このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

香港−4 トラム編

 それはQueenswayを歩いているときであった。僕は独創的なビルを捜し出すことに集中していた。もっとインパクトのあるビルが欲しい。そんなことを考えながら歩いているとき、一台のトラムが僕を追い越していった。何気なくそのトラムに目を向けた僕は驚愕した。日本でもおなじみのキャラクターがそこには描かれていた。慌てて写真を撮ろうと思ったが間に合わず、トラムは遠くへ走り去ってしまっていた。

 ここでトラムについてご説明したい。トラムとは2階建て路面電車である。香港島のKennedy TownとShau Kei Wanの間を運行している。速度もゆっくりなので、香港島の市街を観光するにはうってつけである。2階に座ると、香港名物の路上にせり出した看板にぶつかりそうな感じがする。

これが基本形だ。やはりこの車輛が一番多い。このように車輛に宣伝が入る。日本の銀行で見かけたのは三和銀行だけだ。このトラムもいずれはUFJに名前を変えるのだろうか。

 先程のキャラクターを目撃した僕は、なんとしても写真に撮り、トラムのページを作成することを決意した。立て続けに撮ったのが上の2枚である。その他にも英会話のイーオンやキャノンのデジカメなどのトラムを見つけることが出来た。ところが、お目当てのトラムがなかなかやって来ない。このトラムを撮らなければ、ページを作成する意味が無い。おそらく10分ほど待ったと思うが、成果は得られなかった。まだビルの撮影という仕事も残っており、ビクトリア・ピークにも行かねばならない。ここはいったん撤収することとした。

 ビクトリア・ピークを観光した後、トラムにも気を配ると言う撮影作業を再開した。トラムの速度は乗り物としてはゆっくりとは言え、人間よりは速い。したがって、僕の後ろからトラムがやってきた場合、トラムが僕を追い抜いてからカメラを出していたらシャッターチャンスは無い。後ろからトラムが来る音がしたら振り向いて準備をしなければならないのだ。前方に視線を向けて独創的なビルと前からやってくるトラムを探しながらも、後ろからやってくるトラムの音にも気を配らなければならない。前方を凝視し、かつ背後からトラムの音が聞こえたら俊敏に振り向く。もちろん右手は胸のポケットに入れてあるデジカメを取り出す準備をしている。ハンターにでもなったような気分だ。狙った獲物は逃さない。それでも、トラムはやって来なかった。

 それは 前のページ のThe Centreの写真を撮った後だった。ビルを下から撮って道路に戻ったまさにそのとき、目の前をあのトラムが横切った。何かが僕に火を点けた。とっさに僕は走り出していた。停留所に行けば追い着くはずだ。革靴で香港の街中を激走する姿には、周囲から見れば鬼気迫るものが有ったに違いない。僕はトラムだけを見つめて走った。頭の中に流れるBGMは「太陽にほえろ!」のテーマだ。気分は痩せている頃の ラガー だ。

 やっと追いついて撮った写真がこれだ。
おなじみの男の子が写っているのに注目していただきたい。彼に名前はあるのだろうか?ちなみに左側の写真右下の看板のように見えるのが停留所である。

 僕は狙った獲物を仕留めることが出来たという充実感に浸っていた。そのとき、目の前にラッパのマークが見えた。慌てて撮った写真がこれだ。
間に合わなかったため前方からの写真は無いが、ラッパのマークが前方にも描かれていたはずだ。

 「これは神様がくれたご褒美かもしれない。」とそのとき思った。


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