中国−２　機内編

　出発前日から台風が気になってはいたものの、３０分程度遅れただけで無事に離陸した。揺れが心配だったが、熟睡していたので全然気にならなかった。目が覚めたらもう雲の上で、機内食を配り始めていた。何気なくヘッドホンを取ってチャンネルを適当に回したところ、懐かしいメロディが耳に飛び込んできた。柏原芳恵の「ハロー・グッバイ」だ。懐かしい。僕の記憶が正しければ、この歌は麻丘めぐみのアルバムの曲をリバイバルしたものである。
　チャンネルをそこで止め、次の曲を待つ。またまた懐かしいメロディが流れてきた。石川ひとみの「まちぶせ」だ。つい一緒に口ずさんでしまう。
「♪あの娘が急になぜか　きれいになったのは　あなたとこんなふうに　会ってるからなのね」
　悲劇はそのとき起きた。
「♪好きだったのよ　あなた　胸の奥でずっ　えー機長でございます。ただいま高度１万メートルの上空を時速ＯＯｋｍで飛行しております。」
　引っ込め機長！！普段はクールな僕が、心の底から怒りを感じた瞬間だった。俺はまちぶせを聴きたいんだ！ちなみにこの歌は三木聖子のリバイバルである。
　その次の曲は、イントロでは分からなかった。曲が始まっても声が小さくてよく聞き取れない。ボリュームをアップしたところ、ちょうどサビに入るところであった。南野陽子の「楽園のＤｏｏｒ」だ。これまた懐かしい。「おまんら、許さんぜよ！」とナンノが啖呵を切る姿が目に浮かんだ。僕はてっきり「スケバン刑事２」の主題歌だと思っていたのだが、これはスケバン刑事映画版の主題歌だったらしい。調査によれば、「スケバン刑事２」の主題歌は「なぜ？の嵐（吉沢秋絵）」→「悲しみモニュメント（南野陽子）」→「風のマドリガル（南野陽子）」の順番だそうだ。
　　＜スケバン刑事の整理＞

番組	出演
スケバン刑事	斎藤由貴
スケバン刑事２　少女鉄仮面伝説	南野陽子・吉沢秋絵・相楽晴子
スケバン刑事３　少女忍法帖伝奇	浅香唯・中村由真・大西結花

　ここでＭＣが入った。８０年代アイドル・ベストヒットという番組らしい。その後も敢えてプログラムは見ず、イントロクイズに挑戦した。その日のプログラムは以下の通りであった。

歌手	曲名
松田聖子	渚のバルコニー
柏原芳恵	ハロー・グッバイ
石川ひとみ	まちぶせ
南野陽子	楽園のＤｏｏｒ
田原俊彦	原宿キッス
近藤真彦	ハイティーン・ブギ
イモ欽トリオ	ハイスクール・ララバイ
シブがき隊	ＺＯＫＫＯＮ命（ＬＯＶＥ）
少年隊	君だけに
光ＧＥＮＪＩ	パラダイス銀河
おニャン子クラブ	セーラー服を脱がさないで
渡辺満里奈	マリーナの夏
菊池桃子	夏色片想い
ＷＩＮＫ	淋しい熱帯魚

　実に素晴らしい。欲を言えば、 ８２年組 をもう少し充実させてほしかったところではある。
　僕の理解では、「お茶しない？」という言葉が使用され始めたのは「原宿キッス」からである。また、中学生のとき、同級生が「ＺＯＫＫＯＮってどういう意味ですか？」と英語の先生に質問したのも懐かしく思い出された。

　成田（１１：０５）→大連（１３：０５）は３時間のフライト（時差１時間）である。機内で非常に充実した時間を過ごすことが出来たのであっという間であった。飛行機から眼下に大連市街を臨む。そこには中国と思えない景色が広がっていた。
　（続く）