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南アフリカ−13 隣国ナミビア編(その2)
2000年4月21日(金)、O氏と僕はナミビアの首都Windhoekの空港に下り立った。空港の周囲に建物は一切見当たらない。日本の地方空港よりもはるかに小さいが、れっきとした国際空港である。空港から市街地まで45kmである。とりあえず2人でタクシーに乗って、予約したホテルに向かった。タクシーは順調に走り出したが、前の車を追いぬくどころか、対向車ともほとんどすれ違うことがなかった。時速80キロくらいでタクシーをかっ飛ばして30分のWindhoekの市街地に着くまで、ついに一つの信号も無かった。
我々の到着した日はナミビアでも祭日だったため、全ての店が閉まっていた。銀行はともかく、ホテル内のテナントすら閉まっている。フロントに確認したところ、オプショナルツアーのようなものはないらしい。そもそもWindhoek周辺には見所も無いようだ。ナミビアの見所と言えばナミブ砂漠とエトーシャ国立公園だが、両方ともWindhoekからまた飛行機に乗らねばならない距離である。O氏と僕は途方に暮れた。ここで4日間、どのように過ごしたら良いのか。
2人でとりあえずホテルの周りを散歩してみた。散歩が出来るというだけでヨハネスブルクよりはましである。ところどころに機関銃を抱えた兵士が立っているので、強盗に襲われるような心配はしなくてよさそうだ。Windhoekの人口は約20万人だが、その割にはメインストリートも短い。ましてや夜のネオンなど存在しない。店が全て閉まっているためか、人通りも少なく、車すらあまり走っていない。以前はドイツの植民地だったと言うことで、街並もドイツを模して整然としているのだが、一時間もしないで市街地を一周できてしまった。全然時間が潰れない。一国の首都なのに、あまりにも静かだ。
19時から夕食に出かけた。レストランは幸いなことに何軒か開いていた。ドイツ料理のレストランでワインを飲む。メインストリートに面したレストランの2階のテラスにある席に座ったのだが、物音がしない。テラスには何席かあるのだが、他に客はいない。店にBGMすら流れておらず、とにかく静かである。いかんせん他にすることが無いのでゆっくりと食事を取った。ワインを飲んで寝るしかない。
翌朝7時、O氏からの電話で目が醒めた。彼はヨハネスブルクへすぐにでも帰りたいという。彼は一刻も早くメールを見たかったのだが、ホテルの電話が旧式でモジュラーなど使っていないためにインターネットに接続できない。彼は本プロジェクト以外に通常の売買も引き続き担当しており、重要なメールが入っているはずというのである。ホテルの事務室などにも入ってみたのだが、アクセスできなかったと言う。ホテル内のビジネスセンターがあと2時間したら開くのだから待ってみてはどうか、と僕から提案してみたものの、気になってしょうがないという回答である。空港に問い合わせたところ、2時間後くらいのヨハネスブルク行きに空席があるということで、O氏は急遽引き返すことになった。その仕事に懸ける情熱は見習いたいものだと思う。
この事件で痛感したのだが、パソコンを持ってインターネットにアクセスさえ出来さえすれば、地球上どこにいても仕事は出来る。ただ、反対にインターネットにアクセスできなければ、たとえ東京にいても仕事は進まない。パソコンとインターネットがいかに大切か、あらためて認識した。僕のほうは日本から指示を受けてもプログラマーが休んでいるのだから、何もプロジェクトは進まないという理由でナミビアに残ることにした。全然時間もつぶせない国で、3日間一人で過ごすことになった。
(続く)
Windhoekのメインストリート。高いビルが僕が宿泊したホテル「Karahari Sun」である。
メイン・ストリート
Windhoek駅
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