このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

南アフリカ−2 諸注意編

 機内で「地球の歩き方」を読んだ。やはり気になるのは危険情報のページである。読んでみると、なんとなく、笑うしかないような気持ちにさせられた。文章をそのままここにコピーしたいくらい、危険さが強調されている。犯罪被害実例では、とりあえず日本人が殺害された事例は載っていないが、そのかわり強盗の事例がずらりと並んでいる。このページを読んだら南アフリカへの旅行者は確実に減ると推測される。とにかく無事に帰りたい。機内でそんなことばかり考えていた。
 そんな悩める僕の気持ちは一切お構いなく、飛行機はヨハネスブルクに着陸してしまった。曇り空がますます憂鬱な気持ちにさせる。税関を抜けて外に出ると、客引きの運転手が待ち構えていた。ここで荷物から目を離すと、あっという間に無くなってしまう。荷物をしっかり持ち、迎えの運転手を探した。車に乗り込み、ホテルに向かう。初めて見る南アの風景。第一印象は、緑が多いということであった。思ったより道路が整備されており、住宅も整然と並んでいる。とても犯罪都市には見えない。 ホテルにチェックインし、とりあえず休憩を取った。ホテルはヨハネスブルクから北に11KMほどの距離にあるサントンにある。現在ヨハネスブルクの中心地は犯罪者の流入により強盗などの犯罪が続発しているため、企業も続々とサントンに引っ越してきている。今年中に証券取引所もサントンに引越しが決まっており、ビルも建築中である。サントンは丘の上にある白人居住区で、以前は黒人の立ち入りが禁止されていたそうである。サントンにはホテルが何軒かまとめて建っており、それぞれのホテルが通路で結ばれている。大規模ショッピングモールも隣接しており、生活には不自由しない。
 その日は日曜日だったが、3時に仕事相手が来てくれた。一緒に昼食を取りながら、南アの生活について講義を受けた。非常にためになるので、ここにご報告したい。ひょっとしたら他の都市でも役に立つかもしれない。

1.絶対に道路を歩かないこと。 
基本的に道路を歩いているのは金の無い人間だけである。金のある人間は車に乗っている。「You must be a target. (お前は標的になるぞ。)」と言われたときはぞっとした。
2.絶対にバスや電車などの公共交通機関を利用しないこと。
公共交通機関を利用するのは、道路を歩いている人間よりは金が有る、というレベルである。日本人がバスに乗ったら、有り金を巻き上げられて裸にされて外に放り出されるだろう。タクシーのほうが比較的安全である。ただ、タクシーの運転手もいつ豹変するか分からない。
3.車に乗ったら必ず窓を閉め、ドアをロックすること。 
交差点には物売りが立っている。窓を開けていると中に手を突っ込まれるので、絶対に窓を閉めておくこと。それでも強引に窓を割られることがあるかもしれないが、そのときは黙って金を出す。周囲の人は絶対に助けてくれない。

ホテルから仕事相手のオフィスまでは車で5分、歩いても15分程度の距離なのだが、毎日ホテルまで迎えに来てくれるということになった。まさに重役出勤だが、別の問題が潜んでいることにそのときはうかつにも気づいていなかった。

南アで買ったサントンの絵葉書

サントン・スクウェア。ショッピングモールが隣接している。ここがレストラン街になっている。

サントン・スクウェア


ショッピング・モール

ショッピング・モール



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