このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

イタリア3 サン・マルコ寺院編

 
  鐘楼 を下りてからコッレール博物館に行き、昼食をとってからサン・マルコ寺院を見学した。14時30分くらいだったと記憶している。ホテルのフロントの言った通り午後まで待ったところ、ほとんど並ばずに入ることができた。

 サン・マルコ寺院の歴史は、鐘楼よりも古い。西暦828年、エジプトのアレキサンドリアは当時イスラム化が進んでおり、ヴェネツィアの商人2人(Buono da Malamocco と Rustico da Torcello)がサン・マルコの遺骸を略奪や破損される前に買い取った。税関では豚肉と嘘をついて通過し、ヴェネツィアまで運び込んだのは828年1月31日のことであった。

 マルコといえば、マタイ、ルカ、ヨハネと並んで福音書を書いた使徒である。マルコ伝は西暦65年くらいに記述されたものとのこと。イエスの死後30年以上経過していたということになる。当時のキリスト教はまだ力を持っていない新興宗教であった。313年にローマのコンスタンティヌス帝がキリスト教を公認し、392年にテオドシウス帝が国教化。その後も信者を増やしていく。

 サン・マルコ寺院は1063年に建設が始まり、1094年に完成。その後建増しや修復を重ねてきたそうだ。 

 下の写真は、正面から寺院を撮影したものだが、もっと離れたところから全体が入る構図で撮りたかった。言い訳になるが、下の写真を撮影した僕のすぐ後ろ(すなわち鐘楼の下)で工事が行われていたのだ。そのスペースがなかった、と言い訳したい。また、写真左上の部分に写っているが、寺院の屋根も工事中であった。

正面

屋根モザイク

 サン・マルコ寺院は正面だけでなく、右からも美しい。入場料は無料だが、中で料金を払うと2階に登れ、テラスに出ることができる。左下の写真で、ほぼ中央に手すりが見えると思うが、ここがテラスである。

右からテラスから

 鐘楼からサン・マルコ寺院を見下ろすと、ドームが5つあるのが見える。由緒正しきビザンティン形式だそうだ。

鐘楼から

 屋根の上にある4頭の馬も歴史的芸術品だ。現在屋根の上にある4頭はレプリカで、本物は内部にある。撮影禁止なのが残念だ。
 サン・マルコ寺院の ホームページ によると、4頭の馬の製作年代は紀元前5世紀から紀元4世紀と幅広い(900年!)。少なくとも1,500年前とは思えないほど、馬は精巧に作られていた。この馬はもともとコンスタンティノープルの競技場に有ったのだが、1204年の第四回十字軍でヴェネツィアが戦利品として持ち帰ったものだ。1797年12月、ナポレオンがヴェネツィア共和国を降伏させた戦利品としてパリに送った。1815年にナポレオンが失脚すると、4頭の馬も返還された。それ以来、本物は寺院の内部、レプリカがテラスに展示されている。このレプリカでさえ、すくなくとも200年近くの時を経ていることになる。

馬のレプリカ

 サン・マルコ寺院の見学は1時間ほどかかった。内部は厳粛な雰囲気である。絵画に興味をお持ちの方は、天井画をじっくりと見るだけでかなりの時間を費やすことになるので要注意だ。



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