ軍となる。

カウラヴァ軍パーンダヴァ軍

大乱戦

 戦闘の結果、パーンダヴァ軍が勝利したそうだ。


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