このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

南アフリカ−10 お宅訪問編

  仕事相手のお招きに預かり、お宅を訪問する機会を得た。ケープタウンに行った以外はホテルとオフィスの往復なので、外に出る機会は非常にありがたい。他の仕事相手も夫婦同伴でA氏のお宅に集合となった。噂に聞いていたホームパーティーと言うものだ。
  当日の木曜日、A氏は15時くらいに仕事を切り上げて、パーティー準備のためにさっさと帰ってしまった。この辺の感覚はやはり日本人とは異なるようだ。A氏のお宅は行政上の首都プレトリア郊外の閑静な住宅街に有る。家の前に着いたことを携帯で連絡すると、鉄製ゲートがガラガラと音を立てて開き、電灯が点いた。駐車場は3台は余裕で停めることが出来る広さがあり、青々とした芝生(夜なので色は良くわからないが)を張った庭があり、空を見上げれば満天の星が光っていた。
  家の中も案内していただいたが、部屋数は7〜8室有ったと思う。1歳くらいの息子の部屋が、僕が現在住んでいる独身寮よりも広いのには複雑な気分になった。コンピューター専用の部屋が有るのがプログラマーらしい。家の中にも強盗防止の鉄製扉が有るのが南アらしさを醸し出している。夫婦の寝室は鉄製扉の中に有り、奥まった安全な部屋であった。もちろん外から入ってこられないよう、寝室に窓は無い。日本の感覚では豪邸だが、南アの白人レベルでは平均的だとのことである。確かに驚いているのは僕だけだった。
  食事は3夫妻と独身のC氏、ケープタウンにも同行のM氏、僕の9人で取った。家の中に9人が食事を取れる広さのテーブルと椅子があり、かつ食器も用意してあると言うことは、彼らはこういうホームパーティーを催すのが好きなのだろう。A氏はキリスト教信者なので全員で食前の祈りを捧げなければならず、僕も見様見真似で参加した。メニューはサラダ・ライス(日本のものとは種類が違うサラサラした黄色い米・サフランライス?)・挽肉入りパイのようなアフリカ料理だった。デザートはとても甘いアイスクリーム。酒は南アのビール(Amstel)と赤ワイン。どれもおいしかった。
  食事の後はビデオ鑑賞だ。彼らが3月に日本に着たときに、M氏と僕がアテンドして箱根と横浜に連れていったのだが、そのときのビデオを皆で見た。ヨハネスブルクは雪が降らないらしく、箱根の大湧谷で雪を見た彼らが異常にエキサイトしている姿が映し出された。芦ノ湖遊覧船の中で僕は寝ていたのだが、彼らは甲板に出たり、ぐるぐる歩き回ったりしていた。また、基本的に南アは土地が余っているので高層ビルがない。したがって横浜のランドマークタワーも感心していた。エレベーターの速度にも驚いていた。また、残念ながらこれはビデオには映っていなかったが、彼らは六本木も非常に喜んでいた。夜中に平気で道を歩けると言うのが素晴らしいことであり、夜中に人が溢れているというのが信じられないことらしい。
  プロジェクトは順調に遅れていったが、プログラマーと仲は深まっていった。その一方で僕の体重は順調に増加していった。




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