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台湾−12 九フン編



 2002年11月3日。台北3日目は、九フンに行くことにした。
 九フンのフンは人偏(にんべん)に分という字で、あえて書くとすれば「イ分」となる。この「フン」という字は、貿易の仕事をしていると非常によく使う。なぜなら台湾の株式会社は「○○股フン有限公司」と表記するからである。多用するにもかかわらず、漢字変換できないというもどかしさをお分かりいただけるだろうか。ちなみにもう一つ漢字変換できなくて困る漢字といえば、中国の経済特区深センで、これは土編に川である。

 台北から九フンに行くには結構時間が掛かる。まず台北から基隆まで電車で40分ほどである。基隆駅前からバスに乗って九フンまでは約60分だ。乗換えを考えると2時間は覚悟しておきたい。また、バスは結構アップダウンの厳しい道なので、乗り物酔いをする人は注意が必要だ。

 九フンに着き、まず驚いたのは人の多さである。バス停から基山街に入ったのだが、人が多くて前に進めない。土産物屋が並んでいるので、確かに見ていて面白いのだが、なかなか進めないのには閉口した。

基山街ジュ崎路を上から見る。
ここを下りていくと「小上海」が有る。

 九フンは、映画「非情城市」の舞台となった場所である。左下の写真が映画の舞台となったレストラン「小上海」である。写真中央に「非情城市」と書いた看板があるのだが、小さくて見えないのはご愛嬌だ。

ジュ崎路を下から見る。
右側の店が「小上海」である。
昇平戯院

 写真をご覧いただければ分かると思うが、九フンは坂道の街である。日本で坂道の街といえば、僕が行った中では長崎と尾道である。両市ともに坂の上から見た海が美しいが、九フンもそれに匹敵する美しさであった。

東シナ海を望む。

 最後に注意を一つ。九フンには公衆便所が少ない。バス停のそばに小さいのが有るだけである。これは女性には抵抗ありそうなトイレであり、どこかの店に入るしか手段はなさそうだ。


 

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